ポール・ウェラー
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ポール・ウェラー(Paul Weller、本名John William Weller、1958年5月25日-)はイギリスのミュージシャン。ザ・ジャム、スタイル・カウンシルを経てソロ活動に。愛用ギターはエピフォン・カジノ(2PUタイプ)とギブソンSG。
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[編集] 略歴
1977年にザ・ジャムのボーカリスト、ギタリストとしてデビュー。当時流行のパンク/ニューウェーブの人気バンドとなった。ザ・ジャムはpaul wellerの生まれた町ロンドン郊外サリー州ウォーキングでビートルズなどのカバーなどをしていたパーティ・バンドであった。結成当時はポールがベース、ブルース・フォックストンとスティーブ・ブルックスがギター、リック・バクラーがドラムスというフォーピースであったが、スティーブの脱退と共にポールがギターを、ブルースがベースを担当するようになる。ピストルズのライブにインスパイヤーされ、モータウンなどのR&Bを高速で演奏するスタイルになっていき、やがてオリジナル中心になり、1977年4月29日にファーストシングルIn The Cityをリリース、いきなりナショナルチャート入りを果たす。1980年3月には10枚目のシングルGoing Undergroundを全英チャート#1に送り込み、名実共に全英#1バンドとなった。ポールの音楽志向はこの後、よりR&B、ファンクをはじめとする多様な音楽展開を見せ、1982年3月リリースの6枚目そして最期のアルバムThe Giftでは大胆なホーンセクションの導入などより黒くなっていった。モータウンへのレスペクトをダイレクトにあらわしたシングルTown Called Malliceも全英チャート#1(三枚目)となったが、もはやThe Jamであることの意義がなくなったため、わずか6年という短い期間ではあったが、その頂点でポールはザ・ジャムを解散することとなる。最期のギグは1982年12月11日にModsの聖地であるブライトンで行われた。
より黒さを追求するウェラーはネオ・モッズ・バンドマートン・パーカスのオルガンプレイヤーであるミック・タルボットとともにスタイル・カウンシルを結成。1983年5月にファースト・シングルSpeak Like A Childを発表、ザ・ジャム時代のファンを大きく裏切るソウル・R&Bの影響が濃いブラック・コンテンポラリー的な音楽性にシフトし、硬派なイメージだったジャム時代とは打って変わってPOPなイメージで人気を博した。しかしながらそのイメージとは反対に、歌詞は当時のサッチャー体制に対してラディカルなもので政治指向をより明確にした。スタイル・カウンシルはアルバムOur Favourite Shopを1985年にUKチャート#1にするが、その後その音楽の多様性により方向性を見失い、ハウス色の強いアルバムModernism-A New Decadeを製作するもポリドールからリリースを拒否され、終には1989年には解散する。
1991年にはポール・ウェラー・ムーブメント名義でソロ最初のシングルInto TomorrowをインディーズであるFreedom Highレーベルからリリース、ポール・ウェラー・ムーブメント名義でのライブ活動をザ・ジャム、TSC時代には考えられなかった小さなホールやクラブで行なった。TSC時代には決して演奏しなかったザ・ジャム時代の曲も演奏している。日本でも川崎チッタなどでクラブ・サーキットを行った。1992年に自身の名前を冠したソロアルバムをGo!Disksより発表。当時彼は本国ではメインストリームではなく、完全にマイナー・アーティスト扱いであったが日本(ポニーキャニオンより英国より先にリリース)では本国よりもヒットした。1995年にはソロ時代初の#1アルバムStanley Roadを発表、完全復活を果たした。その後も定期的にアルバムを発表し、Small Faces、Traffic、Neil Young、Dr.Johnなどにインスパイヤーされたルーツ・ミュージック色の濃い作品も発表するようになった。オアシスやブラー、オーシャン・カラー・シーンなど彼をリスペクトする若い層もでてきており、イギリスを代表するロック・アーティストとしての地位を確立している。 2006年にはBrit Awardsで功労賞を受賞。The JAM時代の曲もパフォーマンスして見せた。
彼は60年代初頭のサブカルチャー・ムーブメント「Mods(Moderns)」に影響を受けており、その精神=流行に左右されず自分にとってクールなものを追及する姿勢が彼のバックボーンとなっている。
[編集] ディスコグラフィ
[編集] アルバム
タイトル | 発売年月日 | UKチャート |
---|---|---|
ポール・ウェラー(Paul Weller) | 1992年 | 8 |
ワイルド・ウッド(Wild Wood) | 1993年 | 2 |
ライヴ・ウッド(Live Wood) | 1994年 | 13 |
スタンリー・ロード(Stanley Road) | 1995年6月7日 | 1 |
ヘヴィー・ソウル(Heavy Soul) | 1997年 | 2 |
モダン・クラシックス(Modern Classics - The Greatest Hits) | 1998年 | 7 |
ヒーリオセントリック(Heliocentric) | 2000年4月10日 | 2 |
デイズ・オブ・スピード(Days Of Speed) | 2001年10月8日 | 3 |
