原子力関連施設警戒隊
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原子力関連施設警戒隊(げんしりょくかんれんしせつけいかいたい)とは、原子力関連施設でのテロ事件に対処する日本警察の警備部隊のこと。
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[編集] 概要
主に機動隊銃器対策部隊より選抜されている。原子力発電所の警備が任務となる。2002年のFIFAワールドカップ開催を機に管区警備隊が警備に動員されたため、手薄となった核関連施設の警備を強化する必要があった。そこで12道県警において短機関銃を配備した機動隊の銃器対策部隊を中心とする「原子力関連施設警戒隊」を編成し、16ヶ所の商業用原発の警備に投入したたものの、専門部隊ではなかった。
2004年、若狭湾岸に多くの原子力関連施設を持つ福井県警察は、日本の警察としては初めての、「専門部隊である原子力関連施設警戒隊」を編成した。警備部の所属になる。 福井県警原子力関連施設警戒隊は嶺南機動隊の隷下に設置され、警戒隊長(警部)以下2個小隊編成である。福井県警嶺南機動隊は警備部隷下で各種警察活動を行う、管区機動隊を兼ねていた部隊であったが、その嶺南機動隊の2個小隊を原子力関連施設警戒専門部隊とした。
原子力施設は、作戦行動中の機器・設備の破損によっても、大規模な環境汚染を引き起こす恐れが高いため、施設を制圧する能力だけではなく、原子力施設に関する専門的な知識と、細かな対処マニュアルが必要となる。さらに、原子力関連施設内に仕掛けられた爆発物の探知と処理、放射能汚染下における戦闘術、放射能汚染下における救護活動の能力なども必要となる。
他国の同種組織には、実力部隊だけではなく、後方から専門的な助言を行う、核科学者、放射能技術者、通信員からなるSRTという支援部隊があり、これらが一体となって活動している。
原子力関連施設警戒隊はまだ編成されたばかりであり、目下、原子力関連施設の内部構造を良く把握した上での防御・制圧方法を研究している段階である。今後のいっそうの拡充が求められる。
[編集] 編成されている地域
- 原子力関連施設のある全国の機動隊に配置されている。
- 専門部隊としては、福井県警察原子力関連施設警戒隊が唯一である。
[編集] 福井県警察嶺南機動隊原子力関連施設警戒隊の編制
- 嶺南機動隊(隊長:警視、隊長補佐:警部)
- 隊本部(総務係)
- 嶺南機動隊小隊(小隊長:警部補)
- 原子力関連施設警戒隊(隊長:警部)
- 第1小隊-第2小隊(小隊長:警部補)
(※ 参考:福井県警察の組織に関する訓令) [1]
[編集] 装備
機関けん銃(ドイツHeckler&Koch社製、MP5)や、狙撃用ライフル(豊和工業製、M1500)を装備している。機関けん銃はダットサイトやフラッシュライトを装着することが可能であり、機動隊の銃器対策部隊も使用している。
けん銃については、日本警察の標準的なもの(ニューナンブ等)を装備している。
また、各原子力関連施設を警戒するために、「小型特型警備車」(防弾装甲車)等を使用している。
[編集] 関連項目
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陸上自衛隊 (☆…中央即応集団所属) |
☆特殊作戦群 (SOG) | ☆第1空挺団 西部方面普通科連隊 (WAiR) | 冬季戦技教育隊 | 対馬警備隊 参考項目…レンジャー |
海上自衛隊 | 特別警備隊 (SBU) |
航空自衛隊 | 基地防衛教導隊 |
海上保安庁 | 特殊警備隊 (SST) |
警察庁 | 特殊急襲部隊 (SAT) | 特殊捜査班 (SIT) | 銃器対策部隊 原子力関連施設警戒隊 | 総理大臣官邸警備隊 NBCテロ対応専門部隊 |
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