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『甘い生活』(あまいせいかつ)は弓月光によるランジェリー・ラブコメ漫画作品。 「ビジネスジャンプ」で1990年から連載中。 単行本は30巻まで発売されている。(2006年5月現在)
[編集] 概要
「ビジネスジャンプ」(BJ、集英社)誌上において1990年11号より15年以上に渡り連載が続けられており、BJで最長の長寿作品である。 コミックスはヤングジャンプコミックスビージャン(YJC・BJ)より発売され通算30巻に及ぶ。(2006年5月現在) 他のコミックスと比較すると連載年数に対しコミックスの巻数が少ないが、これは月2回の連載の上、1回あたりのページ数も減ってきている事による物である。(1巻には8話、30巻には12話収録されている。)
大手下着メーカーのピクシー(Pixy)を舞台にランジェリーに対する天才的な才能を持つ江戸伸介による下着もしくはそれに類するものの開発話が、様々に癖のある依頼主などを交えた伸介と若宮弓香とのラブコメとして描かれていく。 伸介と弓香のラブコメという主軸はあるものの、開発する下着毎に話は比較的独立しており、連続性のある中編の集合体となっている。
ランジェリーを題材としており、さらに弓月が元少女漫画家であった事もあり、BJ連載の青年漫画ながら女性の読者も少なくない。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
※編分けは便宜上ここで作成した物であり、正式な物ではない。
※単行本収録巻数、伸介の開発した下着を併記。
[編集] ピクシー入社編
- 1~3巻
- OL向け下着
- ピクシーの地下10階、資料課で3年間バイトを続けていた江戸伸介は資料課に誤送されてきた、本来会長の元に届くはずであったズロースを届けに上がる途中、会長と出会いその下着に対する確かな眼力を買われ入社する事となった。しかし、仕事は与えられず、自分でやれそうな事を探せとの指示を受ける。そこで伸介が考えたのは女性社員への下着の支給であった。これで確かな実績を残した伸介は社内の重役会議に参加する事となり、ひょんな事から下着のデザイン対決を行う事となりOL向けの下着のデザインに取りかかる。
[編集] ドミナ衣装編
- 3~4巻
- 下着風のロックコンサート衣装
- ピクシーが冠スポンサーを務め、世界的なロック歌手ドミナを招待したが、彼女の衣装が紛失してしまう。そこでOL向け下着で確かな実績を残した伸介に衣装デザインの白羽の矢が立ったが、彼には「セクシーさ」という概念が全く理解出来ていなかった……。
[編集] 呪いのコルセット編
- 4~5巻
- ガードル
- ひょんな事から下着泥棒であり、コレクターの倉元と知り合った伸介は、16世紀のカトリーヌ・ド・メディチ由来の呪いのコルセットを見せてもらう事となった。嫌がる弓香に半ば無理矢理コルセットを着せると、あまりの気持ちよさから弓香の表情はうつろになり妖艶な魅力を振りまく事となった。しかし、その気持ちよさ故、コルセットを決して脱ごうとしない弓香は日に日にやつれていく事になる。弓香を救うため、伸介は呪いのコルセット以上に気持ちいい下着を作る事を決意する。
[編集] 生理用ショーツ編
- 5~6巻
- 生理用ショーツ
- ふとした事をきっかけに、ナプキンと専用ショーツを手にとる事となった伸介の「ナプキンとショーツをはじめからセットで作ればいいのに」という素朴な感想から生理用ショーツ開発プロジェクトが誕生。天保製薬と共同で開発する事となったが派遣されてきたのはなんと弓香の元彼氏太田原だった。伸介が体型を良くする為にとTバックにこだわるためにプロジェクトは難航する事になる。
[編集] 桂千波編
- 6~8巻
- ハイティーン向け下着(成長するブラジャー)
- 駅で見事に下着を着こなしている桂千波を見て、伸介は無意識のうちに福島の温泉まで彼女を追いかけてきてしまう。そして彼女からインスピレーションを受けハイティーン用の下着の作成に取りかかる事となる。伸介、弓香、伸介の下着と伸介に惚れ込んでしまった千波の三角関係が絡み合う。
[編集] 失われた思春期編
- 8~9巻
- なし
- 伸介にセクシーさや華やかさという物を理解させる為と、安岡は弓香にストリップを習う事を提案する。特訓の成果もあり、弓香は肉体的な刺激無しに伸介を勃起させる事に成功する。目的を果たしたかに見えたが、今度は弓香を見るだけで勃起してしまう様になり、彼女を避ける様になってしまう。
[編集] テニスウェア編
- 9巻
- カーボンケブラーをカップに使用したブラジャー、テニスウェア(スコート込みのオールインワンビスチェ)
- 立花小夜は近々デビュー予定の期待の新人テニスプレイヤーであったが、急激な胸の成長により特注のスポーツブラが必要となり伸介に依頼する事となる。レズビアンの彼女は弓香に一目惚れし、伸介との間で奇妙な三角関係が生まれる。
[編集] 美也との結婚編
- 9~10巻
