営団08系電車
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08系電車(08けいでんしゃ)は、東京地下鉄(旧・帝都高速度交通営団)半蔵門線用の通勤形電車。
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[編集] 概要
2003年3月19日の半蔵門線の水天宮前駅~押上駅間の開業と東武鉄道伊勢崎線・日光線との相互直通運転開始による必要編成数の増加に伴い、10両編成6本(60両)が日本車輌製造で製造された。営団最後の新製系列である。
東西線用の05N系が設計のベースとなっているが、細部に変更点がある。
[編集] 外観
- アルミニウム無塗装車体に半蔵門線のラインカラーの紫帯を巻く。前面のみ1色である。
- 前面デザインは8000系のイメージを残したものとなっている。
- 台車は営団0系シリーズで従来から使われてきた住友金属工業製のSS台車ではなく、日本車輌製のND台車を装着する。
- スカートは05系(8次車以降)のものとはやや異なる形状である。
- 前面の連結器は密着自動連結器である。
- 前照灯は四角形のHID、尾灯は三角形である。
[編集] スペック
- 制御装置:三菱電機製IPM方式VVVFインバータ(IGBT素子)
- 駆動装置:WN平行カルダン
- 制動装置:TRT-11型回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
- 主電動機:かご形三相誘導電動機 定格出力165kW×4基
- 補助電源装置:東芝製静止形インバータ(IGBT素子)
- 歯車比:6.21
- MT比:5M5T
- 起動加速度:3.3km/h/s
- 減速度:3.5km/h/s(非常4.5km/h/s)
- 最高運転速度:110km/h(設計最高120km/h)
- 列車保安装置:東京地下鉄CS-ATC/東急CS-ATC/東武ATS(東武呼称TSP)
- 竣工:日本車輌製造
- 集電装置:シングルアーム式5基
[編集] 運転台
8000系と同じような形状のデッドマン装置つきT字形ワンハンドルマスコン(力行4ノッチ・常用制動7ノッチ)であり、計器板には従来のブレーキ段数表示の針計器に代わりノッチ位置を表示する灯が設置されている。茶色系の配色である。速度計は白地で、最大120km/h表示であり、地下などでオレンジ色に電照する。
[編集] 車内設備
車内は清潔感ある白を基調とし、床材はラベンダー色となっている。
- 車いすスペース:3・9号車
- 弱冷房車:2号車
- 座席モケットは江戸紫をイメージした濃いめの紫色となっている。片持ち式バケットシートで、座席配置(中間車)は3-7-7-7-3人掛けであり、7人掛け座席は3+4人にスタンションポールで区切られている。
- 側扉窓は複層ガラスタイプのものである。
- 乗務員室仕切りは前面と同じような割合で3箇所窓が設置されている。
- 車内・車外の旅客へ
- LED式種別・行先表示器を設置。ゴシック体である前面運行番号表示器を除き明朝体で前面側面とも英字併記である。
- 自動放送装置(東急線・東武線内も対応)
- 車内ドア上部にLED案内表示器を設置する。南北線の9000系と同じ(ただし9000系とは異なり埋め込まれず単体で設置)2段表示式で次駅・乗り換え案内の他、旅客へのお願い文、東急線内(二子玉川・渋谷を除く)のみ駅に停車中に文字が2段表示され、停車駅名が表示される。半蔵門線・東武線内は上段に停車中の駅、下段に次駅が表示される。東急線の二子玉川は上段のみ種別・行き先が表示され、下段・停車中の駅名表示・次駅の表示はされない。これは同じく2段表示式LEDを持つ田園都市線内を走る車両(東急8500系の一部と東急2000系)もあてはまる。
[編集] 編成・運用
[編集] 直通する路線
渋谷駅からは東京急行電鉄田園都市線に乗り入れ中央林間駅まで、押上駅からは東武日光線の南栗橋駅・伊勢崎線の久喜駅まで直通運転を行なっている。
[編集] 関連項目
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