森下卓
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森下 卓(もりした たく、1966年7月10日 - )は、日本の将棋棋士。棋士番号161。福岡県北九州市出身。花村元司九段門下。
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[編集] 人物
- 研究熱心な居飛車党であり、特に矢倉戦法では森下システムを考案した。
- 竜王、名人、棋聖、棋王(2回)、王将への挑戦経験があるが、全て獲得に失敗しており、無冠の帝王と呼ばれている。タイトル挑戦6回は、タイトル未獲得者中の最高回数である。
- 棋風は基本的に受け将棋であり、先に相手に攻めさせてからのカウンターを得意とする。棋士間でもその実力への評価は高く、森下が無冠であることは「将棋界の七不思議」である、と言われることもある。
- 1990年の新人王戦で優勝するまで、決勝まで何度も勝ち進む実力がありながら何故か決勝で負けてしまうため、「準優勝男」「シルバーコレクター」と呼ばれた。
- 真剣師の出身で変則的な差し手で知られる師匠の花村元司九段には懇切丁寧な指導を受け、何百番も練習将棋をしてもらったと言われるが、森下は正統派の将棋を指す。
- 極めて礼儀正しく、知人をみつけると100m先であってもお辞儀をするという噂が出るほどで、将棋界一の律儀者と言われる。
- 2005年度より、日本将棋連盟理事(出版、総務、経理担当)。
- 『駒得は裏切らない』という言葉を残しているほど駒得を重視する。
[編集] 昇段履歴
- 1983年9月23日 - 四段
- 1987年1月14日 - 五段
- 1989年10月3日 - 六段
- 1992年3月8日 - 七段
- 1994年4月1日 - 八段
- 2004年12月12日 - 九段
[編集] 主な成績
(2006年4月1日現在)
- 竜王戦 - 1組(1組 - 14期)
- 順位戦 - B級1組(A級 - 10期)
[編集] タイトル
タイトル挑戦 6回
[編集] 一般棋戦の優勝歴
- 全日本プロトーナメント(現:朝日オープン将棋選手権) 1回(第9回)
- 新人王戦 1回(第21回)
- 勝ち抜き戦(5連勝以上) 3回(第12回・13回・16回)
- 天王戦 1回(第6回)
合計6回
[編集] 将棋大賞
- 第15回(1987年度) 新人賞
- 第17回(1989年度) 敢闘賞
- 第18回(1990年度) 勝率第一位賞・最多勝利賞・最多対局賞・殊勲賞
- 第19回(1991年度) 技能賞
- 第22回(1994年度) 技能賞
- 第33回(2005年度) 升田幸三賞特別賞 「森下システム」
名人戦 |
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