ゾフィー (ウルトラシリーズ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゾフィー(Zoffy)は、ウルトラシリーズに登場するキャラクターの一人。古い資料ではゾフィや、ウルトラゾフィー、最近ではウルトラマンゾフィーと表記されることもある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 特徴
初代ウルトラマンたちと同じM78星雲人。容姿は初代ウルトラマンに似ているが、胸や肩にリベット状の突起が付いているほか、身体の赤色部分の形状が若干異なる。胸の6対の突起は対怪獣軍団戦の武功を称えた勲章『スターマーク』であり、肩の3対の突起は宇宙警備隊隊長の地位を示している(出版物によって様々な設定があったが、現在ではこの設定に統一されている)。
ウルトラマンをはじめ、仲間のピンチに現れることが多い。設定上はウルトラ兄弟ナンバーワンの実力者とされているが、映像作品上では兄弟のサポートに徹することが多く、敵の罠に落ちたり敗北したりするケースが目立つ。しかし、主演作品が無いにもかかわらず、独特の魅力や存在感ゆえに根強い人気を保っている。
初登場の『ウルトラマン』最終回ではシナリオに「ゾフィ」と表記され『ウルトラマンレオ』までの出演クレジットもそれにならっていたが、出版物や関連商品では「ゾフィー」と記されることが多く、1984年の映画『ウルトラマンZOFFY』以降「ゾフィー」に統一された。長らく出番がなかったためか、'60年代の出版物では「ゾーフィ」と表記されゼットン星人と混同されたり、ウルトラ兄弟の一員と設定されてからも不正確なイラストで紹介されるなど、かなり曖昧な形で扱われてきた。しかし、出演の機会が増えてウルトラ兄弟の長兄として認知された'72年頃からは知名度も上がり、ソフビ人形等の商品化もされるようになった。
1981年には、アンドロメロスのメディア展開において重要な役割を演じている。
[編集] 登場作品
[編集] テレビシリーズ
- 『ウルトラマン』(1966年) - 第39話
- 『ウルトラマンA』(1972年) - 第1話、第5話、第13話、第14話、第23話、第26話、第27話、第35話
- 『ウルトラマンタロウ』(1973年) - 第1話、第18話、第19話、第25話、第33話、第34話、第40話
- 『ウルトラマンレオ』(1974年) - 第38話、第39話
- 『ウルトラマンメビウス』(2006年) - 第15話、第24話、第42話、第50話
[編集] 劇場版・オリジナルビデオ
- 『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』(1979年)
- 『ウルトラマン怪獣大決戦』(1979年)
- 『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』(1984年)※ゾフィーのオリジナルテーマ曲が作成、使用された。
- 『ウルトラマン物語』(1984年)
- 『ウルトラマンネオス』(2000年) - 第2話、第11話、第12話
- 『新世紀ウルトラマン伝説』(2002年)
- 『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』(2003年)
- 『ヒカリサーガ』SAGA2,SAGA3(2006年)
- 劇場版『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』(2006年)
[編集] 声の出演
- 浦野光(ウルトラマン第39話、ウルトラマンZOFFY)
- 市川治(ウルトラマンA第13話)
- 鹿島信哉(ウルトラマンタロウ第33話、第34話)
- 津田喬(ウルトラマン物語)
- 大滝明利(ウルトラマンネオス)
- 田中秀幸(ウルトラマンメビウス)
[編集] 『ウルトラマン』最終回のゾフィー
『ウルトラマン』最終話「さらばウルトラマン」に登場。ウルトラマンが宇宙恐竜ゼットンに敗れた直後に赤い球体の姿で飛来し、その際に「宇宙警備隊員ゾフィ」と名乗る。瀕死のウルトラマンを蘇生させ故郷へ帰るよう説得したが、その命をハヤタに譲りたいと願うウルトラマンの意思に感銘を受け、ハヤタにも新たな命を与えて二人を分離させると、ウルトラマンを光の国へ連れ帰った。
