森永卓郎
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森永 卓郎(もりなが たくろう、1957年7月12日 - )は、日本の経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。元三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部長。専攻はマクロ経済、計量経済、労働経済、教育計画。東京都出身。オフィストゥーワン所属(文化人としてではなく芸能人(ギャランティー分類)として)。サラリーマン層から支持を受ける。
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[編集] 経歴
- 1976年 東京都立戸山高等学校卒業。東京大学教養学部理科二類入学。
- 1980年 東京大学経済学部経済学科卒業。
- 1980年 日本専売公社(現:JT)に入社。
- 1982年~1983年 日本経済研究センターへ出向
- 1984年~1986年 経済企画庁総合計画局へ出向
- 1986年~1988年 三井情報開発総合研究所へ出向
- 1988年 三井情報開発株式会社総合研究所へ入社。
- 1991年 株式会社三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)へ入社。
- 2006年 獨協大学経済学部教授に就任。
[編集] 人物像
愛称・通称は「モリタク」(和田アキ子からは「モリタクちゃん」と呼ばれている)。松田聖子の大ファンでもある。
その風貌からたけしのTVタックルでビートたけしから「ドラえもん」と呼ばれている。三宅久之からは「ポンスケ」と呼ばれる。ただ、三宅は森永の父の代からの付き合いともいっている。
中谷彰宏や福田和也のように、いろんな出版社から、初版一刷で終わる本やムックを、精力的に執筆。 専門の経済学以外にもオタク的知識、特異なキャラクターを生かし、テレビ・ラジオで大活躍。オタク然とした容姿と直截すぎる発言で、ショーアップされた討論番組などでは、やや損な役回りになる事が多いが、実像は的確な分析と堅牢な論理構成に定評がある。 日銀の量的緩和政策(マネーサプライ政策(m2+cd)およびインフレターゲット論)と政府による減税および社会投資の前倒しによる景気回復を主張してきたが、現在はスポーツ新聞で大インフレ時代の到来とその恐怖を訴えている。また不況下の歳出削減や特殊法人改革にはどんな理由でも景気に悪影響しか与えないとさまざまな改革を痛烈に批判している。また最近では国民の9割が年収100万円以下になる年収100万円時代を予言している。
森政権の頃から、日銀および財務省の政策を一貫して批判。週刊誌のインタビューで「私を日銀総裁か財務大臣にしてくれたら、半年で景気回復させます。もし出来なかったらシ刑になってもいい」と発言して周囲の人を心配させた。
防衛問題に関しては、軍事力による国防そのものにかなり批判的。極端な例として「北朝鮮が攻めてきたら竹やりで対抗すればよいから、自衛隊は要らない」と意見したこともある(たけしのTVタックルでは、この発言を度々ネタにされる)。しかし「戦争になったら自分はアメリカに逃げる」などと発言して顰蹙をかった。 勿論、強固な護憲論者であり、2004年3月29日放送のたけしのTVタックルにおいて、憲法改正について反対し「仮にとんでもない奴が攻めて来たら、もう黙って殺されちゃえばいいんだと思うんです」「世界の歴史の中で、昔は日本という深い意国があって、戦争をしなくって制度を守るんだって言い続けて、ああそんな良い民族が居たんだなぁと思えばいいんじゃないですか」と発言している。
2004年から、2005年にかけて、テレビ朝日で放映されている朝まで生テレビや、サンデープロジェクトで、「日本の課税最低限は先進国中最悪レベル」と発言した。この発言に対して、司会の田原総一朗はじめ、ほぼ全員の出演者から「日本は課税最低限が高い」といった非難を浴びた。田原は番組の度に森永を批判していたが、2005年11月放送の朝まで生テレビにおいて、「(財務省のホームページや、各種資料を見たところ)森永さんの発言は正確です」と説明している。
サンデープロジェクトの2005年を占うという企画で、「円が50円代」「原油高」「日経平均が5000円代」のトリプルパンチによる、小泉不況を予想。また同年暮れには、2006年は日経平均が20000円代超えと小泉大増税を予想し、大増税を乗り切るためと経済のお勉強の為、株式投資をリスナーに勧める。しかしライブドア事件以降は、「投資ファンドや機関投資家およびデイトレーダーが暗躍する今の株式市場は、株券が紙くずになるつもりでやらないと痛い目にあいますよ」とリスナーに株式投資の危険性を訴える。
