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弾道ミサイル - Wikipedia

弾道ミサイル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

弾道ミサイルだんどうミサイルBallistic Missile)は、大砲の弾のように空中に弧を描いて飛ぶ対地ミサイルのこと。弾道ミサイルは最初の数分間に加速し、その後慣性によって飛翔する。

目次

[編集] 歴史

[編集] V2/A4

世界初の弾道ミサイルは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが開発したV2ロケットである。液体酸素エタノール燃料とするこのミサイルは大戦中に三千発以上が使用され、、主にロンドンアントワープなどへの攻撃に使われたが、戦局を変えるには至らなかった。開発者はヨーロッパから北米が攻撃可能な射程を持った大型二段式ミサイルA10の開発も進めていたが、完成せずに終わった。

[編集] R-7とR-11

大戦終結後、ナチス・ドイツの技術は戦勝国によって持ち出され、これを元にそれぞれの国で独自の研究が始まった。アメリカイギリスが鹵獲した完成品の打ち上げテストで満足している中、ソ連だけは熱心に研究を進めていた。ソ連はドイツに残っていた資材を用いて自国でV2/A4を生産した他、改良版であるR-1(SS-1A)、拡大版であるR-2(SS-2)、ソ連の独自技術を加えたR-5(SS-3)がコロリョフ設計局を中心次々と開発された。この後、コロリョフ設計局はより大型化した大陸間弾道ミサイル(ICBM)であるR-7(SS-6)、R-9(SS-8)を開発し、ソ連領内から北米を攻撃できるようになる。これらのミサイルは信頼性が低くまた少数が配備されたに過ぎないが、大陸間弾道弾の出現は当時まだ大型ミサイルが無かったアメリカをパニック状態に陥れた。こののち開発されたR-16(SS-7)が1962年に大量配備されてようやくソ連の核攻撃能力が実効性のあるものとなった。

V2/A4の設計を元に、常温保存が可能な液体燃料を使用する別のエンジンを備えたミサイルがR-11(SS-1B)であり、スカッド(Scud-A)のNATOコードネームが与えられた。R-11はさらにエンジンが改良されたR-17(SS-1C Scud-B)となる。R-17はソ連の軍事援助によって各地に輸出され、その後の多くの紛争で使用された他、リバース・エンジニアリングによって誕生した多くの派生ミサイルの先祖となった。

[編集] ミサイル・ギャップ

アメリカにおけるロケット関連の研究は、戦争直後は低調であった。空軍のマタドールやメース、海軍のレギュラスのように、アメリカはむしろ有翼の巡航ミサイルの開発に熱心であった。しかしながらアメリカに渡ったV2/A4開発チームの主要メンバーであるフォン・ブラウンとドルンベルガーらは陸軍と組んでロケットの開発を続けており、1959年にはアメリカで最初の弾道ミサイルであるレッドストーン西ドイツに配備されている。レッドストーンは1958年までにパーシングIに置き換えられている。一方大型化にあたっては、まずレッドストーンの後継として空軍のソアーと陸海合同のジュピターが計画されたが、後に海軍は計画から降り、独自に固体燃料のポラリスを開発する。その後国防総省の決定で中・長距離弾道ミサイルの管轄が空軍にまとめられることになり、ジュピターもまた空軍のミサイルとなる。1957年のソ連のR-7配備と続くボストークロケットによる人工衛星スプートニク1号の打ち上げはアメリカ国内にスプートニク・ショックを発生させ、「ミサイル・ギャップ」と呼ばれるようになる議論を呼び起こし、ソアーもジュピターも開発に大きなプレッシャーがかかるようになった。ジュピターは1959年トルコイタリアに配備され、ソアーは1958年イギリスに配備されている。

[編集] SSBNの出現

V2/A4の発展計画の一つに水密の大型キャニスターに納めたミサイルをUボートで北米沿岸まで曳航し、発射するという物があった。実現はしなかったが潜水艦から弾道ミサイルを発射するアイデアがかなり初期から検討されていた事がわかる。旧ソ連は1959年にR-11(SS-1B)を改良したR-11FMを開発し、これをズールー型通常動力潜水艦に搭載して、史上初の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とした。その後アメリカで原子力潜水艦(SSN)が開発され、ポラリスA-1ミサイルが実用化されると、このミサイルを搭載するジョージ・ワシントン級潜水艦発射弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)が1960年に実戦配備される。米海軍のSLBMは、こののちポセイドンC-3からトライデントD-5へ進化している。

