新自由クラブ
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新自由クラブ（しんじゆうくらぶ、昭和51年（1976年）6月25日 - 昭和61年（1986年）8月15日）は、昭和期における日本の保守政党。略称は新自ク。英文名称はNew Liberal Club。
1976年、自由民主党の河野洋平、西岡武夫ら、自民党内の超派閥政策集団・政治工学研究所（せいじこうがくけんきゅうじょ）所属の国会議員が政治倫理を巡り離党して結成。
1986年、自民党への合流に伴い解散。しかし、一部党員は「新自由クラブ」の名称で国政選挙に出馬した。
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[編集] 党史
ロッキード事件で田中角栄前首相に捜査の手が及ぶなど政治倫理が大きな政治課題に上っていた頃、すでに自民党を離党していた衆議院議員の河野洋平・田川誠一・西岡武夫・山口敏夫・小林正巳と、有田一寿参議院議員が、1976年6月25日に「保守政治の刷新」を掲げて新自由クラブを結成した。
新自由クラブ前身となったのは、河野が自民党内の親中派若手を集って主宰した勉強会・「政治工学研究所」で、離党した6人のほか、藤波孝生、橋本龍太郎らも参加していた。
長い間保守系の政党が自民党一党のみだったなかでの新保守党の結成は、革新政党への支持を躊躇しながらも自民党に不満を持っていた支持層を引き付け、結党直後の12月に行われた第34回衆議院総選挙では一挙17人を当選（さらに追加公認1人）させるなど党勢を伸ばした。
政治姿勢の違いから幹事長だった西岡らが離党して自民党に復党するなど運営面での混乱が目立ち、政策的にもなんら新味さを打ち出せず、1979年の第35回総選挙では4議席と惨敗した。総選挙後の首班指名では、自民党の大平正芳総裁を支持して自民党との連立政権を模索したが、新自由クラブの支持者や野党、メディアから批判を受けて失敗し、河野は代表を辞任、かわって田川が代表に就任した。以降は、一進一退の形勢をたどった。
一時期同じ少数会派の社会民主連合との反自民共闘を念頭に院内会派・新自由クラブ民主連合を結成したがその後会派解消。民社党、社民連との中道政党合流構想を打ち立てた後、いきなり自民党と連携するなど、どっちつかずで政党として明確なスタンスを確立することができなかった。
1983年の第37回総選挙で自民党が公認候補で過半数割れすると、自民党と連立を組んだ。自民党は追加公認を入れると過半数を確保したが、予算委員会で委員長を除いても与党で過半数を占めるためには、新自由クラブの8議席を必要としたからである。そこで、党代表だった田川が第二次中曽根内閣に自治大臣として入閣した。しかし、1986年の第38回総選挙でも結果は6議席と振るわず、解党のうえ、大多数のメンバーが自民党に復帰した。だが、田川は自民党には復党せず、「進歩党」を結成。宇都宮徳馬参院議員は無所属で議員活動を続けた。
1989年の第15回参院選では党員だった清水三雄らが新自由クラブを名乗って出馬したものの、当選者を出せずに終わっている。清水はのちに平成龍馬の会と改称した。
[編集] 歴代の新自由クラブ常任幹事会・執行部役員表
| 常任幹事会代表 | 常任幹事会副代表 | 常任幹事会 幹事長 |
政策委員会 責任者 |
国会対策委員長 | 参議院代表 |
|---|---|---|---|---|---|
| 河野洋平 | 田川誠一 | 西岡武夫 | 小林正巳 | 山口敏夫 | 有田一壽 |
| 〃 | 田川誠一 | 〃 | 石原健太郎 | 〃 | |
| 田川誠一 | 山口敏夫 | 柿沢弘治 | 田島衛 | 〃 |
[編集] 新自由クラブの政権ポスト
（）内は入閣直前の党役職
昭和58年（1983年）12月27日・第1次中曽根内閣 （国務大臣） 自治大臣兼国家公安委員会委員長・田川誠一（党常任幹事会代表） 昭和59年（1984年）11月1日・第1次中曽根内閣（第1次改造内閣） （国務大臣） 労働大臣・山口敏夫（党常任幹事会幹事長） 昭和60年（1985年）12月28日・第1次中曽根内閣（第2次改造内閣） （国務大臣） 科学技術庁長官・河野洋平
[編集] 党勢の推移
[編集] 衆議院
| 選挙 | 当選/候補者 | 定数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| （結党時） | 5/- | 491 | |
| 第34回総選挙 | ○17/25 | 511 | 追加公認+1 |
| 第35回総選挙 | ●4/31 | 511 | |
| 第36回総選挙 | ○12/25 | 511 | |
| 第37回総選挙 | ●8/17 | 511 | |
| 第38回総選挙 | ●6/12 | 512 |
[編集] 参議院
| 選挙 | 当選/候補者 | 非改選 | 定数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| （結党時） | 1/- | - | 252 | |
| 第11回通常選挙 | ○3/13 | 0 | 252 | 追加公認+1 |
| 第12回通常選挙 | ●0/2 | 2 | 252 | |
| 第13回通常選挙 | ○2/10 | 1 | 252 | 社会民主連合と合同名簿、追加公認+1 |
| 第14回通常選挙 | ●1/7 | 0 | 252 |
（参考文献：石川真澄（一部山口二郎による加筆）『戦後政治史』2004年8月、岩波書店・岩波新書、ISBN 4-00-430904-2）
- 当選者に追加公認は含まず。追加公認には会派に加わった無所属を含む。
