戸田城聖

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戸田城聖(とだじょうせい、1900年 2月11日 - 1958年 4月2日)は、宗教家、教育家、事業家。創価教育学会理事長、創価学会第二代会長。法華講総講頭。本名は甚一。数度の改名の後に城聖となる。

[編集] 人物

戸田は1900年2月11日に石川県加賀市塩屋にて父・甚七、母・すえの元で7男として生まれた。幼年時に北海道厚田村（現石狩市）に家族と共に移住し、苦学の後に教員となる。戸田は熱心に子供の教育を行い、教員として現場に携わる中で現場教育に必要なものをまとめあげ文部大臣に建白書を提出するに至ったという。20歳で上京して後に師となる西町尋常小学校長牧口常三郎を訪ね、同校の代用教員として採用される。一時教職を退き生命保険の外交員や露天の下駄屋を営む傍ら、院外団に身を投じ古島一雄の知己を得る^[1]。

その後、妻子を病気で失い自らも肺結核で死の宣告を受ける中、日蓮正宗に入信した牧口の折伏によって戸田も入信する。前後して現代学習塾の先駆けである「時習学館」を主宰し、学習参考書の走りとも言える『推理式指導算術』を出版。これは戦前に100万部を超えるベストセラーになった。これを切っ掛けとして本格的に出版に乗り出す様になり、牧口の教育理論である『創価教育学体系』や同郷で作家の子母沢寛の小説の出版を手がけた。更に金融業や証券業にも乗り出し事業家として一定の成功を収めた。

1930年11月18日に牧口と共に「創価教育学会」を創立^[2]、理事長に就任し学会の活動を主に財政面で支える。1943年に治安維持法並びに不敬罪によって逮捕・投獄される。多くの学会幹部が宗旨転向する中、獄中にあっても不退転を貫き、牧口が1944年 11月18日に獄死する直後に法華経の素読を開始。この中で戦後の学会活動で彼が唱えた生命論を始めとする「獄中の悟達」を果たしたと今日の創価学会は強調している。

戸田は終戦直前の1945年 7月3日に豊多摩刑務所（後の中野刑務所。現在は平和の森公園になっている）から出獄。暫くして通信教育と出版の事業を始める傍らで、戦前の創価教育学会を創価学会に改めて組織整備を開始する。初代会長牧口常三郎が、仏法思想にある原因結果の法則と自らの価値論を絡めた罰論・功徳論を展開したのに対し、戸田は戦後の興廃した時宜に沿う形で生命論を唱えていった。戸田の言葉である「この地球上から悲惨の二字を無くしたい」は、創価学会においてよく知られている言葉であり、大乗仏教の本質を踏まえた現代的宗教の展開を模索していたと考えられる。戸田時代に婦人部・男子部・女子部・学生部・その他人材グループ等の現在の創価学会の主要な組織が編成されており、聖教新聞の発刊、国会議員の選出^[3]、日蓮の遺文の編纂（御書編纂）、大石寺へ大講堂の建立・寄贈等を行い、組織拡大にも精力を注いで戸田の死去直前には創価学会の世帯数は75万世帯を超えるほどに成長した。戸田は大石寺の碩学法主であった堀日亨と親しく、日蓮の遺文である御書編纂・校正作業には堀日亨の絶大な力が発揮されたという。御書の冒頭には戸田と堀日亨の序文が掲載されている。戸田の晩年の1957年9月8日には、横浜三ツ沢競技場にて「原水爆禁止宣言」を発表。原爆そのものの存在が人類生命の危機であり、人類はその恐怖とそれを使おうとする心の作用（サタンと表現）を取り除かねばならないと主張した。当日は「若人の祭典」がテーマであったが、戸田はこの宣言を弟子への遺訓の第一と定義し創価学会の方向性を決定付けた。

戸田は事業家・宗教家としての活動もさることながら、社会活動家としての活動も目立ち、戦後の創価学会再建後も学校への図書贈呈や釧路市が絶滅寸前の丹頂鶴保護のために公園開設を予定していた「丹頂鶴自然公園」に対しいち早く寄付活動を行うなど、今日の創価学会の文化活動の淵源とも言える社会へのアプローチを行っている^[4]。最終的には創価学会の組織構築に力を注ぐ晩年となり、後の第三代会長池田大作を直接薫陶し、今日の創価学会の発展の基盤を造り上げたと考えられている。