SSNの開発に遅れを取った旧ソ連では、ヤンキーI型とR-27(SS-N-6)が就役したのは1968年になった。またイギリスとフランスもSLBMを自国の核戦力の主力としており、イギリスはアメリカからトライデントD-5を購入してヴァンガード級原子力潜水艦に搭載し、フランスは自国開発のMSBS M-45ミサイルを搭載したル・トリオンファン級原子力潜水艦を運用している。中国も独自に開発した巨浪1号SLBMを搭載する夏(Xia)型原子力潜水艦を運用している。

[編集] キューバ危機

1962年には中距離弾道ミサイル(IRBM)のR-12(SS-4)がキューバに配備された事を契機としてキューバ危機が発生している。キューバ危機の間、デフコン2が発令され北米配備のICBMであるアトラスタイタンI、試験配備が始まったばかりのミニットマンIと、イギリスに配備されたソアーIRBM、トルコ、イタリアに配備されたジュピターIRBMは実際に発射準備態勢に入った。旧ソ連でもR-7が発射台上で待機状態となり、キューバに配備されたR-12が発射準備態勢に入った。このような状況はキューバ危機の時が最初で、以後はそのような事態は発生していない。

[編集] ICBMの発展

アメリカで最初のICBMがアトラスである。アトラスは1959年に配備され、1965年まで使用されている。この後、タイタン、ミニットマン、ピースキーパーが開発されている。ミニットマンIIIとピースキーパーはMIRVとなった。

一方のソ連ではR-36(SS-9)、UR100(SS-11)、RT-2(SS-13)から、MR UR100(SS-17)、R-36M(SS-18)にいたってMIRV化されている。START-IIによってR-36Mが退役した後は、単弾頭のRT-2PM1/M2 Topol-Mが配備されている。ソ連では道路移動式ICBMとして初期のRT-21(SS-16)から現在のRT-2PM(SS-25)までが開発されている。

中国はソ連から提供されたR-2(SS-2)を元に弾道ミサイルの開発を進め、1964年核実験に成功すると核弾頭装備の東風2号が1966年から配備され、大韓民国日本を攻撃する能力を得た。続く東風3号でグアム、東風4号でハワイ、東風5号でついに中国西部から北米を攻撃する能力を得た。東風3号は1988年に通常弾頭に変更されてサウジアラビアに売却されている。

[編集] 弾道ミサイルの特徴

弾道ミサイルの特徴としては長射程、困難な迎撃、高価、低い命中精度が挙げられる。

[編集] 迎撃が困難

弾道ミサイルを撃墜し難い理由にはいくつかの要因がある。

射程が長い
射程が長いと目標からはなれた安全な場所から発射できる。発射される前に発射母機ごと破壊しようとすることが困難である。また、射程が長いと攻撃可能な範囲が広いので発射前の発見が困難となる。
迎撃困難な軌道を通る
放物線軌道の高い高度では弾道ミサイルは短距離弾道ミサイル(以下SRBM)クラスでも宇宙空間を通る。そこまで迎撃用のミサイルを打ち上げるのは容易ではない。
着弾までの時間が非常に短い
弾道ミサイルが発射されてから着弾するまでの時間は距離によって様々だ。射程が10,000km前後ある大陸間弾道ミサイル(以下ICBM)であれば30分程度あるので、迎撃体制に入るのは(SRBMなどに比べれば)容易ではある。SRBMクラスは5分程度で着弾する。発射を確認してから迎撃体制をとることはほとんど不可能である。
非常に速度が速い
着弾に近いミサイルの高度が低くなる段階では速度の問題があるため簡単には迎撃できない。
ミサイルは再突入の段階で落下の法則通り加速度的に高速となる。ICBMクラスであれば秒速約7km程度(最新型ではマッハ20以上)IRBMでも秒速2km程度まで最終的に加速される。この非常に高速なミサイルを迎撃する弾道弾迎撃ミサイルは高い精度が必要となる。

[編集] 命中精度

基本的に弾道ミサイルは最初の数分間加速した後は慣性で飛行するだけとなっている。つまり最初の数分間で到達した速度によって着弾地点はほとんど決まる。加速終了地点から着弾地点までの距離が短ければその差はそれほど問題にはならないが弾道ミサイルの場合数千km単位で飛ぶためその誤差は徐々に大きくなり着弾地点では大きな差となってしまう。そのことから大体命中精度はSRBMクラスが一番高く、射程が長くなるにしたがって誤差は大きくなっていくのが一般的である。

