小田急500形電車
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500形電車(500がたでんしゃ)は、小田急電鉄で使用されていた跨座式モノレール車両である。
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[編集] 概要
向ヶ丘遊園へのアクセスとして1966年4月23日に開業した向ヶ丘遊園モノレール線専用のモノレール車両である。
500形は、小田急電鉄発表の公式上では、「昭和41年(1966年)日本ロッキード製」であるが、実際は「昭和37年(1962年)川崎航空機工業岐阜工場製」である。尚、車内に設置されている500形銘板には「川崎航空機・昭和40年」と書かれ、車外に設置されている500形銘板には「昭和40年・日本ロッキードモノレール」と書かれていた。
この車両は、川崎航空機岐阜工場がロッキード式モノレールの「試作車」として製造した車両を小田急電鉄が購入したものであったことから、この様に「公式」と「事実」が異なるのである。
2000年2月、小田急電鉄が点検を行ったところ、モノレールの台車に致命的な欠陥があることが発覚し、急遽、運転が休止された。モノレールの方式が当時日本唯一となっていたロッキード式であったため、改修には莫大な費用がかかることと、輸送先である向ヶ丘遊園の利用者も減少傾向であった事、そしてその向ヶ丘遊園まで行くのに路線バスも走っており代替輸送も問題ないことから、同年11月9日に小田急電鉄はモノレールの改修を断念し、2001年2月1日廃止された。そして向ヶ丘遊園も2002年3月31日をもって閉園となった。
尚、先に述べた理由から「さよなら運転」の運行も当然不可能であったが、小田急電鉄は2001年3月24日・3月25日に「500形さよなら見学会」が向ヶ丘遊園正門駅で実施され、その後、廃車となった。
[編集] 車両
[編集] 車体
- 車体:アルミ製
- 全長:13570mm
- 全幅:3050mm
- 高さ:3275mm
- 自重:16.2t
- 塗装:アルミ地にオレンジバーミリオンと白色帯(小田急ロマンスカーSE車・NSE車と同じ塗装)
- 台車:川車623形空気ばね台車
- 車輪径:610mm
- 制御装置:電空カム軸式・直列制御
- 主電動機:MB3153B
[編集] 側面
- 扉:山側2箇所・海側1箇所の外吊式
- ホームの関係上、山側のみ通常運転で使用し、海側は「非常時」専用であった。
[編集] 車内
- 定員:120名(座席数:46)
- 一方向固定クロスシート
- 冷房装置:なし
[編集] 歴史
- 1962年 川崎航空機岐阜工場にて「ロッキード式モノレール」の試作車として製造される。
- 1966年 小田急電鉄が試作車を、小田急向ヶ丘遊園モノレール線用車両として購入する。
- 1966年4月23日 小田急向ヶ丘遊園モノレール線の開業に伴い、「小田急500形モノレール」として営業運転開始。
- 1980年代中頃 向ヶ丘遊園での催事に併せて「ウルトラマン」のお面が500形前面に付けられる。
- XXXX年XX月XX日~XXXX年XX月XX日 車体に花のシールが貼られ、「花電車(花モノレール)」として運行される。
- 2000年2月 小田急電鉄が実施した点検で「台車」に致命的な欠陥がある事を発見。即時、運行停止となる。
- 2000年11月9日 小田急電鉄がモノレールの改修を断念。
- 2001年2月1日 小田急電鉄向ヶ丘遊園モノレール線が廃線となる。
- 2001年3月24日・3月25日 「500形さよなら見学会」が向ヶ丘遊園正門駅で実施される。
- 2001年XX月XX日 500形廃車。解体となる。
[編集] 関連項目
- 小田急電鉄の車両 (■カテゴリ) ■Template ■ノート
- 特急用車両
- ロマンスカー専用車両
- 一般用車両(吊り掛け駆動車)
- 一般用車両(高性能車)
- モノレール
- 500形
- 非旅客用車(事業用車)
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