イルミネーション(Illumination) | 2002年9月16日 | 1 |
Fly On The Wall - B Sides And Rarities | 2003年 | 22 |
Under The Influence | 2003年 | - |
スタジオ150(Studio 150) | 2004年 | 2 |
スタンリー・ロード(10周年記念盤)(Stanley Road) | 2005年 | 51 |
アズ・イズ・ナウ(As Is Now) | 2005年 | 4 |
キャッチ・フレイム!(Catch-Flame!) | 2006年 | 17 |
ヒット・パレード(4CD-Boxset)(Hit Parade) | 2006年11月6日 | 7 |
[編集] シングル
タイトル | 発売年 | 収録アルバム | UKチャート |
---|---|---|---|
Into Tomorrow (as Paul Weller Movement) | 1991年 | Paul Weller | 36 |
Uh Huh Oh Yeh | 1992年 | Paul Weller | 18 |
Above The Clouds | 1992年 | Paul Weller | 47 |
Sunflower | 1993年 | Wild Wood | 16 |
Wild Wood | 1993年 | Wild Wood | 14 |
The Weaver | 1993年 | Wild Wood | 18 |
Hung Up | 1994年 | Wild Wood | 11 |
Out Of The Sinking | 1994年 | Stanley Road | 20 |
The Changingman | 1995年 | Stanley Road | 7 |
You Do Something To Me | 1995年 | Stanley Road | 9 |
Broken Stones | 1995年 | Stanley Road | 20 |
Out Of The Sinking re-recording | 1996年 | Stanley Road | 16 |
Peacock Suit | 1996年 | Heavy Soul | 5 |
Brushed | 1997年 | Heavy Soul | 14 |
Friday Street | 1997年 | Heavy Soul | 21 |
Mermaids | 1997年 | Heavy Soul | 30 |
Brand New Start | 1998年 | Modern Classics | 16 |
Wild Wood(PortisheadRemix) | 1999年 | Modern Classics | 22 |
The Keeper | 2000年 | Heliocentric | - |
Sweet Pea, My Sweet Pea | 2000年 | Heliocentric | 44 |
Brother to Brother(Terry Callierとの共演) | 2002年 | Speak Your Peace | 81 |
It's Written In The Stars | 2002年 | Illumination | 7 |
Leafy Mysteries | 2002年 | Illumination | 23 |
The Bottle | 2004年 | Studio 150 | 13 |
Wishing On A Star | 2004年 | Studio 150 | 11 |
Thinking Of You | 2004年 | Studio 150 | 18 |
Early Morning Rain/Come Together | 2005年 | Studio 150 | 40 |
From The Floorboards Up | 2005年 | As Is Now | 6 |
Come On/Let's Go | 2005年 | As Is Now | 15 |
Here's The Good News | 2005年 | As Is Now | 21 |
The As Is Now EP: Blink and You'll Miss It / From the Floorboards Up / Come On/Let's Go / Here's The Good News |
2006年 | As Is Now | - |
Wild Blue Yonder | 2006年 | - | 22 |
[編集] 日本公演
- 11月25日 CLUB CITTA'、26日 ON AIR、29日 CLUB CITTA'
- 10月5日,7日 簡易保険ホール、10日 東京ベイN.K.ホール
- 10月20日,23日,27日 赤坂BLITZ
- 9月9日 Zepp Osaka、10日 Zepp Fukuoka、13日,14日 東京国際フォーラムホールA、18日 Zepp Sendai
- 7月12日 SHIBUYA-AX、13日 MOTHER HALL、14日 DRUM LOGOS、16日 赤坂BLITZ、17日 渋谷クラブクアトロ
- 2004年 The Rock Odyssey
- 3月29日 中野サンプラザ、31日,4月1日 Zepp Tokyo、3日 Zepp Osaka
[編集] 外部リンク
- Official Site
- Paul weller on ¡Ponte los cascos! Article about Paul Weller and The Jam
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