このとき、ゾフィーを演じたのは古谷敏(ウルトラマンとの一人二役)であり、声はナレーターの浦野光が担当した。ゾフィの胴体部分は、ウルトラマンのAタイプ用のスーツを改修したもので、顔はCタイプと同型のマスクであった。またマスク中央のとさか部分先端が黒く塗られているなどの特徴がある。ちなみに、準備稿の段階ではゾフィーがゼットンを倒し、ウルトラマンの仇を討つ役回りが与えられていたという。また、ウルトラマンが自身を犠牲にしてその命をハヤタに譲るという、別の展開が考えられていた。
[編集] 第二期ウルトラシリーズのゾフィー
『帰ってきたウルトラマン』放映当時に、雑誌上でウルトラ兄弟が設定され、その長男と位置づけられた。本作の最終回ではバット星人が兄弟の筆頭としてゾフィーの名前を挙げている。
『ウルトラマンA』では、第1話でウルトラ兄弟の長男として5年ぶりに姿を見せ、以後重要な局面に登場。第5話では、苦戦するAのエネルギーをウルトラコンバーターで回復させ、ギロン人・アリブンタを相手に初の実戦を披露した。また、第23話では南夕子をAに変身させるため北斗の待つ異次元へと運んだ。第35話では少年の言葉を信じなかった北斗を叱責し、ウルトラマジックレイを使って水中での戦いに苦しむAを救った。しかし、第13話や第26話では兄弟ともども敵の罠に落ちるなど、やられ役に甘んじた回もある。
『ウルトラマンタロウ』でもたびたび登場し、第1話では兄弟たちとともにタロウの誕生を見守った。さらに第18話では、火山怪鳥バードンに敗れたタロウを救援。タロウに応急処置を施して光の国に運んだ後、バードンに挑んだが敗死してしまう。のちに復活し、第25話ではウルトラの星にて元気な姿を見せた。第33話・第34話ではZATに協力する科学者・大谷博士の身体を借りて地球に一時滞在している。第40話では海王星で暴君怪獣タイラントと戦うが、返り討ちに遭ってしまった。
『ウルトラマンレオ』には第38話・第39話で登場。ババルウ星人の計略にかかり、他の兄弟と共にレオと同士討ちをしてしまう。
その後も劇場版映画にウルトラ兄弟の長兄として何度か出演。1984年公開の『ウルトラマンZOFFY』(ウルトラシリーズの名場面集的映画)では、ホスト役として歴代ウルトラマンの活躍を観客に語った。
[編集] 『ウルトラマンメビウス』のゾフィー
2006年放映の『ウルトラマンメビウス』において、32年ぶりにテレビ作品に登場。
- 第15話では戦いに疲弊し昏倒するウルトラマンヒカリの意識の中に現れて、光の国へ帰る様に説得した。
- 第24話の冒頭では、ヤプールの復活を感知してメビウス援護のため単身地球へ向かおうとしていたウルトラマンタロウをあえて制止し、メビウス自身の成長を促そうとしていた。
- 劇場版『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』では、異次元人ヤプールの陰謀によって蘇った究極超獣Uキラーザウルスの猛威に苦戦するウルトラ4兄弟(初代ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンA)とウルトラマンメビウスを救うべくタロウを伴って出現。力尽きかけていた兄弟たちに新しいエネルギーを与え、共にUキラーザウルスを倒した。
- 第42話ではサコミズの回想シーンの中で登場。外宇宙で異星の侵略者に包囲され窮地に追い込まれたサコミズの前に突如として現れ、侵略者たちの軍勢をM87光線(Aタイプ)で一掃した。この時にゾフィーがサコミズに伝えたメッセージは、サコミズが「ある重大な決意」をするきっかけとなった。
- 最終話ではサコミズと再会し、彼と一体化してメビウスフェニックスブレイブに加勢。メビュームナイトシュートに合わせてM87光線を放ち、エンペラ星人との戦いで勝利を決定付けた。
- また、NTT東日本のフレッツユーザー向けコンテンツサイト「フレッツ・スクウェア」及びNTTグループのインターネットポータルサイトgooにて配信された「ウルトラマンメビウス外伝 ヒカリサーガ」にも登場した。2話ではベムスターと戦うヒカリを援護し、3話ではヒカリと一緒にウルトラの父を説得した。
