嬰ニ短調

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調の五度圏
長調			ヘ	ハ	ト			長調
	♭	←	1	0	1	→	♯
	↓	短調	ニ	イ	ホ	短調	↓
変ロ	2	ト				ロ	2	ニ
変ホ	3	ハ				嬰ヘ	3	イ
変イ	4	ヘ				嬰ハ	4	ホ
	↓	短調	変ロ	変ホ	変イ	短調	↓
			嬰イ	嬰ニ	嬰ト
	♭	→	5/7	6/6	7/5	←	♯
長調			変ニ	変ト	変ハ			長調
			嬰ハ	嬰ヘ	ロ

嬰ニ短調（えいにたんちょう）は、西洋音楽における調のひとつで、嬰ニ(D^♯)音を主音とする短調である。

目次 1 基本データ 1.1 各語での呼称 1.2 音階 1.3 調号 1.4 近親調 1.5 異名同音調 1.6 和音 2 特徴 3 嬰ニ短調の有名な曲 4 隣の調

[編集] 基本データ

[編集] 各語での呼称

• 英語 D sharp minor （ディーシャープマイナー）
• 独語 dis-moll （ディスモル）
• 仏語 Ré dièse mineur （レディエーズミヌール）
• 伊語 Re diesis minore （レディエシスミノーレ）
• 中国語 升D小調 （○○）

[編集] 音階

自然短音階:

は全音を、は半音を示す。

以下、英語の音名による。

自然 短音階	和声的 短音階	旋律的 短音階
		上行	下行
D♯	D♯	D♯	D♯
C♯	C	C	C♯
B	B	B♯	B
A♯	A♯	A♯	A♯
G♯	G♯	G♯	G♯
F♯	F♯	F♯	F♯
E♯	E♯	E♯	E♯
D♯	D♯	D♯	D♯

　

一般に赤いマスの部分は臨時記号により表される。

[編集] 調号

シャープ6つ F→F♯ C→C♯ G→G♯ D→D♯ A→A♯ E→E♯

[編集] 近親調

属調(V)	嬰イ短調	属調平行調(VII)	嬰ハ長調
	嬰ニ短調	平行調(III)	嬰ヘ長調
下属調(IV)	嬰ト短調	下属調平行調(VI)	ロ長調

• 同主長調 嬰ニ長調はないので、異名同音調の変ホ長調が用いられる。

[編集] 異名同音調

変ホ短調

[編集] 和音

コードネーム		D♯m	E♯m-5	F♯aug	G♯m	A♯	B	Cm-5	D♯mM7	E♯m7-5	F♯augM7	G♯m7	A♯7	BM7	Cdim7	A♯7(♭9)
和音構成音	第9音															B
	第7音								C	D♯	E♯	F♯	G♯	A♯	B	G♯
	第5音	A♯	B	C	D♯	E♯	F♯	G♯	A♯	B	C	D♯	E♯	F♯	G♯	E♯
	第3音	F♯	G♯	A♯	B	C	D♯	E♯	F♯	G♯	A♯	B	C	D♯	E♯	C
	根音	D♯	E♯	F♯	G♯	A♯	B	C	D♯	E♯	F♯	G♯	A♯	B	C	A♯
和音記号		I	II	III	IV	V	VI	VII	I7	II7	III7	IV7	V7	VI7	VII7	V9

コードネームは実際の楽譜では異名同音的に変えられることがある。

[編集] 特徴

• 普通は変ホ短調が使用されるのでほとんど使用されない。その理由は、導音（第7音）が変ホ短調ならばDナチュラルになるが、嬰ニ短調だとCダブルシャープになるため。（記譜上は、重嬰・重変の臨時記号が少なくなるようにするのが通例。ただし嬰ニ短調（変ホ短調）の下属調については、変イ短調で書くと調号が♭7個になってしまうので、導音がFダブルシャープにはなるが、調号の少ない嬰ト短調（♯5個）で記譜することが多い）

[編集] 嬰ニ短調の有名な曲

• バッハの平均律クラヴィーア曲集第1集8番「フーガ」（前奏曲は変ホ短調）、平均律クラヴィーア曲集第2集8番

[編集] 隣の調

ニ短調 - 嬰ニ短調 - ホ短調