バレエ
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バレエ(Ballet)は、西ヨーロッパで発生し広まった、歌詞・台詞を伴わない舞台舞踊。及びその作品を構成する個々のダンス。音楽伴奏・舞台芸術を伴いダンスによって表現する舞台で、もとはオペラの一部として発達した。そのため物語性をもち、複数の幕をもつ舞踊劇が多い(「くるみ割り人形」「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「ドン・キホーテ」など)。しかし20世紀以降には物語性を否定する作品も生まれた。一方で短い一幕物作品でありながら優れた物語性をもつものもある(「瀕死の白鳥」など)。事前に振付家によってバレエ独特の所作を指定されたものを演じ、即興作品は少ない。振付の仕方を振付術(コリオグラファー)という。
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[編集] バレエの歴史
[編集] 起源
バレエはルネッサンス期のイタリアに起源を発する。当時、宮廷では余興として詩の朗読、演劇などが演じられていたが、その一部としてバロ(Ballo)と呼ばれるダンスが生まれた。宮廷の広間で貴族たちが歩きながら床に図形を描いていくもので、それをバルコニーから眺めるのが当時の楽しみ方であった。
16世紀、ジョヴァンニ・ジャコモ・ガストルディにより世俗合唱曲が流行すると、その歌に踊りを加えたバレット(Balletto)が生まれ、やがてバレッティ(Balletti)と呼ばれるようになった。1463年、グリエルモ・エブレオ『舞踏芸術論』のなかでBallettoという語が初めて用いられている。
ドメニコ・ダ・ピアチェンツァなど舞曲の作曲家や、ドメニコ・ダ・フェッラーラ(フェラーラ侯レオネッロ・デステに仕えた)などの舞踏教師が登場し、イタリアの貴族が盛んに舞踏会を開催したことが分かる。1496年にはレオナルド・ダ・ヴィンチが衣裳と装置を担当した「楽園」が初演された。
[編集] バレエの誕生
1533年、イタリア、フィレンツェのメディチ家からフランス王室に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスによりバレッティ(Balletti)がフランスにもたらされ、バレエ(Ballet)と呼ばれた。1573年「ポーランド人のバレエ」(演出・振付:ボージョワイユー)が初めてバレエ(Ballet)と称している。1581年の「王妃のバレエ・コミック」(演出・振付:ボージョワイユー)は、完全な記録の残っている最初のバレエ作品である。これらをかわきりに、バレエは宮廷において盛んに踊られるようになり、16世紀末から17世紀初頭の20年間で約800のバレエが上演されたと言われる。
1643年、ルイ14世が5歳でフランス国王に即位した際には、数時間にも及ぶ豪華絢爛なバレエが催され、ルイ14世自らが出演した。ルイ14世はバレエに熱中し、1653年15歳の時に『夜のバレエ』で本格的に舞台デビュー。よりバレエの質を上げようと1661年に王立舞踏アカデミーを創立した。ルイ14世の舞踏教師ピエール・ボーシャンによってポジションが定められ、舞踏符が確立されるなど、バレエがダンスとして体系づけられたのもこの頃である。
[編集] 宮廷から劇場へ
1670年にルイ14世が舞台から引退すると、バレエは宮廷から劇場に移り、職業ダンサーのダンスに変化していった。翌1671年、オペラ座が設立(当時のバレエはオペラと一体であった)。1681年、『愛の勝利』で最初の女性ダンサーラ・フォンテーヌが劇場に登場し、18世紀に入るとマリー・カマルゴ、マリー・サレなど女性職業ダンサーが続々とオペラ座からデビュー。宮廷バレエでは男性ダンサーが中心だったが、1726年、マリー・カマルゴが男性のみの技法であった跳躍をし、女性ダンサーが人気をはくするようになった。
