チューレ空軍基地
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チューレ空軍基地(Thule Air Base)は、グリーンランド西北部、カーナーク(Qaanaaq)の未編入飛地にあるアメリカ空軍の軍事基地。アメリカ空軍の基地では、最北にあるものであり、北緯76度68分西経68度50分に位置する。これは北極点から1500kmほどしか離れていない。
チューレ飛行場 | |||
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ICAO:BGTL | |||
概略 | |||
空港種別 | 軍用 | ||
Operating Agency | U.S.AirForce | ||
海抜 | 251ft (77 m) | ||
位置 | 北緯76度31分52.33秒西経68度42分11.38秒 | ||
滑走路 | |||
方向 | 全長 | 表面 | |
ILS | m×幅 | ||
08T/26T | YES | 3,047×43 | 舗装 |
目次 |
[編集] 概要
グリーンランドにアメリカ軍の基地が設置されたのは、第二次世界大戦中のことである。1941年にデンマークがナチス・ドイツに占領されたために、アメリカ軍がグリーンランドを保護したことによる。第二次世界大戦中から戦後にかけて、チューレは気象観測基地となっており、小規模な滑走路などが設置されていた。1950年11月にチューレに爆撃機用の基地を設置する計画がアメリカ空軍で決定され、1951年6月にはグリーランドがNATOの防衛担当地域となった。冷戦期において、ソ連とアメリカの最短経路は北極を経由するものであり、北極圏にあるグリーンランドは軍事的に重要な位置にあった。つまり、ソ連を爆撃する爆撃機の発進・経由地として適した位置にあり、またソ連爆撃機の迎撃に適した地点であった。
チューレ空軍基地の建設は1951年7月より秘密裏に開始され、1953年にほぼ完成した。基地の主要部分は1951年夏季中に完成しており、150を超える建物が建設された。9月にはF-9戦闘機の配備が開始されている。1953年から1959年にかけては戦略空軍のB-36、B-47爆撃機、KC-97空中給油機などが配備されていた。
1961年には弾道ミサイル早期警戒システム(BMEWS)のレーダーが設置されている。1960年前半がチューレが最も活発であった時期であり、配備された要員も1万人を超えていた。以降は、基地が縮小され、1968年には常駐人員が約3,370名となった。
基地の管轄は、1952年1月には北東空軍団(Northeast Air Command, NEAC)であったが、1957年に戦略空軍(Strategic Air Commond, SAC)に、1960年に防空軍団(Air Defense Command, ADC)に移管され、1982年以降は宇宙軍(Air Force Space Command)の管轄となっている。
現在の基地の主任務は第12宇宙警戒中隊(12th Space Warning Squadron)によるICBMなどの弾道ミサイル警戒任務および第22宇宙運用中隊第3分遣隊(Detachment 3 of the 22d Space Operations Squadron)により人工衛星の追跡・管制となっている。
[編集] 航空管制
種類 | 周波数 | 運用時間(JST) |
CLR/GND | 119.9MHz | |
GND | 275.8MHz | |
TWR | 126.2MHz,255.6MHz | 月曜~金曜の21:00-05:00 土曜と日曜及び米国祝祭日はCLOSED |
APP | 134.1MHz,363.8MHz | |
EMERG CW FREQUENCY | 8364.0KHz | |
BASE OPS | 131.1MHz |
[編集] 航空保安無線施設
局名 | 種類 | 周波数 | 識別信号 | 空港からの設置距離 |
THULE | VOR | 111MHz | THT | 6.5マイル |
THULE | TACAN | THT | 6.5マイル |
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
空港情報 (BGTL) |
空港情報(worldaerodata.com) | 定時航空気象(METAR) | 飛行用飛行場予報(TAF) | 定時航空気象 |
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