カナブン
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カナブン | ||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||
Rhomborrhina japonica | ||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||
カナブン | ||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||
Drone beetle |
カナブン(金蚊)は、コウチュウ目コガネムシ科ハナムグリ亜科に属する昆虫であり、やや大型のハナムグリの1種である。ただし、近縁の種が数種あり、さらに、一般にはコガネムシ科全般、特に金属光沢のあるものを指す俗称としてこう呼ぶ場合もあるので、注意を要する。アオドウガネなどの緑色を帯びた中型のコガネムシを指して「かなぶんぶん」と呼称することが往々にしてある。
[編集] 生息地
本州・四国・九州のほか、佐渡島・伊豆諸島・隠岐諸島・対馬・壱岐・五島列島・種子島・屋久島・黒島に生息する。海外では朝鮮半島・済州島・中国大陸に見られる。低地から山地まで全般的に生息し、市街地などにも普通に見られる。
[編集] 生態
大柄なハナムグリで、頭は四角く、背中が平らになった形をしている。全身に緑っぽい金属光沢がある。この金属光沢にはいくつかの型がある。緑色と銅色のものがよく見られる。
都会でも頻繁に見られる普通種である。
その多くはヤナギなどの広葉樹の樹液を餌とする。カブトムシやクワガタムシの集まる樹液の出るところでは、このカナブンや近縁のハナムグリ類が多数集まるのが良く見られる。
飛行能力が優れている。飛び方が特徴的で、飛翔時に前羽(鞘翅)を内側に傾けると多くの甲虫のように開かなくても側面に隙間ができ、この状態で後ろ翅を伸ばせるので、前翅を閉じたまま後羽を羽ばたいて飛ぶ。足場が無くても飛び始めることができる。
幼虫は朽ち木など腐植を食べる。片面を切断した円柱形で白く、前端には褐色で固い頭があり、足は短いものが3対ある、いわゆるジムシである。つつくと体をC字型に丸めるが、地上に出すと、体を伸ばし、腹面を上にして、背中を波打たせて前進する。
[編集] 近縁種
同じように日本に生息する一般的な種として次のようなものがある。海外にも色鮮やかなカナブンの仲間がたくさんある。
生息地、習性などにはそこまでの違いはなく、同時に見られることも多々ある。和名からもわかる通り体色に違いがあるが、カナブン自体にも同じような色彩変異があり、一概に決められるものではなく、同定にはある程度の経験が必要となる。