街 ~運命の交差点~
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャンル | サウンドノベル |
対応機種 | セガサターン プレイステーション プレイステーション・ポータブル iアプリ対応携帯電話の一部 |
開発元 | チュンソフト |
発売元 | [SS][PS]チュンソフト [PSP]セガ |
人数 | 1人 |
メディア | [SS][PS]CD-ROM2枚 [PSP]UMD |
発売日 | [SS]1998年1月22日 [PS]1999年1月28日 [PS再販]2002年4月4日 [PSP]2006年4月27日 |
街 ~運命の交差点~(まち うんめいのこうさてん)はチュンソフトが制作したコンピュータゲームである。また、弟切草・かまいたちの夜に続く同社のサウンドノベルシリーズ第3弾である。
目次 |
[編集] 概要
渋谷の街を舞台に、8人の主人公とそれを取り巻く個性豊かな登場人物が、物語を繰り広げる。基本的にそれぞれの主人公に面識はないが、あるシナリオで何気なく行った主人公Aの行為が、Aの身には何事もないのに別の主人公Bの未来に重大な影響を与えることがある。もちろん通常のゲームのように直接その主人公に影響を与える場合もある。また、ある主人公が途中でバッドエンドを迎えた場合、連鎖的に他の主人公に影響を与える場合がある。これを回避するために、ザッピング(zapping)を行ってシナリオを切り替え、バッドエンドを防いでシナリオを読み進めていく。なおこのザッピングという考え方は、後のチュンソフトの作品「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」や「かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相」にも若干形を変えて取り入れられている。
本作は実写作品であり、膨大な数の俳優が出演している。開発中(撮影時)は無名だった伊藤さおり(北陽)・窪塚洋介なども出演。
売り上げ自体はミドルヒットの域を出なかったが、熱烈なファンが多数存在し、根強い人気を誇っている。サウンドノベル史上最高傑作との声も多い。発売から8年が経った2006年でも、ゲーム雑誌『ファミ通』の「読者の選ぶゲームソフトTOP20」の上位に毎週入り続けている。また週刊ファミ通2006年3月17日号の「週刊ファミ通 通巻900号記念企画 読者が選ぶ心のベストゲーム100」で第5位にランクインしている。第3回CESA大賞(現、日本ゲーム大賞)・シナリオ部門賞受賞。
[編集] 展開
初めてのリリースは1998年1月22日に発売されたセガサターン版『サウンドノベル 街』である。
その後、システムを一部変更して新要素を追加したプレイステーション版『街 ~運命の交差点~』が1999年1月28日に発売され、その廉価版が2002年4月4日に発売された。
新たに2人分のシナリオが追加されたプレイステーション・ポータブル版『街 ~運命の交差点~ 特別篇』が2006年4月27日にセガとチュンソフトのコラボレーションで発売された。追加されたシナリオには選択肢やTIP、ザッピングが存在しない。
[編集] システム
以下、本作の特徴的なシステムを記す。
[編集] TIP
文章中に色の違う文字列が存在するが、これが「TIP」である。ボタンを押しその語句を選択することで別ページが開き、その語句の説明・解説が行われる。緑色(選択後は深緑)の「TIP」がこのゲームの中だけで通用する人物や設定等のフィクション部分に関する解説が行われ、水色(選択後は青)は一般に使用されている熟語・語句・事象の説明が行われる。
要するに、インターネット上におけるハイパーリンクと同じようなものであり、そのリンク先が語句説明となっているものと考えれば簡単である。
このシステムにより、本文中に余計な文章を織り込む必要がなくなると同時に、小説を読む上で大きな障害となりうる一般生活では用いられない難しい語句説明を、辞書等を開く事もなく、その場で受けられるようになった。それだけでなく、主人公のシナリオに大きく絡まない登場人物や事象にも、シナリオのテンポを崩すことなく細かい解説が付加出来るようになった。主人公ではないその人の描かれない5日間を大まかに把握でき、様々な人生模様を描き出す本作の深みを増す事に大きく貢献している。
