さんふらわあ
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さんふらわあとは、日本を代表するフェリーの船名である。白い船体の側面に大きく太陽（あるいはヒマワリ）ともとれる絵が描かれているのが特徴となっている（後述のように例外もある）。
現在の「さんふらわあ」の商標は、商船三井フェリーが所有している。そのため商船三井系の会社が所有していることが多い（他には同系会社の関西汽船とブルーハイウェイライン西日本が「さんふらわあ」塗装の船舶を運行。また、ダイヤモンドフェリーの新造船も「さんふらわあ」シリーズになる予定）。
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[編集] さんふらわあ五姉妹と黄金期
照国郵船（現：マリックスライン）の子会社である日本高速フェリーが1971年に川崎重工業神戸工場 にて第1船「さんふらわあ」を建造し、名古屋 - 高知 - 鹿児島航路に就航させたのが始まりである。それまでの国内フェリーとは一線を画す豪華な内装、レストランシアター、プールなどの施設を持ち、当時クルーズ客船を持たなかった日本において一世を風靡した。続く第2船は進水当時の船名こそ「さんらいず」であったが、第1船「さんふらわあ」の反響の大きさにより、急遽建造途中で「さんふらわあ2」と改名された。その後、内装をさらに豪華にした「さんふらわあ5」「さんふらわあ8」を東京 - 那智勝浦 - 高知航路に投入、極め付けは直列2本煙突、収納式アンカーなど客船風の外観を持つ「さんふらわあ11」を大阪 - 鹿児島（谷山（後に志布志））航路に投入した。後にこの5隻は「さんふらわあ五姉妹」と呼ばれるようになる。
この時代は毎晩レストランシアターでトロピカルショーなどのイベントが行われ、九州へ旅行へ向かう家族連れなどの人気の的となった。当時の小学生が図工の時間に船の絵を描く際、船腹には必ずさんふらわあの象徴とも言うべき「太陽のマーク」を描いたほどである。
しかし、会社の経営は太陽が昇るようにうまくはいかなかった。まもなく日本を襲ったオイルショックにより燃料費が高騰、多量の燃料を使うフェリーにとっては致命傷になってしまう。また、相次ぐ豪華船の就航（さんふらわあ11の建造費は70億円）により航路需要と採算が合わなくなり、1975年にはついに親会社の照国郵船ともども日本高速フェリーの経営自体が傾いた。
かくして「さんふらわあ五姉妹」は売却・転売を繰り返す数奇な運命を辿る事となる。
[編集] 航路の再編・売却
1976年12月、需要の伸びない各航路を再編し、「さんふらわあ」「さんふらわあ2」を一時的にチャーターに回した後、大洋フェリー（現・名門大洋フェリー）に売却、名古屋航路に「さんふらわあ5」、東京 - 高知航路に「さんふらわあ8」、大阪 - 鹿児島航路に「さんふらわあ11」をそれぞれ配船した。1978年には名古屋航路が廃止となり、大阪航路が2隻体制となった。1990年、日本高速フェリーは日本沿海フェリーに航路譲渡後解散した。
[編集] その後のさんふらわあ
- 瀬戸内海に咲く向日葵
大洋フェリーに移籍した2隻は大阪 - 苅田航路へ投入され、その後関西汽船に移籍（旧：来島グループより傭船）、大阪 - 別府航路へ投入された。なお大洋フェリー時代にプールを屋内化、塗装も赤とオレンジのひまわりマークが蛍光カラーとなった。1998年に引退、現在は後継船の「さんふらわあ こがね」「さんふらわあ にしき」「さんふらわあ あいぼり」「さんふらわあ こばると」が航路を引き継いでいる。 なお、1979年に関西汽船が貨客船「若潮丸」をクルーズ客船に改造、「さんふらわあ7」という船名で国内やアジアを中心としたチャータークルーズに就航していた。
また、ダイヤモンドフェリーでは新造船がさんふらわあ塗装になる（船名は一般公募され、「さんふらわあ ごーるど」と「さんふらわあ ぱーる」になる予定）。
- 太平洋に咲く向日葵
