聖徳大学附属小学校
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聖徳大学附属小学校(せいとくだいがくふぞくしょうがっこう 英名: Primary school attached for Seitoku university )は千葉県松戸市秋山600に所在する男女共学の私立小学校である。学校法人東京聖徳学園が経営。ISO9001、ISO14001を取得する日本唯一の小学校。校則が非常に厳しいことで有名。(クツ箱に入れた革靴のそろえ方、階段の昇降の仕方などが厳格に定められている)ただし、厳密に言えば校則という固定された制度はなく、全規則は学園に代々受け継がれている不文の慣習法である。校歌は作詞・サトウハチロー、作曲・中田喜直。
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[編集] 沿革
- 1986年4月 聖徳学園短期大学附属小学校として開校。当初の生徒数69名。1年から4年まで在籍。
- 1990年4月 聖徳大学の開学にともない、聖徳大学附属小学校と改称。
- 2003年11月 学園全体でISO9001ならびにISO14001取得。教育機関としては全国初。
[編集] 著名な教員(元教員)
- 岩上廣志・・・指揮者。聖徳大学附属小学校教員を経て名古屋大学にて再び学び、現在聖徳大学講師。著書多数。
- 角田元良・・・聖徳大学附属小学校現学校長。東京都公立小学校長会会長・全国連合小学校長会会長・中央教育審議会委員。
- 東原文子・・・聖徳大学附属小学校講師。聖徳大学講師・筑波大学講師。
- 木村善保・・・聖徳大学附属小学校元学校長。教育家・瑞宝小綬章・千葉総合教育センター所長。
- 酒井國光・・・聖徳大学附属小学校前学校長。日本ヒマラヤ協会会長・日本山岳文化協会事務局長。
- 檜貝道郎・・・聖徳大学附属小学校教諭。東京ブラスソサエティコルネット奏者・関東学院マーチングバンドアレンジャー。
- 八野正男・・・聖徳大学附属小学校元学校長。都留文科大学教授。著書多数。故人。
- 川並知子・・・聖徳大学附属小学校主事。全日本私立幼稚園PTA連合会任理事。全千葉県私立幼稚園連合会元会長。
- 前田紀美子・・・聖徳大学附属小学校講師。聖徳大学講師・小笠原流礼法宗家師範・玉川大学非常勤講師。
- 小笠原敬承斎・・・聖徳大学附属小学校礼法科監修。礼法家・小笠原流礼法宗家。著書多数。
ほか多数。
[編集] 交通
[編集] 学内施設
関東有数の学内環境
- 建学から長い年月が経ているが、校舎や施設は新設の建築物であると誤解されるほど美麗である。建学以来、学校内の大規模な修築工事は一度も行われていない。(ガラス張りの壁や扉、礼法室の襖、校内の床すべてに敷かれたカーペットなども20年以上も創設当時のままである)近代的な施設を持つ私立校は多く存在するが、その私立校の内部実体は生徒の扱いが悪く、トイレが良く壊れたり、壁に足跡がついていたりするものである。ところが、聖徳においては建学時から建物・設備を当時の状態のままキープしている点に、ただ校舎が近代的であるだけではない二重の評価がある。
一流の施設・設備
- 学校の整った設備は関東一円の学校でも五本の指に入るほどのものである。
- 学校長がとある大学の考古学部から譲り受けた兵馬俑が「ふれあい広場」(中央講堂)の脇に展示されている。
- 校内中央にある3階まで吹き抜けの「ふれあい広場」のレリーフは利根山光人の作品「生命の樹」である。(縦16m×横12m)
- 学内の図書館(小学校部門)には約4万冊の書籍が所蔵されている。大学付属校という利点もあり、貴重書も閲覧可能。
- 礼法室では小笠原流礼法宗家師範を招いて全生徒が週に一度の講義を受ける。隣接する石庭は庭師が管理。
- 約10,000m2の広さのグラウンドには競技用のトラック以外は全面に芝が敷かれている。アスレチック設備もあり。
- また校外施設として聖徳大学川並香順記念講堂、セミナーハウス「かすが荘」「山中湖荘」などがある。