命中精度を表すCEP(半数必中界)は100m~2km程度で対地兵器の中でも最低の部類に入り、狙うのはどうしても都市単位になってしまう。 したがって、厳密な誘導を必要としない核弾頭との組み合わせが必然的に実施された。核弾頭を用いれば、2km程度の誤差は全く問題とならない。その結果、本来の定義ではない「(特に長射程の)弾道ミサイル=核兵器」という認識が広まった。

[編集] 価格

価格についてはピンからキリまであるため一概には言えないが、例えばアメリカ海軍が使用する潜水艦発射弾道ミサイル(以下SLBM)トライデントD5は1基3,090万ドルと公表されている。アメリカ海軍が現在調達を進める最新鋭戦闘機F/A-18E/Fスーパーホーネットが3500万ドル、世界で3000機を販売することで調達価格を抑えることを目的として開発中のJSFF-35の予価が3000万ドルと言われる。戦略核兵器の整備が「軍隊をもうワンセット」そろえるほどの高額となる理由である。

当然ミサイルを兵器として使用するにはこれだけではなくミサイルの整備、ICBMであればミサイルサイロの建造、運用費用、SLBMであれば潜水艦にかかる諸費用、更に言えばそれを護衛する潜水艦にかかる諸費用と一つのシステムとして稼動させるには天文学的な金額が必要である。

それに対して弾頭の重量は数百kg~数t程度であるため通常兵器として使用するには費用対効果の面から見た場合最悪と言える。しかし湾岸戦争時のイラクのように、旧式で命中精度も劣る弾道ミサイルを心理作戦に用いる場合もある。

[編集] 使用目的

これらの特徴から弾道ミサイルは戦略兵器としての意味合いが大きい。核兵器を搭載したICBMやSLBMは安全な自国内およびその周辺から敵国を確実に攻撃することが可能で、お互いにそのような状況を作り出すことによりどちらも攻撃できない状況(相互確証破壊)ができそれにより自国の安全を保障する。

過去には通常弾頭の弾道ミサイルが使用されたこともあるが、これは敵国民の感情を煽るのが目的と言える。弾道ミサイルによる攻撃だけでは敵国を占領できるわけでもなく、敵戦力を削ることもほとんどできないため実際のところダメージは少ない。しかし弾道ミサイルは事前に危険を知らせることがほぼ不可能で、いつどこに飛んでくるかわからないため敵国民に与える心理的な影響は大きい。

[編集] 構造

基本的にはロケットと同じ構造であるため通常の衛星打ち上げ用ロケットとして転用される物もある。ミサイルの段数はSRBM、準中距離弾道ミサイル(以下MRBM)程度だと1段、IRBMだと2段、ICBMでは液体燃料の場合2段、固体燃料の場合3段が多い。

[編集] 弾頭

弾道ミサイルの命中精度は悪く、前述のとおり価格も高価である。そのため、弾頭には核兵器をはじめとする大量破壊兵器を搭載するのが一般的である。大量破壊兵器を搭載した場合、命中精度の悪さを補うことができ、さらに大量破壊兵器の搭載は抑止力としての意味を持つため費用対効果の悪さを補うこともできる。弾頭の形状は再突入時空気抵抗による減速が少ないよう円錐型をしている。

弾頭の再突入時の速度は非常に速く、射程の長いものだと再突入時の速度は有人の宇宙船大気圏に再突入するのと大差ないため弾頭には宇宙船と同じように耐熱素材をはる必要がある。

余談ではあるが日本が耐熱タイル技術の開発に消極的だったのはこれが一つの原因である。もとから民間技術と軍事技術は大差ないことが多いが、耐熱タイルは大差ないのレベルではなく完全にそのままミサイルに使用可能となってしまうため弾道ミサイルでの使用を考えていないとしても周辺国には脅威として捉えられてしまうのである。

[編集] 特殊な弾頭

弾道ミサイルに搭載される特殊な弾頭にはMIRV、MRV、MaRVが挙げられる。

MIRVは複数個別誘導再突入体などと呼ばれるものでこれは文字通り複数の弾頭を装備しそれぞれ別の目標に対して攻撃が可能な弾頭である。MRVはMIRVの無誘導版で、単一の目標へ複数の弾頭を投下する。MIRVもMRVも導入するには小型核弾頭の開発技術が必要で、21世紀初頭現在で多弾頭化された弾道ミサイルの開発に成功した国はアメリカロシアのみで、フランスはアメリカの技術協力を受けてMRVを開発し、イギリスはミサイルをアメリカから購入している。