[編集] 戸田時代以降の創価学会

元来、「価値創造」を哲学的に探求していた初代会長・牧口常三郎を源流とする創価学会は、宗教活動を通しての人間形成を土台としながら世界情勢を鑑み、人類益を志向する組織へと成長・変化していったと考えられる。伝統的仏教団体であった日蓮正宗との今日の軋轢(あつれき)はそうした新種の組織性との乖離度合いを表している。それは、創価学会におけるベートーベンの交響曲第九番の引用・演奏等を「外道礼賛」と非難する日蓮正宗との「異文化に対する理解・寛容の態度」の違いにも明確に表れている。その意味で、戸田の唱えた王仏冥合や原水爆禁止宣言に見られる社会的活動は、創価学会の持つ社会性・問題意識・世相への視点の相違でもあり、仏教教義の追求のみを是とする閉鎖的宗教から脱却するという創価学会における大きなターニングポイントであったとも考えられる。その後、創価学会は公明党の結党や支援^[5]、資本主義・社会主義などのイデオロギー・体制を問わない民間次元での国際交流^[6]や、各界の指導者との意見交換・対話、SGI（創価学会インターナショナル）を活かす形での国連への政策提言（SGI提言）、創価大学・創価学園等の各種学校の創立、多種に亘る教育機関への寄付寄贈、文化祭開催（時に地域の伝統的な行事に参加もする）、民主音楽協会（民音）の設置^[7]、自然災害・震災地域への積極的救援対応など実に多岐に渡る活動を行っている。その社会的汎用性の高さは、時として外部からその全体像の理解を困難にしている一方で、少なからざる支持を得る要因にもなっている^[8]。

[編集] 戸田城聖と現在の創価学会の関係

創価学会の機関紙聖教新聞には高い頻度で第二代会長である戸田の指導が掲載されている。池田名誉会長が会員指導の際に戸田に師事していた当時の指導・訓練の内容を示すことが多く、記録や当事者の証言を織り交ぜながら戸田の思想を現会員に伝達している。創価教育学会創立当時からの大幹部である戸田の指導を現在まで引用するのは、創価学会の思考が基本的に不変であることを内外に示しているものとも受け止められる。また現会員には理解の難しい大石寺宗門と講の一つであった創価教育学会との今日に至るまでの経緯も戸田の生涯を知る中で概観することができる。

創価教育学会は戦時中の軍部による宗教統制策の流れの中で、第62代大石寺管長鈴木日恭から出された神札を時限的に祀る提案に対し牧口初代会長と戸田はこれを拒否した。これにより創価教育学会会員は牧口、戸田を含め登山停止・信徒除名処分となった。当時「神本仏迹論」（基本的に神が本体であり、仏はそれに従うとされる論）を大石寺宗内に喧伝していた小笠原慈聞という僧侶がいたが、日蓮の主張の中にそのような説は見受けられず牧口・戸田はこれを日蓮精神守護の上から容認しなかった。大石寺は日蓮系教団を一本化させようとする政府の動きに苦慮していたと見られ、結果的に合一を回避することはできたものの1942年には伊勢神宮遥拝に関する宗務院通達を発し、加えて日蓮の遺文削除等の対応を採らざるを得なかったという。牧口は日蓮が1260年（文応元年）に北条時頼に提出したとされる立正安国論の主旨を現ずるため国主諫暁の実行を大石寺側に求めていた。戦後になって大石寺宗門から擯斥処分されていた小笠原慈聞が宗内に姿を見せていたが、これを創価学会側は非として小笠原慈聞に牧口の墓前にて神本仏迹論を謝罪させる出来事が起こった（「狸祭り事件」）^[9]。このように戸田時代から大石寺と創価学会は折り合わない場面があったことが散見される。戸田は大石寺守護を固く宣言する一方で、腐敗・堕落と映る僧侶に対しての苛烈なスタンスを並存させていたものと考えられる。

