レクサス・GS

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GS（ジーエス）は、トヨタ自動車が製造する自動車で、同社の高級車ブランドレクサスにて販売される高級車。車名はGrand Sedanを意味し、グランド・ツーリング・カーであることを示している。

[編集] 概要

ヨーロッパの規格では中間サイズのEセグメントに属し、ラインナップではLSとISの中間に位置している。

他のプレミアムブランドに対して、静粛性、信頼性、多機能、割安感をもっとも大きなセールスポイントとしている。

その一端として、JDパワーが実施した、100台あたりの不具合件数を集計する米国自動車耐久品質調査^SM（VDS）では、2005年に引き続き2006年もミッド・ラグジュアリー部門での不具合件数報告が最も少なかったという極めて優秀な耐久性を示している。一方、米国道路安全保険協会(IIHS)のおいて実施された2006年度調査において、後方からの追突時の安全性が「MARGINAL」（不十分）という評価がなされた。このため、この車の購買層にとって、安全と信頼性、そしてコストについて、困難な命題を提示したことになる。

また、Eセグメントの車種としては唯一ハイブリッド車がラインナップに用意されている。その一方、欧州のプレミアムブランド勢が用意するステーションワゴンは販売されていない。

基本的なコンポーネントである、シャーシやエンジンの多くを、トヨタが製造するクラウンやクラウンマジェスタと共有している。こういった事実から、レクサスがライバルだとしている欧州プレミアムブランドからはやや安価なイメージを持たれることもある。

ゆえに、国産車との比較では、同じくトヨタが製造するトヨタ・クラウンアスリートの上位モデルと比較されることが多い。これは、エンジンなど多くの共用部を使い、機能的にもほぼ同様であるためである。だが、日本国内ではクラウンとGSの価格の違いが品質やブランドの優位性、個性として認知されるまでに至っておらず、販売数などで苦戦している。

また、北米では、価格的な優位さがあるものの、2006年の販売台数ではライバルとしているBMW・5シリーズやメルセデス・ベンツ Eクラスの半数程度にとどまっている。しかし、2005年の販売台数の差を考慮すれば、シェアを拡大していることは確かである。北米市場では、GSよりも安価で近い居住性をもつ、ESが販売の主力である。

一方、欧州では、北米よりもさらに低い販売台数にとどまっている。

[編集] 歴史

[編集] 初代（1993年-1997年）

初代GS300

1991年から製造が始まったトヨタ・アリストのレクサスブランド版として、1993年 2月22日からトヨタ自動車田原工場にて生産を開始した。アリストにはターボエンジンの設定があったが、北米向けの「GS300」のエンジンは3.0L直6 自然吸気エンジンだったので、パワーが重要視される北米ではLSやESより販売が芳しくなかった。

[編集] 主なモデル

GS300：3.0L 直列6気筒DOHCエンジン 2JZ-GE（220ps/30.0kgm）、4速AT、駆動方式はFR。

2代目GS300

[編集] 2代目（1998年-2005年）

1997年にアリストがモデルチェンジした翌年、GSもモデルチェンジした。エンジンは直6エンジン（2JZ-GE）とV8エンジン（1UZ-FE）の2本立て。アメリカの雑誌『モータトレンド』が選定する1998年のインポートカー・オブ・ザ・イヤーに輝いている。また、同じくアメリカの雑誌『カーアンドドライバー』が選定するテン・ベストカーに、1998年から2000年の間選ばれ続けた。

2001年マイナーチェンジ。「GS400」に搭載されていた4.0L V8エンジン（1UZ-FE）の排気量が4.3Lに拡大され、3UZ-FEとなり、「GS430」に。

[編集] 主なモデル

GS430：4.3L V型8気筒DOHCエンジン 3UZ-FE（300ps/45.0kgm）、5速AT、駆動方式はFR。
GS400：4.0L V型8気筒DOHCエンジン 1UZ-FE（300ps/42.8kgm）、5速AT、駆動方式はFR。
GS300：3.0L 直列6気筒DOHCエンジン 2JZ-GE（220ps/30.0kgm）、5速AT、駆動方式はFR。

3代目GS430

[編集] 3代目（2005年-）

2005年8月30日より、日本国内におけるレクサスブランドの立ち上げと同時に「GS430」「GS350」を発売開始。アリストの後継車である。シャーシは専用設計ではなく、現行クラウン(S180系)をベースとしている。

2006年3月、ハイブリッド仕様の「GS450h」を追加。

2007年3月、ISとともに日本車初のiFデザイン賞金賞を受賞。

[編集] 特徴・機構

日本国内での価格は520～770万円。この価格帯は、ライバルとしているBMW・5シリーズやメルセデス・ベンツ Eクラスなどと比べ、廉価モデルで100万円近く安く購入ができるため、GSの優れた特徴となっている。一方、高額モデルでは、上記ライバルが1200万円以上のチューニングモデルを量産ラインナップに用意しているが、GSには用意されていない。（高級車の価格帯参照）

3.5Lエンジン（2GR-FSE）の出力は315psで、トヨタの乗用車としては初めて280psを超えた。一方、4.3Lエンジン（3UZ-FE）は3代目セルシオ・LSと同じもので、馬力自主規制の名残で280psとなっている。また、地域によって商品展開に違いがあり、「GS350」は日本・北米・韓国で、「GS300」はその他の地域で販売されている。

レクサスの特徴である静粛性を向上させるため、アリストよりも防音素材を約200Kg多く用い、窓の厚さを1.5倍にするなどの改善が施されている。

日本国内では、「GS450h」にグレードとして "GS450h"（標準）、ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティーシステムや後席エアバッグ、本革シートを装備した "version L"が用意される。「GS430」「GS350」は1グレード（ "GS430" "GS350" ）のみである。

CMソングはクラナドの「ハリーズ・ゲームのテーマ」を起用している。GS450hのCMでは初めて国内ロケが行われ、来島海峡大橋（愛媛県）や角島大橋（山口県）で撮影が行われた。

[編集] 現行モデル

GS450h：3.5L V型6気筒DOHCエンジン 2GR-FSE（296ps/37.5kgm）、駆動方式はFR。

ハイブリッド仕様で、トランスミッションはハイブリッドシステムに組み込まれた自動無段変速機。実際の排気量は3.5Lであるが、モーター出力を加味すると4.5Lエンジンと同等以上の出力（345ps）となるため、「450h」という表記になっている。