ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

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『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』（むひょとろーじーのまほうりつそうだんじむしょ）は、週刊少年ジャンプ2004年53号より連載中の西義之作のダーク・ファンタジー漫画作品。2007年4月現在、単行本は11巻まで刊行。第12巻は2007年6月発売。

目次 1 概要 2 あらすじ 3 登場人物 3.1 主要登場人物 3.2 魔法律家 3.2.1 監獄守 3.3 一般人 3.4 禁魔法律家 3.4.1 箱舟メンバー 3.5 霊 4 霊の犯罪 5 魔法律 5.1 遠隔魔法律 6 魔法特例法 7 階級 8 魔具 9 術 9.1 術 9.2 陣 10 専門用語 11 外部リンク

[編集] 概要

初出は赤マルジャンプ2004年春号の同名の読切作品。

その後、週刊少年ジャンプで行われた第1回金未来杯（ゴールデンフューチャーカップ）に同名の読切作品を出品（2004年37・38号）、5作品のエントリーのうち第4位の評価を得る。

質問コーナーでは、時折キャラからの情報提供を得て質問に答える時がある。

[編集] あらすじ

本来なら現世にいるべきではない死霊が跋扈し人を害する事件が度々起こる現代の日本。

魔法律協会とは、魔法律によって霊の犯罪を裁きあの世へ送るために作られた新設の機関である。

六氷魔法律事務所を主な舞台に、魔法律を使いこなす天才少年ムヒョと凡庸な助手ロージーの二人の魔法律家の活躍を主軸に、物語は展開してゆく。

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注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

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[編集] 登場人物

一部の登場人物に年齢の概念がない。

[編集] 主要登場人物

ムヒョ / 六氷透（むひょう とおる）

本作の主人公。『六氷魔法律事ム所』の所長にして、唯一魔法律の執行を許される魔法律家の最高位執行人の位に史上最年少でついた天才。

執行によりかなりの煉を消耗するため、よく睡眠を取る。「ヒッヒ」と笑う。見た目は幼いがシビアな現実主義者で言動も荒く、冷酷な性格だと誤解されやすい。だが実際は仲間思いで、正義感の強い性格の持ち主。ぶっきらぼうだが面倒見もよい。ビコ曰く「口下手」。髪型が特徴的（どうも寝癖らしい）。常人の数倍の煉（精神力もしくは霊力）の持ち主。呪文無しでの執行が可能。現在は魔法律書が壊れてしまったため、見習い用魔法律書と書代理用紙を使用中だった為、簡単な刑しか執行できなかったが、ビコとリオが完成させた新魔法律書の適性検査を見事クリアし、手中に収めた。

余談だが、連載開始時期の近い『魔人探偵脳噛ネウロ』のネウロとは仲が良い模様。Go！Go！ジャンプでの外編ではスピンオフ作品としてか、クリスマスにネウロを呼んでいた。

身長128cm（髪を除けば実際は110cm台らしい）、1月23日生まれ。好きなもの：ジャビン。苦手なもの：安眠の妨げ(特にロージー)

ロージー / 草野次郎（くさの じろう）

もう一人の主人公。『六氷魔法律事ム所』に勤めるムヒョの助手。

引っ込み思案かつ泣き虫な少年。何をやってもドジを踏む落ちこぼれだが、純粋で心優しい性格で、魔法律にかける情熱は人一倍強い。本来は裁判官補佐しか使えない杖の魔力を発動させたり、多数の悪霊を魔縛りの術で止めたりと潜在能力は計り知れない。ペイジ曰く、常人の数倍の煉があるらしい。初登場時は二級書記官だったが、進級試験を受け一級書記官仮免許を取得。乗り物（船や車類）に酔いやすい体質。器量良しで周囲の女性によく惚れられるが、本人は惚れた女性（恋愛）に関しては非常に鈍感。随所で子供（乙女）っぽい面を見せている。ムヒョと互いの力を引き出し合う「アロロパシー」という奇跡の力を持っているらしいが、詳細は不明。

身長170cm、9月29日生まれ。特技：スーパーハリボテテク、料理。好きなもの：紅茶、お菓子。苦手なもの：幽霊、怖いムヒョ。

[編集] 魔法律家

ヨイチ / 火向洋一（ひむかい よういち）

ムヒョやエンチューのMLS（魔法律学校）時代の同級生で、協会の調査本部に身を置く。

とても仲間（友達）思いで、エンチューに狙われ常に危険に晒されているムヒョの身を何かと案じる。魔法律家第二位・執行以外の魔法律をこなすエキスパート「裁判官」の資格を持つ。女殺しな性格で、「魔法律界のプリンス」とも言われている。初登場時にもナナの胸を揉んだが、ナナに限らず女の子を見るとつい揉んでしまうらしい（明らかなセクハラ行為である）。身軽さを生かした魔縛りの術の連撃が得意。ちゃっかり陣の作成に必要なテープや破魔丸と言った魔具を持ち合わせたりと、有能な裁判官である。仕事は苦手らしいが最強の裁判官といわれている。

身長173cm、8月5日生まれ。好物：サンドイッチ。特技：スポーツ全般・サイズ当て等。苦手なもの：女の子の涙。

ビコ / 我孫子優（あびこ ゆう）

ムヒョのMLS時代の同期生。魔具（札やペンなどの魔法律家の専門用具）を製作する魔具師で、通称「魔具師のビコ」。

一人称「ボク」で男児のような外見だが、歴とした女の子(ボク少女)である。頑固な意思の持ち主で、物事を率直に言う。基本的に無表情。禁魔法律家に堕ちた師匠のリオを今でも尊敬し、絶対視している。現在そのリオ製だったムヒョの魔法律書が壊れた為、新しい物を製作中。だんだんと完成に近づいている模様。リオを奪還したことにより彼女の協力を得ることになり、「未完の書」を完成させた。

身長126cm、、2月28日生まれ。特技：掃除、物を直す（分解）、物持ちがいい、天然ボケ（自覚無し）。好物：グラタン（リオが作ったものが世界一だと思っている）、レーズンパン、果物全般（特にイチゴ）。苦手なもの：走る（袋が重いから）、炭酸のジュース、長い会話。

今井玲子（いまい れいこ）

裁判官で、ヨイチの先輩。

脱走しようとした悪霊ソフィーを身を挺して抑えた。殉職したかと思われたが奇跡的に生還。その後はロージーの世話をしながら、ペイジの下で働く。剛毅果敢で厳しい性格だが、女性らしい面倒見のよさも併せ持つ。MLS時代からその生命力で、数々の「不死鳥伝説」を作っていた。魔除け小太刀を主要武器として扱う。ミックに捕まりアジトに連れて行かれるが、ロージーらに無事救助され、リオと共に帰ってこれた。

身長164cm、2月10日生まれ。好物：牛乳や乳製品に酢の物。特技：暗記（復唱も可）、剣道（五段、達人）。苦手なもの：星座占い（気になるので見たくない）。

ペイジ・クラウス

執行人。初老の男性。魔法律協会調査本部長で四賢人の一人。ヨイチの上司で、ムヒョとエンチューの師匠。

自称、詩人。普段は飄々とし物腰も穏やかだが、ムヒョの捻くれた性格は彼譲りか、怒ると突然乱暴な口調になる。いつもパイプをくわえている。50年前のティキとの戦闘で師匠を亡くし、自身も足を悪くしている。MLS時代からムヒョ・エンチュー・ヨイチ・ビコらの面々の笑顔をただ守りたいと思っていた。エンチューがいつかムヒョの才能に潰されてしまうのではないかと思い、エンチューに通信教育による受講を勧めていたが断られた。魔法律書は本型と杖型。

身長190cm、5月25日生まれ。好物：詩、パイプのケムリ、ブランデー、甘いコーヒー、演劇（バレエ、オペラ）、散歩（旅に発展する時も）。特技：詩（だと思っている）、アイロンがけが早い、弟子の育成（だと思っている）。苦手なもの：ピカピカじゃない靴、機械全般、協会関係者、パーティー。

