中国大陸
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中国大陸(ちゅうごくたいりく)とは、アジア大陸(ユーラシア大陸東部)の広い陸地(亜大陸)である。支那大陸とも言う。
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[編集] 亜大陸としての「中国大陸」
中華人民共和国の沿岸部と内陸部の双方とモンゴル国と朝鮮半島・満洲等を含み、インド亜大陸に隣接する。古くは日本列島と地続きであった。
[編集] 政治的な「中国大陸」
中華人民共和国による直接実効支配の及んでいる領域を指す。中華民国では公式には「台湾・澎湖・金門・馬祖を除く中華民国の領土」[1]と説明されているが、実態としては同じ領域を指す。中国語圏では単に「大陸」とも言い、他の呼称が持つ政治的要素を避ける婉曲語という性質があるため、広く受け入れられている。日本語では「大陸中国」、「中国本土」ともいうことがある。
特別行政区である香港・澳門(マカオ)は、植民地統治終了後も一国二制度により中央政府のコントロールが直接及んでいないことと、相互に出入国管理にあたる出入境管理が行われていることから、「中国大陸」に含めないのが一般的である。
香港・澳門では「内地」も同じ意味で使われることがある。台湾では、台湾海峡を挟み向かい合うことから「対岸」、中国共産党政権の統治下であることから本来は同党の略称である「中共」が同義語として使われ、台湾独立派には、あえて台湾がそれに含まれないことを強調する政治的意図から「中国」と呼ぶ向きがある。
「内地」は台湾人には歴史的な背景もあり植民地宗主国を思わせる上、中華人民共和国や特別行政区の体制側がよく使うことから媚びが感じられ、「対岸」は台湾でのみ使える相対的で場面を選ぶ用語である。「中共」は当の中国当局がこの用法を拒否している。「中国」は、通常香港・澳門を含んでいるので「中国大陸」と範囲が異なるほか、中国語圏で台湾を含まないことを念頭に使用する(たとえば「中国」と「台湾」を同格に並べる)場合は、中華民国体制・一つの中国論を否定する政治的な意味が強い。このため消去法で、比較的中立である「中国大陸」が選ばれる面がある。
中華民国の実効支配地域としての台湾と対置する意味合いがあるので、日本語では香港・澳門を含めることもある。また中華民国行政院大陸委員会は、香港・澳門についての事務も管轄する。
- ^ [中華民國]教育部國語推行委員會編、教育部重編國語辭典 「中國大陸」の項による。ただし、中華民国政府が領有権を主張してきた「中国大陸」には、中華人民共和国の実効支配地域から外れる地域も含まれる。詳細については中華民国#地理を参照
[編集] 漢人の領域としての「中国大陸」
中国本土を指し、朝鮮半島や満洲・モンゴル・チベット・ウイグル地区は含まない。その範囲は場合によって異なるが、漢人(漢民族)の土地という意味での「支那」と同義であるといえる。
[編集] 日本語における旧称
当初は、支那大陸という用語が普及していたが、戦後「支那」という用語を避け、「中国」という用語が奨励されたため、近年では、「中国大陸」という用語が一般的である。