同時に、1700年に最初のバレエ教本、フイエ『舞踊術、あるいは記号、絵、記号による舞踊記述法』が出版され、1713年にはオペラ座にバレエ学校が創設されるなど、バレエ教育が確立。バレエの技法も複雑化していった。1760年、ジャン=ジョルジュ・ノヴェールが『舞踊とバレエについての手紙』にてバレエ・ダクシオン(ballet d'action)を提唱した。これにより、バレエはオペラから独立し、台詞のない身振り(ミーム)による舞台演劇として確立した。
[編集] ロマンティック・バレエ
18世紀後半にフランス革命が起こると、伝統や権威に反発し自由で神秘的なものを重んじるロマン主義がヨーロッパを席巻し、ロマンティック・バレエ(ロマン主義のバレエ)が誕生した。「ラ・シルフィード」「ジゼル」に代表され、妖精や悪魔が登場する幻想的なもの、エキゾチックな異国趣味のものが多い。くるぶし丈のふんわりとしたチュチュを着た女性ダンサーの、ポワント(つま先立ち)の技法による軽やかな動きが特徴。ロマンティック・バレエで用いられるチュチュは、特にロマンティック・チュチュと呼ばれる。
ロマンティック・バレエは現在踊られているバレエの中で最も古い形式のものであり、ロマンティック・バレエによりバレエは現在のものとほぼ同じものに完成した。バレエ・ダクシオンの提唱もあり、後に誕生するクラシック・バレエよりも、踊りによってストーリーを表現する演劇としての要素は強い。
1832年「ラ・シルフィード」でマリー・タリオーニが本格的にポワントで踊り、オペラ座で大成功をおさめた。この作品によりロマンティック・バレエが確立されたと言われる。ヨーロッパ中で人気を博すも、ロマン主義と共にロマンティック・バレエは衰退し、1870年の「コッペリア」などを最後にフランスではバレエそのものが演じられないようになる。
[編集] クラシック・バレエ
ロシアではフランスの宮廷バレエが伝わり、1730年頃にはフランス人ジャン・バティスト・ランデによりサンクトペテルブルグにバレエ学校が創立された。フランスでロマン主義が衰退した19世紀後半、後進国であるロシアではロマンティック・バレエが踊り続けられており、その後独自の発展をした。ドラマ主体のロマンティック・バレエに、物語とは無関係のダンスシーンを取り入れたことから、クラシック・バレエ(古典主義のバレエ)と言う。
クラシック・バレエでは技法はどんどん複雑になり、動きやすいように丈の短いチュチュが考案された。これをクラシック・チュチュと呼ぶ。ロマンティック・バレエでは1回回るのがやっとだったが、32回のフェッテ(連続回転)まで演じられるようになった。2人で踊るグラン・パ・ド・ドゥなどの様式も成立。ダンス(ディヴェルティスマン)とマイムが分離されて演じられるようになり、現在のバレエの構成が完成した。
1888年、サンクトペテルブルグ・マリンスキー劇場の監督であるウセヴィロジュスキーは、フランスから招いた振付家マリウス・プティパの振付けのもと、ピョートル・チャイコフスキーに「眠れる森の美女」の作曲を依頼した。この作品が1890年に上演、大成功をおさめると、続いて「くるみ割り人形」(1892年、振付:レフ・イワノフ、台本:マリウス・プティパ)、「白鳥の湖」(1895年、振付:レフ・イワノフ、マリウス・プティパ)が上演された。これらはチャイコフスキーの3大バレエと呼ばれる。
[編集] モダン・バレエ
マリウス・プティパにより確立されたクラシック・バレエだが、その古典的な世界に不満を持つ者もいた。その1人、ミハイル・フォーキンはイサドラ・ダンカン(モダン・ダンスの祖)に衝撃を受け、クラシック・バレエにない新しいステップや民族舞踊を採り入れた、革新的な振付をした。そのモダン・ダンスの要素を取り込んだバレエをモダン・バレエと言う。
ミハイル・フォーキンはセルゲイ・ディアギレフに見出され、1907年にバレエ発祥の地・パリで公演を行い、バレエ・ブームを巻き起こした。アンナ・パブロワ、ヴァーツラフ・ニジンスキー、タマーラ・カルサヴィナなどのダンサーたちが大人気となり、セルゲイ・ディアギレフはバレエ・リュスを結成する。
1912年のバレエ・リュスの公演で、ヴァーツラフ・ニジンスキーが「牧神の午後」で振付家としてデビューすると、モダン・バレエは決定的な革新を迎える。これまでの美しいバレエとは異なる、独自の表現は非常に衝撃を与え、イーゴリ・ストラヴィンスキー作曲の「春の祭典」では警官が介入するほど論議の的となった。
