チロル州

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チロル州

Tirol


州旗	州の紋章

州都	インスブルック
最大の都市	インスブルック
州首相	Herwig van Staa （ÖVP）
面積 - うち陸面積 - 水面積	12,647.71 km² （第3位） 12,533.88 km² (99,1 %) 113.83 km² (0,9 %)
人口 - 総計 - 人口密度	（2006年10月1日） 698,472 人（第5位） 55.2 人/km²
与党	ÖVPおよびSPÖ
前回選挙	2003年9月28日
次回選挙	2008年
参議院投票権数	5
市町村総数 - うち市の数 - うち町の数	279 11 19
測地系	北緯36度39分-47度45分東経10度6分-12度58分
最高点	グロスグロックナー山（3,797 m）
最低点	エール近郊（465 m）
ISO 3166-2	`AT-7`
ウェブサイト	[1]

チロル州（独: Tirol）は、オーストリア共和国を構成する9つの連邦州のひとつ。オーストリア西部に位置し、北チロルと東チロルからなる。州都はインスブルック。東チロルの中心都市はリエンツ。州都インスブルックでは1964年と1976年に冬季オリンピックが開催された。

[編集] 地理

オーストリア最高峰のグロスグロックナー山（3,798m）を南から望む

北チロルは西にフォアアールベルク州、東にザルツブルク州、北にドイツのバイエルン州、南にスイスのグラウビュンデン州と今日ではイタリアのボルツァーノ自治県になっている南チロルに接している。東チロルは第一次世界大戦後の南チロル割譲により飛び地になっており、北にザルツブルク州、東にケルンテン州に接する。

チロル州はアルプス山脈の東部に位置し、ほぼ全域が山地で占められる。このため夏は避暑、冬はアルペンスキーのために賑わう。ザルツブルク州およびケルンテン州との州境にオーストリア最高峰のグロスグロックナー山が、バイエルン州との国境にはドイツ最高峰のツークシュピッツェ山がある。

北チロルは中央を北東へイン川が流れており、その渓谷沿いにインスブルックをはじめとする都市が散在している。

[編集] 歴史

詳細はチロルを参照

現在のチロル州の地域に人類が居住し始めたのは中石器時代にまでさかのぼるが、ローマ帝国領となる前にここに住んでいたラエティア人について詳しいことは知られていない。紀元前15年にティベリウスと大ドルススはこの地を征服してローマ帝国の版図に加え、ラエティア属州とノリクム属州を設置した。西ローマ帝国の衰退後は東ゴート王国の、次いでバイエルン部族大公の支配下に入った。

チロル女伯マルガレーテ・マウルタッシュ。“マウルタッシュ”は醜女を意味するあだ名である

1027年、神聖ローマ皇帝コンラート2世はブリクセン司教とトリエント司教に帝国諸侯の地位を与え、両司教領はバイエルンから切り離された。その臣下だったチロル伯は次第に力をつけて独立し、13世紀頃までにチロルの多くがマインハルト家のチロル伯領となった。ハプスブルク家のオーストリア公ルドルフ4世は、1363年にマインハルト家最後の相続人であるマルガレーテ・マウルタッシュからチロルを強引に相続し、以後チロル伯領はハプスブルク家へ移った。

ナポレオン戦争中、チロルはプレスブルクの和約およびシェーンブルンの和約によってフランス帝国の同盟国であるバイエルン王国へ割譲された。しかしナポレオンの没落後、ウィーン会議によってチロルはオーストリアへ復帰した。

1918年当時のチロル。濃灰色の部分がサン＝ジェルマン条約によってイタリア王国へ割譲された南チロル

1918年に第一次世界大戦に敗れたオーストリア・ハンガリー帝国が解体されると、サン＝ジェルマン条約によって南チロルがイタリア王国へと割譲され、残りが第一共和政オーストリアの連邦州となった。

1938年にナチス・ドイツはオーストリアと合邦し（アンシュルス）、北チロルはチロル＝フォアアールベルク大管区に、東チロルはケルンテン大管区へ統合された。第二次世界大戦末期にイタリアが降伏すると南チロルはドイツが併合したが、敗戦後再びイタリア領となった。戦後は北チロルがフランスの、東チロルがイギリスの占領下に置かれた。

1955年にオーストリアは連合国との間にオーストリア国家条約を調印して独立を回復した。チロル州では、1950年代終わりにアルプスを貫く高速道路やトンネルが開通し、州内で二度冬季オリンピックが開催された影響もあって観光産業が盛んになった。近年は1995年のシェンゲン協定などにより、国境を隔てたボルツァーノ自治県（旧南チロル）との交流が進んでいる。

[編集] 政治

チロル州議会（Landtag）の定数は36議席で、任期は5年である。直近の選挙は2003年9月28日に行なわれ、オーストリア国民党（ÖVP）が20議席、オーストリア社会民主党（SPÖ）が9議席を獲得した。州議会では両党が連立与党となっている。他に緑の党が5議席、オーストリア自由党（FPÖ）が2議席を持っている。

現職の州首相はÖVPのヘルヴィヒ・ヴァン・シュター（Herwig van Staa）。彼は以前5期25年にわたって州首相を務めたエドゥアルト・ヴァルネファー（Eduard Wallnöfer）の義理の息子である。

[編集] 地方行政

チロル州は8つの郡（Bezirk; 行政管区とも）に分けられる。郡は自治体ではなく、行政事務を処理する州の出先機関である。一方州都のインスブルックは郡に属さない憲章都市（Statutarstadt）に指定されており、郡の業務も独自に処理している。

郡は以下の通り。括弧内は郡庁所在地である。

北チロル
- イムスト郡 Imst （イムスト）
- インスブルック＝ラント郡 Innsbruck-Land （インスブルック）
- キッツビュール郡 Kitzbühel （キッツビュール）
- クーフシュタイン郡 Kufstein （クーフシュタイン）
- シュヴァーツ郡 Schwaz （シュヴァーツ）
- ランデック郡 Landeck （ランデック）
- ロイテ郡 Reutte （ロイテ）
東チロル
- リエンツ郡 Lienz （リエンツ）