早朝のラジオ番組を担当しているため殆ど高級ホテル暮らし(自宅は埼玉県所沢市にあり、毎日行き来していては生放送に到底間に合わない為)。因みに夫人からは『選挙に出たら離婚よ』と釘を刺されている。この件に関しては、2006年3月7日放送のニッポン放送、森永卓郎 朝はニッポン一番ノリ!の「森永卓郎 経済提言」のコーナーでウィキペディアを紹介した際に本人自ら取り上げている。ちなみにこのことに関して、森永は「なんで知ってるんだ」とコメントしている。
焼肉のカルビと牛丼が好物であり、特に吉野家愛好家のひとりでもある。コンビニなどで売っている「つぶあんマーガリン」のコッペパンも好物であったが、健康上の理由から止めている模様である。
笑福亭鶴光に、笑福亭呂光(しょうふくてい-ろこ。名前の由来は発音で「しょうふくて えろこう」つまり、森永が下ネタをよく発言するためエロいということから来ている)の襲名を言い渡されている。
ニッポン放送のラジオ番組「ショウアップナイターニュース」の交通情報の担当女性に対して、交通情報放送中に「芸能人でいうと誰に似ていますか?」と質問。「飯田圭織です」と言われ松本ひでおアナウンサーと二人で大興奮したことがある。
2005年3月1日からはBLOGも始めており、全国講演等忙しい中(講演回数および講演料は文化人としてはトップクラス)、不定期で更新している。2006年1月25日までは「なぞかけのコーナー」があり、森永卓郎オリジナルの乳頭なぞかけをやっていたが、最近はネタ切れなのかやっていない。
2006年8月20日放送のテレビ朝日「グレートマザー物語」に出演。くしくもこの番組のナレーターは「朝はニッポン一番ノリ!」の裏番組であるTBSラジオ「スタンバイ」の司会者、森本毅郎。
大の愛煙家であり、自身の出演しているラジオ番組、森永卓郎と垣花正の朝はニッポン一番ノリ!内の「心と体の健康一番ノリ!」ではゲストの医師から「ニコチンは危ない」と言われた際に、森永が「このニコチンがいいんですよ」と言ったために医師から、「もうありえません。呆然ですね」と言われていた。タバコが一斉値上げをした際には、数万円単位で大量にまとめ買いをしたことがある。
子供に長男と次男の2人いる。家族は息子のほか、妻と卓郎の父親。
2007年3月25日放送の週刊人物ライブ スタ☆メン内でゲストだったフィギュアスケート世界選手権東京大会の女子金メダリスト安藤美姫に対し、「キムヨナ選手がコケた時『やった』と思ったでしょ?」という質問をしてしまった。
[編集] オタクとしての主張とそれに対する批判
趣味は食玩やミニカー、フィギュアと、有名人のサイン入り 名刺、消費者金融のポケットティッシュ、携帯ストラップの収集。
悔しかった事は、ジェニファー・ロペスにサインをねだったが、ガードマンに断られて失敗した事。
また、ザ・ワイドに出演した際に、献血の景品としてミニカーが配布されていたので、ミニカーを全種類集めるために献血をしすぎて体調を崩したというエピソードが紹介された。
夢は、自分のコレクションを展示する博物館を設立する事。その為、どれ程著書が売れてもテレビとラジオの出演は絶対に止めない。
オタクであることを公言してはばからず、雑誌等で秋葉原のメイド喫茶のレポート等も執筆した事もある。著書『萌え経済学』ではオタク文化が日本が世界に誇る独自産業であると主張している。
森永が2006年5月21日に週刊人物ライブ スタ☆メンで述べたところによると、森永は著書『年収300万円時代を生き抜く経済学』のヒットで得た財を元に、自ら収集しているフィギュア等を保存する為の建物を建築したとの事である。また、この建物やコレクションは2004年11月13日放送のスーパーサタデーでも取り上げられ、上記の森永の主張と共に紹介された。この時、森永は「慣れると『人間の女性なんかいらない』と思う男性が増えていくと思う」とコメントした。なお、スーパーサタデーのメインコメンテーターは大谷昭宏であり、大谷は2004年11月17日に発生した奈良小1女児殺害事件の犯人像について、2004年11月19日の日刊スポーツ紙面にて「人間的感情持たぬフィギュア世代」と推測する記事を発表し、若い世代のフィギュア収集趣味を批判した。
また、少子化問題に関するTVタックルでの議論の中で、非婚化・晩婚化の問題に関連し、森永は、一部の男性のオタクが現実の女性に背を向けて、二次元の(すなわちアニメやマンガなどの)女性キャラクターを愛する様になった事について「オタクたちは悟りを開いた」と発言した。こうした主張は精神科医の斎藤環から、「本田透氏の言動を真に受けすぎている。」と、「同志ゆえの苦言」として、ゲームラボ2006年2月号にて批判された。しかし、森永は2006年7月8日放送のブロードキャスターでも、同様な主張を繰り返している。
