デュープリズム
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ジャンル | コンピュータRPG |
対応機種 | プレイステーション |
開発元 | スクウェア |
発売元 | スクウェア |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM1枚 |
発売日 | 通常版:1999年10月14日 PS one Books:2002年2月21日 LEGENDARY HITS:2007年1月25日 |
価格 | 通常版:5,800円(税抜) PS one Books:2,500円(税抜) LEGENDARY HITS:1,500円(税抜) |
売上本数 | 日本:約14万本 海外:約10万本 |
『デュープリズム』(DEWPRISM)は、1999年10月14日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売されたプレイステーション用アクションRPGゲームソフト。2002年2月21日には再販、伝説的なヒットかは不明だが2007年1月25日にも「レジェンダリーヒッツ」として再々販されることになった。また、国外では『Threads of Fate』(運命の糸)と言う名前で発売された。
目次 |
[編集] 概要
プレイヤーは2人の主人公の内どちらかを選択する事ができる。2人の主人公の2つの物語の舞台や時間軸、登場キャラクターは同じだが、選んだ主人公と他の登場キャラクターとの関係や、リアクション、態度などの違いが生まれる結果、まるで違った2つの物語を楽しむ事が出来るのが特徴。
内容はとてもわかりやすく、ゲームシステムも整っていて遊びやすい。難度も低めで気軽にプレイする事ができ、また個性豊かなキャラクターやストーリー面でもなかなか高い評価をされている。
以上のように現在でも評価の高いゲームではあるが、総じて売り上げ本数としてはあまり振るわなかった。その原因として同社が発売した同じARPGであり、システムに共通する部分が一部存在する武蔵伝が売り上げは高かったわりに、その後シリーズ化が凍結するなど、ユーザーからあまり人気を得られなかった事(デュープリズムは武蔵伝の続編でもなければ製作スタッフ的にも関係無い、新規のタイトルだが、当時は武蔵伝の続編だと誤認される事も多かった)が原因とも言われている。
音楽は仲野順也が担当し、ゲーム音楽ファンの高い評価を得た。サウンドトラックは2006年7月に再発されたものの未だに入手困難であり、オークションでも高値である。
現在(2006年8月)企画発案サイトたのみこむで、『デュープリズム2』はゲームソフトリクエスト項目の中で賛同者が最も多い。
なお、公式サイトはスクウェア合併と同時期に閉鎖されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
- ルウは失った大切な人を取り戻すため、どんな奇跡も起こす【遺産】を求めていた。またミントも自らの野望を実現するため、どんな野心も叶える【遺産】を探していた。物語はこの2人の冒険が交差(クロス)するパラレルストーリー。
- 基本的なスタンスはルウ編がシリアスな物語、ミント編がコメディ的な物語であるが、ルウ編にも笑い所はあるし、ミント編にもシリアスな場面は存在する。
[編集] ルウ編
2年前の雪の晩、謎の「死の右腕」によって殺害された姉クレアを復活させる方法を探して旅する少年ルウ。強力な【遺産】が眠る、という情報を聞きつけやってきたカローナの街で、幾多のライバルや仲間と冒険を繰り広げながら、そこに眠る【遺産】に秘められた真実や自分の能力や出生の秘密などを知っていく。
[編集] ミント編
わがまま・食いしん坊・自分勝手。東天王国のプリンセス・ミントは、あまりにも素行が悪かった事から王位継承権を真面目な妹のマヤに移行されてしまう。納得がいかないミントは次期女王の座を力づくで奪い返そうとするが、東天王国に伝わる【遺産】ブックオブコスモスの前では無力だった。自分にも強力な【遺産】があればマヤになんか負けないのに!という事で、強力な【遺産】手に入れて国をマヤから強奪し、ついでに世界を征服してやるわ!という事で家出を決行、ミントの大冒険活劇が始まった。そして2年後、強力な【遺産】が眠る、という情報を聞きつけやってきたカローナの街で、幾多のライバルや仲間と冒険を繰り広げながらより破天荒に成長していく。
[編集] キャラクター
[編集] 主人公
- ルウ
- 男の子の主人公。性格は真面目で普段は落ち着いており、正義感も強い。5年前ある場所で目覚めるまでの記憶がない。自分が何者かもわからず、彷徨っていた所をクレアと言う女性に救われる。彼女の家に居候するうちルウにとってクレアは命の恩人であり姉のような存在であると同時に何よりも大事な人になる。だが2年前突然現われた謎の男「死の右腕」によってクレアが殺害されるという事件が発生。彼女を蘇らせる事の出来る【遺産】を求めてルウは再び世界をさすらう旅に出る。六角ジカのスープが好物。
