三角帽子 (ファリャ)
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三角帽子(さんかくぼうし、原題:El sombrero de tres picos)は、ペドロ・アントニオ・デ・アラルコンの短編小説、またはこれを元にしてマヌエル・デ・ファリャが1917年に作曲したバレエ、もしくは後に抜粋された2つの組曲。以下バレエ音楽を中心に記述する。
- 曲の初演:1917年、マドリッド
- バレエ初演:1919年7月22日、ロンドン・アルハンブラ劇場
- バレエ:バレエ・リュス
- 上演時間:約40分
- 台本:グレゴリオ・マルティネス・シエラ
- 振付・粉屋役:レオニード・マシーン
- 作曲:マヌエル・デ・ファリャ
- 指揮:エルネスト・アンセルメ
- 舞台・衣装デザイン:パブロ・ピカソ
- 日本初演:1979年
- 現在の楽譜出版:イギリス・チェスターミュージック
目次 |
[編集] 構成
2幕形式。13曲から成る。
[編集] 作曲の経緯
バレエ・リュスの主宰であるセルゲイ・ディアギレフが依頼。ディアギレフは最初『スペインの庭園の夜』をバレエ化したいと考えていたが、これにファリャが熱心でなく、スペイン・アンダルシアの民話を元にしたアラルコンの小説『三角帽子』を元にした『代官と粉屋の女房』の再構成を提案した。ディアギレフはこれに同意し、振付にレオニード・マシーンを、さらに舞台・衣装デザインにパブロ・ピカソを起用した。(このとき、ピカソはファリャの肖像画も書いている。)
1917年、第一次世界大戦のためスペイン本土で仮に演奏され、その後改作されてロンドンでバレエが上演された。
[編集] 編成
- ピッコロ
- フルート2
- オーボエ2
- イングリッシュホルン
- クラリネット2
- ファゴット2
- ホルン4
- トランペット3
- トロンボーン3
- チューバ
- ティンパニ
- 打楽器5人の奏者
- ピアノ
- チェレスタ
- ハープ
- 弦5部
- メゾソプラノ独唱(オフステージ)
[編集] 主な登場人物
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
【()内は曲名】
ティンパニの力強いリズムで始まる。(序奏)カスタネットの連打とともに「オレ!オレ!」の叫び声。メゾソプラノが「奥さん、閂をかけなさい」と歌い終わり、最初のティンパニに導入された旋律が終わると幕が開く。
[編集] 第1幕
(午後)アンダルシアのある町で、見た目が悪いが働き者の粉屋と、美人の女房が住んでいる。ある日、好色な代官がこの女房に目をつけ、お忍びで現れる。女房は粉屋を物陰に隠し、代官に官能的な踊り「ファンダンゴ」(粉屋の女房の踊り)を踊る。代官は言い寄るが、からかわれた末にその場に倒れてしまう。(ぶどう)出てきた粉屋が代官を殴り、代官は引き揚げる。
[編集] 第2幕
その日の夜、近所の人々が祭の踊り「セギディリア」を踊っている(近所の人たちの踊り)。粉屋も「ファルーカ」を踊りだす(粉屋の踊り)。激しい踊りが続くが、代官のわなにより、粉屋は無実の罪で2人の警官に逮捕されてしまう。<*1>代官は女房を奪い取ろうと忍び寄ってくる(代官の踊り)が、気が急いでいる代官は水車小屋の前の川に落ち、粉屋の女房に助けられるが結局逃げられてしまう。代官はぬれた服を脱ぎ、粉屋のベッドに潜り込む。そこに逃げ出してきた粉屋が戻ってくるが、代官の服を見て自分の服と代官の服を交換し、代官の女房のところに向かう。代官は粉屋の衣服を着て外に出て(終幕の踊り)、警官に見つかり、その警官と近所の人に袋叩きに遭い、逃げていく。近所の人たちは、平和を取り戻した粉屋の夫婦を中心に、一晩中踊って一件落着「ホタ」。
[編集] 同一の主題を扱った作品など
[編集] 備考
[編集] 外部リンク
[編集] 参考文献
- ファリャ-生涯と作品(音楽之友社、ISBN 4-27-622636-8)
- 三角帽子(岩波文庫、ISBN 4-00-327233-1)