- 聖徳大学川並香順記念講堂はNHK主催のイベントや一般の演奏会などにも使用の要請を受けるほどの大ホールである。
- 各クラスの教室には壁がなく、全国に先駆けてオープンスペース方式(ワークスペース)が採用されている。
学内防犯設備
- 創立時から学内全域に防犯カメラがある。学内には警備室に常駐する警備主任の指揮のもと、多数の警護官が配されている。
- 安全面を考慮して詳細な防犯設備は公表されていない。
[編集] 校則
- 聖徳自体が規則が多いことで知られているが、小学校での校則だけでも(先にも述べたとおりの不文の慣習法)項目数はゆうに300条を越える。このことは岩上教諭の著書でも詳しく語られている。
主な規則の要旨(あくまで不文法の慣習である)
- 登校する際には校門で校舎と創立者像に一礼する。
- クツ箱に入れた革靴は縁にそろえて置く。
- 学内にチャイムという制度がないため、個人できちんと時間を厳守する。
- 挨拶をしながらお辞儀をしてはならない。きちんと視線を交えて挨拶を交わしてから会釈をすること。
[編集] 特色ある教育
礼法
- 中学校・高等学校同様、週1時間小笠原流礼法の授業がある。講師は元玉川大学非常勤講師・前田紀美子講師。授業では前田講師の著書が教材として使用される。小学校を卒業すればその在学年数に関係なく、『小笠原流礼法若葉の傳』が授与。本免許は履歴書、略歴など公文書にも記載できる正式なものである。
近年の特筆すべき行事
- 第56代全米最優秀教師のキンバリー・オリバー氏が来校。生徒と共に会食した。
- スイス・ペスタロッチ研究所より所長・前所長が来学した。
- 小島敏男文部科学副大臣による学校視察(スクールミーティング)が実施された。私学では全国初。
- 聖徳学園の学内全面禁煙が決定。教員はもちろんのこと、来賓や保護者、来客である有識者までもが完全禁煙とされた。
- 学内全面禁煙は全国に先駆けたもので、産経新聞、朝日新聞などに取り上げられた。
- 聖徳祭(文化祭)は一流の照明装置を備えた舞台で行われる。設備は一般の市営ホールなどよりも恵まれている。
- 千葉県知事である堂本暁子が来学。生徒と共に会食した。
- 聖徳祭の卒業演奏は6年の生徒たちが約半年の間、各大学から招かれた音楽専門家に教えを受ける。
- ウィーン少年合唱団を学園音楽講堂に招待。
- 聖徳学園の卒業式は厳粛であり、小学校においても一ヶ月ほど前から毎日練習が行われる。来賓には国会議員が多い。
- 創立20周年を記念して数百人にものぼる全卒業生に全ページカラーの記念誌と学園のイメージDVDが無償頒布された。
- 創立記念式典では川並香順生誕100年を記念して作成された戦前の映像などをも含むドキュメンタリーが上映される。
- 毎年、全生徒・保護者を対象とした音楽鑑賞会が開催。聖徳大学の音楽講堂にて一流オーケストラの演奏を無料で鑑賞できる。
- サントリーホールで行われた高円宮妃久子殿下ご臨席の創立記念式典では生徒会の役員が司会進行を務めた。
- 平成16年には制服が新しく花井幸子デザインのものとなる。三越直営。
教員
- 木村善保元学校長は生徒と一体になりたいという理念を持ち、当時の詰襟の制服を自分用にオーダーメイドした。また、運動会では公平に赤白双方の味方になりたいと中央で赤白のツートンになる帽子を特注した。この出来事は私学教育界の中では有名な逸話である。
音楽教育
- 創立時からの音楽教諭であった元教員・岩上廣志は在任中に聖徳独自の音楽体系を形成した。聖徳での合唱練習などでは、「今日一日、友達の悪口を言わなかったか」「廊下を走らなかったか」「制服をきちんと着こなせたか」などの細かい質問が首席指揮者から数十題ほど出題され、その問をクラスの全生徒がクリアしなければ練習も試験も受けられない。なお、聖徳での音楽教育については前述の岩上教諭の著書、『光り輝くこどもたち』の中で詳しく述べられている。
国語教育
- 漢検を毎年行っている。その優秀な功績を認められ、幾度となく学校賞も受賞。
- 校内には六年間分の国語の教科書に登場するすべての植物が植えられている。
