カルミナ・ブラーナ
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カルミナ・ブラーナ(Carmina Burana)は、バイエルンにあるベネディクト会のボイレン修道院(Benediktbeuern)で発見された詩歌集および、それを基にしたカール・オルフ作曲の世俗カンタータ。
[編集] 詩歌集
1803年、ボイレン修道院が国有化されることになり、調査が行われた。その結果、図書室から古い歌を集めた写本が発見された。その中の歌は約300編にのぼり、ラテン語、古イタリア語、中高ドイツ語、古フランス語などで書かれていた。歌詞の内容は若者の怒りや恋愛の歌、酒や性、パロディなどの世俗的なものが多く、おそらくこの修道院を訪れた学生や修道僧たちによるものと考えられた。中にはネウマによって簡単な旋律が付けられているものも10曲(9つの歌及び『賭事士たちのミサ曲』という曲)ある。これらの写本は12世紀から13世紀の間に書かれたと推測され、『カルミナ・ブラーナ』(ボイレンの歌)という題名で編纂され1847年に出版された。現在、写本はミュンヘンのバイエルン州立図書館に所蔵されている。
なお、ネウマ譜が残っている歌については別の写本などからネウマを復元する試みがいくつかなされており、CDもリリースされている。
[編集] オルフの作品
オルフの作品は、『楽器の伴奏を持ち、舞台場面によって補われる独唱と合唱の為の世俗的歌曲(世俗カンタータ)』という副題が付いている。オルフは前記の詩歌集から24曲を選び(内1曲はオルフの自作)、曲を付けた。曲は1936年に完成し、翌1937年7月8日にフランクフルトのフランクフルト歌劇場で初演された。
混声合唱、少年合唱、ソプラノ・テノール・バリトンのソリスト、大規模なオーケストラという大きな編成とシンプルな和音及び強烈なリズム、酒や男女の睦み合いを歌った詞など、まさに20世紀を代表する楽曲である。
なお、副題にあるように本来舞台上で独唱者、舞踊手が音楽を象徴的に表現する作品であり、踊り手を伴わない演奏会形式は略式の演奏となる。
オルフは後に『カトゥーリ・カルミーナ』(1943年)、『アフロディーテの勝利』(1950年~51年)を書き上げ、これらを三部作『トリオンフィ(Trionfi、勝利)』としてまとめる事になる。
[編集] 曲目
§全世界の支配者なる運命の女神(フォルトゥナ) FORTUNA IMPERATRIX MUNDI
- おお、運命の女神よ(合唱) O Fortuna (Chorus)
- 運命の女神の痛手を(合唱) Fortune plango vulnera (Chorus)
§第一部:初春に 1.PRIMO VERE
- 春の愉しい面ざしが(小合唱) Veris leta facies (Small Chorus)
- 万物を太陽は整えおさめる(バリトン独唱) Omnia sol temperat (Baritone Solo)
- 見よ、今は楽しい(合唱) Ecce gratum (Chorus)
§芝生の上で UF DEM ANGER
- 踊り(オーケストラ) Dance (Orchestra)
- 森は花咲き繁る(合唱と小合唱) Flore silva (Chorus & Small Chorus)
- 小間物屋さん、色紅を下さい(2人のソプラノと合唱) Chramer,gip die varwe mir (Sopranos & Chorus)
- 円舞曲:ここで輪を描いて回るもの(合唱)-おいで、おいで、私の友だち(小合唱) Reie: Swaz Hie gat umbe (Chorus) - Chume,chum,geselle min (Small Chorus)
- たとえこの世界がみな(合唱) Were diu werlt alle min (Chorus)
§第2部:酒場で 2.IN TABERNA
- 胸のうちは、抑えようもない(バリトン独唱) Estuans Interius (Baritone Solo)
- 昔は湖に住まっていた(テノール独唱と男声合唱) Olim lacus colueram(Tenor Solo & Male Chorus)
- わしは僧院長さまだぞ(バリトン独唱と男声合唱) Ego sum abbas (Baritone Solo & Male Chorus)
- 酒場に私がいるときにゃ(男声合唱) In taberna quando sumus (Male Chorus)
§第3部:愛の誘い 3.COUR D'AMOUR
- 愛神はどこもかしこも飛び回る(ソプラノ独唱と少年合唱) Amor volat undique (Soprano Solo & Boy's Chorus)
- 昼間も夜も、何もかもが(バリトン独唱) Dies, nox et omnia (Baritone Solo)
- 少女が立っていた(ソプラノ独唱) Stetit puella (Soprano Solo)
- 私の胸をめぐっては(バリトン独唱と合唱) Circa mea pectora (Baritone Solo & Chorus)
- もし若者が乙女と一緒に(3人のテノール、バリトン、2人のバス) Si puer cum puellula (3 Tenors, Baritone, 2 Basses)
- おいで、おいで、さあきておくれ(二重合唱) Veni, veni, venias (Double Chorus)
- 天秤棒に心をかけて(ソプラノ独唱) In trutina (Soprano Solo)
- 今こそ愉悦の季節(ソプラノ独唱、バリトン独唱、合唱と少年合唱) Tempus est iocundum (Soprano, Baritone, Chorus & Boy's Chorus)
- とても、いとしいお方(ソプラノ独唱) Dilcissime (Soprano Solo)
§白い花とヘレナ BLANZIFLOR ET HELENA
- アヴェ、この上なく姿美しい女(合唱) Ave formosissima (Chorus)
§全世界の支配者なる運命の女神 FORTUNA IMPERATRIX MUNDI
- おお、運命の女神よ(合唱) O Fortuna (Chorus)
- 曲目は、音楽CD「オルフ:カルミナ・ブラーナ」 ユニバーサルクラシック - 2003/06/25 指揮: デュトワ(シャルル) 演奏: モントリオール交響楽団 の解説書による。