ニューズウィーク
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ニューズウィーク (Newsweek) は、主に政治や社会情勢などを扱うアメリカの週刊誌。ニューヨークに本社があり、アメリカとカナダに自社の販売網がある。
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[編集] 概要
1933年2月17日にトーマス・J・C・マーティンが中心となって刊行され、当時はNews-Weekという名称であった。第二次世界大戦前後に売り上げを伸ばし、1961年にワシントン・ポスト社に買収された。
初期は写真とニュースを売り物にした雑誌であったが、その後社説やインタビュー記事、著名人によるコラム、独占取材など内容を増やしていき、近年は「CSR(企業の社会的責任)ランキング」、「○○○の100人」などの名物特集を組んでいる。
ニューヨークの本社のほかに、アメリカ国内に9つの支局、世界中に13の支局がある。外国支局は、メキシコシティ、パリ、東京、ワルシャワ、ケープタウン、フランクフルト、香港、エルサレム、ロンドン、モスクワ、北京にある。
[編集] 競合誌
創設以来、一時期広告収入で上回ったものの、常に発行数でタイム誌に続く2位である。第3位はUSニューズ&ワールド・レポートである。3誌を比較すると、ニューズウィークは比較的リベラル寄りであり、USニュースは保守的であると評されている。タイムは、3誌の中では中道寄りである。
2003年の発行数は、アメリカで約310万部、それ以外で約90万部の計400万部で、のべ2,500万人の読者がいると発表されている。
[編集] 外国語版
現地版として日本語、アラビア語、朝鮮語(大韓民国版)、スペイン語、ポーランド語、ロシア語がある。また英語の国際版がある。
[編集] 「ニューズウィーク日本版」
日本版は1986年に創刊され、TBSグループの出版社「TBSブリタニカ」より発行したが、2003年に阪急電鉄に事業を譲渡したため、現在は阪急コミュニケーションズより竹田圭吾を編集長として発行している。
「ニューズウィーク日本版」と銘打つものの、本家「ニューズウィーク」とは内容も趣旨も大分異なる。日本版の記事中には、外国誌ならではの視点(とはいうものの、本家とは大分異なる視点である)による記事だけでなく、昭和天皇に対する独占インタビューや徳仁親王の結婚相手についてのスクープなど、日本の出版社が発行する雑誌では成し得ないような言わば「タブーを破った」記事も多く一部では高い評価を得ている。
しかし、「グローバルな視点」と自称するものの、竹島や尖閣諸島問題など日本政府の対大韓民国及び中華人民共和国に対する政策に対する一方的かつあからさまな批判と、それに対応したような中華人民共和国に対するあからさまな賞賛など、アメリカ国内の左派リベラルの対アジア観をそのまま反映させた論調が見受けられる。その上、北朝鮮による日本人拉致問題については、「拉致問題の解決よりも核開発問題の解決を優先させるべき」と主張したり、アメリカ海軍の原子力潜水艦によるえひめ丸への衝突事件では「高校の実習船」を、アメリカ版の翻訳そのままに「漁船」と記述し日本人遺族の感情を逆なでするなど、別の意味で日本の出版社が発行する雑誌ではありえないような記述も多い。
他にも、中東問題や対テロ問題においては、アメリカ同時多発テロ以降のアメリカ国内の親イスラエル路線や愛国的論調をそのまま日本版に持ち込んでいるうえ、経済政策においても格差社会やファンドなどによる企業買収の容認など、アメリカ系外資企業へのあからさまな利益誘導とも取られかねない記事が多く見られる。また近年は、タイアップ記事の乱発やそれに伴う広告ページの増加が目につくという批判もある。
[編集] 兄弟誌
兄弟誌として、記事及び誌面構成をビジネス関連に特化した「ビジネスウィーク(Businessweek)」がある。なお、2007年現在日本版は出版されていない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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