アグリッパ1世
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アグリッパ1世(Agrippa I、紀元前10年? - 44年)はローマ帝国に公認された古代ユダヤの統治者(在位 37年 - 44年)。ヘロデ大王の孫にあたり、父はハスモン朝の血をひいていたために殺害されたアリストブロスであった。
本名はマルクス・ユリウス・アグリッパ。新約聖書の『使徒行伝』で「ヘロデ王」として言及されるのは彼のことである。(実際には彼は王位を受けたことはなかった。)ヘロデ・アグリッパ1世とも呼ばれたアグリッパはローマに滞在中にカリグラ帝の知己を得た。カリグラ帝によって紀元37年に伯父のフィリポスが治めていたトランスヨルダンの統治を任される。さらに紀元39年には追放されたヘロデ・アンティパスの後をうけてガリラヤの統治権を得た。そして紀元41年にはユダヤ、サマリア、イドマヤの支配を任されることで祖父ヘロデ大王が治めたのと同じ版図を統治することになった。アグリッパ1世はファリサイ派に迎合して当時はまだユダヤ教の一分派であった初期キリスト教のグループを迫害。イエスの兄弟ヤコブを捕らえて殺害し、ペトロを投獄している。
その死後、ローマはユダヤを総督の管轄下においたため、その地位が息子のアグリッパ2世に継承されることはなかった。
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カテゴリ: 古代イスラエル・ユダ | ヘロデ朝の君主 | 44年没