カレル・ヴァン・ウォルフレン
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カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel van Wolferen、1941年4月 - )は、オランダ・ロッテルダム出身のジャーナリスト。苗字は実際のオランダ語の発音ではファン・ヴォルフェレンとなる。
高校卒業後、中近東各国とアジア各国を旅し、オランダの新聞『NRCハンデルスブラット』の極東特派員となる。本人曰く「偶然」。
1989年に初の著書『日本/権力構造の謎』を発表。日本における官僚を始めとする権力の行使のされ方を鋭く分析し、究極的な責任中枢の欠如を指摘、大きな話題を呼んだ。
1994年に日本のために書き下ろした『人間を幸福にしない日本というシステム』は、33万部のベストセラーとなる。管理されたリアリティの壁に隠された「システム」(物事のなされ方)の支配から日本人が脱すべきことを説き、論議を巻き起こした。特に「説明責任」と言う言葉は広く知られる事となる。同書は、薬害エイズ事件を起こした厚生省(現在の厚生労働省)を批判する市民運動の若者達の間では、半ば聖典とも化した。エイズ事件の厚生省の責任を認めて謝罪した厚生大臣の菅直人を、「偉大な政治家」と賞賛した。
アメリカ合衆国の覇権主義を厳しく非難しており、2004年のジョージ・ウォーカー・ブッシュの大統領再選も嘆いている。日本は親米路線を転換して、米国の属国から脱せよと強く訴える。
部落解放同盟の糾弾を受けたことがある珍しい外国人である。詳しくは確認・糾弾、小森龍邦の項を参照。
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[編集] 職歴
[編集] 受賞歴
- 1987年 - フィリピン革命運動の報道により、オランダジャーリズム部門最高賞。
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『日本/権力構造の謎(The Enigma of Japanese Pawer)』(早川書房、1990年、全2巻/[ハヤカワ文庫]、1994年、全2巻、上巻ISBN 4150501777・下巻ISBN 4150501785)
- 『日本をどうする!?――あきらめる前に、144の疑問』(早川書房、1991年、ISBN 4152034815)
- 『民は愚かに保て――日本/官僚、大新聞の本音』(小学館、1994年、ISBN 4093894310)
- 『人間を幸福にしない日本というシステム』(毎日新聞社、1994年、ISBN 4620310190/新潮社[新潮OH!文庫]、2000年10月、ISBN 410290008X)
- 『日本の知識人へ』(窓社、1995年、ISBN 4943983855)
- 『支配者を支配せよ――選挙/選挙後』(毎日新聞社、1996年、ISBN 4620311413)
- 『なぜ日本人は日本を愛せないのか――この不幸な国の行方』(毎日新聞社、1998年、ISBN 4620312118)
- 『怒れ!日本の中流階級』(毎日新聞社、1999年、ISBN 4620314110)
- 『アメリカを幸福にし世界を不幸にする不条理な仕組み』(ダイヤモンド社、2000年、ISBN 4478200637)
- 『日本という国をあなたのものにするために』(角川書店、2001年、ISBN 404791374X)
- 『快傑ウォルフレンの「日本ワイド劇場」』(プレジデント社、2001年、ISBN 4833417294)
- 『ウォルフレン教授のやさしい日本経済』(ダイヤモンド社、2002年、ISBN 4478200688)
- 『ブッシュ/世界を壊した権力の真実』(PHP研究所、2003年、ISBN 4569621589)
- 『アメリカからの「独立」が日本人を幸福にする』(実業之日本社、2003年、ISBN 4408322024)
- 『世界の明日が決する日――米大統領選後の世界はどうなるのか』(角川書店、2004年、ISBN 4047914908)
- 『世界が日本を認める日――もうアメリカの「属国」でいる必要はない』(PHP研究所、2005年、ISBN 4569638155)
- 『もう一つの鎖国――日本は世界で孤立する』(角川書店、2006年、ISBN 4047915262)
[編集] 共著
- 『英語で取引する法――ビジネスマン英会話入門』(ビジネス社、 1969年)
- 『ビジネスマン英会話入門』(東京インターナショナル出版、1971年)
- 『年収300万円時代日本人のための幸福論』(森永卓郎共著、ダイヤモンド社、2005年、ISBN 4478703086)
- 『幸せを奪われた「働き蟻国家」日本―JAPANシステムの偽装と崩壊』(ベンジャミン・フルフォード共著、徳間書店、2006年、ISBN 4198621446)
[編集] 外部リンク
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