- 武器は大斧「アーク・エッジ」。重量があるため隙は多少発生するがリーチは長く攻撃力も高い。モンスターに変身するという特殊能力をもつが、何故そんな事が出来るのかはルウにも分からない。
- ミント
- 女の子の主人公。東天王国第一王女にして第一王位継承者。だが性格・素行ともに余りに王女としてふさわしくない、と重臣会議によって妹マヤにその座を奪われる。怒り狂うミントだが、遺産「ブック・オブ・コスモス」を操るマヤには全く歯が立たず「ならば自分も【遺産】を手に入れればいい」と考え、国を飛び出す。
- 性格は自己中心的でわがままで猪突猛進、一国の姫とは思えない破綻ぶりで、不意打ちや悪巧み、打算ずくの人助けなど、その行動には国を治め、国民を守る王族としての意識は欠片もない。ただ悪人というわけでは無く、憎まれ口を叩きつつも、本当に困っている相手は自分の利益にならなくても見捨てられないなど、通すべき筋は通すタイプ。五人前の食事もぺろりと平らげる食いしん坊だが、見ただけでうろたえるほどカボチャが大嫌い。
- 武器は二個一対のリング「デュアル・ハーロゥ」。軽量で扱いやすく一撃の威力は低いが素早い連続攻撃が可能。飛び蹴りが得意技で、自己流(城での魔法の授業をサボり気味だったため)の様々な魔法を操る。キメ台詞は「ボコボコよ!」
[編集] サブキャラクター
- クラウス
- 町で骨董品屋を営む男性。考古学の研究が趣味で2人の主人公の【遺産】探しに協力する事になる。温和で人当たりのいい性格。仕事よりも趣味を優先する困った人であるが常に家族を気遣うマイホームパパでもある。
- ミラ
- クラウスの妻。商売は二の次で趣味に打ち込む夫クラウスを半ばあきれながらも支える肝っ玉母さん。面倒見のいい性格で料理の腕は玄人はだし。昔は名の知れた剣豪だったらしく、今もその腕は衰えていない。そのためかロッドからはマダムと呼ばれ一目置かれている。
- エレナ
- クラウスとミラの娘でおっとりした性格。間延びした口調が特徴のいわゆる天然で、突拍子もない言動で(本人にはその気がなく)周囲を振り回すことしばしば。親譲りの行動力の持ち主で、主人公を追いかけ、単身モンスターが生息するダンジョンに潜る事も。
- クレア
- 人里離れた山小屋で一人静かに暮らしていた女性で行き倒れていたルウを助けた後、彼と共同生活を営む事になる。彼の変身能力を知っても怖がらないなど相手のありのままを受け入れられる心の持ち主で、自分が何者かもわからなかったルウに心の平安をもたらした。二年前ルウを狙って現われた「死の右腕」から彼を守ろうとして殺される。
- マヤ
- ミントの妹。東天王国第二王女にして現王位継承者。姉とは逆に真面目で礼儀正しく思慮深い性格の持ち主で王族としての意識や東天王国王族の義務である「遺産」の眠りを監視する事も真面目に行っている。姉とは気も性格の反りも合わない、そのためミントと似ていると言われると非常にムキになって否定したりもする、が、ミントが苦手なカボチャのモンスターを呼び出したり、2年ぶりの再会を祝ってカボチャのフルコースをミントに食べさせようとして、うろたえる姉を見て高笑いしたり、ミントに対する態度は「さすが姉妹」と思わせるものがある。姉の破天荒な行動にはいつも頭を抱え、苦言や実力行使による制止を行う事も多い。東天王国に伝わる「遺産」ブック・オブ・コスモスを使いこなすが、ブックに頼り切ってしまっている部分もある。
- ドールマスター
- マヤの側近で古くから国に仕える魔法使い。
- トラップマスター
- ドールマスターの部下。その名の通りトラップ使い。ハリネズミみたいな頭をしている。
- モードマスター
- ドールマスターの部下。変身能力を持つ。ルウ編ではクレア、ミント編ではマヤに化けたりもする。
- サイコマスター
- ドールマスターの部下。強力な超能力を操る。本気を出すと眼を開く。
- ベル
- 【遺産】を狙ってきた女トレジャーハンター。いくつかの魔法を使う。言動は荒々しいが温情深い。かつて「財宝は山分け」の約束でミントとともにある遺跡に挑んだが彼女のだまし討ちを受け財宝を残らず持っていかれた、という事があり、以降ミントを目の敵にしている。なかなか微妙なお年頃らしく、その事に触れられるのを嫌う。切り札として魔法兵器『ヘクサゴン』を持つ。
- デューク
- ベルのパートナー。彼女の事を「アネさん」と呼び慕っている。敵には容赦なく弱い者に優しい男気溢れる性格の持ち主だが、エレナの天然っぷりとミントの名(迷?)演技とあっさり騙され、ミントに何も出来なくなって逃亡するなど単純な所がある。読んだ物語の主人公や他人や物になりきる事で、そのキャラクターと同じ戦闘能力を持てるようになる、「なりきり」という特技を持つ。
