ギムナジウム
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ギムナジウム(ドイツ語:Gymnasium)は、ヨーロッパの中等教育機関。国によって微妙に名称が異なるが本稿では一括してギムナジウムとする。
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[編集] 語源
古代ギリシアでは、ギュムナシオン(gymnásion)男性の若者たちが、身体や知性を磨くための場所であった、体育がとかくその前面に出て強調されるため、屋内体操場というふうに訳される場合もある。そこでは、もっぱら裸体でトレーニングが行われたため、ギムナジオンという施設の名前は、「裸で体操をする」という意味の"gymnázesthai"から由来したという。ドイツ語では、体育という言葉も同じ由来のGymnastikを今も使っている。日本のボクシング、レスリングなどの練習場をいう「ジム」も、同じ由来である。
[編集] ドイツ
主に大学への進学を希望する子供たちが進学する学校で、9年間の日本でいう中高一貫教育で、ギリシア語、ラテン語、ヘブライ語などの古典語や、英語、フランス語などの近代語、理数系の教科に重点を置いたものなど、いくつかの学校のタイプがある。ギムナジウムという名は、ギリシア語の γυμνάσιονをラテン語で表記したものから由来している。ギムナジウムは、大学入学を目指すための学校で、それはつまりアビトゥア合格を目指すということでもある。旧東ドイツには、ドイツ統一後の1990年までギムナジウムはなく、拡張型上級学校(Erweiterte Oberschule :EOS) がその代替となっていた。
エーリッヒ・ケストナーの小説にしばしば登場する。
[編集] スイス
スイスには、州立学校(Kantonsschule)としていくつかのギムナジウムがある。
[編集] フランス
フランスでは、同等の学校は一般的にリセ(Lycée )と呼ばれる。ギムナジウムは、ジムナーズ(Gymnase)と呼ばれるか、時にリセとも呼ばれる。
[編集] オーストリア
オーストリアでは、こうした一般的な大学進学準備校は、ギムナジウムと呼ばれて、人文系教科を重点にするのが通例である。ただ、他に実科ギムナジウム、経済系ギムナジウムというものも並存する。実科教科、経済系教科への比重の掛け方はそれほど大きくはない。リヒテンシュタインにも、同様のギムナジウムがある。