朝日オープン将棋選手権
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朝日オープン将棋選手権(あさひオープン しょうぎせんしゅけん)は、略称「朝日オープン」ともいい、朝日新聞社が主催する将棋の棋戦。おもな対戦棋譜は朝日新聞紙上に掲載される。
従来の全日本プロ将棋トーナメントを第20回記念大会となった2000年から改題・制度変更したもので、単なる優勝棋戦(=トーナメント制)から挑戦手合制になり、朝日アマ名人戦などの成績優秀なアマチュアも参加できるようになった。全棋士と女流棋士、アマチュア10名がトーナメントに参加する。
予選通過者と本戦シード者の計32名で本戦トーナメントを行い、トーナメント優勝者と現選手権者が挑戦手合いの五番勝負を行う。挑戦手合い五番勝負に勝ったものは、朝日オープン選手権者(略称は「朝日」とされることが多いが、朝日新聞は「選手権者」としている)と呼ばれる。
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[編集] しくみ
予選と本戦トーナメントからなる。本戦トーナメントの優勝者は朝日オープン選手権者と五番勝負を戦う。
全日本プロ将棋トーナメント時代は優勝棋戦であったが、朝日オープン選手権と改められてから挑戦手合い制となった。
[編集] 予選
トーナメントで行われ、16人が本戦に出場する。
朝日選手権者およびシード棋士を除くすべての棋士のほか、女流棋士2名、アマチュア10名が参加する。アマチュア10名はすべて別の組に振り分けられ、アマチュアの予選1回戦の対局は同日に一斉に行われる。
予選・本戦とも、持ち時間は各3時間。
[編集] 本戦トーナメント
予選を勝ち抜いた16人とシード棋士16人が参加する。1回戦はすべて、予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士の対局が組まれる。
全日本プロ時代の決勝は五番勝負であったが、朝日オープンになってからは決勝は一番勝負である。シード選手の決定方法は、優先度の高い方から (1)前回ベスト4+挑戦手合いの敗者 (2)全日本プロから含めて複数回優勝者 (3)過去5年間の朝日オープン選手権者 (4)タイトル保持者 (5)永世称号者 (6)過去1年間の全棋士参加棋戦優勝者 (7)過去1年間のタイトル戦出場者 (8)(1)~(7)までに該当する棋士を除いて、順位戦A級からの上位棋士――の順。
タイトル保持よりも全日本プロ時代からの本大会での実績が優先するため、これまで2回以上優勝している、羽生善治、谷川浩司、森内俊之、深浦康市の四人は事実上の永久シードとなった。
[編集] 朝日オープン将棋選手権五番勝負
朝日選手権者と本戦トーナメントの優勝者が五番勝負を戦う。五番勝負は日本各地の旅館や料亭などで行われる。
持ち時間は予選・本戦と同じく3時間で、1日制で行われる。
[編集] 全日本プロ将棋トーナメント(1982-2000)
1982年に創設された当初は日本の一流将棋棋士を集めてほぼ横一線スタートの公平な大会といわれたが、アマチュア棋士の実力が年々上昇傾向にあることなどを背景に、アマチュア棋士にも門戸を開放。特に第19回大会(2000年)では朝日アマチュア選手権名人であった山田敦幹がプロを相手に3連勝、第24回大会(2005年)は同じく朝日アマ名人の吉田正和(のちに新進棋士奨励会の初段試験に合格)がプロに3連勝するなどの記録を残している。
[編集] 歴代決勝記録
※第8回大会まで3戦2勝制、第9回大会以後は5戦3勝制
[編集] 全日本プロ将棋トーナメント
- 1回(1982年):桐山清澄 2-1 青野照市
- 2回(1983年):谷川浩司 2-1 田中寅彦
- 3回(1984年):谷川浩司 2-0 森ケイ二
- 4回(1985年):谷川浩司 2-0 加藤一二三
- 5回(1986年):大内延介 2-0 中村修
- 6回(1987年):谷川浩司 2-0 櫛田陽一
- 7回(1988年):森内俊之 2-1 谷川浩司
- 8回(1989年):羽生善治 2-1 谷川浩司
- 9回(1990年):森下卓 3-1 桐山清澄
- 10回(1991年):羽生善治 3-2 森下卓
- 11回(1992年):深浦康市 3-2 米長邦雄
- 12回(1993年):阿部隆 3-2 中田宏樹
- 13回(1995年):谷川浩司 3-1 深浦康市
- 14回(1996年):屋敷伸之 3-0 藤井猛
- 15回(1997年):谷川浩司 3-2 森下卓
- 16回(1998年):羽生善治 3-0 森内俊之
- 17回(1999年):丸山忠久 3-0 森内俊之
- 18回(2000年):谷川浩司 3-0 岡崎洋
- 19回(2001年):森内俊之 3-2 谷川浩司
[編集] 朝日オープン将棋選手権
- 20回(2002年): 堀口一史座 3-1 杉本昌隆
- 21回(2003年): 深浦康市 3-1 堀口一史座
- 22回(2004年): 羽生善治 3-2 深浦康市
- 23回(2005年): 羽生善治 3-0 山崎隆之
- 24回(2006年): 羽生善治 3-1 藤井猛
- 25回(2007年): 羽生善治 - 阿久津主税
[編集] プロ対アマの対戦成績
- 20回(2001年):プロ8勝 アマ2勝
- 21回(2002年):プロ3勝 アマ7勝
- 22回(2003年):プロ6勝 アマ4勝
- 23回(2004年):プロ7勝 アマ3勝
- 24回(2005年):プロ7勝 アマ3勝
- 25回(2006年):プロ7勝 アマ3勝
[編集] 外部リンク
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