日本沿海フェリー（後にブルーハイウェイラインと改名）に移籍した3隻は、寄航する港の地名に合わせて船名を改名される。 また、併せて日本沿海フェリー所有であった「えりも丸」「おおあらい丸」「さっぽろ丸」も「さんふらわあ」の名称を冠し「さんふらわあ えりも」「さんふらわあ おおあらい」「さんふらわあ さっぽろ」に変更され、船体もさんふらわあ塗装になった。1993年に「（初代）さんふらわあ さつま」（旧さんふらわあ11）「さんふらわあ おおさか」（旧さんふらわあ5）が引退、新造の「（2代目）さんふらわあ さつま」「さんふらわあ きりしま」と入れ代わる。 1997年には東京 - 高知航路の「さんふらわあ とさ」（旧さんふらわあ8）が引退、「さんふらわあ くろしお」と入れ代わる。
2001年に東京 - 高知航路が廃止、「さんふらわあ くろしお」は一時的にダイヤモンドフェリーの故障代船に使われた後、大阪～釜山を結ぶパンスターフェリーに売却された。
現在、ブルーハイウェイラインは解散し商船三井フェリーとブルーハイウェイライン西日本が航路を引き継いでいる。
[編集] 主なさんふらわあ
[編集] 商船三井フェリー
旅客フェリー
- さんふらわあ さっぽろ（元東日本フェリー「ばるな」2005年1月下旬に名称変更）
- さんふらわあ ふらの（元東日本フェリー「へすていあ」2007年1月下旬に名称変更）
- さんふらわあ しれとこ（元東日本フェリー「ニューれいんぼうべる」2007年3月上旬に名称変更）
- さんふらわあ だいせつ（元東日本フェリー「ニューれいんぼうらぶ」2007年3月下旬に名称変更）
貨物フェリー
- さんふらわあ とまこまい
以下2船は「さんふらわあ」の名称が付いているが、船体の側面にはさんふらわあ（太陽のマーク）の模様が描かれていない
- さんふらわあ とうきょう
- さんふらわあ はかた
[編集] ブルーハイウェイライン西日本
- さんふらわあ さつま（2代目） 1993年3月15日竣工、1993年3月24日就航。
- さんふらわあ きりしま 1993年8月26日就航。
- 12,418GT、全長186.00m、幅25.50m、航海速力23.0ノット、三菱重工業下関造船所建造。主機12PC4-2V（過給機付4サイクルV型12気筒ディーゼル、400rpm）×2基 = 25154kW（約34200PS）
[編集] 関西汽船
- さんふらわあ こがね
- さんふらわあ にしき
- さんふらわあ あいぼり
- さんふらわあ こばると
[編集] 引退したさんふらわあ
- 11312GT、全長185.0m、幅24.0m、川崎重工神戸工場建造。1972年2月就航、1998年4月引退。
- 12112GT、全長185.0m、幅24.0m、過給機付4サイクル6気筒ディーゼル（6520PS,400rpm）×4基 = 19181kW（26080PS）、川崎重工神戸工場建造。1972年1月進水（進水時さんらいず）、1972年5月就航、1997年12月引退。1994年から引退までの間、海水を広範囲にわたって継続的に汲み上げモニタリングする国立環境研究所の定期航路船舶を用いた海洋調査が同船を使用して行われた（この海洋調査は「さんふらわあ あいぼり」にて継続）。
- さんふらわあ5（旧：日本高速フェリー→旧：ブルーハイウェイライン）
- 12711GT、全長185.0m、幅24.0m、来島どっく建造。1973年3月3日竣工、1973年3月21日就航、1990.11さんふらわあ おおさかに船名変更、1993年8月引退。その後は SuperFerry（比）の「SUPER FERRY 10」
- さんふらわあ8（旧：日本高速フェリー→旧：日本沿海フェリー＝後に旧：ブルーハイウェイラインに社名変更）
- 12759GT、全長185.0m、幅24.0m、来島どっく建造。1973年7月就航、1990年11月さんふらわあ とさに船名変更、1997年7月引退。その後はSulpicio Lines（比） の「PRINCESS OF NEW UNITY」
- さんふらわあ11（旧：日本高速フェリー→旧：ブルーハイウェイライン）
