クロエニュ
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発見 | |
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発見者 | ダンカン・ワルドロン (J.Duncan Waldron) |
発見日 | 1986年10月10日 |
小惑星名 | 1983 UH; 1986 TO |
分類 | 地球近傍小惑星、金星横断小惑星、 火星横断小惑星 |
軌道要素 元期 2004年7月14日(ユリウス日 2453200.5) |
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離心率(e) | 0.515 |
軌道長半径(a) | 1億4926万km(0.998天文単位) |
近日点(q) | 7241万5000km(0.484天文単位) |
遠日点(Q) | 2億2610万4000km(1.511天文単位) |
公転周期(P) | 364.019日(1年) |
平均軌道速度 | 29.82km/s |
軌道傾斜角(i) | 19.810度 |
昇交点黄経(Ω) | 126.311度 |
近日点引数(ω) | 43.719度 |
平均近点角(M) | 190.171度 |
物理的性質 | |
大きさ | 5km以下 |
質量 | 1.3×1014kg |
密度 | 2g/cm3(推定) |
表面重力 | 0.0014m/s2 |
脱出速度 | 0.0026km/s |
自転周期 | 不明 |
スペクトル分類 | 不明 |
絶対等級 | 15.1 |
アルベド | 0.15(推定) |
平均表面温度 | 378K以下 |
クルーフニェ (3753 Cruithne)(日本では他にクルイシン、クルースン、クロエニュ等の表記がある)は太陽系の地球近傍小惑星(アテン群))であり、地球に沿った軌道を持つ(一部に地球の自然衛星であると唱える者もいるが事実ではない)。
1986年10月10日、オーストラリアのクーナバラブラン市にあるサイディングスプリング天文台において、ロバート・マクノート、マルコム・ハートレイ、マイケル・ホーキンスと共にダンカン・ワルドロンが公式に発見した。その後、1983年にチリのヨーロッパ南天天文台で発見された1983 UHと同一であることが判った。
クルーフニェは、イギリス諸島に最初に住み着いたケルトの部族集団クリフニャ族にちなんで命名された。クリフニャ族はヨーロッパ大陸から移り住み、イギリス諸島に現れたのは、紀元前800年から同500年にかけてである[1]。ただし、小惑星の名称については、アイルランド・ゲール語での発音は、英語Wikipediaなどを元にカタカナで表記すると、クリフニャが近い([ˈkrihnʲə])が、英語化された発音ではクルーフニェ([krúxnjə])となり[1]、日本ではさらにクルイシンもしくはクルースンと表記されることがある。
1997年までに、カナダヨーク大学のポール・ウィガートとキンモ・イナネン、フィンランドトゥルク大学のセッポ・ミッコラによって、異常な軌道を持つことが割り出された。
クルイシンは、地球と軌道を共有しているが、実際には地球の周りを回っているわけではない。その代わり、地球の軌道の周りを螺旋状に動く。クルーフニェの(見かけ上)馬蹄形の軌道の両端では、それぞれ地球の反対側に接近するが、接触はしない。軌道は金星よりも太陽に近づくことがあり,火星の軌道までの半分の距離に達することがある(訳注:クルーフニェの遠日点は1.51天文単位であり、これは火星軌道の長半径である1.52天文単位とほぼ等しい)。
馬蹄形の軌道自体が回転するため、クルーフニェが元の馬蹄形軌道に戻るには地球年で385年かかる。このようにクルーフニェの軌道は地球から観測する限り非常に複雑に見え、直感にも反する。しかし、太陽を基準に取ると、理解しやすい。多少楕円形ではあるが、比較的平凡な軌道をほとんど地球年の1年で公転する。地球の重力が楕円軌道にわずかな影響を与えるため、クルーフニェの歳差運動が変化し、極端に軌道が地球に近づくことはなくなる。
クルーフニェは直径約5kmで、地球に1500万kmまで接近する。これは地球月間の距離の約40倍である。クルイシンの軌道は長期的には安定していないと考えられているが、ウィガートとイナネンの計算によると、長い年月にわたって地球の軌道と同期していたことが分かった。まちがいなく、何百万年先まで衝突の危険はない。
クルーフニェと同様に地球と共鳴軌道にある別の3つの地球近傍小惑星が発見されている。(54509)2000 PH5、(85770)1998 UP1、2002 AA29である。
他にクルーフニェのような馬蹄型の軌道を持つ自然の天体として、土星の衛星であるヤヌスとエピメテウスが知られている。土星の後についていく2つの衛星の軌道はクルイシンより単純ではあるが、同様の一般的原理に従っている。
火星にもこのような共鳴軌道にある小惑星(5261 Eureka)があり、木星にはトロヤ群と呼ばれる約400個もの同種の天体が従っている。土星にも同種の衛星がある。テティスに従うテレストとカリプソ、ディオネに従うヘレネである。しかしながら、いずれも馬蹄形の軌道はとっていない。
SF作家のスティーヴン・バクスターは、クルーフニェの奇妙な軌道のためか、著書「Manifold:Time(多様体:時間)」のなかでクルーフニェを舞台に取り上げている。
[編集] 外部リンク
- 軌道を確定したP.ウィガートのWebサイト Paul Wiegert's page about Cruithne, with movies(英語)
- クルーフニェの軌道を表示するJava Applet
- ケルトの歴史についての英語のWebサイト(The Dalriada Celtic Heritage Trus)
- (2004年11月20日 15:13版より訳出)
[編集] 参考文献
- ^ 『リーダーズ・プラス』研究社(1994)
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