アーグラ
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アーグラ(英語:Agra、ヒンディー語:आगरा、ウルドゥー語:آگرا )はインドのウッタル・プラデーシュ州に属する都市。同州最大の都市で、人口は約131万6千人。アグラとも表記する。世界遺産に登録されているタージ・マハル廟、アーグラ城塞があることで知られる。現地語の発音では「アーグラー」に近い。
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[編集] 地勢・産業
ガンジス川最大の支流であるヤムナー川沿いに位置する都市で、古代より交通の要所として発展した。周辺地域における政治、経済、文化の中心。世界遺産にも定められているタージ・マハルなど多くの観光名所があり、多くの観光客が訪れる。近隣の都市としては、約180キロ北にデリー、220キロ西にジャイプル、300キロ東にラクナウーが位置している。
[編集] 歴史
古代叙事詩の『マハーバーラタ』において、アグラヴァナ(Agravana अग्रवन:「前方の森」の意)と表記されていた。3世紀のプトレマイオスが制作した世界地図にも、その位置が記されている。1475年頃に、ラージャ・バダル・シンによって現代のアーグラとなる都市設立。16世紀初頭、最後のデリー・スルタン朝であるロディー朝がこの地に都をおいた。ロディー朝を倒して1526年にムガル帝国が建てられるが、その3代皇帝であるアクバルの時代に都として定められた。5代皇帝のシャー・ジャハーンは、愛妃ムムターズ・マハルの死を嘆き、この街にタージマハル廟を建てた。19世紀よりイギリスの支配下に入り、植民地統治の拠点の一つとなる。1927年にはアーグラ大学が建てられた。
[編集] 観光
世界的に知られるタージ・マハルのほか、ムガル帝国3代皇帝のアクバルが建てたアーグラ城塞、ファテープル・シークリーと3つのユネスコ世界遺産に登録された遺跡がある。
- タージ・マハル (The Taj Mahal):世界遺産に登録されているムガル帝国王妃の白亜の霊廟。ムガル帝国5代皇帝シャー・ジャハーンによって建立。
- アーグラ城塞 (Agra Fort):ムガル帝国の栄光と権力を象徴する美しい城塞。ムガル帝国3代皇帝のアクバルが建設開始し、その後18世紀初頭まで建設が続けられた。赤砂岩で囲まれた城塞の中には、宮殿などの諸施設が建てられた。タージ・マハルの建設を命じたシャー・ジャハーンが7年間幽閉されていた囚われの塔(ムサンマン・ブルジュ)も、城壁の中にある。世界遺産に登録されている。
- ファテープル・シークリー (Fatehpur Sikri):ムガル帝国3代皇帝のアクバルが建てた首都宮城。14年間あまりここで政事を行った。世界遺産に登録されている。
- エーテマードゥ・ッ・ドウラー廟 (Itmad-Ud-Daulah's Tomb):ムムターズ・マハルの祖父、宰相ミルザー・ギヤース・ベーグ(敬称エーテマードゥ・ッ・ドウラー اعتماد الدوله :「国家の拠り所」の意)のために1622年に建てられた白大理石の霊廟。
- シカンドラ (Sikandra):アーグラ郊外北西10kmにある城。1492年、シカンダル・ローディによって首都宮城として建てられたが、その後ムガル帝国のアクバルの霊廟だけが残された。この霊廟は1613年建立。
[編集] 交通
- アーグラ空港 (Agra Airport):ケーリアー空港(Kheria Airport)とも呼ばれ、市内より9kmに位置する国内線専用空港。IATAコード:AGR、ICAOコード:VIAG。インディアン航空がデリー、カジュラーホー、ワーラーナシーからのフライトを就航している。
- アーグラ・カント駅 (Agra Cantt Railway Station):鉄道のメインの駅。デリーからの「シャターブディー急行」、「タージ・エクスプレス」などが着く。
[編集] 外部リンク
- アーグラ観光のためのサイト (英語)
- アーグラ公式ウェブサイト・観光ページ (英語)