- 13599GT、 全長195.81m、幅24.0m、最大速力23.2ノット、航海速力22ノット、来島どっく建造。1974年9月9日竣工、1974年10月1日就航、1990年11月さんふらわあ さつま（初代）に船名変更、1993年3月引退。その後はSulpicio Lines（比）に売却され「PRINCESS OF THE ORIENT」としてマニラ-セブ島を結んでいたが、1998年9月19日、台風7号の嵐の中を航行中に沈没し、死者51名、行方不明者216名を出す大惨事となった。直接の沈没原因は荷崩れであったが、フィリピンでの大幅なデッキ増設工事により船体が不安定になっていたとも云われる。
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- 上記五隻を「さんふらわあ五姉妹」と総称する。
- さんふらわあ7（関西汽船）
- 全長136m、幅17m。1973年に奄美・沖縄航路用の貨客船若潮丸（5500トン）として就航。1979年に大規模な改造により「さんふらわあ7」（8000トン）となる。1992年引退。その後は Epirotiki Line（ギリシャ）の「APOLLON」（1992～1995）→Minoan Line（ギ）の「MINOAN PRINCE」（I）（1995年～2002年） → Golden Prince（ギ）の 「GOLDEN PRINCE」（2002年～）
- （初代）さんふらわあ さっぽろ（旧：日本沿海フェリー＝後に旧：ブルーハイウェイラインに社名変更）
- 11067GT、全長164m。1974年8月就航（元：日本沿海フェリー さっぽろ丸）、1998年1月引退。その後はBlue Star Ferries（ギリシャ）の「Blue Sky」
- さんふらわあ くろしお（旧：ブルーハイウェイライン）
- 9723GT、全長160m、22.7ノット、三菱重工下関造船所建造。1997年7月就航、2001年10月航路廃止により失業。現在はパンスターフェリーの「パンスター ドリーム」
- さんふらわあ えりも（旧：日本沿海フェリー＝後に旧：ブルーハイウェイラインに社名変更）
- （元：日本沿海フェリー えりも丸）
- 現在はシャトル・ハイウェイラインの「しゃとるよこすか」
- さんふらわあ おおあらい（旧：日本沿海フェリー＝後に旧：ブルーハイウェイラインに社名変更）
- （元：日本沿海フェリー おおあらい丸）
- 現在はシャトル・ハイウェイラインの「しゃとるおおいた」
- さんふらわあ みと（旧：ブルーハイウェイライン→商船三井フェリー）
- 現在はパンスターフェリーの「パンスター サニー」
- さんふらわあ つくば（旧：ブルーハイウェイライン→商船三井フェリー）
- 現在は「フェリー つくば」
[編集] さんふらわあ画像
 さんふらわあ こばると（姉妹船は あいぼり 関西汽船） |
 さんふらわあ こがね（姉妹船は にしき 関西汽船） |
 さんふらわあ きりしま（姉妹船は さつま ブルーハイウェイライン西日本） |
[編集] さんふらわあにまつわる歌
- 『さんふらわあの歌』 歌・ダークダックス 作詞・サトウハチロー 作曲・中田喜直 編曲・藤家虹二
- 『恋のさんふらわあに乗って』 歌・安倍律子 合唱・サカモト・プリティーズ 作詞・白鳥朝詠 作曲・小室等 編曲・小町昭
- さんふらわあ就航記念 NCS-357 EP盤 非売品 1972年
- 『さんふらわあの唄』（『サンフラワーのうた』） 作詞・増永直子 作曲・渋谷毅
[編集] 登場作品
- テレビ放送・劇場（映画）版で登場（旧：日本高速フェリー時代、四国航路）
- 当時の親会社である照国郵船（現：マリックスライン）のクイーンコーラル（初代）と共に撮影で使用されている（旧：日本高速フェリー時代）
- 劇場（映画）版『秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン!』で登場（旧：日本高速フェリー時代、四国航路）
- テレビ第41話、42話で登場（旧：ブルーハイウェイライン時代、苫小牧航路）