ゴリョー / 五嶺陀羅尼丸（ごりょう だらにまる）

執行人。陰陽道の流れを汲む名門・五嶺家の頭首であり、超一流魔法律事務所・五嶺グループの若頭取。ムヒョのMLS時代の先輩。

独特の古風な口調と、和装が特徴的。ムヒョとは違う方向で冷血な性格で、商売のやり口はあくどい。幼少期から大組織を束ねる立場にあり、そのプライドのため友達を作らなかった。側近のエビスを「豚」呼ばわりして過酷に扱うが、心の奥底では唯一無二のパートナーと認めていた。一度はムヒョの事務所を奪ったが、箱船による五嶺家襲撃の際トーマスによって拉致・監禁されたところをムヒョ達に救われたため、その礼として返却。現在は箱舟への復讐と、ムヒョ達に借りを返すため、ムヒョ達と協力関係にある。作中では「若」「坊ちゃん」等と呼ばれているが、コミックス８巻の質問コーナーで、彼の性別を問う読者の質問に対し、作者は「さてどっちでしょう」と答えている。

身長178cm、12月20日生まれ。好物：ようかん、おしるこ、庭の散策（五嶺邸内）など。特技：書（毛筆師範級）、戦略、地獄耳。苦手なもの：お金の計算、騒音、電車、油っこい食べ物など（食べ物の好き嫌いは多い）。

エビス / 恵比寿花夫（えびす はなお）

ゴリョーの右腕で、裁判官。

元は盗みなどをして生活していた霊媒体質の孤児。10年前ヘドロの中で力尽きていたところをゴリョーに救われ、以来彼の側近を務めている。「初めて誰かから必要とされた」こともあり、ゴリョーを非常に慕っている。彼の補佐に徹してきたため、一人で霊と戦うことはできない。赤沢団地編での失態により一度は解雇されたが、それでも忠誠心は揺るがず、ゴリョーが誘拐されたときなどは命がけで助けようとした。その後は再びゴリョーの側近に戻ったようだ。

身長130cm、12月21日生まれ。特技：ゴリョーの身の回りの世話（着付けやスケジュール管理など／五嶺グループの人間のほとんどもそう思っている）、早起き（目覚まし時計が無くてもＯＫ）

左近（さこん）

裁判官補佐。オールバックの男性。

クビになっていたエビスに代わりゴリョーの助手を務めていた。ゴリョーへの忠誠心は厚いが、彼の世話に手を焼き、エビスに大量の手紙を送っていた。懐に刀を持つ。

マリル・マシアス & リリー・マシアス

二級書記官の双子の兄妹。まだ子供だが、魔法律研究で名が知られている魔法律博士。

ロージーらと共に魔法律協会の強化合宿に参加した。霊の対処法など知識は豊富で、誰に対しても偉そうな口を聞く。妹のリリーは異様に霊感が強い。彼らが研究中の「アロロパジー＝人における成長の相互作用」がムヒョとロージーに働いていると考え、気にかけている。現在、ペイジ達調査本部と協力関係にある。

身長 兄143cm、妹142cm、10月13日生まれ。特技：妄想、分析、研究

笹ノ葉梅吉（ささのは うめきち）

毒島晴美の助手を務める一級書記官の少年。

田舎弁が混ざったような喋りをする。ムヒョの大ファンで、助手試験を受けたこともある。そのためムヒョのパートナーとなったロージーを嫉妬し敵視したが、今は良好な関係にあるようだ。魔具を７つ使えるが、まだ未熟なところが多く、臆病で動揺しやすい。

実は人間ではなく、正体は毒島が呼んだ使者で、正式名称は「雲竜鼠」。煉を持っているのは毒島から魂を半分与えられているため。人間に憧れているため、常に人化している。

身長 123cm

毒島春美（ぶすじま はるみ）

女性執行人で、今井玲子の同期。助手の梅吉には「ボス」と呼ばれている。

世界で数人しかいないという「遠隔魔法律」の使い手。リオと同じくナイスバディである。自分の裸をロージー達に見られても気にしない、豪快で男勝りな性格。山奥に事務所を開いているため、魔法律関係の仕事が少なく、副業として『毒島運送』を営んでいる。自らの寿命を犠牲にして手に入れた銃器型の魔法律書が宝。己の寿命を削って地獄の使者たる梅吉と契約した為、余命幾許もない。喫煙家で、酒癖が悪い。真っ直ぐな正義感を持ち、ムヒョ達の「エンチューを救う為の旅」に好意を持ち、自ら手助けを願い出た。遠隔魔法律で今井を助けるとムヒョ達の仲間になり、現在はグループ別に分けられた行動班で行動している。ロージーの事は、度々助言したりなど、それなりに気にはしている。

身長 165cm、7月25日生まれ

ギンジ / 素柿家銀二（そがきや ぎんじ）

魔法律学校高等部五年生で、委員長。裁判官補佐。青年の割りに背が低いが、態度はデカい。学校内に侵入した女の子の追跡している最中に偶然ロージーと出会い、その時に妨害した罰としてロージーに魔具庫の掃除を命じた。優秀な生徒で、かなり高等な技が使える。仮入学したロージーの面倒を見ている。

大河内奏成（おおこうち そうなり）

執行人。リオに対して悪質な取引を行っていた。母親が悪霊に襲われていた彼女を、「最近反抗的だったから」と見捨てた。後に悪霊に襲われて殺された。

リリー・エレナ

女性執行人で、老婦人。リオに嫉妬し、彼女の母を見殺しにした。後に禁魔法律家によって殺される。

[編集] 監獄守

エミリー

第3魔監獄主長。魔法律院の特別教合宿のために霊を用意したが、霧吹き山のブイヨセンの脱獄を犯す破目になってしまった。

前田（まえだ）

第18魔監獄所属。

[編集] 一般人

ナナ / 竹乃内菜々（たけのうち なな）

『六氷魔法律事ム所』に遊びに来る、プロの写真家を志す女子高校生。

活発で気の強い性格。ヨイチ曰く、Ｅカップの巨乳。写真を撮ると心霊写真が撮れてしまう霊媒体質。ゴリョーからは｢口寄せのお嬢ちゃん｣と呼ばれた。赤沢団地編の後に高校を卒業し、ペイジ部長直轄の調査員になっている。キリコに「アネゴ」と呼ばれている。現在は、リリー・マリルと行動を共にしている。

身長164cm、7月7日生まれ。好物：ロージーの紅茶、いい風景（ハプニング）、温泉（旅行）。特技：シャッターを押す、速撮り、かくし撮り。苦手なもの：ヒマ。

ケンジ / 佐藤健二（さとう　けんじ）

『六氷魔法律事ム所』に遊びに来る小学生。

初登場時に六氷魔法律事ム所の看板を壊した。友達としてからかムヒョへ「タマネギ」、ロージーへ「モヤシ」という渾名をつける。

身長135cm、12月7日生まれ。特技：スポーツ全般、逃走、いたずら。好きなもの：ハンバーグ、ボール、ジャビン。苦手なもの：勉強、机とイス、縦笛、ニンジン、ネギ全般。

田口キヨミ（たぐち きよ）

アパートの管理人の老婦人。金曜にいつもカレーパーティを開いていた。そのアパートに霊が出るようになって、六氷魔法律事務所に依頼に来た。だが、その霊に取り付かれていた。

小野寺香矢（おのでら かや）

読みきりで登場。

四谷阿部之（よんたに あべゆき）

作家。

[編集] 禁魔法律家

禁じられた事や、犯罪を犯した魔法律家を一般的にこう呼ぶ。他にも箱舟という7人から結成される犯罪グループがいる（エンチューには忠誠を誓っているか、あるいは協力関係にある）。

