元 (ストリートファイター)
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元(ゲン)は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場するキャラクター。
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[編集] キャラクターの設定(主にZEROシリーズのもの)
年老いた暗殺者。完成された暗殺拳を駆使する彼は、裏社会では数々の伝説とともに広く名を知られている。 その身体は徐々に病魔に侵され始めているが、自分の死に場所は戦いの中以外には決めておらず、今もなお、「死合い」を求めて戦い続ける。
同じく、戦いの中に修羅の道を築く豪鬼との戦いを強く望んでおり、豪鬼もまた、元に対して特別な意識を抱いているようである。 2人のストーリーモードやエンディングにお互いが絡んでくること、『ストリートファイターZERO3』では戦闘前に独自のデモが挿入される(互いのスーパーコンボを防御しあう)事などから、その様子が伺える
[編集] キャラクターの特徴
元には、「喪流」「忌流」という二種類のモードが用意されており、特定のコマンドを入力する事でモードを入れ替えることが可能になっているのがキャラの最大の特徴である。「喪流」「忌流」は、通常の構え、通常技、必殺技、スーパーコンボ、やられグラフィック、その全てにおいて別々のものが用意されているため、「二つに大別される性能が、1つのキャラに内包されている」と考えればよい。
「喪流」は主に牽制に秀でた技が多く、細かい技の出し入れを得意とする。その反面、奇襲的な戦法は取りづらい。逆に「忌流」はトリッキーな技が多く、特にジャンプを絡めた戦い方を得意とする。その一方で、地上用の技の隙が大きく、相手に攻め込まれた時の反撃手段に乏しい。
これら、大きく異なるファイトスタイルを柔軟に切り替えながら戦う必要性があるため、プレイヤーにテクニカルな要求をする部分が多く、上級者用のキャラと言える。
また「喪流」では、初代『ストリートファイターZERO』の名残である「ZEROコンボ」を使用する事が許されている。これは、タイミングよく通常攻撃のボタンを押していくことで、弱→中→強と、硬直をキャンセルして技を繋げることができる機能である。
- ZERO2
- ゼロコンボが許されていた反面、技の単発の攻撃力が他のキャラより低くなっていた。そのため、手数で押してもダメージで劣勢になることが多く、キャラとしての優劣を比べる場合、厳しい評価が一般的である。
- ZERO3
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- 全体的に攻撃力が底上げされ、ゼロコンボで繋ぐ事でも十分なダメージソースとなるようになった。
- ガードクラッシュの導入により「喪流」の位置づけがかなり向上した。
- これまでの「喪流」は、相手にガードを固められると厳しかったが、ガード上からゼロコンボを繋げる事で、複数の技を半強制的に連続ガードさせられるスタイルがガードクラッシュへと繋がりやすくなり、少なからず脅威となった。
- 他にも、空中追撃概念の追加から、必殺技の「逆瀧」などを絡めたダメージチャンスがかなり増加するなど、『ZERO3』へ移行した際のシステム変更の恩恵を大きく受けた一人だと言われている。また、X-ISMのみ流派の切り替えが無い(技は適度にミックスされたものとなる)。
[編集] 必殺技
- 百連勾(喪流)
- 突きや掌底を高速で繰り出す技。弱攻撃連打からでも繋がるほど発生が早く、相手の連携への反撃に多用する。
- 逆瀧(喪流)
- 地上で一瞬身体を丸めた後、天上へ向かって蹴りを出しながら上昇する。
- 追加入力でキックボタンをタイミングよく連打することで、ヒット数、及びダメージが増加。強の逆瀧をフルヒットさせれば、レベル1のスーパーコンボ並みの高ダメージが期待できる。
- 対地、対空、空中追撃と使用する場面は多岐に渡るが、無敵時間は無いため、対空時に引き付けすぎると相打ちになることも。
- 蛇穿(忌流)
- 低い姿勢で回転しつつ、最後に突きを出す。
- 連続技に組み込めるが、ヒット・ガード時ともに硬直が長め。
- 徨牙(忌流)
- 壁に向かってジャンプした後、相手に飛び蹴りをする。ヒットした相手は、軽く跳ねてダウン状態に。
[編集] スーパーコンボ
- 惨影(喪流、X-ISM)
- 高速で突進した後、相手を突き抜けつつ急所に打撃を見舞う。ヒットしている場合、相手は時間差で打撃を決められる。
- 『ZERO3』では、ヒット後の相手が元に引き付けられるように吹っ飛ぶため、様々な追撃を入れることが可能となっている。
- 死点咒(喪流)
- 百連勾を繰り出した後、必殺の突きを入れる。
- 最後の突きがヒットした場合、敵には10秒のカウント表示が残り、これが0になった時点で、相手は強制的に気絶状態となる特殊なスーパーコンボ。またカウントが減るごとに、一定のダメージを与えられる。
- このカウントは、相手の攻撃が元にヒットした時点で消滅するため、いかにして時間を稼ぐか(攻めるにせよ守るにせよ)プレイヤーの腕が問われる。
- 蛇咬叭(忌流)
- 斜め上方向へ飛び上がり、相手を絡め取って地面に叩きつける。概念としては、空中キャッチ投げに近い。レベルによって、軌道が若干変化する。忌流屈弱Kからの連携が非常に有効。
- 狂牙(忌流)
- 徨牙を複数回繰り出す技。ただし、蹴りを見舞うごとに壁にジャンプし直すため、連続技にはならない。容易にガードができるため、使用頻度は低い。
[編集] 他のメディアの元
[編集] 漫画
- ウドン(en:UDON) によるアメリカンコミック『Street Fighter』では、原作とやや設定が異なっており、暗殺者だった過去の過ちを恥じ静かに暮らしている。春麗、ユン、ヤンの師匠でもある。シャドルーの戦闘員達を圧倒的な強さで撃破するものの、そこで自分の命が残り少ないことを告白する。
[編集] その他
- 初代ストリートファイターシリーズから、元の強足払いは、片手で身体を支えつつ、横向きに両足で蹴り出すというものであった。その後、ストリートファイターII以降に登場する春麗の強足払いも、同じく片手で身体を支えつつ、横向きに両足で蹴り出すモーションとなっており、そのままズバリ「元伝暗殺蹴」とネーミングされる事となった(春麗はこの技を父から教わった。また、春麗の父はこの技を元から教わった。つまり元→春麗の父→春麗と伝わったのである)。
- マイク・バイソンによると、シャドルーの密売員を沢山葬っているらしい。
[編集] 主な登場作品
- ストリートファイター(初代)
- ストリートファイターZEROシリーズ