2006年7月12日、ザ・ワイドの「今日は誕生日わたしはだ~れ?」のコーナーに出演した際に、森永はコレクションハウスの大きさを自宅の1.5倍であると述べた。またこの際、森永の趣味は単に「ミニカーのコレクション」と説明された。これは同番組が、前日の「親ばか特集」にて「マザコン教師」の事を「オタク教師」と表現する等、「おたく」という単語を否定的なニュアンスで用いている為、「おたく」という表現を避けたものと思われる。
基本は収集マニアだが、森永曰く『プチ鉄道マニア』であるとがっちりマンデーで公表した。しかし2005年12月25日に起こったJR羽越本線脱線事故の際、自身のラジオ番組(森永卓郎 朝はニッポン一番ノリ!)において国鉄時代に製作された超重量級の485系車両にもかかわらず、「事故原因に車両の軽量化は関係ないんですか?」と有識者に対して発言。本当に「プチ」であることが判明した。ただし、当該車両はJR化後に先頭形状を含めて大幅に改造されたものであり、森永は新しめの形状だけを見て新形式と見誤ったとも考えられる。
株式も保有しているが、ほとんどがノベルティグッズや飲食券といった株主優待目当て。これもコレクションのひとつと本人は言う。
[編集] 生活実感の見られない発言への批判
著書「年収300万円時代を生き抜く経済学」や小泉政権への徹底した格差社会への批判を展開することで、庶民を擁護する立場を標榜しているが、一方で単独での初メインパーソナリティを務めたラジオ番組「森永卓郎の朝はモリタク!もりだくSUN」では、歩きタバコ禁止条例を施行している東京都千代田区の路上を移動する際に、タバコの喫煙欲求を抑えられず、その為だけにタクシーに乗車していると発言したり、BSE問題では自身の好物の一つでもある吉野家の牛丼は、米国産でしか味わえないことを引き合いに出して、比較的高価な国産牛肉の購入を控える庶民への配慮に無視した、消費者側の自己責任の元で、米国産牛肉の輸入再開を繰り返し主張するなど、庶民感覚とは明らかに乖離した内容に批判的な意見も見られる。
なお、森永は吉野家の株を保有している事を公言しており、この点からの非難も受けている。「森永さんは庶民の味方と言ってるけど、高価なおもちゃやアンティーク時計などを買いあさってるじゃないですか」との読者の声に対して、「おもちゃや骨董品の購入はあくまで投資であって、生活費は300万円以下しか使っていません。かえって普通の人より質素な生活ですよ」と答えた。
[編集] 出演番組
[編集] テレビ
- みのもんたのサタデーずばッと TBS (不定期)
- ピンポン! TBS (不定期)
- 週刊人物ライブ スタ☆メン フジテレビ(不定期)
- ニュースステーション テレビ朝日(2004年3月26日終了)
- ビートたけしのTVタックル テレビ朝日(月1~2回出演)
- アクセスNOW テレビ神奈川(1999年4月~2004年3月)
- ZONE テレビ神奈川(1995年4月~1996年3月)
- HAMA大国ナイト テレビ神奈川(1996年4月~1998年9月)
- tvk NEWSハーバー テレビ神奈川 (2006年7月~ 毎月最終水曜日)
[編集] ラジオ
すべて番組が、ニッポン放送。
- 高嶋ひでたけのお早よう!中年探偵団 (2004年3月19日出演期間は2002年1月~9月の木曜)
- ショウアップナイターニュース (2002年10月~2003年3月)
- 森永卓郎と松本ひでおのショウアップナイターストライク! (2005年2月)
- 垣花正のニュースわかんない!? (2003年3月31日~2004年3月26日)
- 森永卓郎の朝はモリタク!もりだくSUN (2004年3月22日~2005年3月25日)
- 森永卓郎 朝はニッポン一番ノリ! (2005年3月28日~2006年3月31日)
- 森永卓郎と垣花正の朝はニッポン一番ノリ! (2006年4月3日~)
- 男はつらいよリクエスト(特番、2006年8月21日)
[編集] 著書
- 森永卓郎の声に出して読めない謎かけの本
- Bで生きる経済学
- 年収300万円時代を生き抜く経済学
- ミニカーから全てを学んだ
- 捨てるより儲けろ ネットオークションで賢い整理術
- ビンボーはカッコいい
- 非婚のすすめ
- 悪女と紳士の経済学
- 辞めるな!キケン
- 萌え経済学
- 憲法を変えて戦争へ行こう という世の中にしないための18人の発言(共著)