エンチュー / 円宙継（まどか そらつぐ）

ムヒョのMLS時代の同期生で、昔はムヒョやヨイチ、ビコとはとても仲が良かった。

幼い頃から病気の母親を救いたい一心で、執行人を目指していた。だがムヒョの才能への嫉妬・怨恨と愛する母の死がきっかけで理性（善悪）の箍がはずれてしまい、禁魔法律に手を出した。生真面目で没頭すると周りが見えない性格が災いして、人から外れた存在になってしまった。ムヒョと執行人の地位を争ったその実力はすべて、闇の力によって手に入れた禁魔法律に変えられている（それ故、禁魔法律家でも群を抜いた実力）。霊を操り続けたり、食事をとらなくても良くなってきたり、手が何本にも分かれたりと、確実に霊に近づきつつある。だいぶ身体が透けてきた模様。自らの体を黒い蝶に分裂させ、移動する事もできる。

ティキ

不気味な四ツ目の仮面と反逆者の印の入った手袋を身につけた、エンチューと行動を共にする男。

神出鬼没の怪人として、MLSの教科書にも載っている。その実態は、800年もの間協会からマークされ続けている反逆者。魔法律に関する大きな事件の度に現れ、手引きをしては消える。既に死亡した亡霊、不死の力を持つ、などといった噂が絶えない。パンジャを唆して禁魔法律家に引き込んだり、助ける執行人がいないことを承知の上でリオの母親に悪霊を嗾けて殺したりと、目的の為になら卑劣極まりない行為も厭わない。悪霊に近い身体になっているようで、体から蛆虫が出てきたり、上半身と下半身が別れ口となり、上級魔法律の使者を食べる。手袋には手の平に目が出現し、禁魔法律の反転マーク（つまり反逆者の印）を介して禁魔法律家を操ることが出来る模様。呪詛円陣を用いて反逆者の印を介し、自分の分身(幽体)を送り込むこともできる。エンチューを「円様」と呼んで従いつつも、彼をも利用している節がある。

余談だが、同時期に連載していた『D.Gray-man』に、同名の「ティキ」というキャラクターが登場している。D.Gray-manのティキの登場は本作品のティキの登場の数週間前であったこともあり、作者は星野桂氏に謝罪し、担当編集者と反省会をした。

リオ / 黒鳥理緒（くろとり りお）

女性カリスマ魔具師で、ビコの師匠。ナイスバディのキス魔。常に片眼鏡をかけている。

実は昔、悪霊に襲われた母親を見殺しにした協会への怨恨から、エンチュー同様に反逆者となり、禁魔法律に手を染めた者だった。「カリスマ」と評判されているが、実際は病気の母親が心配でオフィス近くの悪徳執行人としか取引をしていなかった。禁魔法律家となってもビコを実の娘のように思ってはいるが、それ以上にエンチューへの忠義に厚い。禁書の力を使い、母親を蘇らせるのが願いであった。母を襲った悪霊はティキの手引きによる物で、実質的に彼女はパンジャと同じく造られた反逆者である。分身のティキ対ムヒョ＆ロージーの奮闘の末、ほぼ完璧に反逆者の印を消す事に成功した（ただし、使者と禁魔法律の契約を交わしているため、僅かに残っている）。その後、ビコに叱咤激励の説得を受け、仲間に戻る。ビコと共にムヒョの新魔法律書を作成、三倍の煉出力を持つ強力な書を完成させた。

5月10日生まれ。特技：おかいもの（値切り　上手）、庭いじり、グラタン（20種類位作れる）。好きなもの：焼きたてのパン（ビコが焼いたパン）、コーヒー、おフロ。苦手なもの：お酒（ワインならちょっと・他は悪酔いし、危険）。

パンジャ

禁魔法律家。ミックと共に中継地の新潟のホテルでロージー達を待ち構えていた美少女。

本名は桜井千代（さくらい　ちよ）。幼い頃から霊媒体質であるが故に周囲から嫌悪され、学生の頃から耐え難いイジメを受けていた。両親から半ば迫害当然で無理やり家を追い出され、ムヒョの助手採用試験に行かされたが、道中で申し込み用紙を無くしてしまい、困っていた所を偶然通りがかったロージーに助けられた。それ以来ロージーに惚れてストーカー行為を続けていたが、一旦諦めて帰ろうとしたところをティキに唆されて、禁魔法律を教え込まれた。ティキに誘惑された時に「パンジーは・・・いや」と聞こえにくい声で言っため、「パンジャ」と聞き間違えたティキがそれを名前と思いこんだのが、その名の由来。指から放たれる「魔人形の糸」で人を自在に操る。また、操られている者に触れられたら糸が伝染する。契約している使者は、地獄の女帝ミミ。

当初は箱舟の一員と思われたが、実際はエンチュー達にとって捨て駒のようにしか思われていなかった。最後はロージーと思いが通じ合い、嬉しそうに成仏した。

イサビ

若い男の姿で、角が二本生えている禁魔法律家。身長175㎝～5m位

山奥の庵で山の精を従えて住んでいる。ティキのかつての盟友で、本人曰く、2人で富士山を噴火させたり、京都に10万体の悪霊を放ったり等、様々な悪行を犯したらしい。悪魔長降臨によると本気を出せばその力は六王にも匹敵し、明らかに致命傷と思われる傷も瞬く間に塞がるほどの回復力も持つ。また、巨大化や治癒能力なども持っている模様。一度相手を認めると妙に気前がいい。好きな物:生娘と酒、釣り、山の怪いじめ。特技:酒造り、雲数え、葉っぱ数え。苦手な物:甘い酒と記憶。

[編集] 箱舟メンバー

総勢7名。現在はトーマスが裁きにより地獄に送られ、その次にミックが消滅、さらにアイビーがブーブにとどめを刺されたため、構成員の人数は4人となっている。

トーマス

禁魔法律家で、箱舟の一人。

殺した相手の遺品を集めるのが趣味の男。成仏するはずだった霊を集め、模造霊をつくる。究極のコレクションをそろえるため、箱舟に入った。五嶺家焼き討ち事件では、頭取であるゴリョーを殺す役割を担っていたはずだが、前々から持っていた欲望に負けて誘拐した。幼い頃から犯罪に手を染めていたが、身分を詐称してＭＬＳの講師をしていたこともある。同業者軟禁で協会を追放されたのは5年前。しかし、教え子にあたるゴリョーをコレクションにしようとしていたあたり、当時の親友（旧友）・ペイジに禁魔法律に手を染めているのがバレたのは約10年前と思われる。

六王の一角である蝿王と契約しているため、蝿王系の魔法律（蝿王の宝箱など）は無力化される。全身を黒いマントで包み、煉はおろか物体を片っ端から吸い込む「底無し沼の蠅王の鎧」という禁魔法律を使う。この状態では、あらゆる物理攻撃が無効化され、特に人を飲み込む事を好む。発動時には辺りに地獄の瘴気が満ちる。第一形態では全身を黒マントで包み、四本の腕を伸ばして物体を飲み込むが、第二形態では頭部を仮面で覆い再生力が格段に上がる。更には蠅王の道具を借りて攻撃できるようにもなる（「一角蜜鳥」という飛び道具が登場済み）。マントを地面に落とすことで辺り一面に「冥府の流砂」（つまり地獄の門みたいな物）を発生させる。どちらの形態でも吸い込んだ物は直接地獄の貯蔵庫に行くようになっており、彼の禁魔法律書はこの途中に隠してある。この鎧とは別に、拷問に使われる「霊化蟲」という霊性の寄生虫を使う。作中で倉庫に監禁したゴリョーにこの蟲を仕込むなど、執着心を持つサディズム的な一面も見られた。この蟲は魂を喰らい、生身の人間を徐々に霊化させていく。

