特殊作戦群
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特殊作戦群(とくしゅさくせんぐん)とは陸上自衛隊初の特殊部隊であり中央即応集団隷下部隊である。現時点における主要任務は対テロ及び対ゲリラ作戦であるが、将来的には米陸軍特殊部隊と同様に、他国における特殊偵察や直接行動、情報戦などの多様な任務を遂行可能な世界水準の特殊部隊を目指しているといわれる。英語表記の「Special Operations Group」からSOGとも表記され、一部では、特戦群(とくせんぐん)、特戦(とくせん)とも略されている。
目次 |
[編集] 概要
平成16年(2004年)3月27日に設立され、千葉県船橋市にある陸上自衛隊習志野駐屯地(第一空挺団の拠点)が本拠地。対テロをはじめとする各種特殊任務を実際に遂行する必要性から、従来の陸自では考えられないほど高度な情報管理体制下におかれており、編成や装備、訓練内容についてはほとんど明らかになっていないが、アメリカ陸軍の特殊部隊であるグリーンベレーを編成・装備・訓練の手本として発足し、隊員数は約300人(戦闘要員は約200人)とされている。
特殊作戦隊員選抜試験の受験資格者は原則としてレンジャー資格を有する優秀な3等陸曹以上の隊員であるが、グリンベレーに準じた厳しい選抜試験と長期の課程教育が行われる結果、最終的に特殊作戦群の戦闘要員となれるのは志願者全体の1割程度である。また戦闘要員として入隊を認められた隊員も、自由降下か潜水、或いは山岳潜入のいずれかの特殊潜入技能を必須として修得する必要があり、その後も各人の特性にあわせて各種語学やCQB、狙撃、NBC、情報、心理戦等の専門技能を修得する必要がある為、その育成にはかなりの時間とコストがかかる。
先崎一陸上幕僚長(当時)は記者会見で、「(隊員には)ハードな知識や技能、メンタルな部分が要求されるので(特殊作戦群の実戦化には)10年~15年はかかると思う」と述べている。しかしながら陸上幕僚監部の現行の計画では発足後約5年間で、あらゆる特殊任務を遂行可能な世界水準の特殊部隊を育成することになっている。
有事の際は、同一駐屯地に所在する第一空挺団や、木更津駐屯地に所在する第1ヘリコプター団などと連携して行動する事もあると見られている。
一部の雑誌等により、自衛隊イラク復興支援群には、特殊作戦群の隊員が常時数名含まれており、現地治安に関する情報収集や危険地域での警備及び要人警護、対テロの観点からの意見具申、一般隊員に対する教育訓練等の任務に従事したと紹介された。
[編集] 年表
- 1998年(平成10年)頃:第一空挺団内に編成準備室と特殊作戦研究部隊(G、Sの2つの対抗部隊)が極秘裏に立ち上げられる。
- 2000年(平成12年):関連施設等の要望。
- 2001年(平成13年):予算要求開始。留学要員の帰国、それに合わせて施設の確保とプレ準備隊(群本部基幹要員と訓練支援小隊)編成を完結。
- 2002年(平成14年)夏から翌年春頃:1次から3次までの準備隊の編成完結。それと平行して、要員選抜基準、訓練要領および基準の設定。群本部要員と中隊要員の2系統で隊員の募集・選抜開始(前者はレンジャー未修了者の志願可)。
- 2003年(平成15年)12月:極少数の準備隊員が第1次イラク復興業務支援隊としてイラク入り(後に特殊作戦群に引き継がれる)。
- 2004年(平成16年)3月:習志野駐屯地内に特殊作戦群が編成される。
- 2007年(平成19年)3月28日:特殊作戦群を防衛大臣直轄から「中央即応集団」隷下に編成変え。
[編集] 部隊の特徴
なお上記は公式発表では無い為、一部報道や推測も含まれている。
[編集] 服装
[編集] 戦闘服市街地用
陸上自衛隊の戦闘服には複数の種類があるが、特殊作戦群に属する隊員等は、その内の「戦闘服市街地用」を着用する[1]。
[編集] 特殊作戦き章
特殊作戦に関する教育等を受けた特殊作戦群の隊員は、「特殊作戦き章」を、自衛隊の施設内及び特に群長が必要と認めた場合にのみ着用する[2]。特殊作戦き章は、左胸ポケットに着用する[3]。この特殊作戦き章は、日本の国旗である日の丸、正義や軍事力等を意味する剣、急襲が得意な鳶、陸上自衛隊の徽章である桜星及び古来から神聖な木とされてきた榊からなっている[4]。
[編集] 編成
- 第1科(総括、庶務等)
