衛星
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衛星(えいせい、satellite)は、惑星や矮惑星・小惑星の周りを公転する天然の天体。ただし、惑星の環などを構成する氷や岩石などの小天体は、ふつうは衛星とは呼ばれない。
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[編集] 概説
ロッシュの限界の内側にある環と違い、衛星はその外側に多く存在する。人間が作った人工天体の場合には、天然の衛星(自然衛星)と区別するために「人工衛星」と呼ぶ。また、衛星の周りを回るものは、孫衛星という。
太陽系内で衛星を持たない惑星は、水星と金星のみであり、残りの惑星は、少なくとも1つの衛星を持つ。また、最近の観測により衛星を持つ小惑星も30ほど確認されている。
従来、地球に対する月は、衛星としては不釣合いに大きく、二重惑星と見なす意見もあった。月の直径は地球の4分の1強であり、質量でも81分の1に及ぶためである。後者を見れば月は地球よりはるかに小さいように思えるが、地球-月の体系に次ぐものは海王星に対するトリトンの800分の1であり、他の惑星の衛星の場合ははるかに小さいから、地球-月系の特異さがわかる。
1978年に発見された冥王星の衛星カロンは、更にこれを凌駕するものであった。当時は冥王星は惑星とされていたために、さらに特異な例とされていた。しかし、通常はこれらも衛星の範疇に含める慣例となっている(二重惑星の項を参照のこと)。
[編集] 太陽系の衛星
[編集] 比喩表現
衛星の比喩として「衛星都市」、「衛星国家」などの表現も用いられる。