ムヒョらとの激闘の際、ロージーの手によって禁魔法律書本体を破壊されてしまう。最後は「箱舟ばんざ（い）」と断末魔を上げ、冥王の裁きによって地獄行きに。

アイビー・コルトロウ

禁魔法律家で、箱舟の一人。ブープの弟子。冷徹な長い髪の女性。19歳。

ミックの姉で、コルトロウ家では長女。弟のミックを「マイケル」と呼ぶ。通称「霊使いのアイビー」で、大量の怨霊・悪霊を従えている。間接的にでも両親を殺した五嶺を憎んでいる。クールな外見とは裏腹に家族に対する愛情は深く、ミックが死んだ事を知らされた時は、周りの霊が異常発生するほど怒りに震えていた。御嶺曰く「クールなのはツラだけ」。お守りやそれに類する物を無効化する「封じ崩しの舞」を披露。おそらく彼女が操る怨霊･悪霊の類はこの技を用いて封を解いた者達、要するに現地調達だと思われる。目をつけた人間を怨霊･悪霊を操って殺し、鈴を鳴らしながらコントロールを行い、この世の報復を問いながら悪霊にする。霊使いは直接戦闘に関与できない。契約している使者は、地獄の看守タルタロス。

五嶺との戦いに敗れ半霊化し退散するも人間的な感情を思い出した時、師であるブープに用済みと止めを刺され死亡した。その後、五嶺は雨に濡れる彼女の遺体に傘を手向けた。

ミック / マイケル・コルトロウ

禁魔法律家で、箱舟の一人。ロージーらを始末する為、中継地の新潟のホテルに待ち構えた隻眼の青年。17歳。

通称「切り裂きミック」。両親が禁魔法律家という呪われた家系に生まれ、両親から虐待まがいの教育理念を受けながらも、息子としてではなく「兵器」として禁魔法律を教え込まれた。両親が死んだ事で一家は消滅したが、禁魔法律で両親を生き返らせ、家族みんなで再び今までどおりの生活を過ごすために、兄弟であるアイビー、キッドと共に箱舟に入る。最初から同行したパンジャを自分と同じ箱舟の一員（正確には同士である禁魔法律家の一人）ではなく「当て馬」として見下し（ただし、本当の同士である仲間達は別といった場面がある）、梅吉やムヒョらを「クズ」呼ばわりする、非情な卑劣漢。言いたい事ははっきり言う性格であり、まどろっこしいのは嫌いである模様（あっさり自分の弱点を梅吉達に教える等）。大きな黒い曲刀を使う。

執行妨害による刑罰対象変更で、魔石女王に裁かれたかに見えたが、実は大きな曲剣（契約した使者の剣）が本体だった。彼の剣は「錬魔鉄」という地獄の金属で出来ており、柄の部分には稀に使者が見せる「根」(通称「魔の根」)が有る。そこを潰さない限り、いくら剣を破壊しても意味が無い。己の体内から剣を引きずり出して戦う。ちなみに腕を剣にする事も可能。自身の髪を硬化させ、牢にして相手を閉じ込める「冥糸銀の牢名主」という捕縛系の技が使える。更には「殺刃太刀の十一・鋼殺し」や「殺刃太刀の八・腹裂き包丁」といった我流の殺人剣術の技も持つ。

一時は窮地に追い込んでいくが、最後は七面犬の化けた大砲と、ロージー発案の螺旋階段を利用した遠心力（？）による加速を得た梅吉（雲竜鼠）の「竜車輪」を喰らい、刀が粉々に砕けた。更に魔の根は消滅されてしまい、姉・アイビーに夢を託しながら消え去った。

余談であるが、またもD.Gray-manのティキ（フルネームは「ティキ・ミック」）と名前が被っている。ただし、通称のみで本名は被っていない。

キッド・コルトロウ

禁魔法律家で、箱舟の一人。無口な大男。15歳。

ミックの弟で、コルトロウ家では末っ子。だいぶ、霊化が進んでいる。

ブープ

禁魔法律家で、箱舟の一人。杖を持った老人。アイビーの師匠である霊使い。特徴的な口調。

協会にアイビーと共に行動している。弟子のアイビーに「霊使いは直接戦えないから金と頭を使え」と教えた。アイビーを殺した上にキッドに伝える際それを魔法律家のせいにした。契約している使者は、地獄の看守タルタロス。

名前不明

禁魔法律家で、箱舟の一人。パイプを銜えて色眼鏡を掛けた小柄な青年。ティキの拷問を見るのが楽しみのようだ。

名前不明

禁魔法律家で、箱舟の一人。現時点では未登場。

[編集] 霊

タエコ（生前の名前は岡崎妙子）

一番最初に出てきた霊。元は女子高生で、好きな女友達・リエに突き放された挙句、電車に轢かれ死亡。他の人身事故の霊と合わさって大量の霊燐を出す程、強力な霊となった。冥王の晩餐により裁かれるが、情状酌量で三途の川行きになった。

一つ目の悪霊

嫉妬などの集合体

エンチューがムヒョを殺すために差し向けた強力な霊。蝿王の宝箱の刑に処される。

お堂に封印されていた悪霊

かつて百人分の生き血を飲んだという悪霊。まじない師が退治できないほど強いため、封印されていた。おもしろ半分で封印の札を剥がしてしまった健二を襲うが、ムヒョに魔獄房収監の刑に処される。

ユウタ

ナナのパパ

ナナのポラロイドカメラの写真に写り、つきまとっていた霊。元はナナの父親でカメラマンだったが、おちぶれてインチキ心霊写真を作って稼いでいた。ひょんなことで口論になり、ナナに罵倒されて心不全を起こし死亡。後に霊になり、気付いてほしい一心でナナにつきまとっていた。軽い罪である無断背後浮遊の罪により、黄泉流しの刑を受けた。

京子

平田残雪（ひらた ざんせつ）

明治時代に生きた作家。同じ作家・四谷の姿を借り、自身が生前に書ききれなかった私小説を書いていた。霊になっても長年に渡り自我を保つほどの強い想いを持つが、大人しく気弱な性格。自らの罪を認め、不帰梟の刑に処される。

赤目

人間の目を集める悪霊。ソフィーに顔を剥され、泣き犬（レインドッグ）に喰われた。

泣き犬（レインドッグ）

捨て犬の霊が集合した悪霊。

いかれ庭師（マッドプランター）

生前、高い理想を持っていた庭師が死後、地縛霊になったもの。仕えた庭園を守るために侵入する人間や生き物を毒殺した悪霊。霊性の毒を持つ触手で人間たちを襲う。毒を食らったまま放っておくと、悪霊になってしまう。

藤原

今井玲子の部下で裁判官補佐だったが、ソフィーに顔を剥され悪霊となる。この後、ムヒョに魔王の矛の刑に処される。

ソフィー

第18魔監獄の最下層に封印されていた悪霊。容姿も中身も年相応の少女だが、その力は強大。他人の顔を剥いでその人に成り済ますことから「顔剥ぎソフィー」と呼ばれる。人間の頃は「仮面の女」と呼ばれ、死後悪霊となり500年間で約2000人の人間の顔を剥ぎヨーロッパ中を恐怖に陥れたが、20年前に協会がとうとう捕獲した。他人の顔をとる理由は「かわいくなりたい」から。生前、初めて殺したのは実の姉。「不細工だから家の恥になる」という理由で、いつも一人だけパーティーに行かせてもらえなかった彼女は、はぎ取った姉の顔を被ることにより、自分も連れて行ってもらおうとしたのである。

こっくりさんで呼び出した悪霊

アイちゃんの母

アイちゃん

オニコマイヌ

第3魔監獄主長エミリーが魔法律院の特別強化合宿のために用意した霊。口から酸を吐く。フダがほとんど効かず、倒すには攻撃に長けた裁判官か執行人が必要。ブイヨセンと共に魔弓に仕留められる。

霧吹き山のブイヨセン

第3魔監獄の最下層に封印されていた強力な悪霊。オニコマイヌの体内に隠れて脱獄した。「ウフフイ」が口癖。アリクイのような長い舌が特徴。動きは鈍く力も無いが、ソフィーの比では無い程の強力な念動力を持つ。ロージーが直書きし、動きを抑えた所でペイジ・クラウスに魔弓で仕留められる。

居残り先生（トビラ様）

外伝で登場。元々は生徒想いの先生であり、死後も生徒の悩みを解決していたが、行動は次第にエスカレートしていき、殺人をも厭わない様になっていった。魔人検察官の刑に処される。