MaRVは機動式再突入体と言われる。これも文字通り再突入時に迎撃を回避したり命中率を高めるための弾頭であるがあまり使用されていない。

これら複数弾頭のミサイルは散開時に本物の弾頭の他に「チャフ」と呼ばれる、敵の迎撃を困難にするための囮の弾頭や「ペネトレーション・エイド」と呼ばれる敵の探知を無効化する手段を備えた再突入体を持つものもある。

[編集] 燃料

燃料は、初期のころには国によらず液体燃料が使われていた。現在では西側諸国では固体燃料が、東側諸国では液体燃料が主流となっている。初期の液体燃料は酸化剤に液体酸素を用いていたためにミサイルに搭載したまま保存しておくことが不可能で、発射命令が下ってから燃料注入を行い、実際に発射態勢に成るまでに数時間かかり、即応性に問題があった。現在の弾道ミサイルに使用される液体燃料(非対称ジメチルヒドラジン四酸化二窒素の組み合わせなど)の場合ミサイルに搭載したまま長期間の保存が可能であるため即応性に関しては固体燃料との差は無い。

現在において液体燃料と固体燃料の差は比推力と毒性、安全性、それにコントロールのしやすさである。液体燃料は固体燃料より比推力が大きいためミサイルの段数は固体燃料に比べ1段少ないのが一般的であるがその代わりに燃料は有毒で2種類の燃料が混ざっただけで発火するため取り扱いには注意が必要である。それに対して固体燃料は段数が1段増えてしまうものの固体であるため直接付近で火事でも起こらない限り問題は無くその点では液体燃料に比べ非常に優れている。また固体燃料は1度点火したら推力の調整も何もできず最後まで燃えてしまうが、液体燃料は燃焼させる燃料の量を調整でき速度のばらつきを抑えることができるため理論的には固体燃料より命中精度は高い。ただし実際のところは誘導方式にある程度左右されるため液体固体による差はあまりない。

[編集] 誘導方式

誘導方式は古いものでは無誘導もあったが、戦略核兵器が使用される状況、すなわち核攻撃下における確実な反撃、を考えるならば、GPSや無線誘導などは誘導方法として考慮されない。最悪の場合、大統領が専用機(E-4 NEACP National Emergency Airborne Command Post)からの発射命令を受けるだけというケースも考えられるためである。故にGPSやロランといった航法支援を受けない完全なスタンドアローンが求められる。そのため、現代においてもINSやアストロトラッカー(天測航法装置)による誘導がほとんどとなる。通常弾頭の対地ミサイル(兵器や軍事施設を目標としたもの)の場合レーダー赤外線で目標を捕らえるが、弾道ミサイルによって運搬される弾頭(再突入体)自体にはエンジンなどは搭載されていないため、弾頭がミサイルから切り離されて大気圏に再突入を開始した後の軌道変更は不可能である(エンジンなどを搭載したMaRVと呼ばれるものも存在するが例外的)。しかしながらその誘導精度は高く、最も性能の高いアメリカ製ICBMピースキーパーは、CEPおいて90メートルという数値を持つ。これは単純な相互確証破壊(MAD)による破壊力の追求から、軍事目標を攻撃する能力が求められるように戦略そのものが変化したためで、小型化によって多弾頭化を果たしつつ、威力の低下(W87熱核弾頭で300キロトン)があっても硬化サイロを格納したICBMごと破壊することが可能となっている。300psiの爆風に耐える硬化サイロが目標の場合、CEPが500フィート(152メートル)であれば500キロトンの弾頭威力であっても99パーセント以上の確率で破壊できるが、5000フィート(1524メートル)になると1メガトンの弾頭では12パーセント、5メガトンの弾頭を使用しても34パーセントでしかなく、CEPが10000フィート(3048メートル)ともなればほぼ不可能となる。

アメリカ海軍が使用するトライデントD5では更に命中精度を高めるためGPSを併用した誘導システムの試験が行われたことがある。これは通常弾頭の使用を考慮して行われた試験であると言われるが結局費用対効果の面から不要と判断されたのか実用化にはいたっていない。

[編集] 宇宙ロケットとの違い

弾道ミサイルと宇宙ロケットとの基本的な構造の差は少ない。大雑把に言えば、大型の弾道ミサイルから弾頭を外し、代わりに小型ロケットを追加してやれば衛星打ち上げが可能になる。実際にロシア等では老朽化したICBMを改造して小型の衛星打ち上げを請け負う事が行われているし、近年では北朝鮮がテポドン発射を衛星打ち上げの為と主張した例がある。逆に、日本が衛星打ち上げ用に開発したロケットが弾道ミサイルに転用可能との指摘もある。