バレエ・リュスに触発され、バレエ・スエドワも結成されたが、短命に終わった。
[編集] 20世紀以降
モダン・バレエが確立してからも、ドラマティック・バレエ、アブストラクト・バレエなどの革新的なバレエが誕生している。これらのバレエは、モダン・ダンス、ポスト・モダンダンス、コンテンポラリー・ダンス、コンタクト・インプロヴィゼーションなどのダンスに含まれることもあり、曖昧である。20世紀以降はそれらの現代的なバレエと古典的なバレエが踊られている。現代的なバレエの振付家としては、モーリス・ベジャールやローラン・プティ、ウィリアム・フォーサイス、イリ・キリアンがいる。またフィギュアスケートの動きはバレエの影響を強く受けており、フィギュアスケートの選手はバレエの訓練も受けることが多い。
[編集] その他
異例としては、「水中バレエ」というものがあり、舞台は巨大な水槽。服装は水着ではなくもちろんバレエの衣装をまとって水槽に潜る。開演のカーテンは、下から泡が噴出して視界をさえぎり、泡はきれいにライトアップされ、気がつくとダンサーがセンターに板つき(?)している、という具合。
水の中では直立するだけでも大変だったらしく、演技をしているうちに、場当たりがずれてしまうこともあった。目も光は感じるが、ほとんどぼやけた状態。音は耳ではなく、水を伝わって頭蓋に響くのを聞いていた。上級者は手に空気の送られるチューブを持って演技するが、初心者はアクアラングを背負って、マスクを離せなかった。
巨大な水圧に耐えるため、周りはコンクリートで、舞台前面だけがガラス。当然電気による照明が使われているが、万が一の事故があったら、感電の危険が常にあった。
最初と最後の泡のカーテンは水中に沈められた灯体からの光でライトアップされている。今は当たり前になった噴水のライトアップ。その元祖がこの「水中バレエ」で開発された。
近藤玲子氏のもとに、読売ランドで32年間の長きに渡り上演され、1997年12月1日に惜しまれながら幕を閉じた。
[編集] バレエの技法
バレエはフランスで発達したため、バレエの振付用語は基本的にはフランス語である。近代バレエの特徴は爪先立ちを多用することにある。これをポワント (fr. pointe) または英語のトゥ (en. toe) という。このために履く特製の靴がトウシューズ (fr. chaussons à pointes)である。
ポワントで立たず足を舞台につけて立つ立ち方は五つに分類される。これをポジション (fr. position) と呼ぶ。振付においては特に詳述せずポジション名で呼ぶ。
バレエ舞踏の重要な技法としては跳躍と回転がある。これもフランス語で呼び、たとえば片足を前方に投げ出しその方向へ飛ぶことをジュテ (fr. jeté) と呼び、空中での足の位置や跳躍の大きさによってジュテは細分される。一方物語り進行上の感情を表すのにはマイムを用いる。マイムが過度に多い作品はしばしば「バレエ的でない」と批判されることからも、バレエが舞踊芸術であることが理解される。
- アン・ドゥオール:両足を外側に開くこと。バレエのポーズや動きの基本。
- ポーズ:アラベスク、アチチュード
- ルルヴェ(爪先立ち):ア・テール→ドゥミ・ポワント→ポワント(トゥ)
- 回転:ピルエット、フェッテ、シェネ、ピケ
- グラン・パドゥシャ:片足で踏み切り空中で両足を前後に広げて飛ぶ跳躍
[編集] バレエの化粧
彫りの深さ、立体感を強調するのが特徴。役柄による多少の違いはあるが、おおむね、自然の肌色より若干明るめ(ロシア系は、かなり白目)のドウランを顔全体に塗る、茶色がかったほほ紅、ノーズシャドーを入れる、青いアイシャドーを、まぶた一杯に差す、茶色のダブルラインを入れる、上下のまぶたにアイライナーを、思いっきり太く入れる、付けまつげを付ける、鮮やかな口紅を、輪郭をはっきり描く、という場合が多い。但し、子供の場合は若干略式になる場合が多い。
[編集] バレエの服飾
[編集] バレエ作品
著名なバレエの作品には以下のものがある。