- 毎年、秀逸な論文を各分野から表彰される生徒、てのひら文庫の諸賞を受賞する生徒が多い。
- てのひら文庫では5年連続の最優秀校。てのひら文庫30回の歴史の中で5年連続は初の快挙。2006年度には10万人以上の応募者のうち、聖徳では生徒数の5分の1に相当する135名もの生徒が個人賞を受賞した。
倫理教育
著名な卒業生
- 学校側は個人情報保護の観念のもと一切公表はしないが、卒業生は多方面で活躍している。以前は政治関係者が多かった。近年の傾向ではモデルが多いらしいとのことである。
[編集] 主なテレビ出演歴
- 「熱血!平成教育学院」
- 「発掘!あるある大事典」
- 「ジャポニカ学習帳(CM)」
- 「わいわい広場」
- 「私学教育」
[編集] 主な受賞歴
- 第30回てのひら文庫賞読書感想文全国コンクール学校賞最優秀賞受賞。(全国で唯一の受賞。五年連続受賞)
- 第29回てのひら文庫賞読書感想文全国コンクール学校賞最優秀賞受賞。
- 第28回てのひら文庫賞読書感想文全国コンクール学校賞最優秀賞受賞。
- 第28回てのひら文庫賞読書感想文全国コンクール石森延男賞受賞。
- 第48回千葉県吹奏楽コンクール銀賞受賞。
- 第47回千葉県吹奏楽コンクール金賞受賞。
- 第46回千葉県吹奏楽コンクール金賞受賞。
- 第24回川の写真コンクール学校賞受賞。
- 日本漢字能力検定団体内表彰最優秀賞受賞。
- 日本漢字能力検定優秀団体賞受賞。(平成17年度)
- 日本漢字能力検定優秀団体賞受賞。(平成16年度)
- 実用数学技能検定グランプリ金賞受賞。
- 実用数学技能検定グランプリ奨励賞受賞。
- みどりの小道環境日記コンテスト・グリーンクロスジャパン理事長賞受賞。
- 勇気でススメ『鉄人28号』ミニ作文コンクール学校賞・団体賞受賞。
- 千葉県福祉教育研究指定校認定。(3回年連続認定)
(2005年以降のみ記載)
[編集] 主な教員の受賞歴
[編集] 主な新聞記事
- 聖徳学園の教育についての取材記事が記載される。(全私学新聞)
- 全国に先駆けた学内一斉禁煙が取り上げられる。(産経新聞・読売新聞・東京新聞)
- 小学校入試の様相が取材される。(産経新聞)
- 一面の教育対談に学校長・角田元良が取り上げられる。(千葉日報)
- 千葉県小・中・高等学校書初展覧会文部科学大臣賞受賞の記事が記載される。(千葉日報)
- 学内の排水濾過装置が取材される。(日刊工業新聞)
[編集] 聖徳大学附属小学校ブラスバンドクラブ
- コルネット、アルトホルン、トロンボーン、ユーフォニウム、チューバ、パーカッションより構成されるブリティッシュスタイルのブラスバンドで、昭和61年の開校と同時に創立された。長く音楽科の最高教育長として教鞭を取った岩上廣志のオペレッタ作品「猫のコーラス」など、聖徳独自のレパートリーを中心に幅広い音楽活動を展開している。また、ハ一モニカやアコーディオンなどのリード楽器の練習にも取り組んでおり、入学式などの式典音楽、各種集会での音楽を担当している。年問4、50回の本番をこなしているため、そのレパートリーの数は5、60曲を越える。練習は月曜から金曜までの毎朝、および土曜日の放課後という限られた時間であるが、効率よく活動している。その練習内容はきつく、手を洗わずに楽器を触ったり、安易に楽譜を管理してはならない。また、演奏の練習や発表が終わると、「○○委員会の方、ありがとうございました」「○○先生、ありがとうございました」と会場設営や準備にかかわった委員会、顧問の教諭にお礼を述べて最敬礼をする慣行がある。過去に最後に述べるべき「○○先生~」の部分を忘れてしまった部長がおり、あやうく退部処分に処せられかけたことがあった。大学附属校であるため、大学の一流演奏家に指導を受ける機会があり、上達も早い。吹奏楽コンクールにおいて金賞受賞するなど、対外的にも高い評価を得ている。2006年より木管楽器も追加。その実績から「千葉の小学校版・習志野高校」と称せられる。
[編集] 主な系列校
[編集] 外部リンク
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