そうした戸田のスタンスは創価学会と公明党の関係にも見出す事ができる。創価学会が公明党内の腐敗・堕落に対して苛烈な立場を取るのは戸田の路線を踏襲しているためとも考えられ、創価学会員は公明党議員に対して他党の議員が一般から受けるような尊敬をほぼ与えていないという現実がある。戸田は創価学会青年部に対し「青年よ、心して政治を監視せよ」と訓示を与えたことでも知られ、国民国家安寧のために議員を送り出す価値を認める一方で、支持者が議員の横暴を監視するという発想・システムを創価学会内に確立させた。ただし戸田が確立したこのシステムがありながら「創価学会員の声が公明党に届かなくなってきているのでは」という疑問が呈されるのは、公明党が置かれている自民党との連立という立場の中で主体的な政策を確立することの難しさが露見していることと、その一方で自民党の政策実現のために公明党ひいては支持団体である創価学会が巧妙に利用されているのではないかという自然発生的な問いがあるためと捉えられる。戸田が訓示した「権力への監視」を旨とする創価学会員が、ともすれば「権力側に立っているとみなされる」という「矛と盾」を社会的に持たされてしまう現状は、個々の会員にとって極めてきわどいバランス感覚が要請される難題であるとも言え、与党である公明党が今後の党勢拡大を目指すには改めて党員・創価学会員の政治的モチベーションを確立・安定させることが不可避であると推察される。そのためには戸田が提唱した「権力への監視」を公明党ばかりではなく連立を組んでいる保守本流である自民党に対しても行っていかねばならず、その前途が非常に困難を伴うものであることは論を待つまでもない。宗教団体である創価学会と政治団体である自民党・公明党との距離感はいわずもがな「戸田の論理」と「権力の論理」との絶えざる闘争ということになる^[10]。

[編集] 原水爆禁止宣言と地球民族主義思想

戸田が行った「原水爆禁止宣言」に見られるように創価学会が主眼に置くものはミクロ的「人間」そのものであることを見逃すことは出来ない。そうした「ミクロの人間の集積が世にある数多の組織であり、国家であり、世界なのである」と捉える発想からは、社会現象のあらゆる成立要因を人間に求め、人間そのものの改革を志向することにより理想的な社会・人生を創造しようとする視点が見出せる。戸田はそのことを「人間革命」と表現し、その実践の根拠を日蓮仏法に拠ったのである。人間の内発的可能性を引き出し、自己練磨を不断に継続する人間を拡大していくことを目指したのが創価学会の折伏・拡大路線であった。そうした現代風「人間主義」のスタンスから導かれるのは、金も政治体制も国連も国家も「人間の価値創造＝幸福」の手段にしか過ぎないという思考である。故に現代において多様化されている幸福への手段にもアクティブに取り組んでいく姿勢が、「現世利益追求主義」のような印象を一般に受けるのは風評的評価であり妥当とは言えない。

創価学会の思考・外交路線の柱は戸田が提唱した「地球民族主義」に裏打ちされている。むしろその視点を軸に据えることで創価学会全体像理解への助けとなろう。この地球民族主義の発想の淵源は初代会長牧口常三郎に負うところがある。牧口は日蓮正宗入信以前に『人生地理学』を著しているが、そこには「生命を世界にかけ、世界を我が家となし、万国を吾人の活動区域となしつつあることを知る（主旨）」との主張が見え、戸田の地球民族主義思想のはしりが確認できる。後に池田大作第三代会長がソ連を訪問する時に「宗教者が赤いネクタイを締めるのか」と社会から揶揄を受けたと言われているが、訪問理由を「そこに人間がいるからである」と言下に答えたと伝えられている。社会では「主義主張・イデオロギー・国家・組織」で人間を判断することが多い。一方創価学会は「人間そのもの」を問題対象としている。そうした根源的な人間理解への「問い」の立場が、国内外の多様なリーダーとの交流へと連鎖していると考えられる。戸田の提唱した地球民族主義の視点からは「国家の政治体制は副次的な問題であり、人間としては国家の違いによっての何らの差異もない」という思考が窺え、現在に至るまでその戸田の路線を貫いてきていると言えるであろう。