- なし
- 立花のウェアとデビュー戦の成功、そしてピクシー初となる個人ブランド『Ed』の誕生を祝う宴会で泥酔した伸介。目が覚めるとホテルのベッドに裸で寝ていた。そして隣には美也が同じく裸でおり、その口の中には縮れた毛が残っていた。「女性と何かあったら責任をとれ」という母の言いつけを守るため、伸介は弓香の目の前で美也に結婚を申し込む。親への報告の為、美也との里帰りに、何故か弓香もついていく事に……。
[編集] スーパーモデル編
- 10~13巻
- 新作発表会向けモデル
- ランジェリーコレクション発表会でEdを大々的にアピールするため、会長はスーパーモデルを使う事を指示する。この不可能を可能とする為、伸介がその力で直接口説くべく、弓香と2人でフランスへと出張に旅立つ事となった。無事にスーパーモデル達との契約を終え、帰国した2人だったが、日昇グループで社長による社内クーデターが起こっており会長は行方不明となっていた。
[編集] カメラマン菊池編
- 13~13巻
- なし
- 人気カメラマン菊池は新作発表会での弓香の姿を見、彼女にヌード撮影のモデルとなる事を依頼。手段を選ばず弓香を落とそうと躍起になる。少しの焼きもちも焼いてくれない伸介の態度に、ついに弓香は撮影を決意するが……。
[編集] ニューハーフ編
- 14~15巻
- ニューハーフ用下着
- 菊池の招待を受けゲイバーに行った伸介はニューハーフうららと握手をするが、未知との遭遇に体が異常反応し、勃起しながら倒れてしまう。そして手の能力が消えてしまい、デザインも一切浮かばなくなってしまう。未知を既知とする事に解決の糸口がある事を期待しうららのオーダーメイドの依頼を受けるが、うららの魔の手が伸介に忍び寄る事となる。
[編集] 日野巴編
- 15~18巻
- なし(巴が伸介用のトランクス、褌、ジョッキーブリーフを作成)
- 昇造との和解工作の為、急遽留学先から父に呼び出されて帰国した巴は伸介の女版だった。伸介との接触によって性に目覚め、彼に惚れた巴は男物の下着の制作に取りかかる。
[編集] 女優・佐倉澪編
- 18~20巻
- 中年向け補正下着
- 女優佐倉澪は伸介の噂を聞き、下着の依頼の為に、昇造と伸介を呼びつける。一緒についていった弓香は映画監督の戸川に会い、女優としてスカウトされる。本人の気持ちは無視して会長の命令で映画出演する事となった弓香は、女優となる為共演する澪の元に内弟子と住み込む事になった。
[編集] アメリカン・タイムズ編
- 20~21巻
- シルクストッキング
- 世界的な情報雑誌アメリカン・タイムスより伸介の私生活をメインとした取材のため、双子の美人姉妹ソフィアとステラがやってきた。下着を着用しない彼女達にも着てもらえるように、伸介はストッキングの開発に着手する。
[編集] スキン・クエスト編
- 21~22巻
- スキン・クエスト新作の修正品
- ありのままを述べたソフィアの記事を読んだスキン・クエスト社長のマーサは、伸介の引き抜きの為に来日し、工作を開始する。媚薬による錯乱状態でスキン・クエストの新作を破ってしまった伸介は、自身の手で作り直しマーサに許しを請う。しかしマーサは出来の良すぎる現品では商品にならないと、マスプロ化の為にアメリカ本社で手直しする事を要求し、伸介は渡米する事なった。
[編集] ファーストレディー編
- 22~24巻
- 速く動くと気持ち悪い、淑やかになるコルセット
- 突如軍隊に拉致された伸介はアメリカ大統領の前に連れてこられる事となる。そして理想の家族像には快活すぎる婚約者ローラの為に、淑やかになる下着の制作を依頼されることとなった。
[編集] 赤沢美幸編
- 24~25巻
- アトキンソンの作ったソフトを組み込んだ織機を使った全身パンスト
- アメリカから帰国し、家に帰って来た弓香を待っていたのは幼馴染の赤沢美幸。伸介の才能を認めようとしない彼女に、弓香は伸介オーダーメイドの下着を着せる事を提案するが、赤沢は弓香が自分のエステを受けるこことを条件に了承する。
[編集] 競泳水着編
- 25~26巻
- 競泳用水着(伸介開発の物と、それに美也が改良を加えた物)
- オリンピックの有力金メダル候補、速水潤は年頃の悩みによって練習を拒んでいた。そこで、彼女の指導者達は伸介に泳ぐのが楽しくなる水着を依頼する。
[編集] 妊婦用下着編
- 26~30巻
- 妊婦用ショーツ「ちとせ」
- 突如昇造の元を訪れた千登世は、自分が妊娠した事を報告。そして伸介に「赤ちゃんを守って安心して産んで上げられる」妊婦用の下着の作成を依頼する。
[編集] 秘書対決編
- 30巻~
- 今のところなし
- 秘書サイトのランキングで世界1位になった弓香に対し、それまで日本人の中では1位だった、青江恵子が挑戦状を叩き付ける。全日本秘書協会 (A.J.S.O.) 立ち会いのもと秘書対決が開催される事となる。
[編集] 登場人物
「甘い生活の登場人物」を参照。
[編集] その他
[編集] 外部リンク
[編集] ビジネスジャンプサイト内
[編集] その他