[編集] ZAP
ある主人公のシナリオから、別の主人公のシナリオの特定の時間へ飛ぶ機能を指す。そして、これを行うことを「ZAPPING」という。上記の「TIP」と同様、文章中に緑色で示された文字列を選択することで、別の主人公のシナリオへ移動する事が可能となる。シナリオ上、直接主人公同士が遭遇した時に、その人物の名前がZAPになっているのは勿論のこと、全く関係のない場面の全く関係のない「TIP」の解説中に、お互いの状況の共通点を示すなどしてZAPが仕組まれたりしていることが多々ある。
例えば、主人公Aでの重要キャラが全く面識も関連もない主人公Bのシナリオ上で登場した時、その重要キャラの名前が緑色の「TIP」で示され、そのTIPの説明中に主人公Aの名前をしのばせZAPとする、といったものである。これにより、全く関係のない人物同士が、人や物を介す等して何処かで関連しあっているという本作の醍醐味が感じ取れるようになっている。
また、ゲーム中突如画面右下に「つづく」と出て、シナリオがそれ以上読み進められなくなってしまう事がある。この場合、別の主人公のシナリオを読み進め、そこで発見した「『つづく』状態になっている主人公」のZAPを選択しZAPPINGすることで「つづく」が解除され、次へと読み進めることが出来るという「鍵」の役割をもZAPが果たしている。
[編集] マルチフラグメント
一言で言えば「選択肢」のことを指す。従来のサウンドノベルと同様、この選択次第で物語の行く末が変わってきてしまうことがある。但し、かまいたちの夜のように、「○○編」といったように全く違った展開になる事はなく、違った展開=BADENDとなってその時点でシナリオは断絶されてしまう。要するに、各主人公に与えられた「正解(最後まで読み進められる)」の展開は一つである。
但し、その主人公にとってはBADENDにもならない選択肢(行動)が、別の主人公にとっては人生を左右するほどの大きな影響となって現れる事が多々ある。この、無意識の連鎖、「運命の連鎖」の積み重ねによってゲームは進められていく。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] シナリオのあらすじ
- 『オタク刑事走る!』
渋谷中央署の刑事である雨宮桂馬は、渋谷のオーロラビジョンに映る謎の文章を見て爆破予告だと断定する。次々と爆破予告をする犯人を探し、桂馬は5日間渋谷を走り回ることになる。
- 『The wrong man 牛』
ヤクザから足を洗った牛尾政美は、宝石店の店員高峰綾にプロポーズをするため宝石店に足を運ぶが、ちょうどその時元舎弟の孤島三次が宝石強盗をし、居合わせた牛尾は犯人に間違われてしまう。逃走した先で同じ顔をした役者に間違えられて、牛尾は一時しのぎのために役者のふりをすることに。果たして牛尾は容疑を晴らし、高峰綾にプロポーズすることができるのか?
- 『The wrong man 馬』
馬部甚太郎は売れない役者である。テレビドラマで初めて大役が舞い込んでくるが、うまく演じられず自信をなくしていた。そんな時に宝石強盗犯の孤島三次が馬部を牛尾と間違えたため、馬部は仕方なしにヤクザの世界に足を踏み入れる事になるのだった。もし元ヤクザの牛尾を演じ切れず、NGを出したら命は無い。三流役者馬部の人生最悪の3日間が始まる。
- 『七曜会』
篠田正志は平凡な大学生である。大手企業にコネで内定をもらって喜んでいたが、ある日、日曜日と名乗る謎の女性が内定取消になるような事実をつきつけて脅迫してくる。脅迫に屈した正志は日曜日の命令通り他人を脅迫をしていくうちに、脅迫の面白さに目覚めていく…。
- 『で・き・ちゃっ・た』
緑山学院高校の3年生である飛沢陽平は学校一の人気者だ。とにかく女の子と遊ぶのが大好き。しかしある日ハチ公前に呼び出され、会った女性から衝撃の事実を告げられる。「私できちゃいました。」本命の彼女以外にも、二股は当たり前の飛沢陽平の運命は?
