アーセナルFC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アーセナルFC | |
原語表記 | Arsenal Football Club |
---|---|
愛称 | The Gunners |
クラブカラー | 赤と白 |
創設年 | 1886年 |
所属リーグ | イングランドプロサッカーリーグ |
所属ディビジョン | FAプレミアリーグ |
ホームタウン | ロンドン |
ホームスタジアム | エミレーツ・スタジアム |
収容人数 | 約60,000 |
代表者 | ピーター・ヒル=ウッド |
監督 | アーセン・ベンゲル |
アーセナル・フットボールクラブ (Arsenal Football Club) はイングランドの首都ロンドン北部に拠点を置くプロサッカークラブである。愛称は「ガナーズ(Gunners)」。またアーセナルのサポーターのことを「グーナー」という。FAプレミアリーグに所属しており、イングランドで最も成功しているクラブのひとつに挙げられる。しかし資金がそれほど豊富なクラブではないため、ビッグネームと言われる選手を他クラブから引き抜く事はあまりなく、16~20歳前後の若手選手を獲得し育成する手法をよく採ることでも知られる。また過去にはリーグ優勝13回、FAカップ優勝10回と多数のタイトルを勝ち取っている。しかし国内の実績に比して国外での実績に乏しいことから内弁慶と評されることも多い。UEFAチャンピオンズリーグには毎年のように出場しながらも、2005/06シーズンまでベスト4以上に勝ち進んだことがなかったが、2005/06シーズンに初の決勝進出を果たした。
目次 |
[編集] 歴史とエピソード
- 1886年、ロンドン南東部においてダイアル・スクウェア(Dial Square)として創立。1891年Woolwich Arsenal(「-ich」の前に来るwは発音しないため、ウールウィッチではなくウリッチ・アーセナル)と改名。ウリッチには(第一次大戦中、労働者8万人が働いていた)王立兵器工場があり、Arsenal=兵器工場(工廠)、Gunners=砲撃手はここに由来する。第一次世界大戦が勃発した1914年に現在の名称となった。
- 同じロンドンに拠点を置くクラブとしてチェルシー・チャールトンなどが挙げられるが、特に北ロンドンに本拠を構えるクラブ同士としてトッテナムとライバル関係にあるとされる。それをよく象徴するのが、かつて同クラブから移籍してきたソル・キャンベル(ポーツマスへ移籍)に対してスパーズファンから裏切者と呼ばれたという出来事である。両チームの対戦は「ノースロンドン・ダービー」と呼ばれ、マンチェスター(マンチェスター・ユナイテッドvsマンチェスター・シティ)、マージーサイド(リヴァプールvsエヴァートン)と並び3大ダービーの中の一つに数えられている。
- アーセナルは伝統的にフィジカルを前面に押し出した守備的な戦い方で知られており、90年代前半はフェイマス4と呼ばれたトニー・アダムス、スティーブ・ボウルド、ナイジェル・ウィンターバーン、リー・ディクソン(ボウルドのかわりにマーティン・キーオンを入れる説もある。また、フェイマス4にデイヴィット・シーマンを加えてフェイマス5、キーオンまで加えてビッグ6とよばれることもある)を中心とした堅固な守備を誇った。また他チームのサポーターや、攻撃的サッカーを好む一般のマスコミからは「退屈で守備サッカーを展開するチーム」としてややもすると嘲笑の対象となっていた。しかし96年のアーセン・ベンゲル監督就任後はこの伝統の守備的なチームカラーから一転、海外の選手を積極的に補強し華麗なパスワークを武器にした圧倒的な攻撃力を誇るチームへと生まれ変わり、世界中のファンを魅了している。
[編集] 近年の話題
- 2003-2004シーズンにはリーグ戦38試合26勝12分の成績で、1888-1889シーズンのプレストン・ノース・エンド以来、115年ぶりとなる無敗での優勝という快挙を達成した。
- 2005-2006シーズンのチャンピオンズリーグでは連続無失点試合の記録を更新し、スタッド・ド・フランス(パリ)で行われる決勝に初めて駒を進めたが、GKイェンス・レーマンの退場もあり、ロナウジーニョらを擁するバルセロナに2-1で敗れ準優勝に終わった。尚、この決勝に関しては連続無失点記録の立役者であったレーマンの一発退場を試合後に主審が誤審と認めた以外にも、バルセロナのエトオの同点ゴールが明らかなオフサイドで有ったりと、結果的にバルセロナに偏ったジャッジが行われた。またこれらのジャッジを予言するかの様に試合前には線審がバルセロナのユニフォームを着て新聞に出て交代していたりと、アーセナル関係者やファンに大いにわだかまりを残す決勝となった。
