セオ・エプスタイン
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セオ・エプスタイン(Theo Nathan Epstein, 1973年12月29日 - )はメジャーリーグ、ボストン・レッドソックスのゼネラルマネージャー (GM)兼副社長。ニューヨーク市出身。祖父のフィリップ・エプスタインと大叔父にあたるジュリアス・エプスタインは、映画『カサブランカ』の脚本でアカデミー賞を受賞している。また、父親のレスリー・エプスタインはボストン大学で美術を教えている。
[編集] 略歴
イェール大学でアメリカ研究を専攻。学生時代にボルティモア・オリオールズのPR部門で研修の経験がある。卒業後サンディエゴ・パドレスのPR部門に就職、ベースボール・オペレーションのディレクターに昇格する。パドレス時代にサンディエゴ大学ロースクールを修了、1999年にカリフォルニア州弁護士となる。
2002年にジョン・ヘンリーがボストン・レッドソックスを買収し、エプスタインの元上司であるラリー・ルキーノをCEOに任命する。同年シーズン終了後にメジャー史上最年少(当時)の28歳でレッドソックスのゼネラルマネージャーに就任するが、あまりの若さに周囲からは「まだオムツがいる」などしばしば陰口を叩かれた。
ヘンリー・ルッキーノ・エプスタイン体制の元でレッドソックスは客観的データに基づく統計学であるセイバーメトリクスを重視する方針を打ち出し、セイバーメトリクスの産みの親であるビル・ジェームスをアドバイザーとして招聘する。この結果、2003年にはメジャーチーム最高得点を叩き出し、チーム長打率4割8分9厘はブロンクス・ボンバーズと恐れられた1927年のヤンキース打線を上回る結果となった。
2004年のシーズン中にはチームの人気者であったノマー・ガルシアパーラ遊撃手を放出してまで守備力、走塁力の強化に力を入れ、周囲から大変な非難を浴びた。しかし、結果的にはこのトレードで獲得したオルランド・カブレラ遊撃手、ダグ・ミエントケヴィッチ一塁手、デイブ・ロバーツ外野手はチーム86年ぶりのワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。この成果からボストンでは一躍人気者となった。
ハリウッド俳優ばりのルックスと高学歴から地元では女性人気が高い。そのあまりの人気に大手ドーナツ・チェーンのダンキンドーナツが目を付け、ジョニー・デーモンとともにCM出演も果たしている。
2005年10月に球団幹部との確執からボストンのGMを辞任。1年間は休養にあてたいとコメントして、チームを一時はなれていたが、2006年1月24日に和解し、再びGMに復帰。また、球団副社長に就任した。
2007年1月に結婚。
[編集] 関連項目
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