社会的に創価学会はイデオロギーの一種とも見られるが、国内では宗教と基本的に対峙する共産党との創共協定の取り組み、数十年にも及ぶ伝統的教団との僧俗和合路線の堅持（現在は解消）、地域社会においても共存共栄を軸にした社会活動を広げており、実際にはイデオロギー的対立がそれほど顕著になることはない。国外においては資本主義・社会主義・民主主義・共産主義等の体制を問うことなくその組織・人間は遍く存在しているのが現実である。地球民族主義と聞くと国連が目指すようなイデアを想起させるが、創価学会組織総体は漸進的にその理想方向に歩みを進捗させる動きをしているとも見られる^[11]。

[編集] 現世利益と組織運営

一般に、日蓮は「現世利益」を強く打ち出しているように認識されがちだが、それは仏教教義から見ると付帯的事項の一部である。唯物的な「モノの充足」はどこまで行っても決して自己を満たさないことを戸田も強く主張しており、日蓮や創価学会が「現世利益追求主義」であると評されることは、全くその意を得ない表層的な教義解釈と言える。むしろ、信仰の目的が「利益の追求」のみならば、日蓮であれば命を賭けて執権北条氏に諫言する必要がなくなり、創価学会であれば戦中の宗教統制に従っていれば投獄・弾圧されることもなく「現世利益」は達成できたことになる。日蓮の教義は、あくまでも人間生命の三世観（過去・現在・未来）の実相を説き、最終的に悩める個人（民衆）を救済することを目的としている。そして、人間の本質は何ら昔と変わらない現代において、同様の主張をしているのが創価学会の現実の姿である。その上で、人間の幸福という目的達成のために、多様な手段を用意・実行したことは、創価学会という組織の挑戦であった。会員一般にそのような指導部の理念がどれほど浸透しているかを把握することはできないが、組織体そのものにはムラや温度差が出ていることも事実と言え、それらへの対処は創価学会が常に直面する課題であろうし、組織の拡大とともにその困難さは、さらに増していくと考えられる。創価学会組織の社会への取り組みが多様化すればするほど、会員が目指すべき指標の「分散化」が進む可能性が指摘されている現状もある。

折伏・弘教を強固に推進した戸田が、同時に「原水爆禁止宣言」のような社会的理念を標榜し会員への遺訓としたことは、「宗教的拡大と実社会改革」の両輪を創価学会が備える実質的なきっかけになったとも考えられ、その観点から現代の創価学会と、その構成員である学会員を俯瞰してみる必要がある。戸田の指し示した創価学会の組織方針は、非常に難しい舵取りを要するものであると推察されるが、あえてその困難に取り組む創価学会の動向と可能性は、常に一般社会の注目の対象となる存在と言えるであろう。

[編集] 略歴

1900年(明治33年)2月11日、石川県に生まれる。後に北海道厚田村へ移住する。
1918年(大正7年)北海道の夕張真谷地尋常小学校で代用教員をしていたが、ある日、教え子には何も言わず、突然上京する。この辺の情景は、小説人間革命に詳しく書かれている。
1928年(昭和3年)、牧口常三郎が日蓮正宗の法華講員、三谷素啓に折伏されると、戸田も牧口とともに日蓮正宗に入信し、法華講に所属した。
1930年(昭和5年)、牧口が『創価教育学体系』を著す。創価学会ではこの日を創立記念日としている。牧口は当時の金銭欲にまみれた信徒を馬鹿にするあくどい住職を批判したため、住職との折り合いが悪く所属寺院を何度か変更している。戸田も一緒に所属寺院を変更した。
1943年(昭和18年)、創価教育学会は戦争に反対していたたため治安維持法違反、不敬罪の容疑で、戸田は牧口とともに逮捕された。当時新宗教は軒並み危険視され弾圧されていた。牧口は1944年11月18日に獄死する。当時の創価教育学会はほぼ壊滅した。
1945年(昭和20年)7月3日、戸田は豊多摩刑務所（後の中野刑務所）から出所。戸田は自らが入牢したのは牧口の仏法者としての慈悲の大きさであると表現し、国家による宗教統制を拒否した法華経の難を現代に受けた者として戦後の歩みを開始する。
1946年(昭和21年)、創価教育学会の名を改め創価学会を設立した。もともと創価教育学会は牧口の創価教育学を中心とした教職員による集まりだったが、創価学会は広く一般人を対象としており日蓮正宗の信仰を中心に据えた。戸田は仏法法理に照らして会員はもちろんのこと、宗門の僧の堕落・怠惰を強く責めている。聖教新聞のコラム『寸鉄』にもその様子は詳しい。
1951年(昭和26年)、戸田は宗門（日蓮正宗）を外護するため宗教法人として創価学会を設立。しかし、日蓮正宗の信徒団体にすぎない創価学会が新たに宗教法人格を獲得することは、創価学会に独立する野望があるとして日蓮正宗内部で大問題となった^[12]。

