とり・みき
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とり・みき(男性、1958年2月23日 - )は、熊本県人吉市出身の漫画家。
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[編集] 経歴
明治大学文学部文学科中退。大学時代は落語研究会に所属していた時期があり、先輩に渡辺正行らがいる。
「第12回少年チャンピオン新人マンガ賞」への応募作『ぼくの宇宙人』が佳作を受賞し、1979年デビュー。以後、ギャグ漫画作品をメインに活動。数多くの作品を発表するが、単発か、それに近いものが多い。代表作に『クルクルくりん』や、テレビブロス誌で長期連載されたシュールな『遠くへいきたい』など。
件(人面牛身の妖怪)の研究など、日本の土着風俗や伝説に対しての興味も強く、これらに取材した作品もある。また路上観察学会会員で、オジギビト(工事現場にある「注意」「ご迷惑をおかけします」などの言葉と共に作業服姿でお辞儀している人物が描かれた看板)の研究も知られている。
山下達郎ファンとしても知られ、オフィシャルファンクラブ会報誌『TATSURO MANIA』に四コママンガ『タツローくん』を連載している。
洋画の吹替えの分野にも造詣が深く、洋画吹替えに関する著作も執筆している。また最近は漫画以外にも劇場用アニメ『WXIII 機動警察パトレイバー』などで脚本も執筆している。
[編集] 人物
- ペンネームの由来は、喜劇王エノケンこと榎本健一のように姓の上(とり)と名の上(みき)をつけたもの。
- 出渕裕やゆうきまさみと交友が深く、『クルクルくりん』を連載していた頃は、彼ら同様原田知世にハマっていた。遂には彼女が主演の『天国にいちばん近い島』に、漫画家や脚本家らなどとエキストラとして出演している。
- 初期連載作品『こまけんハレーション』から解るように、小松左京のファンであり、『小松左京マガジン』の設立同人の一人(「こまけん」とは小松左京研究会の略称であるが、作品内容にはまったく関係ない)。
- また、吾妻ひでおのファンとしても知られ、その作風、ギャグは相通じるものがある。デビュー当時は「絵もギャグも吾妻ひでおのエピゴーネンという感じだった」と自身で述べている(『マンガ家のひみつ』)。また、手塚治虫が新人賞の審査員(単なる名義貸しではなく)をしていたことも「チャンピオン」でデビューした理由の一つにあげており、手塚や吾妻と同様にスター・システム(そのほとんどが彼の知人をモチーフにしたものであるのが特徴)を採用しているほか、「デカ足派」の継承者を自負している。
- 漫画表現そのものをギャグとして追求する作風は「理数系ギャグ」と呼ばれ、内容の無い表層的な作品として批判されることもある。しかしながら、とり自身はそれこそ自らが描きたいものだと語っている。とり自身があげるこの路線の作家に唐沢なをきがいる。
[編集] 受賞歴
- 1994年 - 第25回星雲賞コミック部門受賞(『DAI-HONYA』)
- 1995年 - 第41回文藝春秋漫画賞受賞(『遠くへいきたい』)
- 1998年 - 第29回星雲賞コミック部門受賞(『SF大将』)
[編集] 作品リスト
- (括弧内は、雑誌掲載年)
- 『こまけんハレーション』(1979年、『週刊少年チャンピオン』、秋田書店 単行本:『しまった。』)
- 『バラの進さま』(1980年、『週刊少年チャンピオン』 単行本:1980年、少年チャンピオンコミックス、秋田書店)
- 『たまねぎパルコ』(1981年-1982年、『月刊少年チャンピオン』、秋田書店 単行本:1982年、少年チャンピオンコミックス)
- 『るんるんカンパニー』(1980年-1982年、『週刊少年チャンピオン』 単行本:1981年-1982年、少年チャンピオンコミックス:1990年、秋田書店)