- ロッド
- 自ら作った武器を操る武器職人であり熱きソウルを持った戦士でもある青年。「スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ」とう魔道機関を搭載したマシンを持つ。父親は世界最強の剣士と呼ばれた男であり、ロッドも父に憧れていたが病で死去してしまい、永遠に父親を超える事ができなくなってしまったため、父親と違う道で『歴史に名を残す男』を目指して、最強の武器の作成とそれを操る男を目指してジョニー・ウルフという犬とともに修行の旅で世界を回っている。作る武器はどれも高い威力を誇り、それを振るう彼の腕も一流と呼んで遜色ないもの。何事に対しても真剣な熱い心の持ち主だが町外れにテントを張り野宿をしているからか、ミントからは「ただのビンボー人」呼ばわりされている。愛機スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマは彼が挫けそうになった時に支えてくれていたルシールという女性の形見(ミント編だと形見といいつつ実は故郷でピンピンしている事が判明する)。
- メル
- 森の外れにお手伝いのポプルププル人達と住む大魔法使い。魔法で肉体を操作している為、見た目は二十前後にしか見えないが、実際は数百年の時を生きてきており、その知識、魔力は現代の魔法使いの中でもトップクラス。ただ度を越した可愛いもの好きでいつもフリルやレース、リボンだらけの服をまとい、自分のアトリエとその周囲一帯をパステル調の色彩のファンシーな世界に変えてしまっていることから「ファンシー・メル」なる二つ名をもつ。その為町の大人は敬遠しているが子供たちは良く遊びにいくようだ。(ちなみにエレナもその一人で彼女からは「ファンシーさん」と呼ばれている)。多少気難しく意地の悪い面はあるが基本的にはいい人で、尋ねてきた主人公に助言や手助けを行う。ただ実際の年齢を聞く事はタブーらしい。
- ウィーラーフ
- 怒りの山の頂上に居を構える齢千年の怪焔竜。かつてある国の王様に軍隊を差し向けられた事もあったが、一息で100人を丸焼きにし、そのまま国を襲って王様を一飲みにした事もある。性格は多少老人風だが尊大であり、自分の宝を狙ってくる者達に対しては容赦のない攻撃を加える。だがその一方で力を認めた者(実力・内面問わず)に対しては助力を惜しまない。珍しい鉱石や古代の秘宝、忘れ去られた秘術を数多く収集している。メルとは知り合い。
- 何度か主人公と戦う機会があるが、ある一定以上のダメージを与えた後の彼の制止を無視して攻撃を加えると、本気で怒った彼の一息で999のダメージを受けて確実に瞬殺される。
- ブラッド&スモーキー
- 【遺産】を探しに来たが手が出せず街周辺をうろつくゴロツキたち。
- アリーネ
- 酒場のウェイトレス。
- デービス
- 船着場の人。船から落ちたミントを助ける。
- プリマドール
- ヴァレンの遺跡の封印を解くために大魔道士エルロイが作り出した魔道人形。
- エルロイ
- 地下迷宮を作った古代魔術師。
- ギネマ
- かつてガルム樹海にアトリエを構えていた呪法師。かなりアホ。
- マルコ
- カローナの街の子供。
- グレアム
- ベテランの冒険者
- ホッブス
- 裏通りの店の主。
- ジャーゲン
- 酒場の経営者。
- マーカム
- 都のマーカム商店を経営する大商人。
- ヨルダフ
- ゴーストテンプルにかつて存在した妖術僧。
- アタナシウス
- エイオンの一人。「ブック・オブ・コスモス」に精神のみ生きている。普段は賢人だが、ヴァレンに対して強い嫉妬と憎しみを抱いており、彼が絡むと非常に怒り狂う。
- ヴァレン
- かつて存在した最強のエイオン。究極の遺産デュープリズムを作り出したが、それを恐れ羨んだほかのエイオン達の集中攻撃に遭って、肉体は滅びてしまうが、魂とデュープリズムを、エイオンにさえ打ち破れない結界に封じている。
[編集] 主なスタッフ
- ディレクター:杉本浩二
- プロデューサー:田中弘道
- シナリオ:渡辺大祐
- ストーリー原案、演出:島本誠
- 演出:佐藤弥詠子
- キャラクター原案:吉田明彦
- メインキャラクターデザイン:寺田努
- サブキャラクターデザイン:臼田忠泰
- モンスターデザイン:長嶺裕幸
- 音楽:仲野順也
[編集] 関連商品
- デュープリズム 秘密の遺産攻略本(デジキューブ) ISBN 4925075675
- デュープリズム オリジナル・サウンドトラック 音のアトリエ。(デジキューブ) SSCX-10036
- ゲームのサウンドトラック。2006年7月19日、スクウェア・エニックスより再販された。 SQEX-10074~75