戸田は創価学会の宗教法人格取得に関して宗門外護のためと強く主張し、日蓮正宗は3つの条件をつけて許可した。

折伏した人は信徒として末寺に所属させること。
当山（日蓮正宗大石寺）の教義を守ること。
三宝（さんぽう＝仏宝・法宝・僧宝）を守ること。仏宝とは末法の御本仏日蓮大聖人、法宝は文底秘沈七字の南無妙法蓮華経、僧宝は大石寺開山日興上人のことを指す。

1951年(昭和26年)、向島常泉寺において創価学会会長に就任^[13]。
1958年(昭和33年)4月2日、死去。
主な著作に「御書十大部講義」「人間革命（上下2巻）」がある。
2000年妻である幾氏の葬儀は学会葬ではなく、故人の遺志で敵対関係にある日蓮正宗にて行われた。

[編集] 言葉

「どんな劣等生でも私は必ず優等生にして見せる」
「この地球上から悲惨の二字を無くしたい」
「お金の掛かる宗教は、邪宗である」
「前に言っていたことと、今言っていることが違う宗教は、邪宗である」
「信者は御本尊様に対し御供養した金銭について、口をはさむ必要はない。御僧侶が信者の御供養を何んに使おうと、我々が御供養したこととは関係がない。御本尊様に御供養するという根本精神がかけている」

[編集] 戸田城聖を演じた俳優

丹波哲郎（映画「人間革命」）

[編集] 註

^ 後に創価学会の前身・創価教育学会を結成する際に古島は顧問の一人となっている上に、終戦直後に出獄後自らの事業の再開を古島に相談したりしている
^ 牧口著の創価教育学体系の発刊日に由来
^ まだ当時公明党はなく、無所属の創価学会会員を推薦した。議員は創価学会文化部に所属
^ 戸田は自身が周囲から「ひばり男」と評されているとし、「上がるとどこまでも上がるが、落ちるとどこにいるのだか見えなくなるほど落ちていく」という表現をしている。実際、事業では大成功を収めたかと思うと、大失敗に見舞われるなどしてまさに「ひばり」の様相を呈していた
^ 1971年に組織的な分離を表明し、その後は意見交換や選挙における組織的支援に止めている
^ 1968年には「日中国交正常化提言」を出し、政教分離問題で対立関係にあった日本共産党とも「創共協定」を締結し一時的には共存共栄関係にあった
^ ミラノのスカラ座の日本公演は民音の招聘により実現した
^ 学会内部からもこうした多種多様な組織運動に対しては慎重論・反対派も少なくなかったと言われ、日本の一般的な宗教団体の枠組み・カテゴリーを超えた有機的な組織へと拡大してきた経緯がある
^ これを大石寺は立宗700年祭の慶事最中に礼節を欠くものとして戸田を大講頭罷免、登山停止、謝罪文提出処分とし、神本仏迹論を用いたことにより戦前に擯斥処分されていた小笠原には処分なしの対応であった
^ ちなみに戸田存命中の学会は、（学会系の議員とは別に）少なからず保守系の政治家を支持していた。また戸田自身は、王仏冥合を実現さえしてくれるのであれば党派を問わないと言及したことがある
^ 一方で組織の巨大化に伴う会員の足並みの乱れが散見されることは、戸田が掲げた理想の高潔性との強烈なアイロニーを提示しているとも受け止められなくもない
^ 反対の急先鋒だったのが若き日の阿部信雄（後の67世日顕）であったと言われる
^ それ以前から戸田は、牧口を「うちの初代」と呼び、自らを「二代」と称した