アラム語
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アラム語 (ܠܫܢܐ ܐܪܡܝܐ) は、かつてシリア地方、メソポタミアで紀元前500年~600年頃に話された、セム語派の言語で、系統的にはフェニキア語やヘブライ語、ウガリト語などと同じ北西セム語に属す。
アラム人によって話されて各地に広まり、アラム文字で書かれた。
紀元前1000年前後にアラビア半島から出現したアラム人は、メソポタミア、シリア全域に浸透し、話者人口とその活動範囲を一挙に拡大した。続くアッシリア帝国から、新バビロニア、ペルシア帝国時代にかけては国際共通語として確立し、近隣のセム語話者たちはその文章語、口語のアラム語化といった直接的な影響を受ける。
アラム語は多くのユダヤ教の聖典などで使われている。ヘブライ語聖書のエステル記やエズラ記の一部などや、タルムード (Talmud) のゲマラ (Gemara) 部分、ゾハル (Zohar) などはアラム語で書かれている。
アラム語は二つのグループに分けられる。
- 西方アラム語は、かつてアラビアのナバテア人 (Nabatean)、パルミラ人 (Palmyran)、パレスチナのキリスト教徒やアラム人ユダヤ教徒によって話された。イエスは西方アラム語の方言を話した。現在はまったく消滅している。
- 東方アラム語は、シリア語 (Syriac) やマンダ語 (Mandean)、現代アラム語などを含む。これらのいくつかは、シリアやマアルーラ(Ma'aloula)・イラク・イラン・トルコ・グルジア・アルメニアのいくつかの村で話されている。アラム語を話すユダヤ教徒の一部は、現代のイスラエルとロサンゼルスへ移住した。ロサンゼルスでは毎年、アラム語の母国語話者のコンベンションがある。キリスト教の聖書のアラム語版はシリア語の方言であり、主の祈り (Lord's Prayer) の上で記事を見つけることができる。
- 現代アラム語は、「自称アッシリア人」によって話されるので、「アッシリア語」とも呼ばれている。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授が現在、現代アラム語の辞書を編纂中である。
[編集] 外部リンク
- Learn Assyrian Online (英語)
- Assyria Online (英語)
- アラム語の頁