クライスラー・300
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クライスラー・300(Chrysler 300)は、ダイムラー・クライスラー社がクライスラーブランドで販売する自動車。1955年に始まった往年のクライスラーを代表する高級セダンである「クライスラー・300レター」シリーズを近代的にアレンジしたモデルである。
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[編集] 300M
クライスラー・300M | |
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販売期間 | 1999年 - 2004年 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
乗員 | 5名 |
全長 | 5015 mm |
車幅 | 1910 mm |
車高 | 1420 mm |
ホイルベース | 2870 mm |
車両重量 | 1670kg |
駆動方式 | FF |
エンジン出力 | 252ps/6000rpm |
燃料搭載量 | 64L |
前モデル | イーグル・ビジョン |
後継車 | クライスラー・300 |
姉妹車、OEM | クライスラー・コンコード クライスラー・LHS ダッジ・イントレピッド |
同クラスの車種 | アキュラ・TL インフィニティ・I35 レクサス・GS リンカーン・LS |
この表は自動車のスペック表テンプレートを使用しています |
「イーグル・ビジョン」 (欧州や日本ではクライスラー・ビジョンとして発売された) の後継モデルとして1999年に発売。「300」の名前を久々に復活させたモデルで、3.5リッターV6エンジンを搭載したFFレイアウトのフルサイズセダンである。プラットフォームはビジョンに引き続いてLHプラットフォームが用いられた。「300M」のネーミングは往年の「300L」の次代モデル、という意味でつけられた。これは300Mが単なるリバイバルではなく、「300レター」シリーズとして継続しているということを意図しているととれる。 車体は欧州の高級車勢を意識して5mを超える長さとなっており、これにより広い室内空間を確保している。また、300シリーズを名乗るにあたりビジョンからコンセプトの変更が行われ、ビジョンではミドルエンドであった位置付けをより高級志向へとシフトさせている。
なお、1999年には米モータートレンド誌の主催するカー・オブ・ザ・イヤーに選出されている。
2004年まで製造され、その後フルモデルチェンジして「クライスラー・300」となった。
[編集] 300/300C
クライスラー・300 | |
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クライスラー・300C SRT-8 | |
クライスラー・300Cツーリング | |
販売期間 | 2005年 - |
ボディタイプ | 4ドアセダン 4ドアステーションワゴン |
以下スペックはSRT-8 | |
乗員 | 5名 |
全長 | 5000 mm |
車幅 | 1910 mm |
車高 | 1480 mm |
ホイルベース | 3050 mm |
車両重量 | 1910kg |
駆動方式 | FR |
エンジン出力 | 431ps/6000rpm |
燃料搭載量 | 72L |
前モデル | クライスラー・300M |
姉妹車、OEM | ダッジ・チャージャー ダッジ・チャレンジャー ダッジ・マグナム |
同クラスの車種 | マーキュリー・グランドマーキス |
この表は自動車のスペック表テンプレートを使用しています |
クライスラー300は高級スポーツセダン、ステーションワゴンであり、「300M」の事実上の後継車種である。
2001年のデトロイトオートショーに50'sスタイルの「ダッジ スーパー 8 HEMI」コンセプトとして出展され、大反響を巻き起こした。その後2004年に販売が開始されるや否や、大量のバックオーダーを抱えるほどのヒット作となった。
デザインはジープ&トラックデザインの副社長、ラルフ・ジルによって行われた。リアデザインに300Mの意匠の名残を見ることができる。前モデルである300Mからコンセプトの大幅変更が行われ、W210型メルセデス・ベンツ EクラスのシャシーをベースにFRレイアウトを採用し、トップグレードの300CではV8「HEMIエンジン」を搭載した。また1998年にデトロイトオートショーで発表されたクライスラーのコンセプトカー「クロノス」のグリルデザインが生かされている。そのためこのモデルこそが、「レターシリーズ」の真のリバイバルとの見方が多い。
当初グレード展開は3種類となっていた。2.7リッターV6OHCエンジン(190馬力)のベースグレード、3.5リッターV6OHCエンジン(250馬力)のツーリンググレード、そして5.8リッターV8OHV「HEMI」エンジン(340馬力)を搭載する300Cである。
その後2005年2月に専用バンパー、20インチホイールを装着し、6.1リッターV8OHV「HEMI」エンジン(425馬力)を搭載したSRT-8が追加されている。
「HEMI」搭載モデルのマニュアルモード付5速ATはメルセデス・ベンツの設計となっており、高級車とアメリカンマッスルの双方の性格を併せ持つ独特のシフトフィールが与えられている。
2005年にはアメリカとカナダのカー・オブ・ザ・イヤーにおいて「ベスト・オブ・ラグジュアリー」に選出されている。
2005年のフランクフルトショーで、姉妹車であり、北米専用のワゴンモデルでもある、ダッジ・マグナムを仕立て直した、ステーションワゴン、300Cツーリングを発表。
300Cツーリングは、セダンで作り上げたラグジュアリースポーツのイメージを損なわないよう、北米では発売されず、北米以外では、マグナムより高価格設定の300シリーズとする方が収益性が良いため、欧州、アジア、オセアニアのみの輸出専用モデルとなった。
日本においてはV6 3.5リッター、V8 HEMI 5.8リッター、SRT-8が300Cとしてクライスラー・ジャパンによって正規販売されている。2006年8月からは300Cツーリングの販売も開始された。2007年4月には5.7リッターモデルに左ハンドルの輸入も復活する。