- 『迷える外人部隊』
フランス外人部隊に身を置く高峰隆士は3年ぶりに故郷、日本へと戻ってくる。しかし戦場での出来事がフラッシュバックし悩む。久しぶりの日本にいても湧き上がる思いは苛立ちばかり。自分の存在意義を見出すために渋谷を徘徊するが…。
- 『やせるおもい』
細井美子は何よりも食べるのが大好きな女の子。恋人の高田洋一と一緒にケーキ屋に行くが、洋一は食欲旺盛な美子を見て5日間の間に17キロ痩せなければ別れると言い出す。美子は愛する洋一のためにと、ダイエットを開始するが…。
- 『シュレディンガーの手』
市川文靖はテレビドラマのプロットライターとして成功しているが、その作品は低俗極まりない上に自分が寝ている間に「誰か」が書き起こした身に覚えの無いものであった。市川は自分の作家としての良心を守る為、テレビ業界に一石を投じる為、最高傑作を書こうと作品に取り掛かるのだったが…。
※以下のシナリオは、ある条件を満たすとプレイすることが可能になる。PS版ではNORMAL以上から遊ぶことができる。共に選択肢は存在しないが、他主人公の選択によりバッドエンドを迎えることがある。
- 『花火』(ピンクのしおり)
「迷える外人部隊」の主人公、高峰隆士の父親、高峰厚士の物語。花火が大好きだった息子のためにあることを実行する。
- 『青ムシ抄』(金のしおり)
隠しシナリオ「青ムシ抄」は、他の9人のシナリオと違い、デフォルメされたアニメ風の絵のシナリオ。飛沢陽平と同じ緑山学院高校に通うオタク高校生・青井則生の物語。
※以下のシナリオは、PSP版のみプレイ出来るシナリオ。
- 『サギ山』
サギ山勇は演出家志望である。しかし現場の知識は全く無いままテレビドラマの現場に配属されたために、ミスを連発してしまいクマ野に散々どやされる羽目になる。「こんなはずじゃない……。」と理想と現実のギャップに撮影一日目にして辞めようとするのだが…。
- 『パトリック・ダンディ』
自称米軍大佐のパトリック・ダンディはハチ公前で待ちぼうけを食っていた小糸亜弓に声をかける。胡散臭い言動のダンディに、はじめは相手にしていなかった亜弓だが、熱心な行動の前にだんだんと心をひかれてゆく。しかしダンディにはある思惑があった…。
[編集] 主人公
- 牛尾政美 (うしお まさみ) - 松田優
- 馬部甚太郎 (うまべ じんたろう) - 松田優
- 36歳。無名役者。これまで画面に出たらすぐ殺されるような端役ばかりだったが、初めて大役が任されて緊張している。甘い物が大好きで、お酒は駄目。顔だけは牛尾政美に似ているが、性格は正反対の小心者。ちなみに頬の傷は、役のためのメイクである。
- 篠田正志 (しのだ まさし) - 草野康太
- 飛沢陽平 (とびさわ ようへい) - 仲田健一
- 18歳。緑山学院高校3年生。成績優秀、スポーツ万能の元生徒会長。自他ともに認める人気者で常に複数の女の子と遊び歩いている。しかし、一夜の過ちで1人の女性を妊娠させてしまう。
- 高峰隆士 (たかみね りゅうじ) - 増田雄一
- 細井美子 (ほそい よしこ) - 伊藤さおり
- 20歳。フリーター。食欲旺盛だが本人にはあまり自覚がない。恋人である高田洋一に指摘されてはじめて太っていることに気が付き、大好きな洋一に捨てられたくない一心で無茶なダイエットを始める。
- 市川文靖 (いちかわ ふみやす) - ダンカン
- 高峰厚士 (たかみね あつし) - 塩山義高
- 54歳。高峰隆士の父。家電メーカー「ヨツビシ」の重役。極度なシャイのため気持ちを素直に伝えられず、厳格を装うことでごまかしている。しかしそれに耐え切れなかった息子・隆士は家を出てしまった。
- 青井則生 (あおい のりお) - 武沢物語(現在は武沢宏)