灯台守の目玉

エンチューの従える悪霊の一つ。一説では亡くなった灯台守の霊らしいが、詳しいことは分かっていない。口の中に巨大な一つ目があり、そこからビーム状の攻撃を繰り出す。元灯台守だったせいか、非常に探索能力が優れている。

百厄輪の面

アイビーの封崩し舞の影響で出てしまった。ギンジによると、とっくの昔に呪いの効力がきれている。ナナを飲み込んでいた。百の厄が刻まれた輪が地面にその紋様を刻む事で呪いが完成する。

少女の悪霊

アイビーの従える悪霊で全部で六体いる。氷のように冷たく、口から吐く冷気で攻撃する。

ハイエナ・ジグロ

魔法律学校の生徒だった人物。アイビーの従える悪霊に凍死させられて悪霊となり、アイビーの従者となる。その後、両腕を「食い破りの茨」に変化させてゴリョー達を屋敷に閉じ込めて攻撃するが、パケロの攻撃からアイビーを庇い、消滅した。

モグリのボビー

魔法律学校の七不思議の一つ。元々は魔法律学校の生徒だったが、才能が無く、自暴自棄になって、盗み等を繰り返している内に死んでしまい、以来、鎧の中に住み着くようになった。偶然、覚醒したばかりの銀杏婦人が落とした通行証を手に入れ、ロージーを業洗刀で浄化するようにと騙して、自らの「鎧の呪縛」を解かせた上でロージーに憑依しようとするが、キンジに阻止されてしまい、さらに銀杏婦人が現れ、惨たらしく体を引き千切られる。それでもロージーの服に張り付き、ムヒョ達を銀杏婦人から守り、『魔法律家』として、消滅した。

銀杏婦人（イチョウババア）

宝石にしか目がない老婆の悪霊。相手を石化させる力を持ち、その力は肉体を得た使者ですら石化させるほど強力。かつて執行人10人がかりで封印したが、アイビーにより封印が解かれた。通行証を持っていたが、落としてしまい、魔法律学校内を探し回っていた。モグリのボビーから通行証を奪い返したが、ムヒョに奪われてしまい、閻魔謁見の刑に処せられる。生前は可愛らしい女性で、恋人が戦争へ出兵する時に「きっと帰ってくるからオシャレして待ってておくれ」と約束したが、約束を果たさぬまま恋人が戦死し、その悲嘆から自殺を遂げる。霊となって宝石を集めていたときに、イサビから通行証を譲り受けた。

怨竜「ロクシー」

アイビーの母が探し出し、協会の地に封じて長い時間をかけて育成してきた怨竜。アイビー曰く「ママからのプレゼント」。五領が喚んだパケロに追い詰められたアイビーが奥の手として呼び出した。協会の地に溢れる魔法律家達の憎しみを糧に、巨大な化け物へと育っていた。

[編集] 霊の犯罪

物体無断霊化

人などを取り込み、霊化させる罪。

魔法律執行妨害

魔法律の発動中に執行人に危害を加える、もしくは執行途中の使者に危害を加える罪。

人体無断寄生

人の体に取り付く罪。

霊気無断大量放出

直接危害を加えなくとも、少なからず人に影響を及ぼしている罪。

物体無断寄生

椅子などの物に寄生する罪。

傷害

人に重傷･瀕死を負わせる罪。

暴行未遂

食人

人を食い殺す罪。

食人未遂

対象者の全身若しくは三分の二以上の食人を試みる罪。

吸血

生者の血を吸う罪。

大量吸血

多数の対象者から血を吸う罪。

無断変形

体の一部分や全体を変形する。刑は葉陰の番人･魔王の矛･六王の鳥籠

無断尾行

生者についてまわる罪（元々尾行は無断ではないかというツッコミがある。）

長期不法滞在

成仏せず長期間に渡り現世（居てはいけない地）に居座り続ける罪

超長期不法滞在

齢数百年現世に居座り続ける罪　

面相無断転写

生きている者の姿形を真似る罪

なりかわり

生きている人間に成り代わりその者の人生を乗っ取る大罪

あやつり

生きている人間の意志に反し肉体を操る罪

拉致監禁

霊による連れ去り、監禁を行なう罪

霊威詐称

自らを神だと名乗る罪。

呪術無断行使

呪術的な能力を行使する罪。

呪殺無断行使

呪殺未遂

[編集] 魔法律

魔法律とは、主に霊による犯罪を防ぎ、あるいはその罪を裁くことを目的とする法律である。魔法律を扱うことのできる者を魔法律家と呼ぶ。霊の犯罪には名前が付けられ項目分けされており、罪状に応じた刑を執行人が執行するのであるが、誤った刑を執行しようとすると執行人自身が刑が受けることになる。魔法律を行使するためには煉が必要であり上級の魔法律にはより多くの煉が必要とされる。魔法律は、大別すると地獄の使者を行使するものとしないものがあり、前者を用いるためには使者と契約を結ぶ必要がある。後者の使用条件についての詳細は不明である。なお、魔法律と地獄の使者は密接な関係にあるため、これについても本項に記す。 魔法律書で呼び出した契約相手は仕事上の関係であり、甲冑（いわば仕事着）を脱げば執行人であろうと狩りの相手である（ムヒョが呼び出した黒鯱が魔法律書が壊れた事で襲いかかりそうになったが、予備の魔法律書で襲えなくなると消える直前「チッ命拾いをしたな」と言っていた）。地獄の使者の大半は地獄語を喋る。通常の魔法律は煉を使者に渡して力を借りるが、魂を渡せば己が徐々に霊化する代わりに強力な力(＝生者を殺める力)を得ることが出来、使い方次第では不死に近い存在にもなれる（＝禁魔法律）。また、禁域として「肉体」（血液など身体の一部？）を売る事も可能。この時、使者は「魂」を売る禁魔法律に匹敵する力を発揮するが、二次作用として使者同調という物があり、使者が負った傷を執行人も負う、つまり使者が死ねば執行人も死ぬという、強い力を得るための代償を必要とする。故に時として、その代償は禁魔法律以上となる。この際、執行人の手の甲にはその使者を象徴するマークが浮かび、行使時間が長引くほど腕に向かって伸びていく。

冥王 ルアラリエ（めいおう るあらりえ）

地獄の六王の一角。超巨大。魔力が強力すぎる為に今まで誰1人として契約を結んだ事が無かった。千変の舌を操り、圧倒的な力を見せる。第一形態の通常状態が瀕死のダメージを負うと、自動的に第二形態の翼が生えた状態になり、翼からドゥアトの槍 を繰り出すことが出来るようになる。

閻魔謁見（えんまえっけん）

地獄の法の番人、閻魔を召喚し、霊を粉砕する。発動すると柱などの障害物が開いてゆき、閻魔を乗せた輿がやってくる。霊にはシリアルナンバーが刻まれ動きを封じられ、閻魔に捕捉されてしまう。魔元帥に匹敵する高度な魔法律。

魔石女王（まじゃくめおう）

地獄の女帝の一角。白い岩と聖母マリアのような見た目の使者。強力な磁力で霊を分解して、地獄に送る。基本的に手から磁力を発するが、口から弾丸状にして連続で打ち出す事もできる。

冥府 海の王子・パケロ

ゴリョーが呼び出した使者で、傘を持った子供のような姿をしている。無邪気で勝手気ままな性格のため、呼び出しても執行人の思い通りに動くとは限らない。しかし、冥府の海の王子の名にふさわしい力を持っており、自爆するフジツボ型の使者「時限魔貝」や、念動力を使う冥界の魚を召喚して戦う。能力として、所持する傘を変形させたり、自身より遥かに大きい悪霊を一呑みにしてしまうこともできる。窮地にいたゴリョーとエビスを助けた。

黒鯱（くろしゃち）

地獄の十本刀の一角。魔元帥直属の切り込み隊長。実力はかなり高いが、ムヒョの魔法律書が壊れた為に仕事を放棄。ムヒョ達に切りかかったが、予備の（練習用）魔法律書により、どうにか帰って行った。