- ラ・フィユ・マル・ガルデ(1789年、振付:ジャン・ドーベルヴァル)
- ラ・シルフィード(1832年、音楽:ジャン・シュナイツフォーファー、ヘルマン・レーヴェンショルド、振付:フィリッポ・タリオーニ)
- ジゼル(1841年、音楽:アドルフ・アダン、振付:ジャン・コラリ、ジュール・ペロー、台本:ジャン・コラリ、テオフィル・ゴーティエ、ヴェルノア・ド・サン=ジョルジュ)
- エスメラルダ(1844年、音楽:チェーザレ・プーニ、振付・台本:ジュール・ペロー)
- パ・ド・カトル(1845年、音楽:チェザーレ・プーニ、振付:ジュール・ペロー)
- 海賊(1856年、音楽:アドルフ・アダンほか、振付:ジョゼフ・マジリエ)
- ドン・キホーテ(1869年、音楽:レオン・ミンクス、振付:マリウス・プティパ)
- コッペリア(1870年、音楽:レオ・ドリーブ、振付・台本:アルチュール・サン=レオン、原作:E・T・A・ホフマン)
- ラ・バヤデール(1877年、音楽:レオン・ミンクス、振付:マリウス・プティパ、台本:セルゲイ・クデコフ、マリウス・プティパ)
- 白鳥の湖(1877年、音楽:ピョートル・チャイコフスキー、振付:ヴェンツェル・ライジンガー、台本:ウラジミール・ペギシェフ、ワシリー・ゲルツァー)
- 眠れる森の美女(1890年、音楽:ピョートル・チャイコフスキー、振付:マリウス・プティパ、台本:マリウス・プティパ、イワン・フセヴォロジスキー)
- くるみ割り人形(1892年、音楽:ピョートル・チャイコフスキー、振付:レフ・イワノフ、台本:マリウス・プティパ)
- ライモンダ(1898年、音楽:アレクサンドル・グラズノフ、振付:マリウス・プティパ)
- 瀕死の白鳥(1905年、音楽:カミーユ・サン=サーンス、振付:ミハイル・フォーキン)
- レ・シルフィード(1909年、音楽:フレデリック・ショパン、振付:ミハイル・フォーキン)
- 火の鳥(1910年、音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー、振付:ミハイル・フォーキン)
- 薔薇の精(1911年、音楽:カール・マリア・フォン・ウェーバー、振付:ミハイル・フォーキン)
- ペトルーシュカ(1911年、音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー、振付:ミハイル・フォーキン、台本:イーゴリ・ストラヴィンスキー、アレクサンドル・ブノワ)
- 牧神の午後(1912年、音楽:クロード・ドビュッシー、振付:ヴァーツラフ・ニジンスキー)
- 春の祭典(1913年、音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー、振付:ヴァーツラフ・ニジンスキー)
- 三角帽子(1919年、音楽:マヌエル・デ・ファリャ、振付:レオニード・マシーン、台本:グレゴリオ・マルティネス・シエーラ)
- シェエラザード(1910年、音楽:リムスキー=コルサコフ、振付:ミハイル・フォーキン、台本:アレクサンドル・ブノワ)
- バフチサライの泉(1934年、音楽:ボリス・アサーフィエフ、振付:ロスチスラフ・ザハロフ、台本:ニコライ・ヴォールコフ)
- ゲテ・パリジェンヌ(1938年、音楽:ジャック・オッフェンバック、振付:レオニード・マシーン、台本:エティエンヌ・ド・ボーモン)
- ロメオとジュリエット(1940年、音楽:セルゲイ・プロコフィエフ、振付:レオニード・ラヴロフスキー)
- シンデレラ(1945年、音楽:セルゲイ・プロコフィエフ、振付:ロスチスラフ・ザハロフ)
- シンフォニー・イン・C(1947年、音楽:ジョルジュ・ビゼー、振付:ジョージ・バランシン)
- 石の花(1954年、音楽:セルゲイ・プロコフィエフ、振付・演出・台本:レオニード・ラヴロフスキー)
- 孤独な男のためのシンフォニー(1955年、音楽:ピエール・アンリ、ピエール・シェッフェル、振付:モーリス・ベジャール)
- ボレロ(1961年、音楽:モーリス・ラヴェル、ピエール・シェッフェル、振付:モーリス・ベジャール)
