箱根登山鉄道早川橋梁
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箱根登山鉄道早川橋梁(-はやかわきょうりょう)は、神奈川県足柄下郡箱根町の箱根登山鉄道鉄道線塔ノ沢駅~出山信号場間にあり、早川に架かる鉄道橋である。1917年(大正6年)6月1日に完成した。箱根観光名所の1つとして多くの観光客に親しまれており、1991年(平成3年)にかながわの橋100選に選ばれている。
現存する唯一の錬鋼混合200ft桁で、日本の鉄道橋としては現存最古の鉄橋でもあり、1999年(平成11年)には登録有形文化財に登録されている。一般には「出山鉄橋(でやまてっきょう)」として知られている。
秋の紅葉時には、鉄橋上で数秒間の停車などの観光サービスが行なわれる。
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[編集] 橋の概要
[編集] 特徴
本橋の形式は単純下路ダブルワーレントラス式鉄道橋で、橋長61.0m、河床からの高さは43mである。当初はアーチ型のトラス構体を新造する予定だったが、第一次世界大戦により資材の輸入が途絶したために、1888年(明治21年)に製造され、東海道本線の天竜川橋梁に架けられていたトラス構体の1つを鉄道院から払い下げを受け、転用したものである。
ダブルワーレントラス形式はラチストラスとも呼ばれ、右図に示すようにトラスにおける斜材がX状に配置されている構造である。この形式では斜材が部材中央で交差しており、この位置で斜材同士をピンにより連結することにより、強い圧縮力(押しつける力)が作用したとき、斜材が折れ曲がる「座屈現象」を起こしにくい特性を持つ。したがって、他のワーレントラス形式よりも、斜材を細い部材で構成することが可能である。
一方、もともと非電化路線であった東海道本線のトラス構体を流用したため、トラスの高さは5283mmと電化線区のトラス橋としては低い。このため架線の高さを低くできる剛体架線が使用されているが、それでも電車はパンタグラフが折り畳まれた状態に近い形で通過する。
[編集] 諸元
- 種別 - 鋼鉄道橋
- 形式 - 単純下路ダブルワーレントラス(ラチストラス)
- 橋長 - 61.0m(橋台前面間距離)
- 支間 - 63.398m(208フィート)
- 線数 - 単線
- 活荷重 -
- 施主 - 箱根登山鉄道
- 橋梁設計 - Charles Assheton Whately Pownall
- 橋桁製作 - Patent Shaft & Axletree Co. Ld.
[編集] エピソード
- 架橋が決定された際には、神奈川県知事から「箱根の景観にそぐわない」という意見があった他、払い下げのトラス構体を使用することから「使い古しの橋を架けるなんて…」という意見も多かったという。
- 深さ43m・幅60mという深い谷に架橋するため、大規模な総木製の足場を組んで作業を行なった。無事に架橋工事が終わり、明日からは足場の解体にかかるというその夜、暴風雨により早川が氾濫し、足場は全て流失してしまった。しかし、鉄橋本体には全く影響がなかったという。
- 関東大震災前は国道1号は鉄橋の出山信号場側で踏切によって平面交差としていたが、震災後に国道側を掘り下げ、立体交差となった。なお、橋そのものの震災の影響は、僅かにずれただけで事無きを得ている。
[編集] アクセス
- 箱根湯本駅から国道1号線を経由するバスに乗車し、出山で下車すぐ。
[編集] 参考文献・外部リンク
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