- サギ山勇 (さぎやま いさむ) - ヨースケ(現在は窪塚洋介)
- 23歳。脚本家志望。大学を卒業し現場を知るためにと助監督になるものの、あまりに厳しい仕事のため一日目にして辞めたがっている。最近とある女子高生にアタックしている。
- パトリック・ダンディ - 浮部文雄
- 自称48歳。米軍大佐で宇宙飛行士と自称しているが見た目から言動まで非常に胡散臭い男。緑山学院高校の教師、小糸亜弓を口説いている。本名神尾智彦。
[編集] その他の主な登場人物
街では様々な人物が登場し、複数のシナリオにまたがって登場する人物も多い。そのような人物は一番出番が多い、あるいは印象的な出演をした主人公のシナリオに分類することとする。
[編集] 雨宮桂馬のシナリオ
- 麻生しおり - 雪乃五月(現在は雪野五月)
- 桂馬の先輩刑事。暴走しやすい桂馬のフォローを勤める。桂馬が想いを寄せている相手でもある。
- 権田玄三 - 那須正成
- 通称ゴロイチ(柔道五段、剣道六段、知能指数1と桂馬の皮肉)。桂馬の先輩刑事だが、体育会系のため桂馬とは馬が合わない。かなりの酒好き。
- 沼田岳義 - 金井大
- 通称ヌマさん。かつては鬼刑事だったが、現在は資料室に回されており、桂馬の先輩として的確なアドバイスをする。
- 土屋利男 - 木村季果
- 通称ガイ。緑山学院高校の生徒。不良と言うわけではないが、しょっちゅう学校をサボっては遊びまわっているゲームオタク。桂馬とはゲーム友達で仲がよい。
- ジェロニモ - 谷山紀章
- 不気味な雰囲気をかもし出している死神のような男。桂馬とゲームで勝負をする。本名高松野平。
- 都倉純一 - 中村光一
- 渋谷中央署の署長で東大卒のエリート。
- 柴田亜美 - 柴田亜美
- 漫画家。5年前の裏ロム事件の関係者の一人(顔写真での出演)。
[編集] 牛尾政美のシナリオ
- カバ沢猛 - 楠見尚己
- 馬部の出演ドラマ『独走最善戦』の監督。彼が使う「カバ沢語」は擬音ばかりで訳が分からないが、勢いはあるので現場は活気付く。後にテレビ太陽のプロデューサーに。
- クマ野健太 - 久保田篤
- カバ沢組のチーフAD兼カバ沢の通訳係。サギ山の教育(?)係も担当している。
- 椎名みちる - 和泉ちぬ
- アイドル出身の中堅女優。決して主役を演じることはないが脇役として欠かせない。馬部の恋人でもある。
- デューク浜地 - 団時朗
- 『独走最善戦』の主演俳優。スターではあるものの、態度は傲慢であり自分のことしか考えていない。つい最近まで小糸亜弓と交際していた。本名は大根信太。
- エビ原マリ子 - 篠崎はるく
- カバ沢組の小道具担当。仕事のために結婚もせずに自分を犠牲にしてまで頑張ってるらしい。
- 高峰綾 - 菊地則江
- 牛尾が惚れている相手。道玄坂の宝石店ボー・ダボーで働いているジュエリーコーディネーター。父親と仲の悪い弟が喧嘩して帰ってこないので心を傷めている。
- 鯨井刑事 - 剛たつひと
- 渋谷中央署の刑事。いかにも叩き上げという感じだが実は京大卒のエリート。椎名みちるの大ファンでミーハーな面もあり、『独走最善戦』の撮影現場にちょくちょく顔を出す。宝石強盗事件の解決後、渋谷爆破予告事件の捜査にも関わる。
[編集] 馬部甚太郎のシナリオ
- 孤島三次 - 鶴見亨司
- 通称キツネの三次。元は牛尾の舎弟。かなり切れやすく、逃げ足が速い。宝石強盗を起こし、牛尾を巻き込む。
- 白峰忠道 - 竜雷太
- 関東一円を取り仕切る暴力団、白峰組の組長。組の看板に泥を塗った三次と牛尾を狙う。陽平、馬部、正志のシナリオを股にかけ、かなり出番が多い。
- 白峰るい子 - 佐藤亜里香
