ワリス・ディリー
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ワリス・ディリー(Waris Dirie、1965年 - )はアメリカ合衆国で活躍するソマリア出身の女性モデル。
[編集] 人物紹介
- ソマリアで、砂漠を移動しながら暮らす遊牧民の一家に生まれる。
- 黒人。
- 生まれた頃の家族構成は父、母、姉。
- 姉はどこかに消え、弟が1人出来るが厳しい環境に耐えられず餓死。しかし更にその後2人の弟が出来た。それ以降ワリスは親元を離れたので不明。
- 13歳の時、ラクダ5頭の為に60代の男性と結婚させられそうになったが、母の力を借りてソマリアの首都モガディシュに住んでいる母の妹に会うために砂漠の中を1人逃げていった。奇跡的に母の妹に対面し、父に連れ戻されないように親戚を転々とした。
- その後イギリスで4年間の任期の間、ロンドンの家で働いてくれるメイドを探すためにモガディシュに訪れていた母の妹の夫である駐英ソマリア大使によって、ワリスは4年間ロンドンでメイドとして働いた。
- ロンドンで白人の40代ぐらいの男性によってモデルになった。彼はワリスの横顔を撮りたくて、2年間もワリスを追いかけていた。 だがロンドンでは黒人モデルの仕事は少なく、自立できるほどの収入は得られなかった為、ニューヨークで仕事をする事となった。
- スターダムを駆け上がり、「スーパーモデル」という存在になって行く。 シンディ・クロフォード、ナオミ・キャンベル、クラウディア・シファー、ローレン・ハットンとも仕事をし、ミラノ、パリ、ロンドン、ニューヨークでショーに立った。
- ニューヨークで結婚し、息子を産み、一児の母となった。
- 2006年2月22日に彼女の事が「13歳で結婚させられそうになった少女」という題で、日本テレビの番組「ザ!世界仰天ニュース」で取り上げられた。
[編集] ワリスと割礼
5歳の時受けさせられる。受けた割礼の種類はWHO(国際保健機構)が定義したタイプによると陰部封鎖だと言われている。ソマリアでは割礼を受けないと結婚が出来ない。ワリスは幸運な方で、不衛生な中、麻酔も無しで陰部封鎖を受けると命の危険もあるが、彼女の傷は1ヶ月で癒えた。だがその後もロンドンで縫合部分を開ける手術を受けるまで苦しみ続けた。 排尿、月経による激痛に何度も気絶し、精神的苦痛は生涯続いている。今の夫に会うまで、割礼が原因となり恋ができなかった。 自分の秘密や恐ろしい姿を見せるのが怖く、男性が彼女に関心をもったのがわかるとすぐに逃げ出したらしい。そんな彼女も割礼を受ける前は、女になる通過点として楽しみにしていたという。雑誌のインタビューで女子割礼の話をし、このインタビューは「女子割礼の悲劇」と題され、雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ。テレビの特別番組がつくられ、国連の特別大使に任命される。また現在はモデルの仕事を続けながら、女性器切除の廃絶に向けて活動している。「ザ!世界仰天ニュース」でもワリスの割礼を取り上げた場面はあったが、一瞬だけでさらっと流された。
日本でも彼女の著作「砂漠の女ディリー」と「ディリー、砂漠に帰る」(両方とも草思社刊)は読むことが出来る。
[編集] 外部リンク
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