スキャンディスク
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スキャンディスクとは、Microsoft Windowsに付属するディスクユーティリティ(メンテナンスソフトウェア)の名称。Windows 2000等では「チェックディスク」等と呼ばれている。
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[編集] 概要
Windows 95時代から存在するディスク検査ツールで、ハードディスクやフロッピーディスクなどの物理ディスク内の構造をチェックし、状況によって修復を行う。ディレクトリやファイルを格納する位置はクラスタと呼ばれ、そのクラスタ内部を検査できるため、問題のあるクラスタの早期発見やそれに伴うエラーの予防、ディスクの寿命維持が期待できる。ディスクを長く保つためにも、スキャンディスクの利用価値は高いと思われる。
ちなみに、Windows 95等の9x系列では(初期設定では)スタートメニュー内部に存在するが、Windows 2000・Windows XPには存在しない。一見すると廃止されたかに見えるが、実際には「マイ コンピュータ」内の登録されているディスク一覧のプロパティから選ぶようになっている。また、操作性もWindows 95等の9x系列とは大きく操作性が異なるため注意が必要である。
[編集] 操作について
[編集] Windows 9x系列(Windows 95/98/Me)の場合
- チェック方法には短時間で検査をする標準モードと、ディスク内の全クラスタを確認する完全モードの2種類がある。簡単なチェックであれば標準でも構わないが、念のため完全モードで点検しておくと良いだろう。但し、幾分時間も掛かる。項目として用意されているエラーの自動修復はエラーの詳細を確認したい場合には無効の状態でも構わないが、少しでも短時間で終わらせたい場合は自動修復を有効にすると良いだろう。
- より詳細な設定を行いたい場合は、詳細ボタン内から細かい設定ができる(ログの書き出し方や破損ファイルの始末等)
[編集] Windows NT系列(Windows 2000/XP等)
- 前述の通り、スタートメニュー内には該当する項目が用意されていないため、「マイコンピュータ」内に登録されているディスクを選択し、プロパティ内の項目から選択する必要がある。
- Windows 9x系列よりも設定できる項目が制限されており、操作性も大幅に異なる。
- エラーの自動修復や不良セクタの回復が選択肢として用意されているが、選択した場合にはそれなりに時間が掛かる為注意が必要である。
[編集] 注意事項
- 常駐プログラム(ウイルス対策ソフト・スクリーンセーバー等)はできる限り停止しておくべきである。仮に常駐プログラムが検査中に実行した場合には動作が不安定になる可能性がある。
- スキャンディスクはできる限り定期的に行う方が望ましい。
- ハードディスクが物理的に問題を起こしている場合はスキャンディスクを行わない方が良い。
- 一部の環境で32GBを超えるファイルシステム上でスキャンディスクを実行するとエラーが生じる事がある。その場合にはそれよりも小さいサイズでパーティションを区切るか、NTFSでの再フォーマットが必要になる。
[編集] 余談
- コマンドライン上からのスキャンディスクも可能で、Windows 9x系列の場合はMS-DOSプロンプト上で実行するとUIのスキャンディスクが起動する。MS-DOSモード(または起動ディスクから立ち上げた場合)で実行した場合にはテキスト画面での実行となる。Windows NT系列の場合もコマンドプロンプト上から行えるが、詳細なオプションを指定した場合、特に起動用のディスクの場合は再起動が必要になる。