- アーセナルのホームスタジアムとして有名だったハイバリーは1913年に建設されたものであり、老朽化の為2006年8月に近くのアシュバートン・グローブに建設された約6万人を収容可能なエミレーツ・スタジアムに移転した。これはUAEの航空会社、エミレーツ航空が命名権を獲得したことによるもので、その契約内容は15年で1億ポンド(約200億円)と巨額なものとなっている。なお、使用されなくなったハイバリースタジアムの跡地にはスタンドの一部を残し高級アパートが建設される。またピッチは中庭となり、そこがサッカースタジアムであったことを感じさせる雰囲気を残す。
- 4年に一度開催される世界最大のイベントであるワールドカップ・ドイツ大会にはこのチームから次の16選手が選出された。(以下のリストは2006年6月時点での所属選手)レーマン、アシュリー・コール、ソル・キャンベル、フィリップ・センデロス、コロ・トゥーレ、ヨハン・ジュルー 、エマヌエル・エブエ、フレドリック・リュングベリ 、フランセスク・ファブレガス、ジウベルト・シウバ 、セオ・ウォルコット、ホセ・アントニオ・レジェス、ロビン・ファン・ペルシー 、ティエリ・アンリ、エマニュエル・アデバヨールと2006年夏に加入したトマーシュ・ロシツキー。また、数少ないアーセナルのイングランド人選手ウォルコットは弱冠17歳で同クラブでの公式戦出場がないにも関わらず選出され、イングランド国内外でサプライズ招集として注目を浴びたが出場する事はなかった。
- 2006-2007はゲーム開始時、ピッチ上にイングランド人選手がまったくいない試合が多く同国きっての強豪チームではあるがしばしイングランド国内において外国人偏重チームと非難されることが多い。
- U-19日本代表で中京大中京高校3年生FW伊藤翔が、2006年8月末に2度目のトライアルを受け、ミニゲームで5得点という成績が認められて、ベンゲル監督から『合格』の通知を受けた。だが労働許可証の問題=A代表で一定の実績がない選手はイングランドで基本的にプロ契約を結べない規則があり、伊藤はフランスのグルノーブル・フット38へ加入した。
- 近年プレミアリーグのクラブを中心に外国人投資家による買収劇が相次いでいるが、ベンゲル監督はこうした一連の動きに対して警鐘を鳴らしている。
- バッキンガム宮殿におけるエリザベス女王主催のお茶会にサッカークラブとして初めて招待された。
[編集] スポンサー
2006-2007シーズン
- NIKE アメリカのスポーツ用品メーカー
- Emirates UAEの航空会社
- ITV イギルスの民間テレビ局
- O2 plc イギリスの携帯電話会社
- LG 韓国の会社
- EDF ENERGY
- Lucozade Sport
- paddypower
- BT
- MasterCard アメリカのクレジットカード会社
- Thomas Cook
[編集] タイトル
[編集] 国内タイトル
- リーグ : 13回
- 1930-1931、1932-1933、1933-1934、1934-1935、1937-1938、1947-1948、1952-1953、1970-1971、1988-1989、1990-1991、1997-1998、2001-2002、2003-2004
- FAカップ : 10回
- 1929-1930、1935-1936、1949-1950、1970-1971、1978-1979、1992-1993、1997-1998、2001-2002、2002-2003, 2004-2005
- フットボールリーグカップ : 2回
- 1986-1987、1992-1993
- コミュニティーシールド : 11回
- 1930年、1931年、1933年、1934年、1938年、1953年、1991年、1998年、1999年、2002年、2004年
[編集] 国際タイトル
- UEFAカップウィナーズカップ : 1回
- 1993-1994
- UEFAカップ : 1回
- 1969-1970
[編集] 歴代使用スタジアム
- 1985年8月1日 - 1987年7月31日:プラムステッド・コモン