- ノートルダム・ド・パリ(1965年、音楽:モーリス・ジャール、振付:ローラン・プティ)
- オネーギン(1965年、音楽:ピョートル・チャイコフスキー、振付:ジョン・クランコ、台本:アレクサンドル・プーシキン)
- 失われた時を求めて(1974年、音楽:ガブリエル・フォーレほか、振付・台本:ローラン・プティ)
- マノン(1974年、音楽:ジュール・マスネ、振付:ケネス・マクミラン)
- うたかたの恋(1978年、音楽:フランツ・リスト、振付:ケネス・マクミラン、台本:ジリアン・フリーマン)
- ザ・カブキ(1986年、音楽:黛敏郎、振付:モーリス・ベジャール、台本:仮名手本忠臣蔵)
- 恋する悪魔(1989年、音楽:ガブリエル・ヤレッド、台本:ジャック・カゾット)
- 四季(音楽:アレクサンドル・グラズノフ)
- アンナ・カレーニナ(音楽:セルゲイ・ラフマニノフ)
- カルメン(音楽:ジョルジュ・ビゼー)
- 椿姫(音楽:ジュゼッペ・ヴェルディ)
- 若者と死 (音楽:ヨハン・ゼバスティアン・バッハ)
※ ユニオンジャック
[編集] バレエ団
バレエの優れた上演には照明や舞台装置などの効果的使用が欠かせない。このためバレエの上演には一般に費用を要し、多くの国で国立のバレエ団が組織される。民間のバレエ団も著名なものは多額の寄付を集めて運営することが多い。
著名なバレエ団には以下のものがある。
- フランス
- 国立オペラ座バレエ団 - 世界最古のバレエ団。1661年王立舞踏アカデミーとして創設。
- ロシア
- ボリショイ・バレエ(1778年〜)
- マリインスキー・バレエ(旧キーロフバレエ、1783年〜)
- バレエ・リュス
- ドイツ
- オーストリア
- ウィーン国立歌劇場バレエ団
- イギリス
- アメリカ合衆国
- アメリカン・バレエ・シアター
- ニューヨーク・シティー・バレエ
- 中華人民共和国
- 中央バレエ団
- 上海バレエ団
[編集] ダンサーの階級
バレエ団によっては、ダンサーの階級ついて固有の呼び方がある。主役級のエトワール、プリンシパル、プリマ・バレリーナ、それに次ぐ準主役級のソリスト、コール・ド・バレエ(群舞)を踊るカドリーユ、アーチストなどがある。
- オペラ座バレエ団の場合
- エトワール
- プルミエ・ダンスール
- スジェ
- コリフェ
- カドリーユ
- ロイヤル・バレエの場合
- プリンシパル
- ソリスト(トップはファースト・ソリスト)
- アーチスト(トップはファースト・アーチストまたはコルフェ)
[編集] バレエに関係する芸術家
バレエの上演に関係する芸術家には、バレエ音楽の作り手である作曲家、マイムを含めたダンスを指定する振付家、指揮者を含むバレエ音楽の演奏家、そして舞踏によってバレエを実現し完成するダンサーなどがいる。
[編集] 作曲家
著名なバレエの作品の作曲家には以下の者がいます。 (以下3大バレエを中心に)
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(「プロメテウスの創造物」)
- レオ・ドリーブ(「コッペリア」「シルヴィア」)
- ピョートル・チャイコフスキー(「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」)
- エリック・サティ(「バラード」「メルキュール」「本日休演」)
- アルベール・ルーセル(「くもの饗宴」「バッカスとアリアーヌ」「エアネス」)
- モーリス・ラヴェル(「マ・メール・ロワ」「ダフニスとクロエ」「ラ・ヴァルス」「ボレロ」)
- マヌエル・デ・ファリャ(「恋は魔術師」「三角帽子」)
- オットリーノ・レスピーギ(「シバの女王ベルキス」「風変わりな店」)
- バルトーク・ベーラ(「かかし王子」「中国の不思議な役人」パントマイム)
- イーゴリ・ストラヴィンスキー(「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」)
- セルゲイ・プロコフィエフ(「ロメオとジュリエット」「シンデレラ」「石の花」)
- ダリウス・ミヨー(「屋根の上の牡牛」「世界の創造」)