- 肩のラインは上述の映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』では見られるが、TV版にはない。これは、初代ウルトラマンのマスクが劇場版ではTVシリーズのいわゆるAタイプを模した姿となっていた一方でTV版客演時にはCタイプに基づいていた事と同様に、旧シリーズにおける設定の錯綜をあえて共存させたものと見ることもできる。
- また、本作品におけるゾフィーの描写はメビウスが人間とともに戦う「仲間」という路線を確立したのに対し、元来の神秘性を持った「超人」としての描写がなされていた様子がある。
[編集] その他のゾフィー
2000年、オリジナルビデオ作品『ウルトラマンネオス』にも宇宙警備隊隊長として登場し、ネオスの戦いを支援。その後、『ウルトラマンボーイのウルころ』にも幾度か登場している。
ゾフィーとしてではないが、1981年にアンドロメロスとしてアンドロ警備隊として活躍していた時期もあった。詳細はアンドロメロス参照の事。
[編集] ゾフィーのデータ
- 身長:45メートル
- 体重:4万5千トン(以前の設定では4万トンとも)
- 年齢:2万5千歳
- 飛行速度:マッハ10
- 走行速度:時速650Km
- 水中速度:300ノット
- ジャンプ力:450m
- 腕力:16万トンタンカーを持ち上げる
※普段は支部の一つ、M25星雲で指揮をとっている。
[編集] 能力
- M87光線
- ウルトラ兄弟の単体光線技で、最も威力が高いとされる必殺技。名称については、M78の誤植ではなく「光の国公認宇宙記録の87万度を達成した奇跡(Miracle)の熱線」を意味する。作品上では披露の機会が少ない。初登場は『ウルトラマンA』第14話において、ゾフィーの能力を奪ったエースキラーが、テスト用のエースロボットに向けて発射するという形で、このときはビーム型の光線ではなくエネルギー光球の形状だった。その後はポーズや形状が明確にされず、M87光線の実態は長い間謎のままであった。よく知られる右手を前方に伸ばして発射するパターンが初めて映像化されたのは、第二期ウルトラシリーズ終了後に公開された映画『ウルトラマンZOFFY』(1984年)においてである。現在、発射のポーズは2種類確認されており、右手を前方に伸ばして発射するAタイプ、両腕をL字型に組んで発射するBタイプがある。映画『ウルトラマン物語』(1984年)では両方を使用、『ウルトラマンメビウス』(テレビ、映画とも)ではAタイプ、『ウルトラマンタロウ』第34話ではBタイプと思われるものを使用している。呼称については『ウルトラマンA』以来、各作品で「エムハチジュウナナ」光線と呼ばれていたが、『ウルトラマンメビウス』第42話のメビナビでは「エムハチナナ」光線と呼称されている。
- Z光線
- 両手の先を合わせて発射する稲妻状の光線で、『ウルトラマンタロウ』第18話のバードン戦にて使用した。バードンをダウンさせたが、仕留めることはできなかった。設定が明確ではなかった頃の資料や映画『ウルトラマン怪獣大決戦』(1979年)では、この光線をM87光線と紹介されていたが、現在では別物という扱いになっている。
- ウルトラフロスト
- 両手の先を合わせて発射する霧状の物質で対象を凍結させる。バードンに倒されたウルトラマンタロウの身体を凍結させて完全死を防いだ。
- ウルトラトゥインクルウェイ
- 宇宙空間を越えて物体を転送する光の道。バードンに倒されたタロウの身体をウルトラの星へ運ぶために使用された。
- テレポーテーション
- 通常空間から異次元空間へ瞬時に移動が可能。『ウルトラマンA』第23話で、南夕子を異次元へ誘った。
- ウルトラコンバーター
- 『ウルトラマンA』第5話で装着していた十字形のブレスレット。活動用エネルギーを蓄えているらしく、これを与えることにより、エネルギーが尽きかけていたAを回復させた。
- ウルトラマジックレイ
- 高エネルギーを発する多面体のアイテム。『ウルトラマンA』第35話で、超獣ドリームギラスとの水中戦に苦戦するAを助けるために天空から投下し、湖の水を蒸発させた。
- ウルトラクロスガード
- 映画『ウルトラマンZOFFY』で、突然襲ってきた宇宙船の光線を、腕を交差させて防いだ。
- ウルトラチャージ
- ゴルゴダ星でヤプールの罠にかかった際に使用。ウルトラ4兄弟がAを取り囲み、自分達のエネルギーを与えてAだけを脱出させた。
- ウルトラリバース
- ウルトラ6兄弟共通の特殊能力。人間に乗り移ってその姿を借りる。『ウルトラマンタロウ』第33,34話で使用。