- 『すけこまくん』(1982年、『ヤングチャンピオン』、秋田書店)
- 『クルクルくりん』(1983年-1984年、『週刊少年チャンピオン』 単行本:1983年-1984年、少年チャンピオンコミックス:ギャグの解説がついた新装版1990年、トクマコミックス、徳間書店 ※いずれも最終第6巻で『すけこまくん』も掲載)
- 『とりみ菌!!』(1983年-1984年 単行本:1984年、ジェッツコミックス、白泉社)
- 『しまった。』(1979年-1984年 単行本:1984年、ジェッツコミックス)
- 『ときめきブレーン』(1984年、『月刊少年チャンピオン』 単行本:『裏とり』)
- 『ポリタン』(1985年、『コミコミ』、白泉社 単行本:1985年、ジェッツコミックス)
- 『吉田さん危機一発』(1983年-1986年、『スーパーアクション』等、双葉社 単行本:1986年、アクションコミックス、双葉社)
- 『裏とり』(1984年-1986年 単行本:1986年、CBS/SONY COMICS、CBSソニー出版)
- 『愛のさかあがり』(1985年-1986年、『平凡パンチ』、平凡出版 単行本:1987年-1988年、角川書店:1995年、ちくま文庫、筑摩書房)
- 『ひいびいじいびい a Heebie-jeebie』 (1986年-1987年、『コミコミ』 単行本:1987年、ジェッツコミックス)
- 『だまって俺について来い』(1985年-1986年 単行本:1987年、青林堂)
- 『とりのいち』(1987年-1989年 単行本:1989年、青林堂)
- 『山の音』(1988年、『SFマガジン』、早川書房 単行本:1989年、早川書房:1993年、ちくま文庫)
- 『てりぶる少年団』(1989年、『週刊少年サンデー』、小学館 単行本:1990年、少年サンデーコミックススペシャル、小学館)
- 『しゃりばり』(1987年、『スーパーアクション』 単行本:1991年、アクションコミックス)
- 『とり・みきのキネコミカ』(1989年-1992年 単行本:1992年、ソニーマガジンズ)
- 『犬家の一族』(1990年-1993年 1993年、少年キャプテンコミックススペシャル、徳間書店)
- 『DAI-HONYA』(原作:田北鑑生)(1992年-1993年、アスキーコミック、アスキー出版社 単行本:1993年、アスキーコミックス、アスキー出版社)
- 『とり・みきのもう安心』(1989年-1993年 単行本:1993年、青林堂)
- 『レア・マスターズ』(1982年-1994年 単行本:1994年、カワデ・パーソナル・コミックス、河出書房新社)
- 『万延元年のラグビー』(原作・筒井康隆 1995年実業之日本社『筒井漫画読本』収録)
- 『人達』(1995年?、『まんがシャレダ!!』、ぶんか社 単行本:1995年、ぶんか社)
- 『トマソンの罠』(1994年-1995年、『文藝春秋』増刊『コミック'○○』、文藝春秋社 単行本:1996年、文春コミックス、文芸春秋社)
- 『遠くへいきたい』(1988年-2003年、『テレビブロス』、東京ニュース通信社 単行本:1997年-、河出書房新社)
- 『SF大将』(1994年-1996年、『SFマガジン』 単行本:1997年、早川書房)
- 『石神伝説』(1995年-、『コミックビンゴ』、文藝春秋社 単行本:1997年-、ビンゴコミックス、文藝春秋社)
- 『土曜ワイド殺人事件』-ゆうきまさみと共著(1996年-1997年、『少年キャプテン』、徳間書店 単行本:1998年、SC COMICS、徳間書店)
- 『とり・みきの事件の地平線』(1993年-1997年、創、筑摩書房 1998年、筑摩書房)
- 『膨張する事件』
- 『「御題頂戴」』
- 『THE LAST BOOK MAN』
- 『エキサイトな事件』-おおひなたごうと共著
- 『とりの眼ひとの眼』(筑摩書房) エッセイ集。