- アラム・ハチャトゥリアン(「幸福」「ガイーヌ」「スパルタクス」)
- アーロン・コープランド(「ビリー・ザ・キッド」「ロデオ」「アパラチアの春」)
- ルイージ・ダッラピッコラ(「マルシア」)
- ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(「黄金時代」「明るい小川」「ボルト」)
- ベルント・アロイス・ツィンマーマン(「ロワ・ウブ」)
- ルイジ・ノーノ(「赤い外套」)
- ハンス・ウェルナー・ヘンツェ(「オルフェウス」)
- 嶋津武仁(「波の音楽」電子音楽)
[編集] 振付家
著名なバレエの振付家には以下の者がいる。
- ジャン・ドーベルヴァル
- フィリッポ・タリオーニ(「ラ・シルフィード」)
- オーギュスト・ブルノンヴィル
- ジャン・コラーリ(「ジゼル」「ラ・ペリ」)
- ジュール・ペロー(「ジゼル」「エスメラルダ」)
- J・マジリエ(「パキータ」)
- マリウス・プティパ(「ラ・バヤデール」「ドン・キホーテ」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」「白鳥の湖」「海賊」「ライモンダ」)
- ルイ・メラント(「シルヴィア」)
- レフ・イワーノフ(「白鳥の湖」「くるみ割り人形」)
- ミハイル・フォーキン(「レ・シルフィード」)
- ヴァーツラフ・ニジンスキー(「牧神の午後」「遊戯」「春の祭典」「ティル・オイレンシュピーゲル」)
- レオニード・マシーン
- ブロニスラヴァ・ニジンスカ
- ジョージ・バランシン(アブストラクト・バレエ)
- フレデリック・アシュトン(「シンデレラ」「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」「ピーター・ラビットと仲間たち」、ロイヤル・スタイル)
- ロスチスラフ・ザハロフ
- ハロルド・ランダー
- レオニード・ラヴロフスキー
- モーリス・ベジャール(「春の祭典」「ボレロ」「ニジンスキー 神の道化」「我々のファウスト」「ザ・カブキ」「M」「舞楽」)
- ケネス・マクミラン(「大地の歌」「マノン」「ロメオとジュリエット」「うたかたの恋」「パゴダの王子」「三人姉妹」)
- ローラン・プティ(「カルメン」「コッペリア」)
- ジョン・クランコ
- ジョン・ノイマイヤー
- ピナ・バウシュ
- ウィリアム・フォーサイス
- マシュー・ハート
- デイヴィッド・ビントリー
[編集] バレエダンサー
著名なバレエのダンサーには以下の者がいる。
女性
- マリー・タリオーニ (1804年 - 1884年)
- アンナ・パヴロワ (1881年 - 1931年、ロシア・ペテルブルク生まれ)
- マーゴ・フォンテイン (1919年 - 1991年、イギリス生まれ)
- アリシア・アロンソ (1920年 - 、キューバ・ハバナ生まれ)
- マイヤ・プリセツカヤ (1925年 - 、ソ連)
- ナタリヤ・マカロワ (1940年 - 、ロシア・キーロフ・バレエ出身)
- 森下洋子 (1948年- 、広島出身、松山バレエ団)
- アルティナイ・アスィルムラートワ (1961年 - )
- マリー=クロード・ピエトラガラ (1963年 - 、フランス生まれ)
- ニーナ・アナニアシヴィリ (1963年 - 、グルジア共和国生まれ)
- アレッサンドラ・フェリ (1963年 - 、イタリア生まれ)
- シルヴィ・ギエム (1965年 - 、フランス生まれ)
- 吉田都 (1965年- )
- ダーシー・バッセル (1969年 - 、イギリス生まれ)
- アニエス・ルテステュ (1971年 - 、パリ・オペラ座バレエ学校出身)
- オーレリ・デュポン (1973年 - 、パリ・オペラ座バレエ学校出身)
- ディアナ・ヴィシニョーワ (1976年 - 、サンクト・ペテルブルク生まれ)
- 上野水香(1977年- )
- 中村祥子 (1980年-)
- 斎藤友佳理 (東京バレエ団、神奈川県生まれ)
男性
- ヴァーツラフ・ニジンスキー
- ルドルフ・ヌレエフ