悪魔長降臨（あくまちょうこうりん）

目の上に666マークがある悪魔。ペイジがトロイのベルを発動してから初めて「肉体」契約状態で使役した使者。両手と尻尾を武器化する事が出来る。両手を刃のように武器化する『研ぎ澄ませ「悪魔の鍛冶屋」』、手下の悪魔達の力も借りて、片方の角を引き出し巨大な鎌にして攻撃する「真っ暗山の巨人鎌」という技が使える。

霊撃手（れいげきしゅ）

下級魔法律。両手に刀を持った使者。霊の本体を探し出し、始末する。契約者が練を注入することで刀が巨大化。その時は地獄の十本刀に位置する実力になる。また、何体も契約して小隊を組ませる事が出来る。

魔人葬迎車

タクシーのような外見の使者。地獄との往復運賃（魂２０００個分）を地獄で無限に支払わせるために霊を捕らえ帰っていく。

魔弾顔

側面に顔の付いた弾丸型の使者。

黒火蜴（くろひとかげ）

下級魔法律。冥界の炉主。口から火の玉を吐く。合体して巨大化することもできる。

魔元帥（まげんすい）

上級魔法律で、魔鉄兵を統率する元帥。超巨大。凶悪な悪霊ソフィー戦では「タルタロスの鎖」で動きを封じ巨剣で真っ二つにした。地獄の十本刀の一人で、その頂点でもある

魔列車（まれっしゃ）

中級魔法律。魔車掌の幾万本の手が内から出てきて入れようとする。魔車掌の手につかまれるともう逃げられまいという。多数の霊に有効。執行人の中のでも使える者は少ないという。

魔図鑑（まずかん）

大きな図鑑の表表紙に顔のような物が付いている使者。ページ部分に霊を挟んで潰す。

魔針貫（ましんがん）

下級魔法律。鋭い針が霊を貫く。

魔弓（まきゅう）

空から数本の矢が出現し、霊を貫いて地獄に送る。

六王の鳥籠（ろくおうのとりかご）

魔界の銀でできた檻に霊を閉じ込める。ペイジ曰く「永遠の閉塞」

魔王の鉄槌（まおうのてっつい）

1発目で現世から地獄に落とし、2発目で地獄の塵に還す。

魔鉄兵（まてつへい）

下級魔法律。地獄の兵士。口から弾丸を発射する。

茨の園（いばらのその）

下級魔法律。茨の魔物が霊を飲み込む。

蝿王の宝箱（はえおうのたからばこ）

中級魔法律。宝箱の姿をした使者。霊を食い尽くす。この魔法律でトーマスを裁こうとしたが、彼の禁魔法律の契約主が蠅王だったため、攻撃しなかった。

冥王の晩餐（めいおうのばんさん）

中級魔法律。地から巨大な口が出現。冥王の胃に直結していて溶かされる。冥王の気分により行き先が決まる。

魔王の義手（まおうのぎしゅ）

地から義手が出現。そのまま地獄へと引っ張る。

魔王の影（まおうのかげ）

下級魔法律。魔王の分身の影が霊を背後から無慈悲に包み込む。

破王印落滅（はおういんらくめつ）

二体の地獄の使者が持つ破王の印で霊を潰す。

葉陰の番人（はかげのばんにん）

下級魔法律。現世と地獄の全ての影を司っている。影がある場所なら、ベットの下からでも現れることができ、霊を引っ張り地獄に連れて行く。

不帰梟（ふきふくろう）

二つの頭を持つ梟。爪で霊を捉えて地獄へ旅立つ。

魔人検察官（まじんけんさつかん）

一つのマントに同じ顔がいくつも付いている使者。捕らえられた霊は、地獄で責め続けられる。

魔王の矛（まおうのほこ）

下級魔法律。三又の槍が霊を貫く。故・藤原裁判官補佐はこれで煉獄行きになった。

魔王の釘蜂（まおうのくぎばち）

釘と蜂を合わせたような使者。

魔獄房収監（まごくぼうしゅうかん）

複数の目の付いた檻に閉じ込める。手と顔は出る。

雷獄童子（らいごくどうじ）

ゴリョーが呼んだ使者。口から雷の息吹を出せる。

幽李（ユウリ）

地獄の四賢者の一角。ムヒョが冥王と契約を結ぶ際にも使用した使者。他の魔法律を止める事ができる。普段は三つ目の仙人のような姿をしているが、ムヒョが煉を注入することにより、本来の巨大な鬼神の姿になる。ゴリョーの召喚した雷獄童子を一蹴し、冥王の第一形態を相手に圧勝するなど、ムヒョの契約した使者の中でも、とりわけ強大な力を持つ。ちなみにムヒョと契約した時には、霊撃手5体でバラバラにされたらしい。

七面犬（しちめんけん）

七つの目がある犬。擬態して、あやつり等の霊の犯罪を暴く。他の使者と違い、いつでも召還できる。手ではさみのように使うと糸（魔人形の糸）を切る事が出来る。使者のなかでは珍しく、人語を話す。語尾に「～でヤンス」と付けて喋る。一人称は「アッシ」。彼の擬態できる範囲は供給されるエネルギーの質によって異なり、「煉」エネルギーを供給する場合生物にしか擬態出来ないが、「肉体」エネルギーを供給することによって無機質にも擬態出来るようにもなる（鉄など）。この状態で、様々な物に化ける事も出来る(例：ハンマーや盾、大砲など)。

阿鼻獄縄（あびごくじょう）

黒い縄のような形の影が霊をぐるぐる巻きにする。下級魔法律。

追死（ついし）

霊を分解し地獄に送る下級魔法律。

送り火（おくりび）

魔法律書を開くとそこに炎が現れ、そこから霊をあの世に送り出す。

銀の梯子（ぎんのはしご）

最初から霊を地獄でなく浄土行きにするための魔法律。

黄泉渡り（よみわたり）

笠に鈴を付けた使者二人が、霊を船に乗せて黄泉に連れて行く。

キリコ

ヨイチが冥王ルアラリエとの契約を破棄するために、『使い魔の壷』から召喚した。しかしルアラリエの前で（相手が冥王だったせいか、またはキリコの力が大して強くなかったせいか）怖気づいてしまい、ほとんど役に立たなかった。ビコが「不良品に当たった」と言っているところから、地獄の使者としては落ちこぼれの模様（故郷である地獄に戻りたがらない程）。激闘の後、冥王とムヒョとの契約仲介人となっている。その後は地獄に戻らず、ムヒョ達と行動を共にしている。ナナの事を「姐さん」「アネゴ」と尊敬し、彼女とのコンビで見事に五嶺の体から霊化蟲を追い払った。

雲竜鼠（うんりゅうそ）

梅吉の本当の姿。5年前に毒島によって召還され、半永久的に現世にいる。彼は遠くでも煉が届き、人化できるのが一番の長所。「竜車輪」以外の魔法律は使えない（遠隔魔法律の使者と契約する際に、使者それぞれの長所で選ぶことができる為）。

竜車輪

雲竜鼠（梅吉）自身が体を丸めて弾丸状になり、飛び跳ねるようにして複数の悪霊を滅する魔法律。ちなみに梅吉はこの技しか使えない。「肉体」契約状態で行使すればとてつもないスピードを生み出す。

[編集] 遠隔魔法律

執行人でも使える人は数少ない魔法律の方式の一つ。今の所使えるのは毒島の銃器型の書のみ登場。彼女の場合、使者・雲竜鼠（梅吉）を銃（書）の中に入れ、弾丸として目的地まで吹っ飛ばす。煉が供給されなければ発動を持続させることはできないため、彼女は撃ってすぐ後に自分のトラックで近づく。遠隔魔法律を解除すると、その瞬間に使者が触れていた物（人）ごと自分の下に（使者が）戻ってくる。帰還には執行人が「帰還点」と言う「陣」を引くことが必要で、遠隔魔法律を解除してからでも引ける。