- 1887年8月1日 - 1888年7月31日:スポーツマン・グラウンド
- 1888年8月1日 - 1890年7月31日:メイナー・グラウンド
- 1890年8月1日 - 1893年7月31日:インビクタ・グラウンド
- 1893年8月1日 - 1913年7月31日:メイナー・グラウンド
- 1913年8月1日 - 2006年5月07日:ハイベリー
現在のホームスタジアム
- 2006年7月22日 - エミレーツ・スタジアム
なお、UEFAチャンピオンズリーグの開催時はUEFAの規定により『アーセナル・スタジアム』の名称になる。
[編集] 現所属メンバー
- 05コロ・トゥーレ 2002.2 - fromミモザ
- 06フィリップ・センデロス 2003 - fromセルベッテ/アカデミー
- 10ウィリアム・ガラス 2006 - fromチェルシー
- 20ヨハン・ジュルー 2004 - fromアカデミー
- 22ガエル・クリシー 2003 - fromカンヌ/アカデミー
- 27エマヌエル・エブエ 2005.1 - fromベベーレン
- 31ジャスティン・ホイト 2003 - fromアカデミー
- 33マシュー・コノリー 2005.10 - fromアカデミー
- 34ライアン・ギャリー 2001 - fromアカデミー
- 45アルマン・トラオレ 2005 - fromモナコ/アカデミー
- 02バシリキ・アブー・ディアビ 2006.1 - fromオセール
- 04フランセスク・ファブレガス 2003 - fromバルセロナ
- 07トーマス・ロシツキー 2006 - fromドルトムント
- 08フレドリック・リュングベリ 1998.9 - fromハルムスタッド
- 09ジュリオ・バティスタ 2006.9 - fromレアル・マドリー
- 13アレクサンドル・フレブ 2005 - fromシュツットガルト
- 15デニウソン 2006 - fromサンパウロ
- 16マチュー・フラミニ 2004 - fromマルセイユ
- 19ジウベルト・シウバ 2002 - fromアトレチコ・ミネイロ (vice captain)
- 42フラン・メリダ 2006 - fromバルセロナ
- 43マーク・ランドール 2006 - fromアカデミー
- 44ジェイ・シンプソン 2006 - fromアカデミー
- 11ロビン・ファン・ペルシー 2004 - fromフェイエノールト
- 14ティエリ・アンリ 1999 - fromユベントス (captain)
- 25シェイ・エマヌエル・アデバヨール 2006.1 - fromモナコ
- 30ジェレミー・アリアディエール 1999 - fromアカデミー
- 32セオ・ウォルコット 2006.1 - fromサウサンプトン
- ―アーセン・ベンゲル 1996.9 - from名古屋グランパスエイト
[編集] ローン移籍選手
- in
- 09 MFジュリオ・バティスタ fromレアル・マドリー (season long loan)
- out
- 17 MFアレクサンデル・ソング・ビロング toチャールトン
- 33 FWニクラス・ベントナー toバーミンガム (season long loan)
- 38 DFケリー・ギルバート toカーディフ・シティ (season long loan)
- 41 DFジョー・オセアルイ to ブライトンアンドホープ・シティ
- 41 FWアルトゥーロ・ルポリ toダービー (season long loan)
- 44 MFファブリス・ムアンバ toバーミンガム (season long loan)
- ― GKヴィト・マンノーネ toバーンズリー
- ― FWカルロス・ヴェラ toサラマンカ
- ― FWホセ・アントニオ・レジェス to レアル・マドリー (season long loan)
[編集] 2006 - 2007シーズンの移籍
- in
- DF ウィリアム・ギャラス fromチェルシー, swap
- DF ジョー・オセアルイ fromワトフォード, free
- MF フラン・メリダ fromバルセロナ, undisclosed
- MF アレクサンデル・ソング fromバスティア, undisclosed
- MF トーマス・ロシツキー fromドルトムント, £6.8m
- MF ヴァンサン・ファン・デン・ベルグ fromヘーレンフェーン, ?