- 白峰忠道の一人娘。牛尾に想いを寄せている。性格はかなり情熱的。
- 山吹京一郎 - 神威杏次
- 一流私大出のいわゆるインテリヤクザ。足抜けした牛尾に代わり代貸に就任した。武闘派だった牛尾とは仲が悪い。
- 大松正吉 - NARUKO
- 白峰組のヤクザ。今でも牛尾を慕っている元舎弟。そのため現在では肩身が狭い。三次に拳銃を盗られた責任を問われ小指を落とす羽目に。
[編集] 篠田正志のシナリオ
- 日曜日 - 久野真紀子(現在はクノ真季子)
- 正志を脅迫して、七曜会に勧誘した謎の美女。七曜会のリーダー格。
- 月曜日 - 諏訪太朗
- 火曜日 - 鈴木覚
- こわもて風の男。ハリセンで正志をどつくが根はいい人のようだ。
- 水曜日 - 留美
- 木曜日 - 小木曽玲一
- 柔和な老人。七曜会では一番の知識人という印象を受ける。ステッキのコレクションが趣味。自称130歳。
- 土曜日 - 森川涼
- 海塚正治郎 - 大矢達
- 通称ワニ次郎。市川文靖の父親でもある。何度か大臣をも勤めたこともある元大物代議士であるが、政界を引退してからは尋ねてくる人もなく、寂しい生活を送っている。公式ガイドに掲載された小説で伍長とは同一人物である事が明かされる。
- 瀬山高広 - 千葉慎也
- 正志とたびたびパチンコで勝負する浪人生。浅見ほのかと言う女性に想いを寄せており、複雑な事情があるが、正志から見せればただのパチンコ男でしかない。
- 尾形敬治 - 津村和幸
[編集] 飛沢陽平のシナリオ
- 倉科亜美 - 栗林知美
- 陽平がたった一夜だけ過ごした女の子。しかし、陽平の子供を身篭ってしまう。花屋で働いている。
- 秋葉美奈子 - 関幸代(現在は関彩)
- 陽平の彼女。大手通販会社オータムリーフの社長令嬢。陽平とは同い年だが、なぜか学年は一つ下。
- 片瀬ユキ - 雨宮朋絵
- 陽平の元彼女。しばらく長野の実家に戻っていたが、久しぶりに東京に出てきた。
- 秋葉雄三 - 並樹史朗
- 秋葉美奈子の父親であり、大手通販会社オータムリーフの社長。白峰は妻の兄にあたる。陽平には美奈子と結婚して跡を継いでもらおうと考えている。実は複数の愛人が存在し、高峰綾も狙っていた。
[編集] 高峰隆士のシナリオ
- 井端和孝 - 大滝昇
- 隆士の数少ない親友。高校を出て現在では実家の工務店で働いている。
- 伍長 - 大矢達
- 「もあい」が口癖の老人。代々木公園でホームレスをしている。昔は特別な職業に就いていたらしい。
[編集] 細井美子のシナリオ
- 秋山薫 - 谷口あゆみ
- 美子のバイト先の後輩。世話好きで優しい。美子と違ってスタイルはいい。
- 高田洋一 - 不破達也
- 美子の彼氏。K.O大学ボクシング部所属。女の子なのに全く容姿を気にせず食べまくりの美子に業を煮やし、ダイエットを命じる。
- 間瀬谷徳矢- 谷山紀章
- 美子の部屋の下の階の住人。毎晩上の部屋がうるさいと狂気じみた抗議の電話をかけてくる。渋谷爆破予告事件の重要参考人。
[編集] 市川文靖のシナリオ
- 末永晶子 - 黒木真由美
- 市川の恋人。前衛芸術に傾倒している。高校時代は高峰隆士と付き合っていた。
- 木嵐袋郎 - 野口雅弘
- テレビ太陽『独走最善戦』のプロデューサー。「えっへっへっへ」と軽率な笑いを浮かべる。しかし実は文学青年で、低俗なドラマが氾濫するテレビ界の現状に心を痛めており、市川にいい作品を生み出して欲しいと願っている。何か新しいアイデアが思いつくと「これだっ!」と叫んで指パッチンをする。
[編集] 青井則生のシナリオ
- 白田琢朗 - 松山幸次
- 通称白ブタ。ハンバーガーが好物の巨漢。青井と同じエロ漫画家で、ライバル同士である。ペンネームは「ムンギー」。緑山学院高校の生徒。