[編集] 魔法特例法

魔睡針

射されたら三日三晩起きない。対人用なので霊化が進んでいると効果が薄い。特例法第6項。

根の国返し

溺死の状態の、人間を回復させる。特例法第85項。

銀の鎧

人間を、霊の攻撃から守る。周囲の物体は守れない。特例法82項。

施錠解除

鍵の掛けられたドアを開ける。特例法第8項。

銀の幕

ある一定の区域の周りに結界を張り、中の人を霊から見えなくする。特例法第9項。

霊錠解除

霊気によって施錠された鍵を解除する。特例法第18項。

邪忌印落し

禁魔法律家への戒めである反転魔法律のマークを滅する。特例法第25項。

[編集] 階級

執行人

最高の地位で唯一「執行」を行い、直接霊を裁くことができる。ムヒョ、ゴリョー、ペイジ、毒島などが該当。ちなみに魔法律家は昔、「魔術師」と呼ばれていた時期があった。

裁判官

執行人の次位。「執行」以外の全ての魔法律を使いこなす。「陣」が使える。ヨイチ、今井怜子、エビスなどが該当。

裁判官補佐

実戦を積んでいる。魔具である「杖」を扱える。左近、大木などが該当。読切では「二級裁判官」になっている。

一級書記官

「札」と「ペン」が使える事必須。ここからの地位が主に戦闘もできるとされている。梅吉が該当。ロージーは仮免を持っているのでココに昇格。

二級書記官

雑務担当。リリー、マリル、などが該当。

[編集] 魔具

魔法律書

すべての法令が記載されている、執行人が持つ本。その秘密を守るために、本来の所有者以外の手に渡ると一分で自爆するようになっている。ムヒョの本は、リオが作ったもの。ちなみに執行内容を誤ると執行人に刑が処せられる。上級魔法律も含め、強力すぎる刑の執行には耐え切れず、使いすぎると壊れる。執行人が書を自分の物にする為には「適性検査」と呼ばれる過程を経る必要がある。ムヒョの書は、ビコとリオが３倍の煉出力を持つ新しいものを完成させた。

煉根湯

煉（精神力）を一時的に回復させる、調合難度最上級の秘薬。執行人でもその存在を知っているものは稀だという、秘薬中の秘薬。その起源は約700年前にさかのぼり、約数万の霊の大群と約数千の魔法律協会執行人との激しい戦争で活躍した。ただし人体に毒で、その当時、この薬を使いすぎて何百人もの執行人が死んでいった。その後、ビコは副作用を弱めた煉根湯を作ったらしい。

出張魔法陣シール

壁などに貼ることで、自在に空間を移動することができる。時間が経つと消える。ビコは2千円で売っている。肝心な場面で何故か使用されない。

札（フダ）

魔封じの筆によってこれに書き込むことで、さまざまな術を使うことができる。ただし、書いてすぐでないと効果が発揮されない。力の強い札、弱い札があり、使用者の力量に合ったものでないと十分な効果を発揮できない。

魔封じの筆（ペン）

このペンによって対幽霊戦用のフダを作ることができる。また直に幽霊に使うことで何倍もの効果を発揮する（その反面、使用する錬も数倍になる）。

炉主の杖

魔界の使者「黒火蜴」の力を借りることができる杖。人を殺す力を持っているために、協会では使用禁止とされた。

煉鐘

治療師が持つ、虚脱に陥った際の治療道具。体の底から眠気を引き出して煉を直す。人によっては睡眠障害になることもある。

魔除け小太刀（まよけこだち）

霊を切ることができる刃物。こめた煉の量によって威力が変わる。今井玲子はこれの達人。

煉顔料

契約の際に契約の陣に呪文を描く為のペンキ。

神通針（じんつうばり）

魔法特例法の効果を高めたり、霊を捕らえたりできる。他にも他者から煉を抜き取ったり、煉を注入したりできる。エビスが愛用している。

七変の杖

「魔封石の術」など様々な術を行使できる様子。

千里魔鏡

遠隔魔法律家が使用する、超精巧かつレアな魔具。遠隔魔法律で飛ばした使者の見たり聞いたりした物を鏡に映して見ることができる。ただし、自分側の音声も向こう側に聞こえてしまう。

通行証

禁書より遥昔から存在する古の魔具。六王よりさらに強大な力を持つ使者が居るという「無間地獄」と交信する権利を得る。元々はイサビの杯の底にはめ込んであったが、彼が協会のどこかに隠した。リリー＆マリル及びナナ＆キリコによって捜索し、魔法律学校内にあることが判明、銀杏婦人(イチョウばばあ)から奪い取り、現在は無間地獄との契約の為に書と融合させる方法を模索中。持った霊に力を与え、巨大化させることも出来る。

書代理用紙

1枚につき一回だけ正式な魔法律を使用することが出来る紙。持続時間は使者によって異なる（例：幽李は約20秒間）。

業洗刀

短剣の形状。霊が持つ特性を無効化できる(霊・モグリのボビーの「鎧の呪縛」を打ち消す)他、霊の憑依を解除できる。しかし、霊を成仏させる力はない。

[編集] 術

[編集] 術

破魔の術

霊にダメージを与える。裁判官でも三連弾が限界だが、ロージーは更に連続で使用できる。

破魔竈の術

破魔の術の巨大化したもの。霊を一撃で倒すほどの威力がある。

魔縛りの術

霊を麻痺させる。

退魔封殺の術

扉を封印し、霊を足止めする。

霊化防壁の術

霊の攻撃を防ぐ。比較的簡単な術。

物体防壁の術

霊化防壁とは違い、物質の攻撃を防ぐことができる。

魔暗返しの術

霊の攻撃を跳ね返す。

邪祓塩の術

札ではなく、塩を使う特殊な術。霊の動きを一定時間止める事ができる。

怪の魔　打ち払いの術

破魔丸を用いて霊を打ち払う技。

魔封石の術

魔具「七変の杖」を用いて札を貼った相手を石化させる。

口寄せ傀儡の術

魔具の人形を使って人の姿で霊をおびき出し、ある程度レベルの高い霊でも足止めできる

千火蛍の術

発動に魔具「蛍火の素」を必要とし、煉の精密なコントロールがいるが、破魔の術の数十倍の破壊力を持つ。

縛り矢の術

小さい矢(魔具かは不明)に札を付けて霊に当てることで霊を捕縛することが出来る。

手綱り破魔の術

魔具の杖を用いて強力な光線を放ち霊を滅する。

[編集] 陣

六方破魔手形の陣

攻撃系の陣の中でもトップクラスの威力で、強力な霊にもある程度ダメージを与えられる。が、煉の消費量は高い。

六方霊化結界の陣

強力な結界を作り、霊の攻撃を防ぐ。「霊化防壁」の何倍もの防御力を誇る。結界の中でも上位の「陣」である。よって「煉」を大量に消費する。

獄門結界の陣

詳しい効果の詳細は不明だが、中にいる禁魔法律家の魂の削減を防ぐ効果がある事から、その中への使者の効果の干渉を防ぐ治療系の陣だと思われる。

使者の門

執行人が使者を召喚するのを手助けする補助系の「陣」のひとつ。

契約の陣

執行人が新たな使者と契約を結ぶ際に使者を呼び出す為の補助系の陣。ヨイチ曰く「鮮度が命」らしい。地獄と交信するための呪文を魔具「煉顔料」を用いて描く。ただし、呪文を描いてから門が開くまでの時間はまちまち。

封魔格子の陣

円環状に並べた札から光の格子を作り、霊を捕らえる捕縛系の陣。

帰還点

遠隔魔法律家が使者の帰還場所を特定する為に引く位置特定系の陣。

霊磁気吸の陣

通常の陣なら術者の周りに1～2体の霊を吸い寄せるだけだが、五嶺家奥義百八手では神通針で広範囲を結界で囲み、中心に霊をかき集める。

呪殺相切手形の陣

複数の札を円形に配置、霊が放った呪殺攻撃を回避することが出来る。

[編集] 専門用語

魔具師

魔法律家たちが使う魔具を作る技術者。魔具の製法などの秘密を守るために、人前に姿を現すことはめったにない。よって「魔具師が動く時は不吉が動く」と言われている。魔具師は煉が少ないため、魔具を作れても使うことはできない。ただし、禁魔法律では使者にあげる煉さえあれば使うことも可能(例:黒鳥リオ)。昔は「錬金術師」と呼ばれていた。

