まんゆうき ~ばばあとあわれなげぼくたち~
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『まんゆうき~ばばあとあわれなげぼくたち~』は、漫☆画太郎の漫画。
目次 |
[編集] 概要
平成6年29号から平成6年50号にかけて「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載された。
タイトルは『珍遊記』のセルフパロディだが、関連性は一部のキャラデザインが共通する程度。
大筋は、仙人の弟子である娘々が、復活した妖怪たちを退治していくというものである。妖怪を操る悪の秘密結社が登場して話は広がりを見せかけたが、画太郎漫画の例に漏れず迷走を繰り返す。
[編集] 評価
主人公の娘々がそれまでの画太郎の作風とかけ離れたかわいらしい風貌をしており、一部で話題を呼んだ。しかし人気は伸びず、単行本二巻ほどで打ち切られる。そのためか、作者自身も各種のインタビューにて本作を失敗作と語っている。 近年、「萌え」という観点から本作を再評価する向きもある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
[編集] 人間
- 娘々(にゃんにゃん)
- 主人公の少女。犬耳のようなヘアースタイルで、丈の短い着物を着ている。仙人の弟子であるため多少の仙術が使えるが、自身の式神に反逆されるなど、腕は未熟。妖怪に勝つときも、偶然が重なって相手が自滅するパターンが多い。真面目で、困った人を見ると放っておけない性格。可憐なデザインに関わらず、よくひどい目に会う。それまでの画太郎キャラとのあまりの画風の違いから「アシスタントに描かせた」という風説が流れ、一部書籍ではそれがまるで事実のように記されたことから、未だにその説を信じている人も多い。
- 蔓々(まんまん)
- 山に住む仙人。数メートルの巨体を持つ老婆。かつて妖怪退治で鳴らした英雄らしいが、妖怪(時として人間も)を食い殺す様は、妖怪よりも妖怪らしい。近隣住民の相談なども受けているようだが、対応は適当である。
- 長老Q(ちょうろうきゅー)
- R村の長老。蔓々の伝説を語り継いでいるが、実際に蔓々を見た事はなく、娘々を蔓々と思い込む。蔓々に連れ帰られる娘々を見て、妖怪に拉致されたと勘違いしていた。名前の由来はチョロQ。
- 大ババQ(おおばばきゅー)
- 長老Qの妻。特に目だった活躍はないものの、オバQに由来する印象ある名前を与えられている。
- A作(えーさく)
- R村の若者。蔓々に助けを求めるべく山を登るが、階段から落下して死亡。名前の由来は佐藤B作か。
- 妖怪じじい
- スプリンターのばばあ
- アビ
- 会社を首になった青年。むしゃくしゃして奇行を繰り返したため、狐憑きと間違われて娘々と母親に折檻される。後の劉備玄徳。
- サンタクロース
- ロリコンの変質者。娘々にプレゼントを渡すが、蔓々に泥棒と間違えられ、トナカイともども殺害される。
- サイババ
- キノコ頭の老婆。きつねが夫そっくりに化けて見分けがつかなくなったため、蔓々に相談した。よく逆上してじじーときつねの頭をぶつける。ババアゾーンのババアと酷似しており、同一人物とする説もある。
- じじー
- サイババの夫。結婚記念日はおろか妻の本名すら忘れていたため、化けたきつねと見分けがつかなくなる。最後はきつねと間違えられて蔓々に食い殺された。
- ぶどう酒屋(ぶどうしゅや)
- アル中(あるちゅう)
- 天下一ぶどう会の参加者。六人居るが、全員が前作『珍遊記』の中村泰造に酷似した容姿で、全く見分けがつかない。対戦表を決めるクジを食う、クジ箱に脱糞する、等の痴態をさらしたため、激怒したぶどう酒屋に全員撲殺された。
- ゴッドベイダー
- Dr.ヘーシー(ドクター・ヘーシー)
- 高木(たかぎ)
- ゴッドベイダー配下で、処女狩り隊員兼カー太郎の調教師。コミックスではデビットの名前で登場。封印の解けたカー太郎に反逆され、一撃で蹴り殺される。モデルは高木ブー。
- 仲本(なかもと)
- ゲル大佐(げるたいさ)
