国鉄DD14形ディーゼル機関車
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DD14形ディーゼル機関車(DD14がたでぃーぜるきかんしゃ)は、日本国有鉄道が製造した除雪用ディーゼル機関車(ロータリー式)である。
1960年から1979年にかけて43両が製造された。1987年の国鉄分割民営化時には、17両が北海道旅客鉄道(JR北海道)、20両が東日本旅客鉄道(JR東日本)、3両が西日本旅客鉄道(JR西日本)に引き継がれたが、2005年4月現在、JR東日本に9両が在籍するのみである。
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[編集] 概要
従来、ラッセル車により線路脇に除けられた雪は、キマロキ列車の運転により遠方に跳ね飛ばしていたが、DD14形は、これを1両でまかなうことを目的として、入換用に広く使用されていたDD13形ディーゼル機関車を基本として開発されたものである。車体の中央部に運転台を置き、両側に機関を搭載したボンネットを配したセンターキャブ式凸型のDD13形に対し、運転台を片側に寄せたエンドキャブ式の車体とし、運転台側に除雪用ロータリーヘッドを取付ける構造になっている。ロータリーヘッドは着脱可能で、夏季は、これを外して入換用に使うことも考慮されている。ディーゼル機関車そのものが少なかった登場時には入れ換えや小運転に使われたが、前方の視認性が極端に悪いことから、入れ換え用の機関車が配備され始めるとほとんど使われなくなった。
基本型の0番台が8両製造された後、減速機のマガリバカサ歯車強度を増し、一体圧延車輪を採用して台車を改良(DT113A→DT113G)した300番台が1966年から製造された。
動力は、DD13形の機関を元にしたDMF31SB-R形ディーゼル機関(500PS/1500rpm)を2基搭載しており、それぞれの機関を除雪用、走行用、除雪・走行用に切り替えて使用できる。つまり、単機走行で除雪に1機関・走行に1機関という使い方、走行に2機関という使い方、そして1台の機関が故障したときには、残る1台の機関で除雪しながら走行する使い方ができる。また、除雪用に2機関を使うこともでき、その場合は推進用の機関車を必要とする。2つの機関を除雪・走行に振り分けると走行速度が著しく低くなるということもあり、現在の除雪作業はすべて推進用機関車との重連である。 この場合、DD14形同士を背中合わせに重連として1両を除雪用、1両を推進用として使うか、重連対応DD13形やDE10形で推進する。そのために重連総括制御装置を搭載している。現在よりも積雪量が多く、また豪雪地帯を走る路線も多く残っていた(のちに廃止となった)国鉄末期ころまでは、DD14形の出動回数も多かったため、ほかの機関車(DD13形、DD51形も見られた)での推進または単機での除雪作業が多かった。しかし、現在では複線区間で往復作業するときの転向の問題(ターンテーブルが必要になる)などからDD14同士の重連が見られる。
1軸台車を装備したロータリーヘッドは、1号機ではバイルハック形と呼ばれる、ウイングで線路内に集めた雪を2枚並んだ羽根車で飛ばす方式のもの(キ620形の除雪装置を2つ並列にしたようなもの)であった。北海道での除雪試験結果は上々だったものの、本州の水分を多く含んだ雪では雪がスムーズに羽根車に入り込まないという問題が生じた。雪を集めるのはいいが、羽根車までかき寄せる機構がなかったのである。そこで翌年登場の2号機と3号機では、雪をかき寄せる羽根車が投雪羽根車を兼ねる機構を持ったウニモグ形、バイルハック形の投雪羽根車の前方にかき寄せ羽根車を追加した形のロールバー形という2つのタイプを装備させて比較し、前方に見通しの点で優れていたロールバー形を以降の量産機に採用することになった。のちに1号機と2号機もロールバー形に改造され、現在見られるものはすべてロールバー形である。なお、3号機までの除雪装置は圧縮空気で作動し、4号機以降は油圧駆動である。これものちに改造されている。 余談であるが、雑誌等に形式図が掲載される場合、バイルハック形を装備した1号機のものが使われることがあるので、現存または保存されている車両とは大きく異なる姿であることに注意したい。(2、3号機の除雪装置がどのタイプであったかについて、文献により記述が異なる。ここでは交友社刊「鉄道ファン」1964年5月号の「除雪試験」の記事を参考にした)
かき寄せた雪の投雪方向は、当初は左右選択式で投雪角度についてのみ連続可変式であったが、沿線に民家等建物が多くなり、また地形などの関係もあって左右に投雪できない場合もでてきたため、後に投雪口が回転式に改造され、左右のみならず前方にも投雪が可能となった車両がある。
近年、モーターカーラッセルの登場により出番が減少している。これは、DD14形等の除雪機関車で排雪を行うには排雪列車を設定し運転要員を確保しなければならないのに対し、モーターカーラッセルは線路閉鎖を行う必要があるものの、保線機械扱いであるため操縦に動力者免許が不要で現場の保線要員のみで扱えるという簡便さ、経費の少なさが評価されているためである。 しかし、新潟地区などでは水分の多いベタ雪が多いため、排雪能力の高いDD14形が今でも除雪作業の中心となっている。通常時は、新津駅構内に留置されている姿を見ることができる。
[編集] 使用線区
奥羽本線、米坂線、只見線、上越線、信越本線などの降雪量が多い線区で使用される。
[編集] 保存
1号機が三笠鉄道記念館に、312号機が北見市の個人に、323号機が小樽交通記念館にそれぞれ静態保存されている。
[編集] 主要諸元
- 主要寸法 : 14325mm(除雪時21050mm)×3933mm×2974mm
- 軸配置 : B-B(除雪時1B-B)
- 機関車重量 : 58.0t
- 動輪上重量 : 58.0t
- 最大引張力 : 17400kg
- 機関形式 : DMF31SB-R(500PS/1500rpm)×2
- 動力伝達方式 : 液体式
- 制御方式 : 重連総括制御、機関回転数及び液体変速
- ブレーキ方式 : DL14B 空気ブレーキ、手ブレーキ
[編集] 関連項目
日本国有鉄道のディーゼル機関車 |
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