治療師

魔法律病院で、看護婦のような仕事をしている。赤いズキンをかぶっている。

地獄の六王

地獄を統率する6体の王。個々の魔力が強力過ぎて、執行人の中に誰1人として契約を結ぶ者はいなかった。現在までに判明しているのは魔王・蝿王・破王・冥王の4体。

地獄の女帝

現在までに判明しているのはミミ・魔石女王の二体。

地獄の四賢者

地獄の司法者。六王とは関わり合いを持たない。幽李はその一角。

地獄の十本刀

現在までに判明しているのは黒鯱・魔元帥・霊撃手の三体（ちなみに魔元帥は、十本刀の頂点）。

トロイのベル

通常、使者に与えるのは煉か魂。しかし、禁域として肉体を捧げる事も可能。「体」を売って行使する魔法律は「魂」を売って行使する禁魔法律と同等の力を発揮する。だが、その代償は時として「魂」の魔法律以上（もっとも、「それならば禁魔法律家は魂を売らなくてもいいのではないか」という疑問の声もあるが）。それを禁じている魔法律のルールを変更できる。具体的には、攻撃ではなく地獄の門を広げ、使者に肉体を捧げる事を許可する「合図」。発動には四賢人全員の合意が必要だが、ペイジ程の実力者であれば単独でも強行発動できる。発動時には様々な類似する魔法律のマークの描かれた、地獄の門を護る18枚の守護の「陣」が術者の頭上に浮かび、全執行人に連絡が行き渡った事を確認した後、「発動」の一言で一気に四散し、全ての魔法律書のマークを書き換える＝ルールを書き換える。ちなみに18枚の陣は迂闊に近づけば、例えイサビであろうと只では済まない。並大抵の霊なら近づくだけで木っ端微塵に粉砕される。リリー&マリル曰く「ルールの変更は終わり無き闘いの始まり」らしい。

使者同調

トロイのベルによって可能となった、「体」を地獄の使者に売って行使する魔法律の二次作用。『煉』よりも大きな力があるが、執行人と使者が同調し、使者が負った傷が執行人にも移る。そのため、「体」を売った使者が死ねば執行人も死ぬ（ただし、使者の意思によって同調率はコントロールできる模様）。現に、銀杏婦人を迎え撃つ為、肉体契約を結んだ使者を石化された執行人も石となった。

煉

精神力もしくは霊力のようなもの。魔法律家が使者の召喚や魔具を使用する時に必要な力。通常は煉を残した状態で睡眠をとることで回復するが、煉を使い切ると虚脱(煉が底をつき、危険な状態)に陥るため、魔法律病院等で適切な処置をとる必要がある。また、魔具師の秘薬煉根湯で回復することが出来る(ただし、副作用有り）。

陣

裁判官以上が使うことのできる強力な術。

結界

「陣」のひとつ。強力な防壁を作る。

門

「陣」のひとつ。執行人が地獄の使者を召喚するための門を作る。

根（魔の根）

一部の使者や物体に見られる心臓のような物。ここを潰せばその使者（物体）は消えうせる。光、特に日光に弱く、日光に当たった瞬間消滅するほど。

魔法律協会

魔法律家を管理・育成している協会。MLSや、約3000万冊の書物が保管されている魔法律図書館がある。長野県の安曇野山中のどこかにある。

四賢人

詳細不明。ペイジを含む四人。賢人長の存在が確認されている。ペイジ曰く他の3人は「なまりきった老人」との事。

MLS（Magic Law School）

魔法律家を育成する魔法律学校。外国の生徒も通っており、競争率が高い。ムヒョ・エンチュー・ヨイチ・ビコはMLSの同期生であり幼馴染。ロージーは受験に失敗しても何度か受けたが、結局入学できなかった。サスペンダーが制服とされているらしい。

魔監獄

強力な悪霊たちを閉じ込める牢獄。執行人の数が悪霊の数に比べて不足しているため、霊たちを一時的にここに封印する。魔法律界の汚点であり、トップシークレットの象徴。海の真ん中にある、地図に載っていない島にある。

禁魔法律

自分の魂を闇に売ることで地獄の使者と契約を結び、その力を借りる禁断の技。煉を必要としないため、魔法律家でなくても使うことができる。禁魔法律を一度でも使うと、使者との契約を破棄することはできない。使い続けることで魂は擦り切れ、使用者自身が悪霊に近い存在になり、自我も消えてしまう。タイプは大きく分けて二つあり、トーマスの禁魔法律書やパンジャのネックレスなど、何らかの物を中継して地獄の力を得るタイプと、ミックのように使者に魂だけでなく肉体も売り、何か本体を持ちかなり長期間使者とのコンタクト無しに力を行使するタイプがある。後者の場合、書は無いが魔の根など急所(核)に値する物を持つ。

霊使い

地獄の看守タルタロスと契約を結び、霊を製造･育成などを行う禁魔法律家。

上級魔法律

通常の魔法律の何倍もの破壊力を持つ強力な技。呪文を唱えて地獄と交信し、上位の地獄の使者と契約を結ぶことで初めて発動する。通常は執行人数人がかりで契約を行うのが普通(呪文＝魔界語を唱える事は恐ろしく体力を消耗するため)。何回も行使すると魔法律書に負担がかかり、いずれは壊れてしまう。

適性検査

執行人が魔法律書を自分の物にする為に経る過程の名称。単純に言えば精神攻撃で、ありとあらゆる地獄の光景、数多の霊の叫びが襲い掛かかり、それに耐えた者だけが書に認められる。通常の執行人なら三ヶ月を要するが、ムヒョの場合、昔の書なら十日、新しい書は数分で終了した。

魔法律ジャーナル

魔法律界のさまざまな情報が載っている雑誌。魔法律図書館にバックナンバーがある。

霊燐

地縛霊などが出す濃度の高い霊気。生臭い臭いがする。長く霊燐を浴びた死体は霊化が速い。

霊痕

物体に残った霊が触った跡。

食い宿りの茨

霊の形態。地縛霊の一種で古い家に寄生して、住人の命を蝕む。

怨竜

ある特定の条件の下で発生する怨霊の塊。記録では、奴隷の大量死の跡地などで発生している。

煉獄

地獄に行くよりも軽い罪の罪人がその罪を償う場所。ここで罪を償えば天国に行くことができる。

ジャビン

ムヒョやロージー、ケンジも大好きな週刊少年漫画雑誌。

ムヒョルール

ムヒョが魔法律家として決めたルール。物語が進むごとに無理が生じ、だんだんおざなりになってしまったものもある。

• 「依頼人との再会を禁ず」 - ナナが頻繁に出入りするようになったため、ルールとして成立しなくなった。
• 「魔法律書に触れてはいけない」-　所有者以外の者が触れると爆発する危険性があるため。
• 「依頼人との再会は事件による相談に限り例外的に認める」- ケンジやナナが事務所に頻繁に出入りするようになり、ルールとして成立しなくなった。

使い魔の壷

使い魔を呼び出す壷。地獄の使者との登記契約・破棄の仲介役として使われる。キリコもこれによって呼び出された。

禁書

魔法律協会で、厳重に封印されていた不死・死者復活に関する禁魔法律の奥義が書かれた物。ティキによって盗まれ、現在はエンチュー達の手にある。リオによって開封されようとしていたが、ムヒョ達がリオを奪還した為に、開封は途中で止まっている。『書』というものには程遠い、禍々しい生物のような実態を表しつつある。ティキですら畏怖するほどの代物。まだ詳細は不明だが、書の発動には10万人の魂を必要とし、相反する力（復活と破壊）を持つ。

[編集] 外部リンク

• 公式サイト