- 黒川 - 豊嶋稔
- 本名不明。通称エンペラー黒川。エゲレス書院の編集者で、出版コードギリギリの成人雑誌「ドエロH2」の副編集長。性格は自己中心的で最悪。青ムシと白ブタを家来のようにこき使う。
[編集] 高峰厚士のシナリオ
- 高峰霞 - 山崎瀬奈津
- 高峰厚士の妻。仲の悪い夫と息子の関係に心を傷めている。
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ 『夜明けのうた』
- 作詞・作曲・歌:鈴木結女 編曲:難波弘之
- エンディングテーマ 『One and Only』
- 作詞・歌:鈴木結女 作曲・編曲:難波弘之
[編集] 移植に伴う変更・追加・削除点
[編集] プレイステーション版
特に表記が無い限り、セガサターン版との比較である。
- 移動マップの追加
- 各主人公の現在位置と時間がチャート化され、一目でどこまでプレイしているか分かるようになった。「分岐」「ZAP」のある箇所もアイコンが表示されるので、プレイヤーがどこに「バットエンドフラグ」「つづく解除のZAP」があるのか把握しやすい。
- エンディング映像の変更
- 音楽の音色(ゲーム機の内蔵音源が違うため)
- シルエットモードの追加
- かまいたちの夜のように人物が影で表示される。実写モードも選択可能である。
- 難易度選択の追加
- 難易度をEASY/NORMAL/HARDの3つの中から選択できるようになった。セガサターン版の難易度はHARDにあたる。NORMALとEASYではバッドエンドの数が減らされているため、すべてのエンディングを見るには「HARD」を選択してプレイする必要がある。
- 隠しシナリオのプレイ条件変更
- プレイするために特殊な操作が必要だった『花火』が、ピンクのしおりになるだけで見られるように変更された。その一方で『青ムシ抄』をプレイするために長いプレイ時間が必要になった。
- 真犯人のシルエットが変更(雨宮桂馬シナリオの最後)
- セガサターン版ではシルエットを見るだけで真犯人が簡単に予想がついたための配慮だと思われる。
- 文章・設定の一部変更
- セガサターン版の青井則生シナリオでホームレス狩りをするという展開があったが、倫理上問題があるということでカップル狩りに変更されたり、性的描写を減少させたことなど。その他のシナリオではTIPなどの一部変更が見られる(牛尾、馬部のシナリオ公募の削除など)。
- 過激映像の削除と修正
- 市川のシナリオの腕の断面図の画像が修正されていたり、青井のシナリオのパンチラシーンが一瞬しか見れなくなっている等、暴力エログロシーンの画像が削除もしくは修正されている。
- プリクラの削除
- セガサターン版ではピンクのしおりにした場合、一般公募したプリクラを鑑賞、さらに金のしおりにした場合はところどころでプリクラにすげ代わっていた(犬の顔が人間の顔に代わっている等)が、プレイステーション版では全て削除された。また、桂馬シナリオで犯人入力の際に数名のプリクラ公募ユーザーの名前を入力すると、その人物が表示される部分もカットされた。
- セーブ方式の変更
[編集] PSP版
特に表記が無い限り、プレイステーション版との比較である。
- シナリオの追加
- サギ山とパトリック・ダンディのシナリオが追加された。
- この2本はゲーム形式にはなっておらず、TIP・ZAP・効果音・文字の大きさ、表示速度の変更などの演出も一切無い。
- サウンドプレイヤーの追加
- ゲーム本編で流れるBGMが聞けるが、一部収録されていない物もある。
- BGMはプレイステーション版とは違うアレンジになっている。
- 続編を匂わす文章の削除