しかし原則的に平時に商業目的で打ち上げられる宇宙ロケットには弾道ミサイルのような即応性は求められず、燃料注入に時間のかかる液体水素等の低温燃料や酸化剤が広く用いられている。サイロや車両、艦船等に何時でも発射可能な状態で保管せねばならず、固体燃料が主に用いられる弾道ミサイルとはこの点で違いがある。

求められる性能も、宇宙ロケットは比推力や経済性等であるのに対し、弾道ミサイルは即応性やメンテナンスの容易さ等となってくる。自然、設計思想も異なってくる。

このような理由から、宇宙ロケットを安易に弾道ミサイルと同一視する事は出来ない。ただ、日本のM-Vのように弾道ミサイルで一般的な固体燃料を用いたロケットも多く、両者はやはり極めて近い存在だともいえる。

[編集] 飛行経路

弾道ミサイルの飛行経路は、亜軌道と呼ばれる近地点地球半径以下の楕円軌道を描く。弾道ミサイルは発射後燃料をすべて使って最高1,000km以上の遠地点高度まで上昇(スペースシャトルの周回軌道は高度300~400km程度)、その後慣性で飛行し、その位置エネルギー速度に変換しながら落下する。通常のボールなどを飛行機などから落としても空気抵抗があるため思いのほか速度は伸びないが、弾道ミサイルは上昇時に与えられる速度エネルギーと高高度による位置エネルギーによって地上到達時の速度が秒速数kmにまでなる。

旧ソ連ではアメリカの早期警戒レーダーをかいくぐるため、部分軌道爆撃システム(FOBS)という核弾頭を一旦衛星軌道に乗せてから落下させるシステムが研究されていた。

[編集] 発射母体

弾道ミサイルの発射母体にはサイロ、潜水艦、列車、車両などがある。

[編集] ミサイルサイロ

ミサイルサイロは地下に作られた弾道ミサイルの基地である。サイロは偵察衛星などで安易に発見されてしまうが、サイロ自体が非常に強固なつくりとなっているため、かなり近距離で核が爆発しない限り破壊されることはない。また慣性誘導の精度は発射母体の位置をどれだけ正確に把握出来るかが鍵となるがサイロの位置は当然のことながら正確に把握されているため弾道ミサイルに搭載される慣性誘導装置の精度は他のものに比べ必然的に高くなる。そのためサイロに格納された弾道ミサイルは主に敵ミサイルサイロなど高い命中率が要求される目標に対して使用される。

[編集] 潜水艦

水中にいる潜水艦は陸上のサイロや列車、車両に比べ格段に発見されづらいため攻撃された際も一番生き残る可能性が高いが、その反面自艦の正確な位置の測定が困難であるためサイロに比べると命中精度は低めである。これらの特徴からSLBMは攻撃を受けた際敵国の都市に対する報復攻撃の手段として認識されている。その任務上、常時水中で待機している必要があるため通常は原子力潜水艦が使用される。

[編集] 列車・車両

列車や発射台付き車両(Transporter-Erector-Lancher;TEL)も移動ができるため比較的発見され難い。陸地にいるので潜水艦などより発見されやすい。ミサイルを搭載すると大型になってしまうので、移動の自由度は思いのほか低くなる。移動すると自位置の正確な測定が困難となるので、サイロに比べ慣性誘導の精度は低くなる。湾岸戦争では、イラク軍がこの種の発射台に搭載されたスカッドを使用した。米軍はこれを殆ど捕捉できず、この種の兵器の実用性が確認された。(SS-1C)

[編集] その他

過去には航空機から発射される弾道ミサイル(ALBM)も開発されていたが結局実用化にはいたっていない。なお、このタイプのロケットは人工衛星打ち上げには有効で、ペガサスロケットのような形で実用化されている。

[編集] 分類

現在ある弾道ミサイルは以下のように分類することができる。ただしこの分類は厳格な定義では無い。MRBMを分類に入れない場合やSRBM~IRBMまでをまとめて戦域弾道ミサイル(TBM)と呼ぶ場合もある。現在のところ厳格に定義されているのは米ソ間におけるICBMのみである。

[編集] 関連項目

執筆の途中です この「弾道ミサイル」は、武器兵器に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。軍事ポータル|軍事PJ|航空PJ

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