ザ・ジャム
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ザ・ジャム(The Jam)は、イギリスのロックバンド。ポール・ウェラーを中心にしてロンドンで1977年デビューし、1982年解散した。
メンバーはポール・ウェラー(Paul Weller / Vo,G)、ブルース・フォクストン(Bruce Foxton / Vo,B)レック・バックラー(Rick Buckler / Ds)の三人。パンク・ムーブメントの全盛期にデビューしながら、モッズ・スタイルを貫き、R&B方面にもアプローチをすることでオリジナリティーを獲得し、イギリス国民の間で絶大な人気を獲得した。解散した現在でもなお、イギリスでは強く支持されている。
2007年、デビュー30周年を機に再結成。ただし、ポール・ウェラーは参加していない。
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[編集] 足跡
1977年にシングル「イン・ザ・シティ(In the City)」を発表し、デビューしたジャムは、同年に同名アルバムをリリースして世間に名を知らしめた。スモール・フェイセズのスティーヴ・マリオットに強く影響されたモッズ・サウンドは、モッズ・リヴァイヴァルの立役者として高い人気を誇った。その勢いに乗って2ndアルバム『モダン・ワールド(This Is the Modern World)』を発表するが、パンク全盛の英国では酷評された。翌1978年にリリースされた3rd『オール・モッド・コンズ(All Mod Cons)』は、ザ・フー、スモール・フェイセズや、モータウンサウンドの影響を受けた、R&Bが取り入れられたサウンドを創り出し、モッズとしてのアイデンティティーを前面に押し出した、まさに金字塔といえる作品となった。1979年発表の4thアルバム『セッティング・サンズ(Setting Sons)』は、3rdアルバムと並んで、ジャムの最高傑作との呼び名も高い。5thアルバム『サウンド・アフェクツ(Sound Affects)』になると、さまざまな音楽を取り入れた実験性を見せることになる(ビートルズの『リボルバー』的なアルバムとも例えられる)。この音作りは、後のスタイル・カウンシルへの先鞭ともなる。ラストアルバム『ギフト(The Gift)』ではその変化はさらに大きくなり、ウェラーは「ザ・ジャム」という枠組みの中での活動に終止符を打つことを選んだ。1982年、絶頂期にいたジャムは解散宣言を出し、ウェラーは元マートン・パーカスのミック・タルボット(Mick Talbot / Key)と新ユニット「スタイル・カウンシル(The Style Council)」を結成。そしてブルース・フォクストンは、元ビッグ・カントリーのマーク・ブレゼジッキーと元ザ・フーのピート・タウンゼントの弟、サイモン・タウンゼントとでカスバ・クラブを結成。新たな道を歩むことになった。
なお、ジャムはよくパンク・ロックに分類される事が多く、事実デビュー当時の作風にはパンクの影響が見られるが、むしろモッズというべきである。ウェラーはそもそもスティーヴ・マリオットの大ファンであり、ジャムではモッズを意識した作品を作り続けたため、「モッド・ファーザー」とも呼ばれている。
[編集] ディスコグラフィ
[編集] アルバム
[編集] スタジオ盤
タイトル | 発売年月日 | チャート |
---|---|---|
イン・ザ・シティ(In the City) | 1977年5月20日 | 全英20位 |
モダン・ワールド(This Is The Modern World) | 1977年11月18日 | 全英22位 |
オール・モッド・コンズ(All Mod Cons) | 1978年11月3日 | 全英6位 |
セッティング・サンズ(Setting Sons) | 1979年11月17日 | 全英4位、全米137位 |
サウンド・アフェクツ(Sound Affects) | 1980年11月28日 | 全英2位、全米72位 |
ギフト(The Gift) | 1982年3月12日 | 全英1位、全米82位 |
[編集] ライブ、コンピレーション盤
タイトル | 発売年月日 | チャート |
---|---|---|
Dig The New Breed(ライブ) | 1982年12月10日 | 全英2位、 全米131位 |
Compact Snap!(ベスト盤) | 1983年10月14日 | 全英2位 |
Greatest Hits(シングル集) | 1991年7月1日 | 全英2位 |
Extras(レア・トラック集) | 1992年4月6日 | 全英15位 |
Live Jam(ライブ) | 1993年10月25日 | 全英25位 |
The Jam Collection(B面曲集) | 1996年10月22日 | - |
Direction Reaction Creation(5枚組みボックスセット) | 1997年5月26日 | 全英8位 |
The Very Best of the Jam(ベスト盤) | 1997年 | 全英9位 |
Fire and Skill: The Songs of the Jam(トリビュート・アルバム) | 1999年11月1日 | - |
45 rpm: The Singles(全シングル集・上) | 2001年4月2日 | - |
45 rpm: The Singles(全シングル集・下) | 2001年4月30日 | - |
The Jam At The BBC(BBCライブ) | 2002年5月21日 | 全英33位 |
The Sound of the Jam(25周年記念ベスト盤) | 2002年5月21日 | 全英3位 |
Snap!(Compact Snap!の増補盤) | 2006年5月14日 | 全英6位 |
[編集] シングル
タイトル | 発売年月日 | 収録アルバム | チャート |
---|---|---|---|
In the City | 1977年4月29日 | In the City | 40 |
All Around the World | 1977年7月23日 | - | 13 |
The Modern World | 1977年11月5日 | This Is the Modern World | 36 |
News of the World | 1978年3月11日 | - | 27 |
David Watts / 'A' Bomb In Wardour Street(両A面) |
1978年8月6日 | All Mod Cons | 25 |
Down in the Tube Station at Midnight | 1978年10月21日 | All Mod Cons | 15 |
Strange Town | 1979年3月17日 | - | 15 |
When You're Young | 1979年8月25日 | - | 17 |
The Eton Rifles | 1979年11月3日 | Setting Sons | 3 |
Going Underground / Dreams of Children(両A面) |
1980年3月22日 | - | 1 |
Start! | 1980年8月23日 | Sound Affects | 1 |
That's Entertainment | 1981年2月7日 | Sound Affects | 21 |
Funeral Pyre | 1980年6月6日 | - | 4 |
Absolute Beginners | 1981年10月24日 | - | 4 |
A Town Called Malice / Precious(両A面) |
1982年2月13日 | The Gift | 1 |
Just Who Is the 5 O'Clock Hero? | 1982年7月3日 | The Gift | 8 |
The Bitterest Pill | 1982年9月18日 | - | 2 |
Beat Surrender | 1982年12月4日 | - | 1 |