ジャポニカ種
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
ジャポニカ(じゃぽにか)は、イネの品種群の一つ。イネの栽培品種にはアフリカイネ(Oryza glaberrima)とアジアイネ(Oryza sativa)があり、アジアイネはさらに生態型によってインディカおよびジャポニカに分類される。ジャポニカはさらに、温帯ジャポニカと熱帯ジャポニカ(ジャバニカ)にわけれられる。
ジャポニカとインディカの系統進化的な分岐は栽培化以前(7000年以上)とされ、それぞれ独自に野生イネ(Oryza rufipogon)より栽培化されたものと考えられている(インディカは一年生野生イネOryza nivaraから栽培化されたという説もある)。栽培地域が地理的に隔たっていたため、両系統の遺伝情報に多くの変異が蓄積されており、二代雑種においては生殖的隔離が見られる。近年、出土遺体のDNA解析によって、ジャポニカ種が長江流域で栽培化されたことが分かっている。
インディカとジャポニカは籾の粒型によって分けられるという認知が広く浸透しているが、ジャポニカ種には長粒品種と短粒品種が混在しており、短粒品種をジャポニカとする従来の認知は訂正される必要がある。
日本に稲作が伝来した経緯については稲作の項を参照のこと。
[編集] 特徴
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米粒は円形で中粒もしくは短粒の形状である。主成分であるデンプン中のアミロース含量がインディカに比べ低めでアミロペクチン含量が高めである。炊くと水分を多く含むため、ふんわりと柔らかく、つやが出る。粘りけがあり、独特のもちもち感としっとり感はインディカにはない大きな特徴である。よく噛むことで甘みが生まれて旨みが増す。ご飯の食味は人々に好まれて、おかずと独立して食べる習慣が出来、また冷めてもおいしく食べられる事から、おにぎり、寿司、弁当といった日本の食文化の形成に大いに影響を及ぼしている。 寒冷な気候に比較的強く、インディカに比べて冷害も少ない。日照時間が比較的長い温帯ないしは寒冷地に適している。 日長特性があり典型的な短日植物で、開花期の極端な高温(摂氏36℃前後)に曝されると受粉障害を起こすため、逆に熱帯での栽培は難しい。
[編集] 生産地
日本型イネとも言われるジャポニカは、日本や朝鮮半島、中国東北部や台湾北部、またオーストラリアの南東部やアメリカ西海岸で栽培されている。北緯30度以北及び南緯30度以南で主に栽培されている。日本国内では品種改良が進み、さまざまな品種が栽培されている。代表的な品種については、イネの品種参照。
[編集] 生産量
世界のコメ生産量約5億トンのうち、15%に満たない。