デニス・エカーズリー
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デニス・エカーズリー(Dennis Lee Eckersley, 1954年10月3日 - )は、70年代後半から90年代後半にかけてアメリカ・メジャーリーグで活躍した投手。カリフォルニア州オークランド出身。
1972年にドラフト三巡目でクリーブランド・インディアンスに入団後、1975年4月にメジャーデビューを果たす。 同年は13勝7敗、防御率2.60で終えるが、惜しくも新人王はフレッド・リンにさらわれる。その後先発投手として活躍、1977年にはノーヒットノーランを達成した。1978年3月にボストン・レッドソックスに移籍、同年に20勝、翌1979年に17勝を挙げるが、その後1980年から1984年は不調が続き、通算で43勝48敗に終わる。
1984年にビル・バックナーとの交換トレードでシカゴ・カブスに移籍。 余談ながらシカゴ在籍中に打者として通算4本の本塁打を放つ。投手としても復活を果たすが、1986年に6勝11敗、防御率4.57と再び不調に陥る。 後に野球殿堂入りのスピーチで、彼はこの時期、アルコール依存症によって苦しんでいたことを告白する。
1987年にオークランド・アスレチックスにトレードされてからは、当時のトニー・ラルーサ監督の方針によりリリーフとしての登板が多くなり、当時のクローザーであるジェイ・ハウエルの故障によってクローザーに指名される。長い髪をなびかせ、サイドスローから放る切れ味鋭いスライダーを武器に、1992年に7勝51セーブを挙げサイ・ヤング賞とアメリカンリーグのMVPに選ばれた。1987年から1992年までのシーズンで、通算236セーブを挙げ、防御率は3点台前半以下を維持する。彼の特徴である図抜けたコントロールが発揮され、1989年には57.7イニングで許した四球はわずか3。1990年には73.3イニングで4であった。クローザーとしてMVPとサイ・ヤング賞の同時受賞を果たしたのはロリー・フィンガース(1981年)に続き2人目である。ちなみにクローザーとしてサイ・ヤング賞を受賞したのは、エカーズリー、フィンガースの他、エリック・ガニエ(2003年)がいる。
1998年に引退、2004年に野球殿堂入り。通算390セーブはメジャーリーグ歴代5位。2005年にはオークランド・アスレチックスから自らの背番号43を永久欠番に指定された。
[編集] 通算成績
- 試合:1071
- 勝利:197
- 敗北:171
- セーブ:390
- 勝率: .535
- 防御率:3.50
- 先発:361
- 完投:100
- 完封:20
- 投球回:3285.7
- 被安打:3076
- 被本塁打:347
- 自責点:1278
- 失点:1382
- 奪三振:2401
- 暴投:28
- 死球:75
[編集] 獲得タイトル・記録
- サイ・ヤング賞:1回、1992年
- アメリカンリーグMVP:1回、1992年
- アメリカンリーグ優勝決定シリーズMVP:1回、1992年
- ロレーズ救援投手賞:1988年、1992年
- オールスターゲーム選出:1977年、1982年、1988年、1990年-1992年
- 無安打無得点試合:1977年5月30日
[編集] 所属球団
- クリーブランド・インディアンス:1975年-1977年
- ボストン・レッドソックス:1978年-1984年
- シカゴ・カブス:1984年-1986年
- オークランド・アスレチックス:1987年-1995年
- セントルイス・カージナルス:1996年-1997年
- ボストン・レッドソックス:1998年