- ゴッドベイダー配下の幹部で、逃亡した試作品妖怪クソザルやクソデブの調査に向かっていた。娘々にやられ腐乱死体になった四体を持ち帰り、蔓々についての報告をしてゴッドベイダーを戦慄させた。最後は基地を守る為に戦おうとするものの孤立し、結局逃亡してしまう。元ネタはゾル大佐。
- 極楽大使(ごくらくたいし)
- ゴッドベイダー配下の幹部。元KGBの殺し屋で、ゴキブリの改造人間。蔓々殺害を命ぜられまんまん山に向かうが、蔓々を見て驚愕し、石段から転げ落ちて複雑骨折と内臓破裂の重傷を負う。元ネタは地獄大使。
- ホワイト将軍(ほわいとしょうぐん)
- ゴッドベイダー配下の幹部。フランス貴族の末裔で、改造人間になる事によりIQ300になる。壁を壊して蔓々討伐に名乗りを上げたが、極楽大使が任ぜられたため、自らが破壊した壁の修理を命ぜられる。最後は基地を守る為に戦おうとするものの、部下に混じって逃亡してしまう。作業面ではあまり有能でないらしく、最後まで壁の修理を終えられなかった。元ネタはブラック将軍。
- ドブロクG(どぶろくげー)
- スス
- ススの母親(すすのははおや)
- 社長(しゃちょう)
- 画太郎(がたろう)
- コミックスのみに登場する。容姿は下着姿の肥満男であったり分断された頭部をペンに刺したデュラハンのような老人の姿であったりする。
- 漫画家(まんがか)
- コミックスの巻末漫画に登場する漫画家。画太郎と同一人物と思われる。夜中、締め切り間際な上、ハエに悩まされてイライラしているところを大家のばばあの偽者におちょくられて大騒ぎする。それによって、起こされて激怒した本物のばばあに撲殺される。
- 大家のばばあ(おおやのばばあ)
[編集] 妖怪
- クソザル
- R村を襲った妖怪の一匹。西遊記の孫悟空をモデルとしたデザイン。分身を生む「モンキーマジック」で村人を苦しめた。糞を投げるため、妖怪からも忌み嫌われている。クソデブの肉で中毒死。その後四体とも長老Qによって埋葬されるがゲル大佐によって掘り返され、ゴッドベイダーのアジトに持ち帰られる。
- クソデブ
- R村を襲った妖怪の一匹。猪八戒がモデル。技は呼吸で突風を起こす「デブタイフーン」。非常に食い意地が張っているが、自身の肉には猛毒がある。クソザルに誤って食い殺された。
- クソハゲ
- R村を襲った妖怪の一匹。沙悟浄がモデル。技は頭から発光して目をくらます「ハゲフラッシュ」。影が薄く使い走りにされていたが、娘々を襲った際に転倒して皿を割り、死亡。
- クソボーズ
- カー太郎(かーたろう)
- 秘密結社ゴッドベイダーの使い魔。からす天狗。はじめは漫画的な顔だったが、娘々の術で封印が解けて精悍な顔つきに。しかし蔓々には鶏肉扱いされ、食い殺される。
- ポックリ大魔王(ぽっくりだいまおう)
- 全ての妖怪を統べる魔王。しかし長年封印されている間に老化が進み、復活時には人間の子供にも負けるほど弱体化していた。娘々に介抱のつもりで聖水を飲まされ、死亡。元ネタはピッコロ大魔王。
- あっぱれ太郎(あっぱれたろう)
- 秘密結社ゴッドベイダー最大の妖怪。蔓々を上回る巨体で、完成すれば一般妖怪の一億倍の戦力を発揮するといわれていた。世界征服にむけ釜の中でじっくりと培養されていたが、覚醒が早すぎたため体が腐り落ちてしまう。元ネタは巨神兵か。
[編集] 動物
- 馬(うま)
- A作がまんまん山に向かうために足として使われた馬。A作死後、まんまん山の前に放置されその後は登場せず。娘々を村まで乗せていってやろうとしたりと、結構優しい性格である。
- トナカイ
- サンタクロースのソリを引くトナカイ。蔓々に恐怖して二足歩行で逃げたが、馬肉扱いされ食い殺される。
- きつね
- 狐。じじーに化けてサイババを化かそうとするが、逆上したサイババに頭を何度もぶつけられる。蔓々が本物のじじーを食い殺したため、恐怖で正体を現した。
- リュウ
[編集] 単行本
- ジャンプコミックス(集英社) 全2巻
- 表紙は二巻とも作品トビラを流用している。尺が足りなかったため、「家・なき子(週刊少年ジャンプ平成7年9号掲載)」と、書き下ろし「ばばあのちえぶくろ」も収録。中でも後者のばばあは、本編キャラを差し置いて二巻の表紙に抜擢された。なお、未だに絶版になっていない。
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