- MF デニウソン fromサンパウロ, £3.4m
- out
- GK マーク・ハワード toカーディフ・シティ, free
- GK マイケル・ジョーダン toチェスターフィールド, free
- GK グラハム・スタック toレディング, undisclosed
- MF ライアン・スミス toダービー, undisclosed
- DF ソル・キャンベル toポーツマス, free
- MF ロベール・ピレス toビジャレアル, free
- FW デニス・ベルカンプ, retired
- DF アシュリー・コール toチェルシー, £5m
- DF パスカル・シガン toビジャレアル, £2m
- January
- in
- out
- FW アンソニー・ストークス toサンダーランド, £2m
- DF ローレン・エタメ・マイヤー toポーツマス, £500k
- MF セバスティアン・ラーション toバーミンガム, £1m
[編集] 歴代監督
氏名 | 国籍 | 期間 |
---|---|---|
サム・ホリス | 1894 - 1897 | |
トーマス・ミッチェル | 1897 - 1898 | |
ジョージ・エルコート | 1898 - 1899 | |
ハリー・ブラッドショー | イングランド | 01.08.1899 - 01.05.1904 |
フィル・ケルソー | スコットランド | 1904 - 1908 |
ジョージ・モレル | スコットランド | 1908 - 1915 |
レスリー・ナイトン | イングランド | 1919 - 1925 |
ハーバート・チャップマン | イングランド | 1925 - 1934 |
ジョー・ショー | イングランド | 1934 |
ジョージ・アリソン | イングランド | 1934 - 1947 |
トム・ウィットトーカー | イングランド | 1947 - 1956 |
ジャック・クレイトン | イングランド | 1956 - 1958 |
ジョージ・スウィンディン | イングランド | 1958 - 1962 |
ビリー・ライト | イングランド | 1962 - 1966 |
バーティー・ミー | イングランド | 1971 - 1972 |
テリー・ニール | 北アイルランド | 1966 - 1976 |
ドン・ホーウィー | イングランド | 16.12.1983 - 22.05.1986 |
スティーブ・バーテンショー | イングランド | 25.03.1986 - 14.05.1986 |
ジョージ・グレアム | スコットランド | 14.05.1986 - 21.02.1995 |
スチュワート・ホーストン | スコットランド | 21.02.1995 - 08.06.1995 |
ブルース・リオッホ | スコットランド | 08.06.1995 - 12.08.1996 |
スチュワート・ホーストン | スコットランド | 12.08.1996 - 16.09.1996 |
パット・ライス | 北アイルランド | 16.09.1996 - 30.09.1996 |
アーセン・ベンゲル | フランス | 30.09.1996 - |
[編集] トリビア
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
アーセナル - 2006-2007 |
---|
1 レーマン | 2 ディアビ | 4 ファブレガス | 5 トゥーレ | 6 センデロス | 7 ロシツキー | 8 ユングベリ | 9 バティスタ | 10 ギャラス | 11 ファン・ペルシー | 13 フレブ | 14 アンリ | 15 デニウソン | 16 フラミニ | 19 ジウベルト | 20 ジュルー | 21 ポーム | 22 クリシー | 24 アルムニア | 25 アデバヨール | 27 エブエ | 30 アリアディエール | 31 ホイト | 32 ウォルコット | 33 コノリー | 42 メリダ | 43 ランドール | 44 シンプソン | 45 トラオレ | 未定 ファン・デン・ベルグ | 監督 ベンゲル | |
FAプレミアリーグ |
---|
2006-07 |
アーセナル | アストン・ヴィラ | ウィガン | ウェストハム | エヴァートン | シェフィールド・U | チェルシー | チャールトン | トッテナム | ニューカッスル・ユナイテッド | フラム | ブラックバーン | ポーツマス | ボルトン・ワンダラーズ | マンチェスター・シティ | マンチェスター・ユナイテッド | ミドルスブラ | リヴァプール| レディング | ワトフォード | |
AEKアテネ | アーセナル | インテル | オリンピアコス | ガラタサライ | コペンハーゲン | シャフタール・ドネツク | ステアウア・ブカレスト | スパルタク・モスクワ | スポルティング・リスボン | セルティック | CSKAモスクワ | チェルシー | ディナモ・キエフ | バイエルン・ミュンヘン | バルセロナ | バレンシア | ハンブルガーSV | PSVアイントホーフェン | ブレーメン | ベンフィカ | ポルト | ボルドー | マンチェスター・ユナイテッド | ACミラン | リヴァプール | リヨン | リール | レアル・マドリード | レフスキ・ソフィア | ローマ
"G-14" ※実際は18チーム
アーセナル | アヤックス | インテル | バイエル・レバークーゼン | バイエルン・ミュンヘン | パリ・サンジェルマン | バルセロナ | バレンシア | PSVアイントホーフェン | ボルシア・ドルトムント | ポルト | マルセイユ | マンチェスター・ユナイテッド | ACミラン | ユヴェントス | リヴァプール | リヨン | レアル・マドリード