- ジョルジュ・ドン (1947年 - 1992年、アルゼンチン生まれ)
- ミハイル・バリシニコフ (1948年 - 、ソ連(ラトヴィア)生まれ)
- ジル・ロマン (1960年 - 、フランス生まれ)
- ファルフ・ルジマートフ (1963年 - 、ウズベク共和国生まれ)
- ローラン・イレール(1963 - )
- マニュエル・ルグリ (1964年- 、フランス生まれ)
- ウラディミール・マラーホフ (1968年- 、ウクライナ生まれ)
- イーゴリ・ゼレンスキー (1969年 - 、グルジア共和国生まれ)
- 小林十市 (1969年 - )
- アダム・クーパー (1971年 - 、イギリス生まれ)
- 首藤康之 (1971年 - )
- ニコラ・ル・リッシュ (1972年 - 、フランス生まれ)
- 熊川哲也
[編集] バレエコンクール
国際的なバレエコンクールにはプロを対象にした競技会が多いが、才能のある青少年を発掘するコンクールもあり、日本では後者のほうが知られている。有名なバレエコンクールには以下のものがある。
- ローザンヌ国際バレエコンクール
- ヴァルナ国際バレエコンクール
- ジャクソンバレエコンクール
[編集] 日本のバレエ
[編集] 特徴
欧米の国では国立のバレエ学校を持つ国もあるが、日本には国立のバレエ学校はない。これに代わり、民間のバレエスタジオがバレエダンサーの養成を行っている。同時にお稽古ごととしてのバレエも盛んで、日本でバレエを習っている子どもの殆どはプロのダンサーになることを目指していない。スタジオ主宰者の子どもがダンサーとして頭角をあらわし、バレエコンクールなどで活躍することが多い。
[編集] 劇場
日本で付属のバレエ団がある劇場には新国立劇場(東京都渋谷区初台)がある。バレエ研修所も併設されている。新国立劇場以外に国内でバレエ公演が行われる主な劇場には以下のものがある。
- 東京文化会館(台東区上野公園)
- 東京簡易保険会館(ゆうぽうと、品川区五反田)
- 東京郵便貯金会館(メルパルク・ホール、港区芝)
- 東京芸術劇場(豊島区西池袋)
- 青山劇場(港区北青山)
- Bunkamuraオーチャードホール(渋谷区松涛)
[編集] バレエ団
国内の著名なバレエ団には以下のものがある。
- 牧阿佐美バレエ団(1938年 - )
- 松山バレエ団(1948年 - )
- 谷桃子バレエ団(1949年 - )
- 東京バレエ団(1964年 - )
- スターダンサーズ・バレエ団(1965年 - )
- 東京シティ・バレエ団(1968年 - )
- 小林紀子バレエ・シアター(1973年 - )
- 井上バレエ団(1987年 - )
- 東京小牧バレエ団(1987年 - 、旧・小牧正英バレエ団)
- 新国立劇場バレエ団
- 越智インターナショナルバレエ(名古屋)
- 貞松・浜田バレエ団(神戸)
- 法村友井バレエ団(大阪、1937年 - )
- Kバレエカンパニー(1999年 - )
- オーストリア・バレエ・カンパニー東京(ABC-Tokyo)(1995年 - )
- 近藤玲子水中バレエ団
- 竜宮城水中バレエ団
[編集] 参考図書
- 『バレエとモダンダンス-その歴史』J・アンダソン著 音楽之友社 1993年 ISBN 4276250501
- 『バレエ入門』三浦雅士著 新書館 2000年 ISBN 4403230822
- 『ワガノワのバレエ・レッスン』アグリッピナ・ワガノワ著 新書館 1996年 ISBN 4403310079
[編集] オイリュトミー
人智学のルドルフ・シュタイナーの夫人マリー・シュタイナーによってシュトットガルトで創設された霊的舞踊。バレエと同じように音楽にあわせて踊るが、詩や絵画・ヴィデオ・スライドなども用いられ、性的な描写は極度に避けられている。クラシックから現代音楽まで幅広い音楽が用いられ、オリジナル作品も日本では宇佐美陽一のような作曲家によって作られ、また即興演奏によってもよく踊られる。
[編集] 参照項目
[編集] 外部リンク
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