- 第2科(情報)
- 第3科(作戦立案、部隊運用、訓練計画)
- 第4科(補給)
[編集] 歴代群長
代数 | 氏名 | 在任期間 | 前職 | 後職 |
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初代 | 荒谷卓 | 2004.3 - 2007.3.22 | 陸上幕僚監部防衛部運用課 | 研究本部主任研究開発官 |
第2代 | 古田清悟 | 2007.3.23 - | 研究本部研究員 |
群長の階級は1等陸佐である。
[編集] 歴代副群長
代数 | 氏名 | 在任期間 | 前職 | 後職 |
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初代 | 宮本恭良(1佐) | 2004.3 - 2005.3.22 | 空挺団本部新編部隊準備室長 | 第4陸曹教育隊長 |
副群長の階級は2等陸佐(例外的に1等陸佐の場合有り)である。
[編集] 主要装備
- M4A1 カービンSOPMOD(戦闘要員用)
- H&K USP9
- H&K MP5SD6
- 89式5.56mm小銃
- 対物狙撃銃 バレットM95
- 対人狙撃銃 レミントンM24
- 散弾銃 レミントン M870
- Paraclete RMV(Releasable Modular Vest)
- 閃光音響手榴弾(スタングレネード)
- 60mm迫撃砲(40mm擲弾発射器 M203の代用)
- 84mm無反動砲
- 110mm個人携帯対戦車弾
- 01式軽対戦車誘導弾
- 91式携帯地対空誘導弾
- 軽装甲機動車
- 高機動車
- 73式大型トラック
- 73式中型トラック
- 73式小型トラック
- 衛星単一通信可搬局装置 JMRC-C4
- 衛星単一通信携帯局装置 JPRC-C1
[編集] 関連項目
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陸上自衛隊 (☆…中央即応集団所属) |
☆特殊作戦群 (SOG) | ☆第1空挺団 西部方面普通科連隊 (WAiR) | 冬季戦技教育隊 | 対馬警備隊 参考項目…レンジャー |
海上自衛隊 | 特別警備隊 (SBU) |
航空自衛隊 | 基地防衛教導隊 |
海上保安庁 | 特殊警備隊 (SST) |
警察庁 | 特殊急襲部隊 (SAT) | 特殊捜査班 (SIT) | 銃器対策部隊 原子力関連施設警戒隊 | 総理大臣官邸警備隊 NBCテロ対応専門部隊 |
皇宮警察 | 皇宮警察特別警備隊 |
[編集] 特殊作戦群が登場する映画・ドラマ・小説作品
[編集] 外部リンク
- 第156回国会 武力攻撃事態への対処に関する特別委員会 第3号
- 第159回国会 武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 第13号
- 衆議院議員赤嶺政賢君提出長崎県佐世保市の陸上自衛隊相浦駐屯地での対戦車ヘリコプターAH—1S(コブラ)の墜落事故等に関する質問に対する答弁書
[編集] 注釈
- ^ 陸上自衛官服装細則(陸上自衛隊達第24-8号)別表第1。
- ^ 「き章の付与及び着用について(通達)」(昭和53年7月25日陸幕人計第215号)によると、着用資格者は「陸上自衛隊の教育訓練実施に関する達(陸上自衛隊達第110-1号)に定める特殊作戦に関する教育訓練を修了した者又は外国軍隊において特殊作戦に関する教育訓練を修了した者のうち、特殊作戦群に所属する者」とされている。
- ^ 自衛官服装規則(昭和32年2月6日防衛庁訓令第4号)附図第1第12項。
- ^ 「赤色の金属製の日の丸、いぶし銀色の金属製の剣、金色及び銀色の金属製のとび並びに銀色の金属製の桜星を組み合わせたものを中心にして、その両側にいぶし銀色の金属製のさかきを配したもの又は緑色の布製台地に黒糸で縫取りをした日の丸及び剣並びに茶糸で縫取りをしたとび及び桜星を中心にして、その両側に黒糸で縫取りをしたさかきを配したものとする。形状及び寸法は、図10-2のとおりとする。」(自衛官の職務又は技能を識別するために用いるき章の制式等に関する訓令(昭和49年3月12日防衛庁訓令第6号)別表第1)。
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