チーズケーキ
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
チーズケーキ(cheese cake)は、チーズを使った洋菓子のひとつ。
大きく分けて、温製のベイクドと、冷製のレアに二分される。
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[編集] ベイクド・チーズケーキ
焼いたものはベイクド・チーズケーキと呼ばれ、パイ皿に敷いたサブレ生地の上に、クリームチーズやカッテージチーズ、マスカルポーネ、リコッタチーズなどのやわらかく塩分の少ないチーズと砂糖、卵黄、コーンスターチなどを混ぜて泡立てたものを流しいれ、オーブンで焼いたもの。これを特にニューヨークチーズケーキと呼ぶこともある。あるいはチーズ・卵・牛乳などを混ぜて焼き型に入れ、焼いたものもある。
生地にチーズを加えたスフレや、プロセスチーズを混ぜたパウンドケーキなどもチーズケーキと呼ばれることがある。
[編集] レア・チーズケーキ
火を通さず、クリームチーズなどに生クリームを混ぜ合わせたものを冷やし固めたものであり、クッキーを砕いて作ったクラスト生地を下に敷くこともある。あるいはフィリングだけをババロアやムースのようにグラスに盛る「グラス・チーズケーキ」もある。近年はガーゼで包んで販売するものが登場している。バニラ、チョコレート、ヨーグルトなど風味などさまざまな味付けがされることがあり、フルーツ、特にイチゴやブルーベリーのトッピングが乗ることが多い。
ゼラチンで凝固させることが多いが、寒天を使ったり、あるいはクリームチーズ自体やホイップクリームの固さだけで仕上げる場合もある。口どけを最大限に高めるためレモンの酸によってチーズのタンパク質を凝固させる方法もある。この場合はレモンのさわやかな風味が加味されて風味が増す。
[編集] 歴史
チーズケーキの起源は古代ギリシャまでさかのぼり、紀元前776年の第一回古代オリンピックの期間中、アスリートたちに振る舞われていた。ギリシャのチーズケーキをヨーロッパ中に普及させたのはローマ人であるが、現在のチーズケーキとは味も見た目も異なっていたようである。
現在のようなベークドチーズケーキの起源は中世前期ポーランドのポドハレ地方にあるといわれる。フレッシュチーズをふんだんに使用したチーズケーキセルニックは、ここの住民でゴラール(ポーランド語でグラル)と呼ばれるスラヴ系の山の民(グラルは文字通り「山の民」の意味)の郷土食であり、ポドハレ地方では現在でも各家庭のお茶菓子として日に数回も食べられている。
数世紀のちに、チーズケーキは、ポーランドからの移民(とくにポドハレ地方の近くの大都市クラクフからのユダヤ人)が持ち込んだレシピを元に、アメリカに出現する。1872年には、フランスのチーズ、ヌーシャテルを再現しようとしていた牛乳屋が、クリームチーズを新たに開発した。
チーズケーキという言い方は、現在ではチーズケーキ風味の他のデザートを表す時にも使用される。チーズケーキヨーグルト、チーズケーキアイスクリーム、チーズケーキブラウニー、チーズケーキクッキーなどがその一例である。
また、チーズケーキは英語において、セックスシンボルである女性を表す時にも用いられる。グラビアに写っている女性にまつわる話題であれば、特にその用例が見られる。