- シルエットモードの削除
- 青ムシ編でのパンチラシーン全削除
また、いくつかのシナリオで麻薬を扱うセリフや、性的なセリフが少し変更されている(篠田正志のシナリオ二日目にて正志が相手を脅迫する際に「ハシシ……(大麻樹脂)って笑うのかと思った」というセリフが 「クスリ……って笑うのかと思った」に変更されているなど)。
[編集] 続編
作中には次回作への予告や、伏線ともとれる内容が多数存在した。そのため続編を望む声は非常に多い。しかしチュンソフト代表取締役・中村光一へのインタビュー記事によると続編の企画は表れては消えるを繰り返しており、結果的に制作には至っていない。制作費を回収できるほどの売り上げがなかったことが主な原因であるという。
原作・監修・いくつかのシナリオを手がけた長坂秀佳は、著作『術』(ISBN 4886419836)で続編が出ないことを明言している 。
しかし2006年現在、セガ×チュンソフトのエキストラ募集キャンペーンが実施されたり、雑誌のインタビューで続編を匂わす発言がされたりもしている。
[編集] 幻となった企画
セガサターン版には「チュンソフトニュース」という小冊子が付属しており、以下の募集があった。
- 「街」シナリオライター募集
- 「街2」(仮称)登場人物募集
セガサターン版発売直後にチュンソフトより発売された『「街」 公式ガイド ZAP'S』という本では、新シナリオを一般公募する上記の企画が紹介されていた。かまいたちの夜でも同様の企画が展開され、その際は応募されたシナリオで『あなただけのかまいたちの夜』という本が出版された。
この企画も相当数の応募があったようだが、『街』自体の販売本数が伸びなかった事もあり、チュンソフトのホームページで一部の作品が公開されただけで、続編への採用は見送られた。その後、プレイステーション版が発売された時は増補版の『「街」 公式ガイド ZAP'S』が発売されたが、セガサターン版と異なり、公募企画の掲載は無い。
[編集] 関連書籍
- 『「街」 公式ガイド ZAP'S』 ISBN 4-924978-10-8
[編集] ラジオドラマ
文化放送・ラジオ大阪の『佐竹・林原の無法塾』内でこのゲームのドラマ『第Qの男 ~QはquestionのQ~』が放送された。のちにCDが3巻発売された。ゲーム中では脇役であった小糸亜弓、パトリック・ダンディが主役となっている。他にもゲームでの主役達が登場するがストーリーや設定がゲームと若干異なる。
[編集] ストーリー
高校教師の小糸亜弓を突如口説いてきた"自称"米軍パイロットのパトリック・ダンディ。姿も言動もうそ臭く、しつこく迫るダンディを最初は疎ましく感じる亜弓だったが、だんだんダンディに惹かれていき、彼の言葉に踊らされていく。亜弓とダンディの恋の行方は?
[編集] 声の出演
[編集] 関連項目
本作と同じく長坂秀佳が原作・脚本を担当したテレビドラマ。『街』の中には「透明な少女」について言及される箇所がいくつかあり、同作の主人公であるエアのことを指している可能性が高い。
なお、同作の放映当初、エアが本作続編の主人公の1人となる予定であると発表されていた。
[編集] 外部リンク
- PS版紹介ページ(チュンソフト公式サイト)
- PSP版紹介ページ(セガ×チュンプロジェクト公式サイト)
- iアプリ版紹介ページ(チュンソフト公式サイト)
- チュンソフト 中村光一氏インタビュー (ITmedia +D Games)
カテゴリ: チュンソフト | セガサターン用ソフト | プレイステーション用ソフト | プレイステーションポータブル用ソフト | 携帯電話アプリゲーム | アドベンチャーゲーム | ノベルゲーム | 1998年のコンピュータゲーム