建築史
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建築史(けんちくし)とは、建築の歴史のこと。建築学の一分野であると同時に、歴史学の一分野でもある。
さらに、建築史は文化史・美術史・技術史の一つとしても捉えられる。ゴシック、ルネサンスなど表層としての様式の変遷に目が行きがちであるが、建築様式のみが独自に展開するわけではなく、社会的・経済的・文化的・技術的状況などの時代背景を総合的に考察する必要がある。
現に残っている歴史的建造物の研究が中心になるが、古文書の分析や発掘などの考古学的手法により、失われた建造物の復元的考察も行われる。近代以降は、作り手としての建築家の内面にアプローチする作家研究も盛んである。建築史の専門家を意味する建築史家という呼称が、しばしば用いられる。建築史へのアプローチについては美術史の項目も参照。
目次 |
[編集] 日本建築史
- 原始
- 古代建築
- 中世建築
- 近世建築
- 近代建築(通常は、明治以降は近代建築史で扱われる)
- 現代建築
[編集] 東洋建築史(日本を除く)
- 近代建築(オスマン建築)
- 東南アジア
[編集] 西洋建築史
[編集] 様式史としての西洋建築史
現代では、様式の概念で西洋建築の歴史を把握するのは十分とはいえないが、西洋建築を把握する上で、様式はある時代に建設された莫大な建物を整理できるため、大変便利な枠組みとして使われている。
建築における様式の概念は、18世紀から19世紀にかけてヨーロッパで形成されたもので、それまでは、建築のある特定の調子(現在の様式の概念とは異なる)を「maniera」「caractere」などの言葉で指していたが、19世紀に「style」という言葉が支配的となった。日本でも、〜式、〜流、〜派などの語が用いられていたが、森鴎外が「style」に対し、一貫して「様式」の言葉を充てた。
一般的に、建築様式とは、ある地域・時代の政治・文化・宗教・技術などの要因によって、固有かつ統一感のある建築造形が生まれるという図式で説明される。ただし、論者によって様々な捉え方があるため、例えばある建物やある建築家が、ある様式にあてはまるか否かといった議論は、つまりは様式をどのように認識しているかという問題に帰結する。また、当然のことながら、18世紀から19世紀のイギリス建築のように建築様式の枠組みでは説明しづらい事象もある。
[編集] 古典建築および古典主義建築
- 古典建築
- 古典主義建築(近世の建築)
[編集] 中世の建築
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- 10世紀以降の西ヨーロッパで興った独自の建築であるが、古典主義建築の隆盛とともに粗野なもの(=ゴート風「gothic」)とみなされ、建築造形としては廃れてしまう。19世紀になるとロマネスクの概念が生まれるとともに、ゴシック建築が再び注目され、リヴァイヴァル運動(ゴシック・リヴァイヴァル建築)が起こった。
[編集] 近代建築
- 歴史主義・折衷主義
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- 古典主義が崩壊し、建築家はひとつの建物を設計するにあたって、多様な建築造形の中からひとつを選択する、あるいは様々な造形を組み合わせるようになる。このため、建築造形が整理され、様式の概念が生成された。詳細は歴史主義建築を参照。
[編集] 近代建築史
- 日本近代建築
- 近代建築(プレモダン建築・モダニズム建築)
- 現代建築(ポストモダン建築、ネオ・モダン、脱構築主義など)
- 1960年代の建築 - 1970年代の建築 - 1980年代の建築 - 1990年代の建築 - 2000年代の建築
[編集] 関連項目
建築 - 土木工学 > カテゴリ:建築
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